(………なにこれ………なにやってんの?………)  
マウナの視線の先には、信じられない光景が広がっていた。  
 
ヒースが自身の肉棒を、イリーナの蜜壷へと挿入し、ピストンを加えている。  
腰を突き出したイリーナは木にしがみついてヒースの肉棒を受け入れ、淫らに喘いでいる。  
「くくっ、イリーナどうした、随分と感じてるみたいだな。外でやるほうが気持ち良いのか?」  
「あ…ッ、ち…ちが……はっ…んッ…ああ…ッひぁ…っ」  
 
仲間二人の痴態。マウナは顔を真っ赤にしながらも、目を背けることが出来なかった。  
 
◆◇◆◇◆  
 
きっかけは、なんてことはない。好奇心からだった。  
最近ヒースとイリーナは、付き合いが悪い。飲みに誘っても、いつも途中で帰ってしまう。  
気真面目なイリーナは早く帰ろうとする事は前からよくあったのだが、  
たいていはヒースに適当に丸め込まれ、結局遅くまで飲んでいるというのがほとんどだった。  
しかし最近では、いつもヒースと二人で店を出ていく。  
二人揃って――というのがきな臭かった。  
 
「もしかして、幼なじみ同士が急接近で夜の密会!?」  
 
そんな想像をしつつ、適当に理由をつけて店を出た二人をマウナは尾けていった。  
着いた先は、夜の公園。だが、ラブラブデートといった雰囲気は無く、  
二人が向かったのは公園の隅の茂みの中だった。  
そして二人は夜の行為を開始したのだ。  
そこからマウナは自分の目と耳を疑いっぱなしである。  
 
 
 
「今日は…ここでするの?兄さん……」  
「ああ。言ったとおり、下着はちゃんと穿いてないんだろうな?見せてみろよ」  
「は…はい…」  
顔を赤くしながら恥ずかしそうに、短いスカートをたくしあげるイリーナ。  
その中には、剥き出しの割れ目がぬらぬらと光っていた。  
ヒースはイリーナの前に座り込み、よだれを垂らす秘部を見ながら嘲笑する。  
「はははっ、すごいな、もうこんななってやがる。…そんなに恥ずかしかったか」  
言いながらヒースが左手の親指と人差し指でこじ開け、右手の中指を挿入すると、  
イリーナはたまらず声をあげ、腰をくねらせ、蜜をしとどに溢れさせる。  
 
「こんな短いスカートに下着を着けず…こんな格好で街中を歩いたのか。神殿では筋トレもしたんだろ?  
見られちまってたかもなぁ、お前のここ…明日には『ファリスの猛女は淫乱娘』なんて噂になってるかもな」  
「ひゃ…や…だぁ…そんな…のぉ…っ…はっ…あぁ……」  
イリーナは恥ずかしさと快感故に目に涙を溜め、顔を真っ赤にしている。  
「よし……イリーナ、後ろ向いて木に手をついて、お尻をこっちに突き出すんだ」  
「え………はい……」  
素直に言われた通りの体制になるイリーナ。半ば四つん這いに近い状態で、蜜穴がヒースに弄ばれている。  
自分から見えないぶん、恥ずかしさと快感は増大する。  
ヒースが後ろからイリーナの蜜穴に舌を挿れると、指とは違う、ざらついた感触がイリーナを襲った。  
ちゅぱ…ねちょ…くちゃ……と、愛液と唾液が混ざりあう水音に、イリーナの官能が掻き立てられる。  
時折汁を吸い上げるように啜ると、イリーナの腰がガクガク痙攣し、泣くように喘いだ。  
ヒースの舌による器用な愛撫により、イリーナは早くも絶頂が近くなっていた。  
「あっ…あはぁッ!…ヒ…ス……にぃさ…んあッ…もっ…と…んッ……はぁはぁ…」  
 
