がしゃんがしゃん
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜・・・やっぱりイリーナか・・」
「もう。やっぱりじゃないですよ」
「そんな大音立てて歩いてたらすぐ分かるわよ・・・ぐはあっ!(吐血)」
「マ、マウナ!? どうしたの?」
「ごめん! 持病の<橋の下に行きたくなる病>が出たみたい!
あとはよろしく!」
「ええっ? マ、マウナ!?」
「じゃあ、あたしは橋の下でティソダーをみみっちく擦り合わせてるから!」「マ、マウナ・・・・!? 分かりました!
イリーナ・フォウリー、正義の為にウェイトレスをやります!」
お着替え中
「あら。イリーナちゃん、ウェイトレスも似合うのね。
でもその背中の<風林火山>と<特大グレートソード>は何かしら?」
「はい! どんなお客さんにも対応できるように、準備は万端です!」
「そう・・・頑張ってね。マウナちゃん早く戻ってきて」
この日<青い小鳩亭>に新たな看板娘が誕生した。
見た目は茶髪の可愛いウェイトレスさん。
背中には特大クラブとグレートソードの二本差し。
これは、ウェイトレス・イリーナの巻き起こす、
血と殺伐と感動の物語・・・・ではない。
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜」
「ドナタデスカ?」
「もうヒース兄さん。わたしですよ」
「おお。本当にイリーナがウェイトレスやっとる」
「もう。なんですか、ヒース兄さん。
わたしだって、ウェイトレスさん出来ますよ!」
くるっと一回転
「うっ・・・・ちょっと、キタカモ・・・・。
い、いや、待て俺。中身がイリーナのウェイトレスを可愛いと思うなんぞ、
あってはならんことだ」
「ヒース兄さん。なに動揺しているんですか?」
「イ、イヤ、ナンデモナイデスヨ」
「ではご注文をどうぞ。お客様」
「うむ。ではいつものレアな焼き鳥を・・・・いや待てイリーナ!
あの盛大に気絶した男たちの山はなんだ!」
<青い小鳩亭>の一角。築かれた男たちの山。
「あー、あの人たちですか。
わたしのお尻を触ろうとしたので、ちょっと気絶してもらいました。
あ、ちゃんと<手加減>はしてますよ」
「イリーナのお尻・・・・気持ちは分かるが、勇者な連中め・・・・」
「ヒース兄さん・・・・なにわたしのお尻見てるんですか?」
「カワイイオシリジャネーカ」
「もう。ヒース兄さんのエッチ♪」
ばしーん
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜」
「やあイリーナ。ボクも手伝いに来たよ」
「ノリス・・・その格好・・・」
「ノリス? 違うよ。今のボクはノリーナさ!」
くるっと一回転
「ノリーナ、キター!」「ノリーナ! ノリーナ!」
「あああ。わたしよりもみんなノリーナにイッちゃってる!」
「みんな騙されちゃ駄目だ! あれは男だ! 男なんだ!」
「男でもいいぞ!」「いや! むしろ男だからいい!」
「そうだ! 男だからいいんだ!」「可愛いから許す!」
「あああ。騙されてる! みんな騙されてる!」
「うふっ。そう言ってないで、君もボクといいことしようよ」
「うわっやめろ。こっちくるな! ぼくはエルフ一筋だ!」
「じゃあツケ耳」
「うっ・・・卑怯! 卑怯すぎる! ああ、なんだこの胸の高まりは・・・・
ツケ耳だって分かってるのに・・・! マウナさーん!」
「ああっ。エキュー!」
「じゃあ。今日からボクも、ここでウェイトレスやるね」
「うん・・・・よろしく・・・・」
この日。<青い小鳩亭>に新たな看板娘(?)が誕生した。
「みんな! 騙されちゃ駄目だ!!!!」
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜」
「おお。イリーナ。がんばっとるの」
「あああ。ガルガドさん、ガルガドさん」
「うっふ〜ん。ガルガドさん、いらっしゃいませ〜」
「お前はよるな! クソガキ!」
どげし
「あああ。騙されない人発見!」
「よし。おやっさんもウェイトレスを・・・・!」
「お前はもう黙っておれ」
どげし
「さすがガルガドさん。ご注文をどうぞ」
「ところでイリーナ・・・・」
「はい。なんでしょうガルガドさん!」
「そのグレートソードで、台所ごと素材をなます切りにするのはよせ。
客がみんな逃げ出したではないか」
「てへっ」
「ああ。マウナちゃん。早く戻ってきて」
その頃。橋の下のマウナ。
「うふふ。やっぱり橋の下でティソダーをこすりあわせるのは、心が落ち着くわ〜」
「マウナさん・・・・なんて落ちっぷりだ・・・」
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜」
「おなかぺっこぺこだおー」
「あれエキュー。そのちっちゃいエルフの女の子どうしたの?」
「うん。そこの道端で保護者と一緒にいたから、承諾なしで連れてきた」
「あの。それ犯罪・・・・」
「おなかぺっこぺこだおー」
「はいはい。じゃあ僕といっしょにご飯にしようか。
あ、イリーナ。個室にいるから、ご飯運んできて」
「え? え? え?」
「おなかぺっこぺこだおー」
「はいはい。お部屋で、僕といいことしようね」
「エキュー・・・・ちょっとお待ちください」
