姉妹艶技T、―少女たちのお勉強―(前編)  
 夜寝ていると幽かに物音がしたので、ふと目が覚めた。商売柄かある程度なら気配を感  
じ取ることが出来る。  
――――さて、今おれは……―――  
 己を再開する。自身を定義する。状況を把握する。―――俺の名はジークハルト・デー  
ニッツ。フェイダン地方の冒険者であり水晶の欠片亭に所属する冒険者だ。中には『救国  
の英雄』と呼ぶヤツもいるが、俺自身にはまったく自覚がない。成り行きで行動していた  
らいつの間にそう呼ばれる存在になっていた・・・ただそれだけだ。  
 さて、その後も最近色々あり疲労も溜まっていたので、パーティーの慰労も兼ねて観光  
地で有名な白竜山に休暇に来ている。山の地味を生かしたメシはうまく、仄かに白く濁っ  
た温泉も絶品だった。その後心地よくなったので部屋に戻って寝ようとして寝ていたのだ  
が、物音がしたので目を覚ました。そういった次第だ。  
 ……普段なら一々目を覚ますだけで、こんなに複雑に置かれている状況を考察したりは  
しない。わざわざこんなに面倒に考えるのは……  
「こんばんは、お兄さん。夜這いに来たの」  
「ちょっとっ、ソラ!そんなにストレートに言ったら、はしたないでしょ!」  
――――今、目の前で起きている光景に脳がついてこないからだ。  
 
 窓より仄かに入る月の光から考えると、今は午前一時から二時といったところだろう。  
そんな夜更けの時間にも拘らず、俺の目の前に仲間の二人の女性がいる。  
 一人はソーラリィム。通称ソラ。優れた真語術師にして軽戦士でもある外見は小柄な少  
女だ。太股まで伸ばした多少灰がかったくすんだ紫水晶の髪と、透き通った白磁を連想さ  
せる白い肌はまるで御伽噺の妖精のようだ。もっとも性格は悪戯好きで結構活発なので、  
妖精というよりは小悪魔と言った方がピンとくるのだが。  
 もう一人はエアリサーム。通称エア。女神ルーフェリアに仕える神官で、何気に野伏と  
しても優れた技量を保有している女性だ。彼女の妹であるソラ――この二人は姉妹だ。と  
は違い秋の稲穂を連想させる見事な長い金髪を後ろで結んでいる。光源が月明かりしかな  
いので細部までは見えないが、二人はこの宿で貸し出されている薄い前開きの薄紅の浴衣  
のみを纏っているようだ。だからか、普段よりはるかに彼女の『ぼん・きゅっ・ぼん』で  
ある豊満な肉体が強調されている。普段は清楚な彼女だが……今はひどく蠱惑的だ。  
「お兄さん。物思いに耽っているところ悪いけど、状況理解してる?」  
「いや、正直わからない。夜這いとかいったけど、ルーフェリアでは『夜這い』って夜討  
ち、朝駆けの類の隠語だったりするのか」  
「ん〜、そんなことはないけど。夜這い、夜、愛人のもとに忍んでいくこと、相手の寝所  
に忍び入ることをさすの。わかりやすくいうと、性行為しに行くこと」  
 ソラのする端的な説明は、理解できるようで理解し難い。なるほど、お互い人族であり、  
ふと人肌が恋しくなり好意を持った相手のぬくもりを求めて寝所に忍び込むことはある  
のだろう。それにソラとは何度か関係を持ったこともある。だからそれ単体では別段驚く  
ことではない。  
 今俺が驚いているのは……  
「なんでエアまで来てるんだ?」  
「何よ、わたしがいちゃわるいっ!?」  
「夜中だよ、お姉ちゃん。ほかの宿泊客の迷惑なの」  
目の前にソラだけでなく、彼女の姉であるエアまでいる事なのだ。  
 
「え〜とね、お兄さんが部屋に戻って寝ちゃった後、女の子同士で集まってお話してたの。  
いわゆるガールズトーク。そこでね、色々あって最年長者であるお姉ちゃんの男性経験の  
話になったんだけど……」  
「悪かったわねっ、耳年増なだけで」  
「うん、最初はいかにもそれなりの経験がありますよ〜ってカンジで見栄張ってたんだけ  
ど、あたしが突っ込んだらすぐにボロがでちゃって………処女だっていう事がばれちゃっ  
たの」  
 ………おっ、恐るべしガールズトークっ!!ソラが語るそのガールズトークの内容には  
戦慄を禁じえないっ。軽く女の子同士のパジャマパーティーという幻想が殺され絶望した  
っ!!  
