「おばちゃーん、レアな焼き鳥一つね」  
 
「いいかげんその注文忘れなさいよ!」  
 
バスの歌声が朗々と響く中、ヒースにからかわれマウナが怒る。その姿をエキューがうっとりと眺めている。  
青い小鳩亭はいつも通りの賑やかさだった。  
その喧騒の中、いつもの少女が店の扉をくぐった。  
 
「いらっしゃいませー。あれイリーナ!?今日は鎧を着てないの?」  
 
「あ、うん…。ちょっとね」  
 
いつもより少し遅い時間に現れたイリーナは何故かいつもの鎧を着ていなかった。普段ならばガシャガシャと  
金属音を響かせ、店に近づいてくるのがすぐに分かるというのに。  
彼女自身もどこか様子が変だいつもは無駄に元気を撒き散らしているというのに、今日はマウナの出迎えに答  
える声にも覇気がなく、どこか顔色も悪い。  
 
「どしたの? 身体の具合でも悪いの?」  
 
「そ、そんな事ないよ。ほら、元気元気!」  
 
「ならいいけど…」  
 
とってつけたように笑顔をみせガッツポーズを取るイリーナに首を傾げながらも、マウナは他のお客の注文を  
頼みにカウンターへと歩き去った。  
 
「こんばんわイリーナさん」  
 
「どうしたイリーナ、元気ないじゃないか。どうせ腹でも空いてるんだろ」  
 
いつもの席に座っていた二人はそれぞれ挨拶をかわす。背もたれにふんぞりかえったヒースの態度も普段と変  
わりない。  
 
「ヒース兄さん! 乙女に向かっていきなり失礼な言葉ですね!」  
 
「おお、こりゃすまん。そういえばお前も、まがりなりにも一応は人間の女の端っこの片隅に位置する生き物  
だったな。大変失礼…グワッ!!」  
 
言葉の途中でイリーナの足払いがヒースの座る椅子の足を払った。仰け反った体制のままヒースの高等部が酒  
場の床に強烈な頭突きをかます。  
 
「マウナー。私、お勧め定食ひとつお願いね」  
 
「お、俺様には…ヒーリングをひとつオネガイシマス…」  
 
何事もなかったように注文するイリーナと、床でのた打ち回るヒース。周りの客も、みな慣れたもので気にも  
留めていない。  
 
はいはいと注文を聞きつつ、イリーナがいつもの調子に戻ってきた事にマウナは安堵した。さっき店に入って  
きた時は…。  
そう、何か思いつめたような顔だったから。  
再びカウンターに向かったマウナは気がつかなかった。イリーナの表情が、また暗く翳っている事に。  
 
 
後頭部をさすりながら席に戻ったヒースに、イリーナは小声で話しかけた。  
 
「ヒース兄さん…。兄さんはは魔術師ですから、魔法の品物にも詳しいですよね」  
 
「む? 勿論だ。俺は博学にして天才魔術師たるヒースクリフ様だぞ。その知識は魔術のみならず、魔法の品  
からお婆ちゃんの知恵袋まで網羅しているのだ」  
 
お馴染みのヒースの大風呂敷が広がった。だが、イリーナにとっては確かに頼りになる存在である。  
今の自分が置かれている状況を打破するためにはヒースの知識が役に立つかもしれない。  
 
「ちょっと聞きたい事があるんです…」  
 
「うむ、何でも聞いてみるがいい」  
 
どっかりと偉そうに座るヒースに向かい、しばし躊躇った後、イリーナは口を開いた。  
 
「実は……ァウッ! ヒイッ!」  
 
話はイリーナ自身が上げたあげた小さな悲鳴に遮られた。突如その小柄な身体をテーブルへと突っ伏し、背筋  
をピクピクと震わせている。  
 
「あ、あああ…くぅっ…」  
 
「ど、どうしたイリーナ!」  
 
突然苦しみだした幼馴染の姿に、さすがのヒースも慌てた。イリーナは自らの腰の後ろに手をあて、何かに耐  
えるかのように歯を食いしばっている。  
 
「ど、どうしたのイリーナ! 待って、今すぐヒーリングを…」  
 
只ならぬ事態に駆けつけたマウナが、生命の精霊へと呼びかけをはじめる。  
呪文はすぐに効果をあらわし、淡く優しい光がイリーナの身体を包み込んだ。  
しかしイリーナはテーブルへと突っ伏したまま、しばらく身を起こそうとはしなかった。  
 
