ご主人様への奉仕はまず食事の用意から始まります。
必要なのは新鮮な肉。殺したてで内臓がほかほか湯気を立てているものが望ましいです。動物でもよいですが、人族が最も喜ばれます。
獲物をさばいたら皿に盛って捧げます。ご主人様はそれをがつがつと平らげながら、私に身体の手入れをお命じになります。
私は一礼し、ご主人様の言葉に従って、その身体を舌で清めます。
足の指を丁寧に舐めしゃぶり、毛むくじゃらの脛をなぞり、そして、ここが一番大切なことですが、ご主人様の股間のものへひざまづいて奉仕させていただくのです。
棍棒ほどもある逞しい肉の棒はもとより、獣の汗の匂いのする陰嚢様や、汚れた肛門も舌で丁寧にご奉仕します。
ご主人様は肉をくちゃくちゃと噛みながら、私の奉仕のふつつかさをお叱りになります。舌が短くてあまり広い面積を舐められないことや、口が小さくてご主人様の亀頭を含むことがなかなか難しいこと、また匂いに噎せて呼吸が苦しくなってしまうのが悩みの種でした。
ご主人様は私の性技の未熟なことをお怒りになり、時には私の顔や腹などを蹴ったりすることもございました。そして最後には私の髪をつかみ、喉の奥へと逸物をむりやりねじ込まれるのです。このときは苦しくていつも涙が出ました。
それから私の喉の奥の粘膜を自由にお使いいただき、一度精をおやりになります。
もちろん、ご主人様の精はすべて飲み干さなければなりません。ですが、あまりに濃く粘ついて、また大量に出されるので、私はいつも溺れるようになって、口から溢してしまうのです。
ご主人様はそんな私の滑稽な様子に薄く笑みを浮かべられ、床などに零れた白い精をすべて舌で拭うまで待っていてくださいます。
その頃には皿の上のお肉はなくなってしまうのが通例でした。そこで私はお酒と、また媚薬の入った軟膏を運びます。
ご主人様がお酒を飲んでいる間、私は服を脱ぎ、股からへそ、胸全体に媚薬を塗りこみます。このとき、お尻の穴にも薬を塗りこんでおかなくては、簡単に裂けてしまうことがありますので気をつけなければいけません。
媚薬はスースーとひりつくような感じがあり、しばらくすると頭の芯がぼうっとなって、全身がじんじんと熱くなってまいります。それでいて皮膚や粘膜の感覚は鋭くなるのです。
軟膏を塗った後、私はご主人様の膝の間に抱えられまして、逞しい男根に抱きつくようにして身体をこすり付けます。股の割れ目を密着させ、ふとももや乳などの柔らかい部位で包むようにして前後へ動かすのがコツです。
ぬるぬる、ぬるぬると、しばらくご奉仕しておりますと、ご主人様の雄渾な逸物がさらに怪物のように膨張されます。それはもう、鉄のように硬く、溶岩のように熱くて、バルバロスという種の偉大な生命力を代表するかのようなのです。
ご主人様はまず、その切っ先を私の前の方の穴にあてがわれます。
ですが、私の性処理用の穴は、仕様上、ミノタウロスであるご主人にはとても狭く、なかなか挿入に至りません。とはいえ時々は、軟膏の効力によりズブズブと滑り込んでしまう場合もございますが。
慈悲深いご主人様はしばしば、その長い太い舌をお使いになって、私の穴を拡げてくださいます。ご主人様の舌は私の腕よりも長く、いつもじっとりと唾液で濡れそぼっていて、くねくねと自在に動くのです。
媚薬で敏感になった股間をご主人様のその舌で貫かれるのは、実になんといいますか、とてつもない体験でございまして、私はいつも身も世もなく泣き叫んでしまうのです。
子宮の入り口に近い奥をぬめった舌でぐりぐりと圧迫されるあの感覚は、味わった者でしかわからないでしょう。
ぐったりとしてしまった私を高いところから見下ろして、ご主人様はよくこう仰います。
『――このまま性器を抉り出して食ってやろうか――?』
『はい、おねがいします』
と、私は答えます。そうすると、ご主人様は愉快そうに笑い声を上げながら『そんなことはしない』と仰るのです。それは一つの約束事のようなものでした。
『お前は俺の人形だ。食うよりも他の使い道がある。お前はこのままずっと、永遠に、俺にいたぶられ続けるんだ』
『ありがとうございます。ご主人様にご奉仕できて幸せです』
……あの時は、心から私はそう思っていたのです。
ご主人様は私のその答えに概ね満足されましたが、稀に『人形は、やはりつまらん』と仰ることもありました。私はその度に、至らぬ自分を反省したものです。
ご主人様は慈悲深い方でしたので、それでも私を毎晩のように使ってくださいました。一番多かったのは、四つんばいになって後ろから貫いていただく方法です。
尻を大きく開かれ、めりめりと巨根で征服されるのです。
