「な、なんで変身できないの?!」
バジリスクの少女は驚いた。
破瓜の痛みは耐え難く、本来なら人の姿を維持できないはずだった。
いや、本来なら行為が始まる前に変身しようとしたのだができなかった。
それが激痛で感情が高ぶっても変身してしまわなかったのだ。
「さっき誓っただろ? 俺の子を孕むと」
男は少女に腰を打ち突けながら答えた。
「まさか!」
少女は今までのやり取りを思い出す。
一族において若輩な彼女は、英雄たる男を騙し、ベッドで人の姿を捨てて襲い掛かるつもりだった。
その為に愛を誓った。
「そう、クエストだ。
お前は人間の振りをして騙したつもりだったのだろうがな。
誓いを守る為、お前は俺との行為に抵抗できない。当然最中の変身もな。
そしてそれは生んだ子が俺の子だと判明するまで続く…つまり何らかの手段を探すか奇跡が起きるまでな!」
男は更にリズミカルに腰を動かす。
少女は苦痛に悲鳴を上げるが男は止めなかった。
例え止めたとしても、少女はもう男を傷付けることはできない。
そう、本当に奇跡が起きてこの男の子を身篭るまで。
絶望に気が狂うこともできない。
行為をし、子を成すことを努力しなければならないのだから。
夜は深く、けれど少女の絶望はまだ、始まったばかりだった…
ToBeContinued…しません