「ベルカナ、ちと聞きたいことがあるんだべが・・・」
「あら、なんですの?」
「『出張ホスト』って何だべ?」
「ほ、ホスト!?」
「んだ。ギルドから『お前でもできる』とか言って仕事が廻って来ただ」
「まさか受けたんじゃ・・・」
「いんや、まだだ。報酬は良いんだけども、肝心の内容が解らないもんでな」
「ギルドから説明は?」
「『行けば解る』って笑いながら言うだけで、詳しい事は何も教えてくれなかっただ」
「・・・マロウ、悪い事は言いませんわ。貴方は普通に働きなさいな」
「だども給仕や街道整備の稼ぎじゃ、金は貯まらねえだ。この『ホスト』って仕事さこなせば、村に仕送り出来るだ」
「だからって・・・」
「頼むべ、ベルカナ。おらぁ村の人に恩返しがしたいんだ」
「・・・解りました。教えて差し上げます」
「おおっ!恩にきるべ」
「その、『ホスト』と言うのはですね」
「ふんふん」
「─と言う訳ですの。お解りになりまして?」
「・・・あ、ああ。解っただ」
「解ったんなら地道に給仕の仕事でも探してらっしゃいな」
「はぁ・・・しがたねぇ、そうするべ」
「・・・お待ちなさいな」
「何だべ?」
「これから闘技場に行きましょう。運が良ければ仕送りのお金が稼げましてよ?」
「おらはマーファさまの─」
「多少の事には目をつぶりなさい。何なら、貴方は私の付き添いと言う事で」
「だども」
「良いからいらっしゃい。レディの誘いを無下にしない事ですわ」
「わ、引っ張らないでくんろ〜」
「そう、そこですっ!ああっもうっ!何でそこで下がりますの!?」
「お、落ち着くだよベルカナ」
「きゃ!ちょ、ちょっと、どこを触っているんですの!」
「わ、わりぃ」
「まったく・・・」
「ベルカナ」
「何ですの?」
「ベルカナって着痩せする方だったんだなぁ」
「─っ!」
バキィッ!!