ご主人様の逸物は私の小型の性器では半分ほどしか入りきらず、まるで宙にぶら下げられたような状態になることもありました。お腹全体がぐうっと圧迫されたようになり、激しく出し入れされると、お腹の肉を突き破ってへそから飛び出しそうなほどでした。
私はご主人様が気をやるまで、痛みと性的な刺激で何度も失神しました。大量の精でお腹がたぷたぷとなる感触があり、それでようやくうっすらと覚醒することもしばしばでしたね。
ご主人様はとても性欲の強い方でしたので、もちろんそれが一度では終わりません。二、三度は必ず射精されました。
前の穴が拡がって緩むと後ろの穴、という感じで、肛門もよくお使いになりました。そう、ですから先ほど申しましたように、軟膏を先に塗りこんでおく必要があったのです。それでも、激しく腰をお使いになると裂けてしまいます。
私はそういったとき、必死にご主人様におすがりして動きを緩めていただくようお願いするのですが、決して聞き届けていただけません。ご主人様は私をいたぶるのを愉しんでいらっしゃるからです。泣き叫んでも許してはもらえません。
私はご主人様の道具だったので、仕方のないことなのですが……。お尻を壊されるのは何度されても辛いものでした。
それからひと段落着くと、ご主人様はお酒をおかわりされます。
ぐいぐいとお飲みになりつつ、膝の上に精でどろどろの私を載せて、乳首を弄られたり穴をほじって遊ばれたりするのです。そのまま部下の方と談笑されたり、外を散歩されたり、指示を出したりもされます。
その際には私の性器やお尻に挿入され、何時間もじわじわと動かされて愉しまれる事もありました。私は気をやるにもできず、硬い肉の棒で感じさせられたまま、フワフワと漂うようになります。そして少し気を抜くと乳首を血が出るほど抓られて意識を覚醒させられるのです。
この責めはご主人様が飽きられるまで延々と続き、私はそれをひたすら耐え、嬲られるのみでした。
部下の方は大勢ご主人様をたずねてこられて、誰もが私の浅ましい格好に好色な目を向けられました。じっとりとした視線で舐めるように視られることは恥ずかしくてたまらず、必死に身体を隠そうとしてはご主人様に窘められたものです。
部下の方々は、私に勝手に手を出すことは基本的にされませんでした。私はご主人様の人形であり、所有物であるからです。
ただし、ご主人様が許可なさった場合は別です。
ご主人様が部下の方に、褒美の代わりとして私を与えることもありました。多額の財宝を手に入れてきたボガード上位種の方々に輪姦されたり、あるいはご主人様のご友人であるミノタウロス様にご奉仕することを命じられたりしました。
特にミノタウロスの方々はみなさん大変に性欲が激しく、ご主人様と二人掛かりで前後ろの穴を貫かれた時は生死の境をさまようほどの苦痛と快楽に苛まれました。全身が肉の袋になったようと申しましょうか……。ほとんど朦朧として、よく覚えてはいないのですが。
裂けた肉穴から血を流して倒れている私に、ご主人様が魔法で癒しを与えてくれたのは良い思い出です。
髪までべっとり浸かるほどの精液のプールに沈んだ私に、ご主人様がもったいなくも神の奇跡を授けてくださったのです。開放と力の神々の奇跡は優しく、痛みと治癒はともに私の幸福でした……。
「……といったようなご奉仕をアレクさまにもさせていただきたいのですが、あの、えっと、どうされました?」
ユーリカの話を、途中から魂が抜けたようになって聞いていたアレクは、はっと首を振って意識を取り戻し、
「あ、は、ははは。ご、ごめんちょっとトイレ」
と言ってそそくさと去っていく。
不思議そうに首をかしげるユーリカをチラッと振り返り、アレクはドキドキする心臓を押さえつけた。
(……うわあ……。どうしようヴラド、俺もうユーリカの顔をまともに見られないよ……!)
どうしたって今の話を思い出してしまう。ユーリカのあの白くて細い腰に、そんなすごいものが――なんてことを考えてしまう。
それになにより、そこまでユーリカを支配し蹂躙していたボグズへの嫉妬や羨ましさのようなものが胸の奥に湧いていた。
言い換えれば、それはユーリカへの征服欲だった。
(……どうしよう……俺、ユーリカにこのまま迫られ続けたら……)
アレクの脳裏に一瞬、首輪を付けられ鎖をひきずったユーリカの姿が浮かんだ。そしてその横に、同じ格好をしたリリアンナ――。
もちろん、アレクは二人を大切にする。大切に、そう、『飼う』のだ――。
(ああああ! 色々ごめんなさい、許してくれ……)
そう思いながらアレクはトイレで必死に己のナニを扱くのだった。