「あっ…あはぁッ!…ヒ…ス……にぃさ…んあッ…もっ…と…んッ……はぁはぁ…」  
ヒースも夢中で舌を滑り込ませる。イリーナの敏感なポイントを的確に責め、溢れる蜜を舌に絡める。  
ぷっくりと膨らんだ肉芽を舌で舐め回し、チロチロと刺激を加え続け、  
ずずずずずっ…と勢いよく蜜を啜るとイリーナはすぐに絶頂を迎えた。  
「あ…ぁあ…ッはぁあああぁん!!…はぁ…はぁ…はぁ……」  
声と共に秘穴から欲汁が流れ落ち、ふとももを伝っていく。  
途端に力が抜け、その場に膝を付きそうになるイリーナの腰を、立ち上がったヒースが支えた。  
「おいおい、まだ満足出来ないだろう?こいつが欲しくてたまらない…そうだろ淫乱猛女」  
はち切れんばかりに巨大化した男根を、ヒクヒク痙攣する蜜壷に押し当てた。  
イリーナは余韻に浸る間もなく、続く行為を想像して歓喜に身を震わせる。  
「は……早くっ…はぁはぁ……兄さん、早く……ください……っ」  
懇願するイリーナだが、肉棒は動かぬまま。イリーナは我慢出来ずに腰を悩ましげに動かした。  
 
「……まだわからないのかイリーナ。これが欲しいときは、なんて言うんだっけなあ?  
教えただろう?忘れたのか?それとも欲しくないのか?……」  
意地の悪い口調でイリーナを煽る。  
イリーナは思い出したように、その台詞を口にした。  
「…も…もう我慢出来ません…ヒース兄さんの…お、おっきいおちんちんを…  
わたしの…お…おまんこに…突っ込んでくださいぃ……っ」  
「よし、合格だ。…ほらッ!!」  
後ろから、一気に奥まで肉棒を挿入した。充分に濡れたそこは抵抗無く男をくわえ込む。  
痺れるような快楽でイリーナは恍惚となり、よだれを垂らして喘ぎ散らす。  
ヒースが激しく前後にピストンを開始すると、イリーナも自ら腰を動かして快楽を貧った。  
 
◆◇◆◇◆  
 
マウナは二人の行為を食い入るように見ていた。  
何がなんだかわからない。  
夜の甘ったるいデートなんかを想像していたぶん、ショックは大きい。  
何より、こういうことに奥手だったはずのイリーナが、こんなにも激しく行為に及んでいる事実が信じられない。  
さらに気になるのは二人の関係だ。  
会話を聴くかぎり、恋人同士になったわけではなさそうだし、  
ヒースがリードしている…というよりは、まるで主従関係にあるかのような、尊大な態度。  
いや、ヒースが傲慢なのは前からだが、それにイリーナが忠実に従うことなど無かった。  
自分の知らないうちに、二人の間に一体何があったのだろう?  
 
何もわからないマウナは、二人の痴態を見ているうちに、次第に胸の奥が熱くなるのを感じた。  
込み上げる感情は、淫らな二人への嫌悪感、取り残されたような孤独感…そして、押し止めようもない官能…  
自分の息が荒くなっていることに気付いて、マウナはその場を去った。  
 
―――これ以上、見てはいけない。  
今見たモノは悪い夢だったんだ。  
 
二人の行為よりも、自分に芽生えた感情を否定するかのように、  
自分に言い聞かせながら足速に「青い小鳩亭」へ帰った。  
しかし、マウナはその時、自分の頭上を追うように付いてくる一羽のカラスに気付いていなかった。  
 
 
◇◆◇◆◇  
 
 
部屋に着くと、マウナはベッドの上にどっと倒れ込んだ。  
たいした事はしていないはずなのに、この疲れは一体何なのだろう。  
「…………………………」  
マウナは何も考えないことにした。早く寝てしまおう。  
朝が来ればこの妙な夢も覚めて、なにもかも忘れられる………。  
そう願って布団を被り、瞼を閉じた。  
 
しかし、瞼の裏に二人の痴態が焼き付いて離れない。  
早く眠ろうとすればするほど、淫らな事を考えてしまう自分がいる。  
何より、身体はどうやら夢を終わらせたく無いようだ。  
まるで火が灯ったかのように……熱い。  
 
