「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
ファンの街『青い小鳩』亭、外はもう真っ暗闇に包まれている。
その一室では明かりもつけずに荒い息遣いの少年はじっと一点だけを見つめている。
額から滴り落ちる汗も気にならない。
ただ目の前にあるものにだけに注視する。
その大振りの毛布に包まれた女性にだけ・・・・
「ハァ、ハァ、・・・さん・・・・」
こうしてから小一時間はたっているが、眼の前の女性が目を覚ます気配はない。
そんな女性を目の前にして少年はその女性の名前を呟く。
少年の名前はエキュー。長耳フェチとして有名でその名前を知らないものはいない。
その少年の目の前で眠りに付く女性もまた例外なくその耳は長かった。
「はぁ、はぁ、はぁ、マウナさん・・・マウナさん・・・」
エキューはうわ言のように女性の名前を繰り返し呟く。その呟きには焦りや動揺はない。
どこか高揚した様な、興奮した声音であった。
息遣いもまた疲れからくるものではなく、興奮した息遣いであった。
そんなエキューを他所にマウナは身じろぎもせず、ただぐっすりと眠り続けている。
「マウナさんは・・・マウナさんは・・・ぼくの・・・」
エキューはそう言ってマウナの頬に触れる。
手の平を通してマウナの体温が感じられる。その体温がエキューの下半身に伝わり、そこを際限なく熱くしてゆく。
憧れという想いが体の奥底から熱い激情を沸き立たせ、欲望という現実を突きつける。
エキューはかろうじてそれに抗っていた。
「ぼくはどうしたいんだ・・・???」
マウナの体に触れながらエキューは自問自答する。自分が何をしたいのかがわからない。
いや、わからないわけではない。
わかっているのだ。
ただそれから目を背けているだけの話であった。
そうでなければマウナをこんなところにまで連れ去ってこなかったし、欲望に下半身を熱くさせることもなかった。
『ごめんね、エキュー。あたし、今度クラウスさんと・・・』
マウナの告白。その一言にエキューは失意のどん底にまで叩き落した。
憧れ続けてきた人が自分の元から去ってゆく恐怖にエキューは溜まらず”スリープ”を使って彼女を眠らせた。
すやすやと未だ眠り続けるマウナの姿をみて興奮に下半身を熱くする一方、最後の一歩を踏み出せないでいた。
「もし、手を出しちゃったら・・・」
もし手を出したことがばれたら間違いなく絶交されるに決まっている。
それがエキューにあと一歩を踏み出させないでいた。
しかし、マウナの髪の隙間から覗く長い耳を見ていると、どうしても興奮を抑えきれない。
今ならまだ元通りの仲にもどすことができる。
まだ間に合う。心の奥底でだらかが囁きかけてくる。
『本当にそれでいいの?』
誰かが囁きかけてくる。
このままマウナを解放したからといって何になるというのだろうか?