「魔法が効かなかったの!? も、もう一度!」  
 
慌てたマウナが再び呪文を唱えようとしたところでイリーナがゆっくりと顔を上げた。  
 
「だ、大丈夫だよマウナ、もう落ち着いたから。ちょっとお腹が…苦しかっただけ」  
 
そういうイリーナの顔色は、確かに悪くはない。かえって赤みを増しているように見える。  
 
「なんだ人騒がせな。下痢でもしてるのか?どうせ拾い食いでもしたんだろう」  
 
ホッと息をつき安堵の表情を浮かべたヒースは、そんな自分に気付き、照れ隠しの辛辣な言葉を投げかける。  
そしてイリーナにどつかれるのがいつもの光景なのだが、今日は違った。  
 
「…私、今日は帰りますね。少し用事もありますし、皆に心配かけたくないから…」  
 
運ばれてきた料理にも手を付けず、イリーナは酒場の出口へと向かっていった。微かにその膝が震えている。  
 
「ちょ・・・、大丈夫なのイリーナ。無理しないで…」  
 
「大丈夫です。私はこれ位じゃ負けませんから…」  
 
一度振り返ってニッコリと微笑み、喧騒を背にしてイリーナは薄闇が覆う外へと歩みだしていった。  
引き止めそこなった仲間たちは、皆一様にイリーナへの違和感を感じていた。  
そう、今の状況にはふさわしくないのだ。  
彼女は戦いに臨む時の顔をしていた。  
 
 
イリーナが向かったのは住まいであるファリス神殿ではなかった。ファンの街の外れにある寂れた地域だ。  
人など住んでいないかのような建物。その前で立ち止まり、僅かに逡巡した後、戸を押し開き中へと足を踏み  
 
入れた。  
 
「お待ちしてましたよイリーナさん。流石はファリス神官。約束は守ってくれるようですね」  
 
「…あ、当たり前です。私は一度約束したことを違えたりしません!」  
 
中に待っていたのは一人の男だった。年齢は30歳くらいだろうか。  
中肉中背のこれといって特徴のない男だ。一つ上げるとしたら、その表情。  
イリーナの全身を舐めるように見回し、口元にはイヤらしい笑みを浮かべている。  
 
「こうして来たんですから、あなた達にも約束は守って貰います!」  
 
「おやおや強気ですね」  
 
睨みつけるイリーナの眼光にも怯まず、男は手にしていた小さな黒い玉を顔の前に掲げた。  
 
「ヒッ! ああぁぁ! くうぅっ…」  
 
とたんにイリーナの身体がピンと張り詰め、その口から叫び声が響き渡る。  
男が黒い玉にこめる力を僅かに増やすと同時にイリーナの膝が崩れ、床へと倒れこんだ。  
 
「ヒイアァッ! やめて! 止めてぇぇ!」  
 
イリーナは自らの尻へと手を当て、床の上で芋虫のように身をよじり続ける。  
 
「ああぁん! くうっはぁっ!」  
 
もだえ苦しむイリーナの姿を楽しそうに見つめてから、男はゆっくりと手の力をぬいた。  
糸が切れた操り人形のようにガックリとイリーナが崩れ落ちる。額に汗を浮かべ、荒い息をつきながら、気丈  
だった顔は今にも泣き出しそうにゆがめられている。  
いつのまにか、男と並んで複数の男達が姿を現していた。皆イリーナの姿をニヤニヤといやらしい笑みを浮か  
べながら眺めていた。  
 
「おやおや、どうしたんです? そんな事じゃあ、これからの事に耐えられませんよ。さあ、教えた通りにや  
ってもらいましょうか」  
 
笑いをかみ殺しながら男がイリーナへと言葉を投げかける。  
 
ビクリと肩を震わせた後、イリーナはノロノロと膝立ちになり、床の埃がついた神官衣のスカートの中へと手を入れた。  
しばし躊躇った後、その手が白い布とともに降ろされる。  
太腿から膝、脛、足首と経過して、その下着はイリーナの身体から離れ床へ落とされた。  
 
「さあ、それからどうするんでしたっけ?」  
 
男の無慈悲な言葉が降り注ぐ。  
 
イリーナは羞恥に顔を赤く染め、歯を食いしばる。それでも言わなければならない。  
 
「…ど、どうぞ…、私の、お、お尻を…可愛がってください…」  
 
無駄な贅肉のない引き締まった、それえいて少女らしい丸みを失わない尻肉を、男達に見せ付けるように自ら  
の手で割り開く。まだ男を知らない秘裂の上に、本来は排泄にしか使われないはずの穴が、他の目的に使われ  
るために、ヒクヒクと息づいていた。  
 
 
 
 
・・・続く  

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