身体の奥底から沸々と沸き上がる官能の渦が、マウナの意識を徐々に支配していった。  
「ああ……ダメ………」  
右手がゆっくり、股間へと伸びていく。  
下着の上からそこに触れると、既に少し湿っており、  
布ごしに感じられる爪の感触が、秘部を痺れさせ、官能を刺激する。  
「……はぁぁ………んんぅ…っ…」  
切ない声を漏らし、身体を震わせる。  
(我慢出来ない…もう……)  
欲望に負けた自分を恥じながら、目に涙を浮かべて指で秘部を刺激する。  
こんなことは、初めてだった。  
ファンに来る途中で盗賊に襲われ、犯されかけたこともあったし、  
長い貧乏生活の中で身体を売ろうかと考えたこともあった。  
しかし、盗賊の時は間一髪で助かったし、母から貰った身体は大事にするべきと思い  
どれだけ金に困っても自分を安売りするような真似だけはせず、純潔は守り通してきた。  
理由も無く股間が疼いた夜も何度かあったが、自分の割れ目に指を突っ込むことなど出来なかった。  
何か汚いような気がして……。  
性に関して潔癖だったマウナの価値観は、仲間が「あんなこと」をしていた事実にあっさりと破壊された。  
 
仲間のことを考えて秘部を濡らす自分。仲間の痴態を思い出し秘部を弄る自分。  
その背徳感が秘部から蜜を溢れさせ、快感をより深いものとする。  
指が動く度、身体を駆け巡る快楽の洪水がマウナの意識を溶かし、溺れさせてゆく。  
息が荒くなったマウナは仰向けになり、左手を服の中に滑り込ませる。  
形のいい胸の先、突起した乳首を親指と人差し指でコリコリと転がすと、脳を劈くような快感が走る。  
「……ッ…!!あぁ、ん、んん……っ」  
情欲に溺れたマウナは無意識に右手を下着の中へ入り込ませ、指で直接刺激を加える。  
身体の熱、蜜に濡れた重い下着の感触、柔らかい恥毛、ぬめる粘液を指に感じる。  
少し奥まで中指を入れると、きつく締め付ける膣壁の感触を受け、グニグニと中指を蠢かせる。  
身体の芯から行き渡る快感に、よだれを垂らして声を漏らす。  
「あ…ぅあっ……はぁっ……あっ、あっ、ああっ……あん…」  
快楽に導かれ、いつしかマウナは大きく足を広げていた。そのあられもない姿が羞恥心を掻き立て快感を煽る。  
(こんなところ、誰かに見られたら……)  
そう考えただけで、蜜が溢れてくる。  
 
溢れる蜜と、出し入れする指がいやらしい水音をたてる。  
ぴちゃ…くちゅ…ぬちょ……  
(あ…はぁ……気持ちいい…凄い……でも、あの二人はもっと……)  
もっともっと、激しいくらいにピストンしていた。そのことを思い出す。  
(もっと激しくすれば、もっと気持ち良くなる……)  
どす黒く侵食した情欲は、とどまることを知らずマウナを突き動かした。  
「あっ!…んっ!ふぅっ…!あっ!ひぁっ!ああ…っ!」  
じゅっ、ずちゅっ、ぐちょっ……  
激しい手の動きに、恍惚となるマウナ。そして……。  
「は…うぅっ!!?」  
びくびくっと、秘肉が痙攣すると、一瞬目の前が真っ白になって、一際強い快感が爆発する。  
絶頂に達し、何かが弾けたような感覚に包まれるとともに、堪え切れず小水が流れ出した。  
(あ、あ、ダメ、ぜ、全部出ちゃう……)  
割れ目からチョロチョロと流れる黄金色の水にベッドのシーツが汚され、黄色い染みが広がっていく。  
 
言いようの無い恥ずかしさと脱力感が胸を締め付ける。  
腰が抜けて動く事も出来なくなったマウナは睡魔に襲われ、  
シーツを片付けもせずそのままの格好で眠りに就いた。  
その時、窓の外から一部始終を見ていたカラスが、目を光らせバサバサと飛んで行った。  
 
