フェンデル王宮の秘事。  
 
 
「兄さま、コークルのお願い」  
「お兄さま、ラフェンサのをどうぞ」  
 
まだ幼さの残る二つの尻が、男の前に並んで突きだされた。  
男は具合を確かめるように、二度三度と、両方に差し込み、やがて片方の娘の尻に差し込んだまま、彼女を抱えて腰の上に乗せた。  
ラフェンサと名乗った成人に満たない少女が、可愛らしい嬌声をあげる。  
 
「あ、ラフェンサ、ズルいよ。ね、兄さま。ボクにも頂戴?」  
「キスしてあげる。おいで、コークル」  
 
少年のような幼さが残る少女が嬉しさに顔を赤らめ、寝台に横になった男と唇を重ねる。  
くちゅくちゅと音をたててコークルと呼ばれた少女とキスを交わしつつ、男は横目で腰の上に乗って男のモノを貪るラフェンサを挑発する。  
 
「ん!あんッ!あ、あんッ! お兄さま、スゴい。ラフェンサは、もう壊れちゃいそうですぅッ!」  
 
裸の青年の上で彼を喜ばせようと、少女が幼い尻を振り立てた。  
 
滑らかな天蓋つきの絹の寝台の上に寝そべる美しい一人の青年の逞しい体に、  
二人の幼い少女が全裸で、まだ未成熟な体を妖しく絡ませる。  
二人の少女は瓜二つでありながら、一人は短い髪のボーイッシュな雰囲気をもち、  
もう一人は長い髪の女の子らしい姿をしていた。  
フェンデルの双子姫コークルとラフェンサ。  
彼女らは、この国フェンデルの王女であり最高権力者でもあった。  
コークルとラフェンサの二人が王位に着く以前、崩御した父王には、兄王がいた。  
その在位は極めて短く、後継者も王弟しかいなかったため、双子姫の父に王位が回ってきたのだが。  
実は双子姫には従兄弟がいる。  
本来なら、その者が王座に座っていたはずだった。  
その出生が、忌まわしいナイトメアでさえなければ。  
公表されず、王宮内に密かに隠された忌み子。  
その子供は長じて密かに裏社会を支配し、王国の密偵を束ねる長となった。  
美しいナイトメアの従兄。  
双子姫は、この廃嫡された従兄によく懐いており、幼い頃より寝所に忍び込みあっては交わっていた。  
美しい従兄の婚約者になろうと、二人は『お兄様』と彼を呼んで、まだ幼い舌を、両側から彼のペニスにからませた。  
幼い体に彼の子供を。  
王位を継ぐべく男の子を宿そうと、毎夜のように彼を求め、  
ナイトメアの男も、自らの血統が王座を奪う野心から、それを望んだ。  
だが、男もまたナイトメアたる彼の異貌姿を、無邪気に「美しい」と愛する従妹たちを、邪険にはできない。  
 
幼い頃からの馴染みであり、彼の信望者である二人に、美しく育つ萌芽が見て取れていたこともある。  
また、どちらか一人に決める必要を感じることもなく、彼は玩具を愛するように二人一緒に、従妹の姫を愛した。  
 
 
それは、今も変わらず、密やかに続いている。  
外国やフェンデル王国の下々の誰もが知らない、王宮内だけの秘め事である。  
 
 
 

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