どうせマウナは他人のモノになってしまう。
決して自分の手の届かないところに行ってしまうのではないか。
それを自分は手を拱いて見つめていることしか出来ないのだろうか。
否、そのチャンスが今目の前に広がっているのだ。
「そうだ・・・マウナさんは・・・」
『そうだよ。マウナさんはぼくの手の内にあるんだ』
「クラウスなんかに・・・」
このままマウナを返せばこれまでどおり可愛がってはもらえるだろう。
しかし、マウナは二度手の届かないところに行ってしまう。
それを考えると、このまま返すことができなかった。
それを後押しするように心の声が大きくなってゆく。
このまま返すな、返せばクラウスにマウナを奪われると。
「ぼくのものにしちゃえばいいんだ!!」
何かに突き動かされるようにエキューは安らかに眠るマウナに圧し掛かる。
鼻先が触れる位置まで顔を近づけると、マウナの息が顔に掛かる。
甘い香りが鼻をくすぐり、エキューの興奮をさらに高め、下半身の熱さをさらに熱くする。
もはや止められないところまで興奮は高まってしまっていた。
「マウナ・・・さん・・・」
エキューはそう呟くとマウナの唇に自分の唇を重ねる。
暖かく甘い感触が唇に伝わってくるのがわかる。
その感触を味わうようにエキューはねっとりと唇を押し付ける。
やがてもっともっとマウナを味わいたいという欲望が強くなり、ゆっくりと舌をマウナの口の中に押し込んで行く。
「んちゅっ・・・ぷちゅぁっ・・・」
マウナの口の中に入り込んだエキューの舌がゆっくりとマウナの口の中を嘗め回してゆく。
歯茎を、白い歯を、口内をゆっくりと丹念に舐めあげてゆく。
溢れ出す唾液がマウナの口の中に流れ込み、くちゅくちゅと音を立て始める。
その音さえも今のエキューを興奮させるのだった。
「あむっ・・・んんんっっ・・・」
マウナの口の中に流れ込んだ唾液を自分の舌でかき回すようにしながらマウナの口内に撫で付けてゆく。
マウナの口の中からも唾液があふれ出し、エキューが流し込んだ唾液と混じりあい、大きな音を立てる。
その音をもっと聞きたいとばかりにエキューはさらにマウナの口内を掻き回す。
その舌先がマウナの下に触れる。
それさえも味わわんとばかりにエキューは自分の舌をマウナの舌に絡みつかせてゆく。
「はむっ・・・んんっ、んちゃぁぁっっっ・・・・」
舌と舌が絡み合い、唾液と唾液が交じり合う。
その音がエキューの下半身をさらに熱くさせ、もっとマウナを味わいたいという欲望を掻き立てる。
その欲望に抗おうともしないでエキューはマウナの胸元に視線を落とす。
給仕服に包まれたふくよかな胸を服の上から手を添えてゆっくりと揉みしだいてゆく。
「マウナさんの胸・・・・柔らかい・・・」
給仕服の上からでもわかる柔らかさにエキューの興奮はさらに高まってゆく。
ゆっくりと揉みまわしてゆくと、眠るマウナの呼吸にも変化が現れる。
鼻に掛かったような息をし、呼吸が荒くなってゆくのがエキューには手に取るように分かった。
眠っていてもマウナは興奮している。
そう感じさせてくれる。
もっとマウナを興奮させよう、もっとマウナを感じさせよう。
その思いに駆られたエキューはおもむろにマウナの給仕服に手をかけると、一拍置いてその胸元を思い切り引き千切る。小気味音とともに給仕服が引き裂かれ、マウナの大きな胸が露になる。
「これがマウナさんの・・・」
マウナの呼吸に合わせるようにフルフルと揺れる胸をエキューは食い入るように見つめる。
その柔らかそうな胸にそっと手を差し伸べる。
軽く握ってみただけでもその柔らかさがわかる。
服の上から感じた感触など比較にならないほど心地よかった。
その柔らかさを確かめるようにエキューはゆっくりと指を動かす。
「すごい、吸い付くみたいだ・・・」
マウナの胸を揉みながらエキューはその胸の感触に感嘆の声を漏らす。
白い肌は指に吸い付くように心地よく、胸の柔らかさも程よい弾力が揉みまわす指を押し返してくる。