 
翌日。  
目が覚めたマウナは恥ずかしさで顔を真っ赤にしながらシーツを片付けた。  
おばさんには、こんな年でおねしょをするなんてみっともないと笑われた。  
もちろん内緒にしてくれる、とは言ったが、それでも恥ずかしくて仕方が無い。  
昼近くになっても、気分は晴れなかった。もしこのことがヒースに知られたら、どうなるだろうか…と、  
一瞬そんなことを考えて、また割れ目が疼いていた。  
そんな時、厨房から声が聞こえてきた。  
「マウナちゃん、掃除終わったらお昼休み入っていいよー」  
掃除はすでに終わっていた。マウナは、普段着に着替えようと部屋へ向かった。  
 
部屋に入ると、やはりどうしても浮かんでくるのは、昨夜の自慰の記憶。  
…どうしてあんなことをしてしまったのだろう。  
どうしてあんなに気持ちよかったのだろう。  
綺麗に取り替えられたシーツを見て、失禁した事実を思い出す。  
恥ずかしい。顔から火が出そうだ。もうこんな思いはしたくない……そんな願いと裏腹に、  
知らず知らずに熱くなっていく身体と、股間へと伸びる手があった。  
(だめ……また………)  
 
 
欲望には勝てず、気付けばまたベッドの上で乱れていた。ウェイトレスの服も着たままで。  
全てがどうでもよくなった。ただ、快楽が欲しくて。  
取り替えたばかりのシーツがびちょびちょになるほどに身体を震わせていた。  
一心不乱に自慰に耽るマウナは、部屋の外の人の気配に気付くことはなかった。  
 
 
ガチャ。と、ノックもせずに扉を開ける音が聞こえた。  
ゾクッ………。熱くなった身体に、一瞬、凍り付くような寒気が伝わる。  
(え…まさか…鍵を閉め忘れ………)  
その事実を認識した時には既に遅く、目の前には、淡い金髪の男が立っている。  
ヒースクリフ。よりにもよって、最も見られたくない相手である。  
 
現実に引き戻されたマウナに、絶望の二文字が重くのしかかる。  
(み……見られた……ヒースに……)  
股を開き、汗に塗れ、秘部を濡らす痴態を。浅ましい姿を。  
 
もはや『何故ヒースがここにいるのか?』とか、『ていうか勝手に入ってくんなよ』とか、  
そんなことはどうでも良かった。  
ただ、恥ずかしい。恐ろしい。震えることしか出来ない。  
目の前のヒースはと言えば、驚く様子もなく、ただニヤついてこちらを見ている。  
いっそのこと、大声で騒いでくれればまだ諦めもつくというのに。  
 
なめ回すような視姦に耐えかね、秘部はさらに蜜を溢れさせていた。  
マウナはどうしていいかわからず、とりあえず下着を穿こうと、ふとももに引っ掛かった下着に手をかけた。  
それを見たヒースがようやく沈黙を破る。  
「続けないのか?マウナ。随分とよがっていたみたいだが」  
「……ッ…!」  
こんな状況で続けられるわけがない。  
「昨日なんて小便漏らしてシーツぐしょぐしょにしちまう位に感じてたんだろ?  
今日はその程度で満足してるのか?」  
「!!?な……」  
 
何でそのことを…?先を言おうとして、口をつぐむ。  
認めたくない事実を他人から突き付けられることで、恥ずかしさは一層強いものになる。  
マウナは何も言えず、ヒースから目を逸らした。  
「全く…ノゾキだけでは飽きたりずオナニーまでしやがって……その揚句におもらしか、本当に好きモノだな」  
いやらしく含み笑いをしながらヒースは言う。  
「!な……なんで……ッ」  
「なんで知ってるのかって?目撃されたらウザイからいつも周囲をフレディに見回りさせてるんだよ。  
いや、昨日はまさかお前が来るかと驚いたが…逆に面白そうだと思ってな、見せてやってたんだ。  
帰る時も気になったからな…お前を尾けさせてもらった。ずいぶん面白いもんが見れたぜ、ククク」  
「……………っ」  
鳴咽を堪えるように、泣きだしそうな声でマウナは懇願した。  
「お願い…だ、誰にも言わないで…なんでもするから…っ」  
その言葉を聞いてヒースは、計算通り…といった顔でニヤリと口元を歪ませる。  
「…そうだな、それじゃあ……さっきの続きを、俺の目の前でやってもらおうか」  
 