 ・・・あ〜、噂には聞いていたがそんな赤裸々の話をしているとは…。あと、結構大事  
な個人情報が暴露されてるぞぅ〜エア。そうか、俺の叔母さんより年上なのにエアって処  
女だったんだー、意外なようでまったく意外じゃないなぁ〜。  
「でね、帳尻をあわせるというか、嘘言った事の罰としてあたしと一緒にお兄さんの部屋  
に行くことになったの」  
「いや、まて。そこのつながりがまったく見えない。エアが耳年増で嘘吐いてたことは分  
かった。でも、そことこんな深夜におれの部屋にやってくるコトに何のつながりがある」  
 当然の疑問を呈してみる。まぁ、ナニをイミしているのかソウゾウがツカナイ訳ではな  
いのだが。  
「ん〜と、きっと、少しだけお兄さんの思っているのとは違うの。基本的にお姉ちゃんは  
見学」  
「見学?」  
「そう、見学。基本的に夜這いに来たのはあたしだけ。お兄さんが好きにしてもいいのは  
あたしだけなの」  
 先程よりあまり喋らず、部屋の真ん中で軽く俯いたままのエアとは対照的に、ソラは喋  
りながらこちらに近づいてきて俺のベッドに軽く腰を掛けながらそう説明する。  
 ……先程より距離が近くなった為か、旅館にあった香水を使ったのだろうか木蓮の香り  
と、――――何よりソラの匂いを身近に感じる。  
「百聞は一見に如かず、百見は一孝に如かず、百孝は一行に如かずって言葉があるでし  
ょ?お兄さん」  
「あぁ、確か百回聞くのは一回見るに及ばず、百回見るのは一回考えるのに及ばない、そ  
して百回考えるのは一度自分でやってみるには及ばないって言うイミだよな、それ」  
「うん、後ろのほうは近代の造語であまり知られていないんだけどね。つまりはそういう  
事。さすがに、一行はこんなムードのない状況じゃだめって、お姉ちゃん言ったんだけど、  
一見の方ならいいって。つまりはそういう事なの」  
 眠気は完全に去ったにもかかわらず、恰も夢の世界にいるような感覚のアタマでソラの  
言ったことを解釈してみる。それはつまり・・・・・・  
「夜這いに来たのはソラ、エアは見学。おれはソラには手を出してもいいけど、エアには  
手を出してはいけない。そういうことか?」  
「基本的に、条件はそうなの、お兄さん。あんだーすたん?」  
選択、妙な言い回しをするソラに、俺は………  
 
「おれは別にそれでいいけど、エアはいいのか」  
エアに対してごく当然の質問を向けてみた。  
「………いいとか悪いとかじゃなくて。自分で掘ってしまった墓穴にはまったっていうか  
…………そんなカンジ」  
 先程から口を閉ざしていたエアがぼそぼそと話し始める。そこには普段の快活な口調は  
なく、そこに何故か不思議な色気を感じる。   
「まぁ、ほかにも理由はあるんだけどね、一応。でもそこはさすがに女の子同士の秘密な  
の」  
「――ッ、黙りなさい、ソラ。………まぁ、考えてみれば自業自得だし、きちんと見て知  
っておけば、これからの長い人生で今後あーゆーコトがあってもきちんと対応できるし。  
それにジークだから………そういう事では信頼できるし……だから……」  
 俯きながら床に向かってもじもじと語りかけるエア。つまりは消極的だがオーケーとい  
う事らしい。  
 しかし女の子って奥がふかいなぁ。異性に処女だってってコト勝手にばらすのは善くっ  
て、他にしちゃ悪いことがあるとは・・・・まぁ、種族間の違いがあるとはいえ、目の前  
のこの二人は女の子と言うには少々と言うより、確実に一回りは俺より年上なのだが、そ  
のことに言及すると『ブラスト』+ぐーぱんち+『神の拳』が飛んで来るので黙っておく  
ことにする。脳裏に沈黙は金という言葉が浮かぶがおそらくそうなのだろう。  
「それならいいけど、ソラ。おれはこれからどうすればいいんだ?」  
「基本的にお姉ちゃんにいろいろ教えながら、普通にあたしとお兄さんが交わるのだけど。  