大きな塊は手の平で覆い尽くすことはできず、余った肉の塊が指の隙間からあふれ出してくる。
そんなマウナの胸の感触をエキューは狂ったように確かめながら揉みまわす。
「マウナさんの胸ってこんなに柔らかかったんだ・・・」
時折抱きついてはこの胸の頬づりをしてはいたが、服の上からの感触と、直接揉む感触ではまるで違う。
その吸い付くような胸の柔らかな感触は極上の柔らかさと心地よさを持っていた。
それは中毒性のあるものでいつまでも触っていたい心地よさであった。
「んっ・・・んんっ・・・」
狂ったようにマウナの胸を揉み回すエキューの指の動きにあわせて、マウナの口の端から甘ったるい声が漏れ始める。
起きてしまったのかと思いエキューはどきりとしたが、エキューの胸の愛撫に体が反応を示しているだけだった。
ほっと胸をなでおろしたエキューの心にその声をもっと聞きたいという欲望がむくむくと頭を擡げてくる。
そしてそれはあっという間に押さえきれないほどにまで大きくなってゆく。
「はぁっ、はぁっ、マウナさん・・・」
「んくっ・・・んあぁっ・・・」
マウナの胸を揉み回しながらエキューは徐々にその硬さを増してきた乳首を指先ではじく。
硬さを帯び弾力が増したそこはエキューの指に弾かれて震える。
そんな乳首をさらに弄ぶかのようにエキューは指先でころころと転がし、押しつぶし、摘み上げる。
その指の動きに乳首はさらに硬くなり、完全に勃起してくる。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・んちゅっ・・・」
「んふっ・・・うううぅぅっ・・・」
乳首が完全に勃起したところでエキューはそれを口に含む。
ミルクの味のするそこをチュウチュウと吸い上げ、舌先で転がす。
エキューが乳首を舐め上げるたびにマウナの口からは甘い声が漏れ、白い肌にはうっすらと汗が浮かんでくる。
自分の愛撫にマウナが感じてくれていると確信したエキューはさらに強く乳首を吸い上げる。
「んくっ、んあああぁぁっっ・・・」
硬く勃起した乳首を交互に舐めまわしてゆく。
ときには舌先で転がし、ときには歯を当てて軽く噛む。
そんな強弱をつけた愛撫にマウナの白い肌には玉のような汗が浮かび、鼻をつく匂いがエキューをさらに興奮させる。
もっとマウナの体を弄びたい、もっとマウナの体を堪能したい。
そんな欲望がエキューの脳を支配する。
「マウナ・・・さん・・・」
エキューの手がゆっくりと下に降りてゆき、白い布に覆われた箇所で止まる。
恐る恐る両足が合流する間に指を差し込んでゆくと、そこはじっとりと潤んでいるのが指先に伝わってくるのがわかる。
エキューは思い切ってそこに指を差し込む。
布地をじっとりと濡らした水気が指先までじっとりと濡らしてくる。
「マウナさんが・・・興奮してくれてる・・・」
マウナの体が自分の攻めに反応し、濡らしていることを実感したエキューはゆっくりと指先を動かし始める。
ぬるりとした感触の向こう側に熱い肉感を感じながらゆっくりと指先を滑らせてゆく。
指先がマウナの下着の上を滑ると徐々に指にあふれ出してきた液体がからみつく。
絡みついた愛液が指の動きにあわせてクチュクチュと音を立て始める。
「んんっ・・・あふっ・・・」
下着の上からなぞられる指の動きにマウナの顔は真っ赤に染まり、溢れ出す声も艶っぽさを増してゆく。
その艶やかさがさらにエキューを興奮させる。
もっとそんな艶やかな声を聞きたいとばかりにエキューの指先が下着の端からその下側に滑り込む。
そこはすでにヌルヌルに濡れ、それでいてとても熱かった。
「ここをこうして・・・」
マウナの下着の下に指を滑り込ませたエキューは傷付けないように注意しながら指先をヴァギナの中に押し込んでゆく。あふれ出した愛液が潤滑油となり、指の侵入を助けてくれる。