「………………っ」  
「出来ないのか?」  
「…………わかった、わよ………」  
予想はしていた。だからその要求自体にはそれほど驚いてはいない。  
だが、実際にやるとなるとやはり躊躇ってしまうものだ。  
秘部へ向かう指が引き攣り、体は震え恐怖の信号を示す。  
唯一、肉の花弁だけは主の意思を無視しヒクヒクと痙攣し、男を求め蜜を垂れ流していた。  
 
震える右手中指が秘部に触れる。  
「…ん……ぅッ……」  
体中に電撃が走るような感覚に、マウナは声を押し殺した。  
そのまま指を、ゆっくりと秘穴へ挿入してゆく。じわりと溢れ出す蜜がたやすく中指を迎え入れた。  
「……ッくう……っ!」  
自慰を見られている。それも、仲間に。さらに言えば、最も見られたくない人間のうちの一人に。  
その事実が羞恥心を掻き立て、マウナの中に眠っていた官能をゆっくりと目覚めさせていた。  
恥ずかしい。怖い。何をされるかわからない。  
そんな感情に頭は埋め尽くされているはずなのに、蜜壷は未だに愛液を流している。  
 
マウナは感じていた。自慰を見られている事実に。ヒースの視姦に。  
この淫らな姿を、もっと見られたい。もっとよく見てほしい。  
―――いや。  
じっとりと汗ばんだ身体は熱を帯び、快楽を寄越せと理性にせがむ。  
―――今すぐ身体を貫いてほしい。  
…嘘だ。そんなこと思ってなんかいない。思いたくない。  
マウナは指を止めた。  
これ以上挿れたら、これ以上感じたら、自分の肉欲を認めることになるから。  
 
「…………おい、マウナ」  
少しいらついた口調で、ヒースが声をかける。  
「いつまでそうしてるつもりだ?…早くしろ」  
「…………っ………」  
このまま指を入れ、掻き回せば……快楽を受け入れ、その姿をヒースに見せれば、全ては丸くおさまる。  
従わなければ、きっとこの男は本当に言い触らすだろう。でも………  
屈したくない。こんな最低な男に………。  
 
もちろん言い触らされたくも無いのだが、屈したくもない。  
プライドの矛盾と長い緊張でマウナの思考は混乱してきた。  
自分でもどうしていいかわからず、涙目で秘部に触れる指を震わせている。  
マウナの思考を読んだヒースは冷ややかな目でマウナを見下ろした。  
 
「続き…しないのか?マウナ……」  
マウナは、必死にヒースから目を逸らした。  
ヒースはそれを見て、少し考えてから深い溜め息をついた。  
 
「ハァ……仕方ないな………。続きが出来ないなら…俺様が続きをさせてやろう」  
ヒースは懐から何かを取り出しながら、左手でマウナのふとももを掴んだ。  
 
「っ!!」  
マウナ戸惑っているうちに、並の戦士などより強い力で、抵抗する間もなく足を広げさせる。  
「あっ…ちょ、ヒース………っ」  
抗議の声も虚しく、マウナは右足を大きく上げられ、性器を剥き出しにしたあられもない格好をさらけ出した。  
ふとももに引っ掛かった下着が左足も引っ張る形となり、M字型に開脚してしまう。  
自分の性器がだらし無く開いている様を見せ付けられ、余りの恥ずかしさに手で目を覆った。  
「イヤっ……やめてヒース、何を……っ」  
「だから『続き』をしてやるって言ってるだろう」  
ヒースが懐から取り出したのは、一本の短剣だった。  
小さな鞘に収められたままのソレを、マウナの秘所に宛った。  
「ひっ」  
身体の最も熱い場所に冷たい鞘が触れ、その刺激に声を漏らす。  
拒絶の意思とは裏腹に、身体はまた蜜を滲ませた。  
 