無理なお願いを持ち込んだのは、あたしだから、今日はご奉仕するの。だからお兄さんは  
横になっていてくれればそれでいいの」  
 え〜と、要は受身でマグロで居ろってことか。でもソラにしてもらえるなら偶にはそれ  
も悪くないし、それに………  
「あと、うまく話を持っていければ、お姉ちゃんにもサービスしてもらえるかも。お兄さ  
ん、お姉ちゃんにサービスして貰いたい?」  
「ーッ、」  
 ………エアが空気を呑む音が聞こえる。そうなのだ。それを少し期待している自分がい  
る。別に色を好むと言うわけではないが、この日常とは乖離した状況に中てられたのだろ  
うか、ソラだけでなくエアをも求めている自分をはっきり認識することが出来る。  
 だがいくらぞんざいな俺でもこの状況で素直に頷くことは躊躇い、  
「まぁ、時間もないしそろそろ始めることにするか」  
「お兄さん。無回答は肯定とおなじなの」  
 出した無難な答えに、少し冷ややかな口調のソラの冷静なツッコミが炸裂した。  
 
「じゃあ、わるいけどお兄さん、とりあえず下だけ脱いでて。あたしはその間に準備をす  
るから。あと、お姉ちゃんはもっとこっちきて」  
 準備?立ち上がり、なにやら手持ちの鞄を漁りごそごそし始めるソラ。その簡潔な指示  
を少し疑問に思いながら、とりあえずズボンを脱ぎ下着に手を掛けようとすると、覚悟を  
決めたのか近づいてきて先程のソラのようにベッドの右脇に腰を下ろしたエアと目が合  
ってしまった。  
「し、下着も・・・ぬ、脱ぐ・・・の?」  
「そりゃそうだろう。下を脱がずにしないだろう、普通」  
「そッ、そう・・・よね。ふつうよねっ!ふつう!!」  
 ……成程、ただズボンを脱ぐだけでこの反応なら簡単にボロを出すわけだ。この初心さ  
だと、わざわざ言葉の真偽を判定するまでもなく、エアに男性経験がないという事が見て  
取れる。  
 ―――別に見せて喜ぶと言う趣味はない。………だが、直接的ではなく間接的ではある  
とは云え、無垢であるエアを汚すことが出来るという事に微かな興奮を感じている。  
 ―――それも道理。見目麗しく華やかにも拘らず清楚で無垢な女性、つまりはエア。可  
憐な永遠の少女であるにも拘らず奔放さと微かな妖艶さを併せ持つ少女、つまりはソラ。  
この二人姉妹と同時に・・・片方は見学だが、艶事をする事などになるなど、普段は想  
像さえしないことなのだから。エアとソラの姉妹と同時に………よくよく考えると凄い光景  
なのだが、異常が異常である限り異常と理解することが出来ない。  
 ―――セカイが現実感を欠いている。夢にしては複雑すぎる。現実に幻想が入り混じった  
感覚は、まるで自分自身が影絵の世界にいるかのようだ。つまりは反転している。普段が使  
われていない自己を否応なく認識させられるこの状況は、なるほど、自身の影を見せ付けら  
れているに等しい。  
 「何か考えているようだけど、それはそこでやめて、お兄さん。ただ楽しんでくれればあ  
たしはそれでいいの。………お姉ちゃんも顔を手で隠しながら、こっそりお兄さんのモノを  
見ない」  
 ………どうやら、考え事をしながら何時の間にか下着を脱いでいたようだ。なにやら準備  
とやらをしていたソラがこちらに戻ってくると同時に、注意されたエアは恐る恐るといった  
態で手を顔から退け、俺のほう………男性器を熱い視線で見つめてくる。  
 先程と違うのは、―――部屋の明るさ………机の上を見ると短剣に《ライト》を掛け半分  
ほど鞘にしまったのだろうか、が増していることと、微かにする乳香の香り、微かにする熱  
源を肌で追ってみると、どうやら香を焚いたらしいコトがわかる。意外に小まめだ。  
「別にお香にたいした効果はないよ。ただ少しだけリラックスさせて理性を緩ませるだけ。  
この乳香は魔術の修行にもつかうこともあるし・・・だから安全なものなの」  
 よくワカラナイが危険なものではないらしい。あと、何か手に小瓶を持っている・・・  
小瓶?  