指先を奥に押し込むと、熱い感触が指を締め付けてくる。そこは非常に狭く、エキューの指をキュウキュウと締め付けてくる。
「マウナさんの膣内、こんなに狭いんだ・・・」
マウナの膣内の締め付けに感動しながらエキューはゆっくりと指先を動かし始める。
指先が肉壁を擦りあげるたびにマウナは体を震わせて反応を示す。
エキューはその反応が特に大きなところを重点的に攻め立ててゆく。
それにあわせるようにマウナの命の泉から溢れ出す水の量も増してくる。
「んっ、んっ、んんんっ!!」
グチュグチュという音を立ててかき回されるヴァギナから絶え間なく送られてくる快感に、マウナは悶える。
マウナの吐息はさらに熱いものになり、一緒に紡ぎだされる喘ぎ声もさらに色っぽいものになっていった。
そしてそれはさらにエキューを喜ばせ、興奮させる。
エキューの指の動きはさらに速さを増し、マウナをさらなる快楽の海へと貶めてゆく。
「ふぁぁぁっっ、あっ、あっ、あっ・・・」
やがてマウナの吐き出す喘ぎ声が小刻みになり、体も小刻みに震えさせる。
それがマウナの我慢の限界が近いことを意味しているとわかったエキューはさらにマウナが喜ぶところを攻め立てる。
それにあわせてマウナの吐く喘ぎ声も艶を増し、体の汗も量も増して行く。
膣の奥から溢れ出す愛液の量もさらに増し、指の動きに合わせて奏でるいやらしい水音はさらに大きくなってゆく。
マウナの膣内が激しく収縮し、エキューの指を締め付けてその瞬間が近いことを示す。
「ふぁっ、あっ、あっ、んんんんぁぁぁっっっ!!!」
小刻みに震えていたマウナの体が一際大きく飛び跳ねる。
同時に指が収まった膣壁が強烈に締まってくる。その後何度か収縮を繰り返し、徐々に収まってゆく。
マウナの呼吸も荒いものがゆっくりと落ち着いてゆく。
そこまで待ってからエキューはゆっくりと指を膣から引き抜く。
あふれ出した愛液は手首のほうにまで垂れてきている。
「すごい・・・これが女の人がイく瞬間なんだ・・・」
強烈な膣の収縮の感触がまだ指に残っている。
いや、指で膣内をかき回しているときから感じていた収縮感。
ときには絡み付き、ときには締め付けてくるその感触は非常に心地よかった。
その最後の仕上げともいうべき強烈な収縮はその中でも一際心地よかった。
「この中にぼくのを入れたら・・・どんな感じだろう?」
そう考えると股間が痛くなってくる。
限界にまで張り詰めたそれは今にもズボンの中から飛び出してきそうであった。
その興奮を押さえ込むようにエキューは自分の指に付着したマウナの愛液を舐め取る。
さらに指全体に付着したものまで全部舐め取ってしまう。
「おいしい・・・」
女性の放つ愛液は甘く美味であった。喉の奥からもっと飲みたい、もっと味わいたいと求めてくる。
その欲望を満たすかのようにエキューはマウナの股の間に自分の体を侵入させてゆく。
そしてマウナの両脚を方に担ぐようにして持ち上げると、左右に開き、マウナの秘芯を開帳する。
「これがマウナさんの、・・・なんて綺麗なんだろう・・・」
愛液と汗でキラキラと光る貝は神秘的な光景であった。
見ているだけで心が落ち着き、同時に興奮してくる。ここが全ての命の始まりであり、新たな命の出発点でもあるのだ。
そしてそこから溢れ出す愛液はお尻のほうにまで垂れてエキューを誘っている。
その誘いにエキューは前のめりになって答える。
「じゅるっ、じゅるるるるっっ!!」
マウナの秘所に口をつけたエキューは思い切りそこから溢れ出す水を啜り上げる。
吸い上げられた水が喉を潤し、心を満たしてゆく。
しかし外に溢れ出した水はあっという間になくなってしまう。
お尻のほうに垂れたものまで舐め取るが、まだ物足りない。
ならばとエキューは肉ビラを指で割り開き、ピンク色の柔肉を露にする。
「ぶじゅるるるるるっっっ!!」
今度は愛液が溢れ出す口に直接自分の口を押し付け、中に舌を差し込む。
するとその奥からあふれ出してくる愛液を思い切り啜り上げる。