「欲しがってるみたいだな。やるよ、ホラ」  
そう言うや否やヒースは鞘に包まれたダガーを一気に捩込んだ。  
 
「ひあ、あ、ああぁぁっ!!」  
充分に濡れそぼったそこはあっさりとソレをくわえ込み、処女の証まで到達させる。  
「あ、あ、あ……や、やめ、て、ヒース……」  
純潔を失う恐怖が、ヒースに懇願する。  
しかし、そんなことはお構い無しに、ヒースは無理矢理ダガーを突き進ませた。  
 
「はぁぁあああっっ!!!」  
 
のけ反るマウナの身体中を、破瓜の激痛が駆け巡る。  
どんなに濡れていても、痛みは消えない。  
「あ……ッ、ひっ、…ひっ、……」  
身体の芯が壊れてしまいそうな痛みに涙を流し、肩で息をする。  
マウナの秘部から、愛液と混じった血液が一筋、尻肉を伝わりシーツに赤い染みを作った。  
「くくっ、また交換しなきゃならんなあ、シーツ」  
ヒースは笑いながら、ダガーを小さく掻き回して遊んでいる。  
そのたびに、ぐちょ、じゅぼっといやらしい水音が響き、まだ痛みのやまない秘部に刺激を与える。  
 
激痛と紙一重の快楽に、マウナはいつしか翻弄されていた。  
「―――あ、ひぁ…抜いて、ダメぇ…ひうっ!ぅああ……」  
ぶじゅ、くちゅ、ねちゃ、ぐちょ……  
「……え……?」  
続いていた水音がやんだ。ダガーが引き抜かれたのだ。  
蜜によっててらてらと光り、長く糸を引いている。  
「…どうした?残念って顔をしてるぞ?抜いて欲しいんじゃ無かったのか?」  
意地悪なヒースの言葉に、マウナはまた涙目になった。  
 
…違う。求めてなんかいない。そう心に言い聞かせたが、身体の奥で雌の本能が疼く。  
もっと欲しい、くわえ込みたい。  
その欲望が、理性を黒く塗り潰していく。  
「…どうしたマウナ。腰をそんなに動かして。そんなに誘って、やっぱり入れて欲しいのか?」  
「…!」  
快楽を欲したマウナの中の雌は、無意識に腰をくねらせていた。  
「欲しいんだろう?俺様のチンコが…なあ?」  
返事も聞かずに、ヒースは自身の肉棒をさらけ出すと、マウナの蜜壷へと宛う。  
それだけで秘部は歓喜に満ち、びくびくと痙攣して蜜を流しだす。  
その蜜を肉棒に絡め付かせてから、ヒースは一気に自身を挿入した。  
 
「ひあ…あああぁぁあっっ……!!」  
そこは抵抗無く肉棒を受け入れると、もう離すまいと強くきつく締め付けた。  
じっくりと膣壁を味わい、奥へ奥へと挿入する。  
「はぅ……あ…ああ……」  
主の意思を無視しマウナの腰が動く。もっと欲しいとねだるように。  
やがて最奥へたどり着くと、ヒースが激しいピストンを開始した。  
 
「あ…あっ!ひぁっ!はうぅ…!あっ!」  
襲いくる快感の海に、マウナはただ喘ぐことしかできなかった。  
「腰を振るだけでなく、ヨダレ垂らしながらこんないやらしい声まで出して…まるで淫売だな。  
あんまり声を出すと、叔母さんたちに聞こえてしまうかもなぁ?」  
堕ちていくマウナに、追い打ちをかける。  
(嫌なのに…どうしてこんな…っ気持ちイイのよ…っ…?)  
「…ふぅっ!んんっ!あっ、ん!んあっ!」  
唇を噛んで快楽に耐えるが、我慢しようとすればするほど、強い快感が脳を支配しようとしてくる。  
(くく……あと一息だな…)  
ヒースは、マウナの腰を掴んで支える自身の手を、上へと潜り込ませ、半ば乱れている服の中へ侵入させる。  
左腕は背中へと回し、マウナの上体を起こし、支える。  
 