「これ?潤滑油。翻訳するとローション。愛液とか睡液の代わりとか増量とかに使うの。  
あとローションプレイ?今回は関係ないけど」  
「いや、知識としては知ってるけど、なんでそんなもん・・・・?」  
「別にあたしは、別に、最初にお口でしてあげてもいいんだけど、それじゃあお姉ちゃんが  
ナニをしているのかよくわからないの。だからまず最初は手でイカせてあげるね。その後口  
でして上げるから。でもそうだとお兄さんのモノ、濡れてないでしょ?だからこれを使うの。  
あと、一応あたしの人肌で温めておいたけどちょっとだけつめたいの。我慢してね、お兄さ  
ん」  
 
 宣言と共にソラがローションを俺のモノに掛けてくる。………言ったほど冷たくはなく、  
むしろ生温いといった表現が正しいように思えるが、男性器は敏感な感覚神経の集まってい  
る処だ。半立ちだった俺のモノが僅かながら萎える。だが其れもつかの間、ソラの体温で温  
められていたと言う事実に興奮を覚え俺の男性器はまるで天に向かうように屹立する。  
「よし、きちんと勃起したの。………ところでお兄さん、ナニに興奮したの?あたしの体温  
で温められていたこと?それともお姉ちゃんに見られているこの状況?どっち?」  
「いや、おれ見られて喜ぶ趣味はないから………なんかローションにソラの体温が残ってい  
たことに興奮してしまった、その………悪い」  
「・・・・ッ!!。べ、別に………それならいいの。気にしないでお兄さん」  
 ぷいっという感じで俺の方からそっぽをむくソラ、これからもっと過激なことをするにも  
拘らず、ある意味こちらのモノを沈黙と共に見詰めているエア以上に初々しく、とてもかわ  
いい。それが、おれの、嗜虐心を、そそる。  
「どうした、ソラ。ほら、早く続きをしてくれよ。それともおれから何かしたほうがいいか?」  
「そっ、そうなの。じゃあ始めるねお兄さん。お姉ちゃんも説明を始めるからよく見て聞いてね」  
 幽かに声色に動揺の色を含みながら、ソラは俺のモノに片手で軽く触れるか触れないかの  
絶妙な感覚で触れている。エアも心做しかこちらに近づいて来て、その気になればお互いに  
触れる事も可能な位置に腰を下ろす。  
 ふと思ったがこの部屋のベッドは結構大きい。家族用のトリプルベッドなのだろうか、よ  
く見ると部屋も結構広い気がする。おかげで一つのベッドに三人同時に乗ることが出来るの  
でありがたいのだが………。  
 位置が近いせいか、俺だけでなくエアとソラの呼吸も幽かに荒いことを感じることが出来  
る。こちらが感じることが出来るという事は、向こうからも俺の呼吸が荒いことを感じ取る  
ことが出来ると言う事だろう。お互いがお互いを感じその相乗効果で少しずつ興奮が増して  
いく。  
「えーと、お姉ちゃん。よく見て、これが男の人のモノなの。呼び方は色々あるの。ペニス、  
おちんちん、チンポ、ちんこ、マラ、ほかにも一杯呼び方はあるんだけど、基本的にはそん  
な所」  
「………ちょっと、ソラ、それどう違うの?ペニスはともかく、おちんちんとかちんことか  
チンポって同じ意味にしか聞こえないんだけど・・・?」  
「少しずつだけど持ってる意味が違うの。卑猥さとか煽情性とか。まぁ男の人によって好み  
は違うし、また状況によってもさらに好みが変わってしまうものだから………そうだね、今  
回はお姉ちゃんもいるし『おちんちん』に統一することにするの」  
「分かったわ、これから、その、ジークのモノの事は………おちんちんって言えばいいのね」  
 
 ・・・おかしい、単に説明的なセリフでしかない筈なのに二人の会話を聞いているとなん  
だか背筋がぞくぞくする。興奮しているからか、それとも無知ゆえか、あるいはお香のせい  
か、エアが多少のテレが在るものの、存外平然と『ペニス』とか『おちんちん』とか言うの  
を聞くと、自分の内より凶暴な何かが這い出して来そうな感覚に襲われる。  
「流石にお姉ちゃんも、このおちんちんを私たち、女の子の膣の中に入れてお互いが交わる  
ってことは、知ってる、と思うけどいきなりおちんちんを挿入するのは、いくらローション  
とか使っても、膣内は解れていないから、慣れてる人とか、よっぽど興奮している時とかを  
除いて止めておくべきなの」  