今度は溢れ抱いてくる愛液はなかなか泣くならない。
しかしまだ量が足りない。もっと欲しい、その欲望がエキューを次なる行動に走らせる。
愛液が溢れ出してくる穴の少し上と少し下にある豆と穴に狙いを定める。
皮がむけ、頭をのぞかせたピンク色の豆を指先で摘むところころと注意しながら転がし始める。
同時にその下でヒクヒクと戦慄いている菊の門にも指を当てると、指先でその入り口を撫で上げてやる。
「ふぅぅぅっ、ああああっっっ!!」
触ると同時にマウナの体がビクンと反応する。
エキューが指を動かすと、マウナの菊の門がヒクヒクと反応する。
その動きを楽しむようにエキューは円を描くように指を動かす。
ヒクヒクと戦慄いていた菊の門は徐々にその口を開き、その奥からぬるりとした汁を湿らせてくる。
その汁を確かめるようにエキューは指をこすりつける。
指に絡まる水はクチュクチュと音を立てる。
奥から溢れ出してくる水の量が増すごとに菊の門の口も大きく広がってゆく。
「んっ、んっ、んっ!!」
三箇所を同時に攻める動きにマウナの鼻に掛かった声が艶を増す。
秘所の奥から溢れ出す水の量も多くなり、それを飲み干すエキューの喉を潤してゆく。
部屋に響く水の音とマウナの甘い声。
それが支配する部屋の中でエキューはさらなる欲望に飲み込まれてゆく。
「マウナさん・・・もう我慢できないです!!」
興奮しきり血走った目でマウナを見下ろすとエキューはおもむろにズボンを引き摺り下ろす。
ズボンという戒めを失ったエキューの欲望が勢いよく外に飛び出してくる。
限界近くまで反り返り膨らんだそれは青い血管を浮かび上がらせてビクビクと震えている。
先端からは半透明の液体が滴り、竿を伝ってタマの方にまで垂れている。
「これを・・・マウナさんの膣内に・・・」
鼻息荒くマウナに覆いかぶさると、エキューは自分の体をマウナの足の間に割り込ませる。
エキューが体を押し進めると、自然とマウナの両足が開きエキューを迎え入れる体勢が整う。
エキューはそのままさらに腰を進めてマウナのヴァギナに自分の熱くたぎった肉棒をこすり付ける。
あふれ出した愛液が肉棒に絡みつき、クチュクチュと音を立てる。
「マウナさん、イきます!!!」
意を決したエキューはマウナの両脚を抱え込むと、肉棒の先端をマウナの愛液が滴り出てくる穴に宛がう。
肉棒の先端が膣口内に入り込んだところで勢いをつけて腰を進める。
肉棒が熱い肉壁に取り巻かれる感触にエキューは思わず溜息を漏らす。
快感という言葉だけでは収まらない何かを感じながら肉棒を奥へと押し込んでゆく。
ぬるりとした愛液がその動きを助け、エキューを奥へ奥へと誘って行く。
やがて肉棒は全てマウナの中に埋没し、その先端が何かにぶつかる。
「ああっ・・・これがマウナさんの膣内・・・」
その小気味よく締め付けてくる感触にエキューはまたしても溜息を漏らしてしまう。
同時に腹立たしさを感じていた。埋没する自分の肉棒を拒むはずの壁が存在しなかったのだ。
それはマウナが何者にも犯されていない証であるはずだった。しかしそれが存在しないということはマウナがすでに穢れなき存在ではなくなっていたのだ。
そしてその相手は一人しか思い浮かばない。
「クラウスの奴・・・」
マウナのはじめてを奪った男の名前をエキューは恨みがましい声で呟く。
自分が手にするはずだった人を奪われた、自分が奪うはずだったものを奪われた恨みは深かった。
そんな怒り、恨みすらもエキューの肉棒を取り巻く快楽は包み込み、溶かしてゆく。
やがてエキューは無意識の内に腰を動かし始める。
竿に絡みつくヒダも、肉棒を締め付ける肉壁も極上の快楽であった。
その極上の快楽がエキューの心を砕いてゆく。
「うっ、はぁぁ、はぁぁぁっ・・・」
腰を引く度にヒダが竿に絡みつき、カリの部分を擦りあげて腰を痺れさせる。
もう一度その快感を味わおうと腰を押し込むと、今度は先端が狭い入り口にこつんと当たる。
