記録的な猛暑だった。
ティダン様頑張りすぎじゃね? と言わんばかりに燦々と照りつける太陽が、いつもより大きく見える。
こんな日に外をうろつく酔狂な者もおらず、元気の有り余っているはずの子供たちのはしゃぎ声すら聞こえない。
やる気の出ない冒険者たちがぞろぞろと集まった水晶の欠片亭は満席状態で腰を落ち着けるどころではなく、
仕方なく、ジークは誘われるままにソラの家へと避暑を兼ねて遊びに行った。
エアは熱中症で参ってしまった人たちの治療するために神殿へ、メッシュは変な気を利かせてこの場にはいない。
当初はカードゲームに興じていた二人だったが、窓から入ってくる熱風に、すぐさまダレて止めてしまった。
窓を開ければ生温い風。窓を閉めればサウナ状態。
これが蛮族の仕掛けた罠であったのなら、まだ解除の方法があったものを。
止めどなく流れる汗。
ジークは既に上半身の着衣を完全に脱いでおり、ソラもほぼ下着だけの格好だった。
動きたくない故に二人でベッドに倒れこみ、ひたすらボケーっと時が過ぎるのを待つ。
うわ、お前汗すげぇ。お兄さんこそ、汗まみれなの。
あまりに暑いので、湖に水遊びにでも行こうか。
でも、湖に行くまでの道のりを、太陽に晒されて歩きたくない。
死ねよ太陽。ティダンとかマジウザい。シーン様カムバック。
脳までゆだったような感覚で半死体状態を一時間ほど続けていたとき、ソラがぼそりと呟いた。
暑いときはもっと暑くなることをすれば涼しく感じられるの。
それはいいな、よしやろう。ジークは半分思考回路が焼き切れた脳で即断する。
暑くなる行為と言えば何か。
そんなもの、運動に決まっている。
それも、出来れば暑苦しく密着して行うものがいい。
ジークはゆっくりと身を起こし、隣のソラに覆い被さった。
キスをする。
下着を脱がす。
愛撫する。
うわ、汗で塩辛ぇ。どれどれ、うわお兄さん汗臭いの。
子供のように戯れながら、互いの身体を高めていく。
なんかすげー勢いで汗が垂れてるんだが。いつもより息苦しいの。
失われていく体力。呼吸が荒い。視界がボヤケる。
ここまでする必要があったのだろうか。
いや、あれもこれもそれもこれも、その後の涼しさのためだ。
ずにゅりと秘裂に挿入し、ジークは激しく腰を振る。
両手両足をジークの背に回してがっちりとしがみつき、あっ、んっ、とソラは断続的な喘ぎ声を上げる。
雫となって飛び散る汗。ベッドは既にびしょ濡れ状態。
身体に付着しているものが、もはや自分の汗なのか相手の汗なのか分からない。
息苦しくて死にそうだ。
だけど、快感はいつもより大きかった。
人は生命の危機に瀕すると、子孫を残そうと性欲を増大させる。
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を立てる膣内に、ジークは大量の白濁液を吐き出した。
マグマのような奔流を受け、ソラも背中を弓なりに仰け反らせて絶頂する。
視界の中で繰り返される黒と白の明滅。
噴き出る汗。
止まらない快楽。
そのまま、二回戦に突入する。
大きく抜き差しはせず、小刻みに腰を動かして子宮口を刺激する。
ひぅ、んぁっ、と耳元で可愛らしい喘ぎ声。
密着した身体が汗でぬるぬるする。
まるでくっついた二匹のナメクジのようだ。
溶けて、一つになってしまったかのような幻想すら抱いてしまう。
ジークはいつの間にか射精していた。
ソラもいつの間にか果てていた。
三回戦、四回戦。
呼吸が出来なくなる。
既に暑さすら感じない。
ぐるぐると揺れる脳。
目眩。
そして――――
家に戻ったエアが発見したのは、水分不足で目をぐるぐる回す、全裸で汗だくのジークとソラの姿だった。