「それじゃあ、どうすればいいのよ?」  
「基本的にはお互いの体を弄り合って性感を高めるべきなの。そうすれば、お互い興奮して  
気持ちよくなるし、自然と相手を受け入れられるようになるから。じゃ、とりあえず約束し  
たし、お兄さんのを弄って見るね」  
 微かに触れていた片手を少し伸ばし、ソラは俺の棹に軽く添えて上下に動かし始める。ロ  
ーションを使っているため滑りが良いのか、ソラが柔らかい上質の絹布の様な手で俺のモノ  
を扱いてくれるからか、――おそらくその両方だろう、自分でスル時より遥かに気持ちがいい。  
 本来、自身の感じるツボ、性感帯を一番良く知っているのは自分自身である。にもかかわら  
ず異性、つまりは相手に弄って貰う方が気持ちいいと言う事は多々ある。それは相手が自身に  
奉仕してくれているという事がもたらす興奮であり、最も感じる点から少しずれているという  
事がもたらす『もどかしさ』である。  
 そう、人にとって『もどかしい』という事さえ快感に繋がるのだ。そのもどかしさをソラは  
最大限に利用している。ただ上下に擦るだけでなく、時には少し力を入れモノを握り、時には  
軽く指の腹で亀頭の先やくびれを擦り、快楽の波が押し寄せてくれば引かせ、引けば押す様に  
『もどかしい』快楽をこちらに与えてくる。  
………完全に快楽をコントロールされている。こちらの表情と俺のモノの鼓動を丹念に観察し  
、俺が最大限の快楽を得れるように調整してくれている。  
「お姉ちゃん、お兄さんの顔をよく見て。すっごく気持ちよさそうで可愛いでしょ?こういう  
ときの男の人はとても素直なの」  
「―――確かに気持ちよさそうだけど………何か辛そうじゃない?」  
 エアの声に少し我に返る。そーだよなぁ、そういえばエアもココに居たんだよなぁ。すっか  
り忘れていた。  
 てっきり俺は―――セカイにいるのは俺とソラだけで、価値あるものはソラが与えてくれる  
快楽が総てと思い込んでいた。まったく、我ながらヒドイ話だ。  
「ん?まぁ、過度の快楽は苦痛にも繋がるからさじ加減は難しいんだけどね。その辺は慣れが  
必要かな?・・・それじゃあ、お兄さん本人に聞いてみようか?お兄さん、あたしに、扱くの  
、やめてほしい?」  
 微かに、熱の、帯びた、声で、ソラは、そんなことを、聞いて、来た。  
―――ッ、と、トンでもないことを聞いてくるッ。この状況で止められたら、オレは………  
………  
 
「ほらっ、キモチいいからやめてほしくないって。言葉できかなくても顔を見るだけで一目  
瞭然でしょ?」  
「――本当に呆れるくらい顔に出てるわね、まったく。………ジーク、そんなにソラにいい  
ように扱われて、少し………情けなくない?」  
 「そんな………ことを言われても…な。せっかく……ソラが………気持ちよくしてくれる  
………んだから、気持ちよくならないと、ソン………だろ?」  
 答えにならない答えを返す。本来なら抗議するべきエアのヒドイセリフもあまり気になら  
ない。正直、返事を返すのさえ億劫だ。ソラの手と指で与えられる刺激は間断なく俺の棹と  
精嚢に快感を与え、腰の裏側にはただひたすら快楽が溜まっていくのを感じる。  
「お姉ちゃん、それは酷なの。男の人にとって、ココは弱点だから、これは仕方がないの。  
………それにしても本気でつらそうになってきたねお兄さん。じゃあ、そろそろ一度出して  
おこっか?」  
 まるで『さんぽにでもいこっか』と誘うような軽い口調でソンナ事を言うと、ソラは片方  
の手で器用に俺のモノの付け根と精嚢と精管と刺激し、もう片方の手で棹を上下に激しく扱  
きあげ始めた。  
 今までは扱くなら扱く、指の腹で擦るなら擦ると、ある意味一種類ずつの刺激しか与えて  
こなかった。それが一度に複数の刺激を与えてくるようになったのだ。俺が感じる快楽は倍  
化し、幾ら堪えようと力を入れても、あふれ出ようとする衝動のカタマリを押さえ切れそう  
にない。  
 ―――それも当然。先程まで俺は一種類の刺激でさえ呻いていたのだ。それが複数になれ  
ば耐えられるハズがない。  
 ソラは既に俺を『どれだけ感じさせるか』という事ではなく『どれだけ気持ちのいい射精  
に導くか』という事に目的を切り替えているのだろう。こちらの快楽の堰が決壊する瞬間を  