するとそれに合わせるように竿を取り巻く肉の壁が収縮し、肉棒全体を締め付けてくる。
入れても出しても味わえる快楽にエキューは狂ったように腰を何度も何度も引いて押し付ける。
「んっ、くっ、んんんっっ!!」
「ひっ、ふっ、はっ!!」
エキューの腰の動きにあわせるようにマウナの口から漏れる艶やかな声も大きくなってゆく。
その声がさらにエキューを狂わせ、その腰の動きを早めてゆく。
溢れ出す愛液の量はさらに多くなり、タマやお尻を伝ってベッドの上にたれ、大きなシミを作り出している。
「マウナさん・・・もう・・・」
ペニス全体が痺れるような感覚に苛まれたエキューは情けない声を上げて我慢の限界を訴える。
肉棒の奥から込み上げてくる熱いものを必死になって押さえつけようとするが、それももう限界にまで来ていた。
そんなエキューに我慢をするなといわんばかりにマウナの膣内はさらに締まり、エキューの肉棒を締め付けてくる。
「マウナさん、マウナさん・・・」
止まらない腰をマウナの腰に叩きつけながらエキューは狂ったようにマウナの名前を連呼する。
そうすることで込み上げてくる終末を押さえ込めるような気がした。
しかし、マウナの締め付けはそんなエキューのささやかな抵抗すら打ち壊してゆく。
肉棒を包み込む連続した快感がついにエキューの意志の力を破壊する。
「うぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」
マウナの膣内がひときわ激しく収縮した瞬間、エキューは大きな声を上げて全身を激しく震わせる。
と同時に亀頭の先端から熱い何かが迸るのを感じた。
それが迸るたびに腰がガクガクと震え、得もいわれぬ快楽がエキューの体を支配してゆく。
快楽に酔いしれた表情を浮べてエキューはそれを一滴残さずマウナの命の泉の注ぎ込む。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
全て出し終えたエキューは脱力しきってマウナの上に倒れこむ。
肉棒を包み込む内壁はまだヒクヒクと戦慄き、締め付けてくる。
かつて味わったことのないような快感にエキューは至福の瞬間を味わっていた。
そして勢いを失った肉棒はマウナの中から自然と抜ける。
栓を失った穴からはエキューが放った精がゆっくりと逆流しあふれ出してくる。
「マウナ・・・さん・・・」
ことを終えたエキューは未だ眠り続けるマウナの顔を見つめる。
汗をびっしりと書いた顔は紅葉し、さらなる色っぽさを増していた。
その顔を見ていたエキューの下半身はまた熱さを取り戻し、ムクムクと頭を擡げてくる。
エキューにはそれを押さえ込むことができなかった。
「マウナさん・・・」
体を起こしたエキューはマウナを見下ろしながら熱くたぎり始めた自分の下半身に手を添える。
それはもう先ほどことを終えたばかりとは思えないほど熱くたぎっている。
それをマウナの顔の前まで持って来ると、ゆっくりと自分の手で包み込み、擦り始める。
「ああっ、マウナさん・・・」
マウナの顔を見ながら擦るというだけの行為であったが、一度勢いを失ったはずの肉棒は完全に勢いを取り戻す。
勢いを取り戻したそれは血管を浮かび上がらせて激しく脈動している。
マウナの顔を見ているだけでこうまで自分は下半身を熱くさせることができるのかとエキューは不思議な気分になる。
そんな気分のまま竿を狂ったように擦り上げる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ!!」
呼吸がどんどん荒くなってゆく。竿を擦り上げる速度もどんどん速くなってゆく。
心を満たす欲望もまた大きくなってゆく。
もっとマウナを犯したい、もっとマウナを感じたい。
そんな欲望がエキューの心の中で渦巻いていた。
その欲望に満ちたエキューの目がある一点で止まる。
顔と同様に紅葉した長い耳。