右手は服を胸へと押し上げ、形の良い白い胸をあらわにした。  
そのまま柔らかな乳房揉みしだき、既にびんびんに突起した乳首をつまみ上げる。  
「ひゃ……あうっ!!」  
新たな刺激に、膣内がより一層強く締まる。ヒースの肉棒も一際大きくなり、それが互いに強い快楽を生む。  
 
 
「凄い締め付けだぞマウナ。…もう限界だ、イクぞ!」  
ヒースがそう言うと、ピストンのリズムが一段と速くなった。  
「っ!!」  
もはや抵抗する意思無く、だらし無くよがるだけだったマウナは、意識を取り戻したように拒絶をしめす。  
「やっ…やだぁ!やめてっ!!中は……あああ…ふぁぁあああああっ!!」  
 
ごぷごぷごぷ……っ!!  
ヒースは一際強く、深く捩込むと、立て続けに精液を放出した。  
抵抗も虚しく、マウナは中出しを許してしまったばかりか、  
最後に強く男根をくわえ込んだその時に絶頂を迎えてしまった。  
最後の一滴まで搾り尽くそうと、蜜壷はきゅっと締まり、ヒースをくわえて離さない。  
身体の中が、白濁で満たされる。  
「あ……っああ……」  
ヒースが肉棒を引き抜くと、許容量を超えた白濁がごぽっ…と音を立てて蜜壷から溢れ出した。  
 
「良かったぞ、マウナ。これからは俺の肉奴隷の端くれにこそっと置かせてやる」  
「……はぁ……はぁ…………!……」  
反論の言葉も言えぬほどに疲弊したマウナだが、蜜壷から流れるもう一つの液体に気付いた。  
(え……っこれ……)  
「あれまあ。またお漏らしか。だらしのない奴だ」  
精液に混じり、黄色い液体が流れ出すのを見て、ヒースが鼻で笑う。  
「や……ぃやあ!止まって………見ないで………っ!!」  
疲れきった身体は言う事を聞かず、生理欲求のままに小水を垂れ流し続ける。  
身体を起こす力も無く、自分の秘部から目を背けるしかなかった。  
「あんまり気持ち良すぎると小便漏らすみたいだな。とんでもない好きモノだ」  
言いながらヒースは位置を移動し、マウナの上体を起こして羽交い締めにした。  
後ろから手を回し、人差し指と中指で花弁を広げると、小水が勢い良く放物線を描いて放出される。  
「いやぁあ、やめて!み…見ないでぇ…!」  
「凄いな、まだ出てる。ホラ、しっかり見ろよマウナ。まるで噴水みたいだ」  
「やだ………やめて………もう、許して………」  
――シーツと壁に飛び散る黄色い染みから逃げるように、マウナはきつく目を閉じた。  
 
―――――プシーーッと小気味よい音がやんだ。  
 
実際は数十秒だが、マウナには何時間にも感じられた。  
羽交い締めにされていた腕も解かれ、力無くベッドに仰向けに倒れる。  
羽交い締めにしていた本人――ヒースクリフ――は、さっさと服装を整え、ドアノブに手を掛けた。  
「じゃあな。楽しかったぜ。言い触らしたりはしないから安心しな。  
まあその代わり、今後もたっぷり奉仕してもらうぞ。今日は時間も無いしもう帰るが、また今度たっぷり犯してやる。  
俺様の肉奴隷になれることを光栄に思うんだな、くっくっくっくっ……」  
悪魔のような笑みを浮かべて帰るヒースを横目に、マウナは唇を噛む。  
犯された屈辱が、悔しさが、身体と心にゆっくりと沈み込んでくる。  
もう二度と、自慰なんてしない。こんなことになるくらいなら――――。  
 
しかし、それでも未だやまない蜜壷の疼きが、それを許すはずもなく……。  
 
部屋に再び水音が響くのに、そう時間はかからなかった。  
 
 
〈終〉  
 

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