今か今かと計っている………。  
 ………………腰の裏がかるく痺れている。そのしびれと引き換えに溜まっていた快楽の塊  
がオレのモノを駆け上がり、自身の精を外に撒こうとする。無駄な抵抗ではあると知りつつ  
も最期の抵抗を試みるため、下半身に力をいれ、目を閉じ歯をかみ合わせ力を入れようとす  
るとその瞬間―――  
「いいよ、お兄さん、いっぱい出して」  
「っッッ!?」  
 ―――まるで、総てを赦す女神のような口調で、ソラは、そんな暗示をオレに与えた  
「はぁっッ!?イ、イクッ!。う、ぅ、くぅっッ、あぁッ!!」  
「ひゃぁあッ?ちょ、ちょっと、ジーク、どうしたのよ!?だいじょうぶっ?ってぇえッ、  
何かちょっと顔に掛かったぁッ!!?」  
 堪え切れずオレは盛大に自身の精を撒き散らした。こちらを心配するエアの声も意識に入  
らない。一番間近にいるソラは自分に大量にオレの精液が降りかかるにも拘らず、何も言わ  
ずオレのモノをやさしく少し熱の帯びた楽しそうな表情で刺激し、最後の一滴が出るまで扱  
き続けてくれた。  
 
「はっ、はッ、ハっ、ハッっ。」  
―――呼吸が荒い、まるで欲情している犬のようだ。失った空気を取り込む為に過呼吸のよ  
うに酸素を取り込む。まだ一度しか射精していないにも拘らず疲れを感じ、起こしていた体  
をベッドに投げ出す。にも拘らず自身のモノは多少の衰えはあるが未だ天に向かって屹立し  
ている。  
―――つまりはまだ足りない。より強い刺激を、より強い快楽を、より強い毒を、今、オレ  
は二人に求めている。  
「いっちゃったね。お兄さん。すっごく出して、お姉ちゃんの貌にも少し掛かってるの。…  
……そんなにキモチよかった?んっ、こんなに………」  
「………こっ、コレって精液……よね?男の人ってこんなに出すものなの、ソラ?ってぇ、  
ナニ舐めてるのよっ、貴女っ!?」  
「別に毒じゃないの、コレ。一説には美容にも効果があるとかないとか。………それにお兄  
さんが一生懸命出したモノなんだよ?全部飲んであげないとかわいそうなの」  
 二人の会話で体を起こす。そこには髪と額のあたりに微量の精液を付けたまま驚きの眼差  
しでソラを見つめているエアと、――――自身の貌や浴衣に付いた大量の精液を指で掬い取  
り口に持って行き、舐め、嚥下するソラの姿があった。  
 こちらの視線に気が付いたのか、オレの目を見詰めながら童女のように微笑み、今度は音  
を立てソレで口を軽く漱ぐようにしながら、オレの吐き出した精を嚥下し始めた。  
「・・・んぅ、くぅ、・・ちゅ、くちゅっ、ごくっ・・・んっ」  
 男の俺には判らないし、判りたくもないが別に精液は旨くなどなく、むしろ不味いものら  
しい。にも拘らずソラはこちらを挑発する為か、もしくは俺に悦んで貰いたいからか、より  
過激に、よりゆっくりと俺の精液を呑んでくれている。  
―――俺を挑発する為にならソレは無意味だ、既に今日の俺はソラにイカレている。  
 掛ける声もなく精飲を続けるソラを見つめ続ける。どれだけの時間が流れたのだろう、大  
半の精を呑み終えるころには、俺のモノは完全に勢いを取り戻し、再び、いや前以上に屹立  
していた  
「ごちそうさま、お兄さん。本当にいっぱいだしたね?でも、まだこんなに元気なの。……  
…これなら、すぐ続きができるね?」  
「………あぁ、勿論だ。ソラが疲れてないなら、悪いけど直ぐにでもして欲しい」  
「別にいいよー、ん〜………………でも………うぅ〜ん」  
 軽い口調の了承の返事と共に、ソラは何かを考え始めた。………どうでもいいが早くして  
欲しい。別に飢えているという訳ではないがこのままソラを押し倒してでも続きをしたいと  
考えている、狂暴な自分がいる。嫌がることなどしたくはないが、絶対にしないと言えるほ  
ど自制心に自信が持てない。  
 物理的に熱を持ち、悍馬のごとく暴れだそうとしている欲望に葛藤しているとソラは……  
……  
「………ねぇ、お姉ちゃん。さっきから見てるだけで仲間外れだけど、……お姉ちゃんもお  
兄さんに、してみない?」  
 口元に笑みを浮かべながら、そんな、小悪魔のような提案をした。  
 

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