それを見た瞬間、エキューの動きが止まる。
愛してやまないエルフの長い耳。
それを見た瞬間、それまで心の中で渦巻いていた欲望が急に冷めてゆく。
竿を擦り上げる動作をやめたエキューはただ呆然とそれを見つめていた。
「マウナさんの長耳・・・長耳、長耳・・・」
マウナを犯したいという欲望が立ち消えたエキューだったが、今度は別の欲望が頭を擡げてくる。
濡れた手でマウナの長い耳を触ると、ギンギンに勃起した肉棒に巻きつける。
そしてそのまま腰を動かして肉棒を扱き始める。肉棒全体を包み込むような肉厚とは違った感触が肉棒を包み込む。
先ほどのような絞り上げられるような快感はない。
しかし扱きあげる手を、手を止めることはできなかった。
それどころか手の動きはさらに加速してゆく。
「ウッ、あっ、あああああぁぁぁっっ!!」
蕩けきった表情を浮べたエキューは激しく肉棒を扱き上げる。
エキューの欲望に答えるように肉棒はさらに大きく膨れ上がってゆく。
その奥に込み上げてくる熱い限界は止まることを知らなかった。
そしてエキューはそれを押さえ込むつもりはなかった。
さらに動きに加速をつけ、擦りあげ、そこへと登りつめてゆく。
「うくっ!マウナさんんんっッッッ!!!」
限界を迎えた肉棒の先から熱い白い液体が迸る。
勢いよく飛び散った液体はマウナの髪を、顔を白く染め上げる。
ことを終えたエキューは大きく息を吐く。
晴れ晴れとした表情を浮べて白濁の液にまみれたマウナの顔を見つめる。
マウナの長耳は精液と愛液が混じりあった液体がこびりつき、エキューをさらに興奮させた。
「う〜〜ん、長耳で擦ったのが一番気持ちよかったかな?」
「ほう〜〜〜・・・せっかくやらせてあげたのにそんな事言うか・・・」
エキューは一番気持ちよかったことを素直に言葉に出して言ってしまう。
その言葉に呼応するように地の底から響いてくるような声がエキューの耳に届く。
怒りに満ち満ちたその声は聞いただけで死に至らしめるほどであった。
そしてその声にエキューは非常に聞き覚えがあった。
恐る恐るその声のした方に視線を落とす。
「マウナ・・・さん??なんで???」
「最初から寝た振りしてただけよ・・・一回くらいエキューの好きにさせてあげようかなと思って・・・」
「え??え〜〜っと・・・」
「それを言うに事欠いて『耳オナ』が一番気持ちよかったとは何事だ〜〜〜〜!!!」
「ひぃぃぃっっ!!マウナさん!許して!!」
「できるかぁぁぁぁっっっっ!!!!!」
怒りのどす黒いオーラを全身から立ち上らせたマウナがエキューに迫る。
命の危険を察したエキューは平謝りする。
しかしお盆を手にしたマウナがそれを聞きいれることはなかった。
毎日ヒースを殴ることで技術を磨いたお盆での一撃がエキューに降り注ぐ。
恐怖に歪んだエキューは逃げ出そうにもマウナの逃げるなという眼差しに逃げることも叶わない。
ただ為すがままに何度も殴られるしかなかった。
「せっかく・・・せっかくやらせてあげたっていうのに!!!」
怒りに任せて何度もお盆を振うマウナ。
そのお盆をエキューは逃げることなく、いや、逃げようともしないで何度も何度も喰らい続ける。
そんなエキューの様子を見ていたマウナはその様子に変化があることに気付く。
殴るたびにエキューの口から熱い吐息が漏れているのだ。
「あ・・・マウナさん・・・もっと・・・もっと殴って・・・」
「うぎゃぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
「あああっ、長い耳の人に殴られるこの快感・・・癖になりそう・・・」
うっとりとした表情を浮べて悶えるエキューにマウナは絶叫を上げてエキューの顔を痛打する。
晴れ上がり何倍にも膨らんだ顔に恍惚の笑みを湛えてエキューは幸せに浸りきっていた。
その夜マウナの部屋からは何かを痛撃する音が耐えなかったという。
THE END