「大丈夫か? ウィスト」  
「……うん、平気……少し寝たら良くなるはずだから」  
宿屋のベッドの上。  
ウィストは体を起こしたままコクリと頷いた。  
冒険者としての依頼をこなしている途中、  
急にウィストの体調が悪くなり、近くの街に宿をとっているところだ。  
「そうか……ああ、そうだ、これ、よかったら食えよ、夕飯の残りだけど」  
アンセルムはベッドの脇に置く。  
 
それは夕飯に出た湯で卵の残りであった。  
 
「君ねえ、僕は世間知らずだけど……そんなに消化に悪いもの食べれるわけないでしょ?」  
「ああ、そうか、すまない」  
申し訳なさそうに頭を下げると、こそこそとアンセルムは部屋を出ていった。  
 
 
「全く……!」  
ごろりと布団に潜り込み、ポソリとつぶやく。  
「全く、第一その夕飯のお金だって僕が出したんだぞ!」  
完全にダメ夫に貢ぐ彼女みたいだ。  
ブツブツとウィストは愚痴をこぼし続ける。  
「アルテナの養育費とか、彼の生活費とか色々やり繰りが大変だな……ん!?」  
はたとその瞬間気が付いたようにウィストは慌てて飛び起きる。  
先程までの体調の悪さなど何処かに吹き飛んだかのようだ。  
「なんで僕が彼の事まで考えなきゃいけないんだ!?」  
アルテナだって仕方なく一時的に育てているだけだし、  
第一自分が何であんな ‘がっかりドレイク, の世話焼きをしなきゃいけないんだ。  
今度、がつんともっと言わなくちゃだ。  
 
「全く……あの卵騒動の時だって……」  
ブツブツと文句を言いながら彼女はちらりと置いてある卵へと目を向けた。  
 
「ねえ、エリヤ……おきてる?」  
真夜中、突然の来訪者にエリヤはびっくりしながら扉へと近づく、  
が、その声の主がウィストの声と分かりゆっくりとドアノブを廻した。  
そこにはやはり、ロングのワンピース姿のウィストが立っていた。  
「どうしたんだウィスト? 体の方は平気なの?」  
「う、う……ん」  
しずかにこくりと頷く。  
「そう、ああ、どうしたんだ? とにかく入りなよ」  
「う、うん」  
モジモジとしながらウィストはエリヤの部屋に入る。  
 
 
 
「どうしたんだい? こんな夜中に?」  
「う、うん……じ、実は……」  
モジモジとしながらスカートの橋をギュッと強くつまむウィスト。  
その歯切れの悪さに疑問を感じつつも、じっとウィストの言葉を待つエリヤ。  
 
「あ、頭がおかしいとか、思わないでよ?」  
「もちろんじゃないか、おかしいぞ? ウィスト」  
「う、うう、じ、実は……」  
ユックリとウィストはスカートをまくり上げていく。  
と、  
「え、ええ!?」  
何事かと思い、じっと見つめていたエリヤは思わず大声を上げる。  
 
「シィ!! 静かにして! 」  
「あ、ああ、ご、ごめん、でもどうしたんだい? コレ?」  
エリヤはすっと指先をウィストの少女の部分。  
即ち女性の一番大切なところに指を近づける。  
ツン。  
と、エリヤの指先が触れると、ウィストは。  
「きゅウ……!」  
小さい声で啼いた。  
「これって卵?」  
ウィストは小さくコクりと頷いた。  
ウィストの女性の部分から、卵の先端が出てきていたのだ。  
 
「まさか……アンセルム――「ちがう!!」」  
エリヤの言葉が終わらないうちに全力でそれを否定する。  
「じゃ、じゃあ、誰……まさか!? 」  
「ち、違う! そうじゃ無い! 」  
 
