とある場所にあるルーフェリア学院大学。  
その中にある一つの部室の中。  
 
 
「ちょっと、ジーク!少しは手伝いなさいよ!」  
 
学園祭の準備をしていたエアリサームは、部室の隅に寄せられたソファーで寝ていたジークハルトに声をかけた。  
 
「あ、うん…お〜いメッシュ〜、やっといて。」  
「ジーク様、残念ながらこっちも手一杯で。」  
 
声をかけられた男、メシュオーンは飾り付けの設置に、あっちこっちと動き回っていた。  
 
「ジーク部長、ちゃんとエア副部長の言うこと聞かないと、あとが怖いのわかってるのにぃ〜」  
「そうでやんす。じゃないと、こっちにまでとばっちりが…」  
新入部員のニゲラとイスミーの二人が、ひそひそと話している。  
 
 
彼らはルーフェリア学院大学冒険同好会。  
各地の遺跡と呼ばれる場所から持ち帰ったお宝を、学園祭で展示する準備の最中だった。  
 
「…ジ〜クぅぅぅ〜………」  
エアリサームの怒りが高まり、顔が真っ赤になってきた。  
 
「あ…や、やばい………さ、さ、私の準備は終わったんで、ジーク様、先に帰らせてもらいますね。」  
「オ、オ、オイラ達も終わったでやんす!」  
「部長〜、副部長〜、仕上げはお願いしますねぇ〜お先に失礼しますぅ〜」  
 
エアリサームの怒りのとばっちりを食らうまいと、メシュオーン達はそそくさと部室を出ていった。  
 
「おう。みんな、もう夜中だし、気をつけて帰れよ〜」  
 
部員に挨拶したあと、ジークハルトは音もなくエアリサームに近寄った。  
 
「もう〜…ジーク、ちゃんと手伝ってよね?早く終わらせて私達も帰りま………きゃっ!?」  
 
エアリサームがぶつぶつつぶやいていると、突然ジークハルトはエアリサームを抱きしめ、キスをし、口をふさいだ。  
 
「…ん………むっ………」  
 
 
それは、優しくも力強いキスだった。  
 
少しして、二人は唇を離した。  
 
「もうっ……ジーク……」  
「準備ったってあらかた終わったんだろ?みんなも帰って二人きりなんだし…な、しよ?俺、さっきから我慢できなくてさ。」  
 
「あ、あなたねぇ、こんな場所でいきなり何を…あっ……」  
 
 
今度はより深くエアリサームの唇をふさぎ、ギュッとその身体を抱きしめた。  
お互いの舌が絡まり合い、だんだんと吐息が漏れ始める。  
 
ジークハルトはキスをしながら器用にエアリサームのブラウスの胸元を開き、ブラジャーを外し、唇を離し乳房を舐め始めた。  
 
「あっ…ジ、ジーク…あっ…そこ…だめ…あぁん…だめだってば…はぁん……」  
 
 
……………………………  
 
 
「うわ〜お二人激しいですぅ〜あんなことまでしちゃってますよぉ〜エアさんって、感じやすいんですねぇ〜」  
 
その頃、帰路についたはずの部員達はすぐ近くにある学生寮の一室に集まっていた。  
 
「ふっふっふ。こんなこともあろうかと、こっそり隠しカメラを設置しといたのさ。エアは校内でも人気あるし、これを焼き増ししてこっそり売れば、ボロ儲け…」  
「さすがムーテス先輩でやんす。」  
「ところで。隠しカメラはいいとして、ちゃんと録画出来ているのですかな?」  
「もちろんだよメッシュ。これは録画機能付きで……あれ?…あ!…録画機能はオプションだぁ〜!」  
「あ、あれ?エア副部長がカメラ目線でやんす…あ…すごい形相に…………」  
「あれ〜?急に映らなくなりましたよぉ〜?」  
「………あ。私、大事な用事を思い出しました…では!」  
「お、おいらもお先にでやんす〜」  
「ニ、ニゲラもぉ〜」  
「どうしたの?何が映ってるって?今説明書読んでるから……すぐ録画出きるように……あっ?」  
 
「……………………………………………………………ムーテスぅ〜?何をしていたのかなぁ〜?…………………………………………………」  
 
「エ、エ、エ、エア〜!うわぁ〜!ごめんよ〜!!!………お、お、落ち着いて………と、と、とりあえず服、着ようよ…ね?……ぎゃ〜!!」  
 
 
………………………………………………………………  
 
かくして。彼らの波乱万丈な日々は、明日へと続くのであった。  
 

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