顔を赤くさせながらウィストは事の顛末をエリヤに説明し始めた。  
 
アンセルムの持ってきた卵を見るうちに。  
『卵を産むってどういう感じなんだろう?』  
と、いう思いに駆られて、自分のアノ部分にいれたのはいいが……。  
「……取れなくなっちゃったと……」  
「ううぅ……」  
顔を真っ赤にしながら下を向くウィスト。  
今にも泣き出してしまいそうだ。  
 
「ま、まあしょうがないよな! ウィストは世間知らずだから!」  
エリヤは慌ててフォローにもならないことを口にし。  
「うぅ……!」  
涙目でじとりと睨まれる。  
「と、とにかく取らなきゃだね! え、ええと……」  
 
わたわたと、指で卵をツンツン触る。  
「ふ、ふにゃん! フニャン!」  
そのたびに、ウィストは鳴き声を上げ、作業は一時中断となる。  
「ううん、これは……ねえ、ウィスト……ちょっと我慢しててよ?」  
「え、エリヤ? 何を……うきゅう!!」  
そっとエリヤの手がウィストの大きな胸に触れる。  
「いい? こうやって刺激を与えて、卵を出しやすくするんだ」  
ペロペロと胸の突起に舌を這わせたり、  
後ろから優しく両の胸を揉みしだくエリヤ。  
もうすっかりその気になっている。  
「よ、横になってウィスト……、自分ばっかり気持ちよくなってちゃダメだぞ?」  
「え、ええ!?」  
もうすっかり‘その気,であった。  
 
「ん、ん、じょ、上手だねウィスト」  
「や、やめてよエリヤ……も、も、目的ちゃんとわすれないでよ?」  
「大丈夫、ほら、ウィストのここトロトロしてきて、指で弄るたびに卵ちゃんがヒクヒクしてるよ?」  
「ちょ、ちょっと! 恥ずかしい言い方しないでよ!」  
「ホントだって、今だってほら、指でプックリ膨れたココを弄ったら……」  
「ふ、ふにゅううう!」  
「アハハハ、可愛い、ウィスト『フニュウ』って鳴いてる」  
もはや完全にヤるき満々のエリヤ。  
だが、そのエリヤのやる気のおかげか、はたまた感度抜群のウィストの体のせいか?  
卵はモリモリとひねり出てくる。  
「ほらほら、出てきてるよ、ウィストの卵が『こんにちは』してる!」  
「あ、ああん、やめて、エリヤ! 恥ずかしいよ!」  
「なんで? それじゃあ、アンセルムの卵を産むとき大変だよ?」  
「な!? あ、アンセルムの卵!? あ!? あ、ああん!!」  
びくびくと激しく腰を振り続け、ウィストは残った卵の部分を大きくひねり出す。  
「で、でるうう、た、たまご! 卵がうまれちゃううう!!」  
大きく腰を跳ね上げ、卵大きく噴出させる。  
「は、ハアハア……よ、よかった……」  
ウィストは体全体で大きく息をする。  
全身は汗でぐっしょりと濡れ、床には今ウィストの体に入っていた卵が落ちている。  
知らぬものから見れば本当にウィストが生んだように見えるであろう。  
「よかった、ありがとう、エリヤ」  
「良くない!!」  
「え!?」  
「自分ばっかりズルイぞ! 君はいつからそんなずるい子になったんだ!?」  
「え!? ええ!? あ!」  
その時初めてウィストは気がついた。  
 
エリヤが完全に酔っ払っていることに!  
 
「さてと、続き続き!」  
「ちょ、ちょっと待ってエリヤ……」  
「問答無用!」  
 
 
こうして、朝まで酔ったエリヤと一緒に色々したり、その途中、  
どこから湧いたのか、乱入してきたクリフを二人でボコボコにしたり。  
二人の記憶を消すために、精神操作系の魔法を覚えることを心に決めたりしたのだが。  
 
 
 
ウィストが一番大きく感じたのが、  
エリヤの舌技でもなく、指技でもなく、まして卵を入れた時でもなく。  
 
‘アンセルムの卵をひねり出している自分,  
を、想像したときであることは、絶対に死んでも誰にも秘密にしようと思った。  
 
 

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