−−−−−−−−強制終了−−−−−−−
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜。あ、ヒース兄さん」
「ようイリーナ。はっはっは。今日もウェイトレスか」
「はい。ご注文は何にします」
「そうだな。ん?・・・なあイリーナ」
「はい。なんでしょう」
「この<イリーナ特別サービス>というのはなんだ?」
「はい。わたしが個室でお客さんに特別サービスするんです」
「個室でって・・・・どんなサービスを!?」
「それはわたしとお客さんの秘密です」
「・・・・では俺が買おう」
「は〜い。イリーナ特別サービス、一名様ご案内〜」
(個室移動中)
「で、何をするんだ? むふー(鼻息荒く)」
「うふふ。ヒース兄さん。ちょっと動かないでくださいね」
「ってイリーナ・・・・・急に抱きついてなにを・・・・!」
「と・く・べ・つ・サ・ー・ビ・ス♪」
「うわー! イリーナがいつもこんなことを・・・・!」
「えい!」
「えい!って・・・ぎゃー!」
「あれれ? また気絶しちゃった。この特別サービス、刺激が強すぎるのでしょうか」
イリーナ特別サービス<締め付け>
もはや何も語らず
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜」
「ままー。正義をちにきました」
「ちびーな! どうして、こんな所に!?」
「正義をちにきました」
「それにそのウェイトレスの格好!?」
「えへへー。かわいいでつか」
くるっと一回転
「チビーナ、きたー!」「チビーナ! チビーナ!」
「えへへ〜。正義をちにきました」
「でも、そのウェイトレス服は?」
「それは、私が用意しました」
「ムッシュ!? <うなずく小鳥亭>のフランツさん」
「はい。新しい食材を探していた処、偶然出会いまして」
「そうなんだ」
「今日は皆さんに、私の新作料理をお持ちしました」
「へー。どんなお料理なんですか?」
「はい。アルウラネのサラダと姿焼きです」
「・・・・フランツさん。ちょっとそこ動かないでください」
−−−−−−−−−強制終了−−−−−−−−−−−
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜」
「わ〜。このお店、アットホームで落ち着くわ〜」
「ああ。なんだかリファールにいた頃を思い出すな」
「は〜い。冒険者様六人組ご案内〜」
「あ、ここ特設ステージがあるんだ」
「はい。普段はドワーフの吟遊詩人さんに唄ってもらってます」
「じゃあ私が唄ってもいいかな?
冒険の最中に作った歌があるんだけど」
「はい、いいですよ〜。ぜひ聞かせてください」
「では一曲。歌は『怪物たちの晩餐』」
『怪物たちの晩餐』演奏後
「モンスターを育てる邪悪な砦!
イリーナ・フォウリー成敗に行って参ります!」
『わー。待て待て待て〜』
「スネア〜」
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜」
「あら。なんだか、小さいけどアットホームな良い店ね」
「うにゅう。オランで駆け出しだった頃を思い出すにゅう」
「は〜い。冒険者様六人組ご案内〜」
「あ、ここ特設ステージがあるんだ」
「はい。普段はドワーフの吟遊詩人さんに唄ってもらってます」
「じゃあ、わたしが唄ってもいいかな。
冒険の最中に作った歌があるんだけど」
「はい、いいですよ。ぜひ聞きたいです」
「では一曲。歌は『優しい虎のトップ』」
『優しい虎のトップ』演奏後
「人を食い殺す邪悪な虎!
イリーナ・フォウリー、成敗に行って参ります!」
『ちょっと待てい!』
「バルキリー・ジャベリン」
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
「ではここでワタクシが一曲。
<ファリスの猛女伝説>を唄いますぞ」
「きゃ〜。バスさん素敵〜」
『ファリスの猛女伝説』
撲殺! 風林火山 殴り倒せ
滅殺! 特大グレートソード 切れ味バツグン
シールドアタック! 悪の魔術師ぶち殺す(実話)
クリティカル! ワイバーンだって一撃撃墜(実話)
素手で暗黒神官殴り倒し 月夜に吼えろ(がおーん)
君が泣くまで殴るのをやめない!(実話)
アイアンゴーレムだって撲殺撃滅!
最強! 正義! ファリス! 筋肉!
パワー・フォー・ジャスティス!
るーるる、るるりらー♪
無敵! 鉄板! 超重装甲!
森のクマさんと楽しくダンス(実話)
一家に一人ファリスの猛女
きっとあなたの隣にも
がしゃんごしょんと聞こえたら気をつけろ
奴はすぐ側にいる!
あたまの上できらめいた
グレソは今日も切れ味バツグン
あなたのお家にとどけたい
鎧は筋力24(もう25)
「みんな騙されちゃ駄目だ!
みんながいつも見てるイリーナには<ディスガイズ>がかかってる!」
「は〜い。ちょっとこっち来て下さいね〜」
悪・即・斬
16歳の少女が筋力だけは超英雄を超えました!
る〜るる るるりら
きっとあなたの隣にも
ファリスの猛女 イリーナ参ります!
<センス・イービル>
「汝は邪悪なり!」
「待て! 私は無実だ!」
「だってあの耳はツケ耳だし」
「だってあの肌は白粉だし」
<フォース>
「殴った方が早いので使ったことありません」
デュラハン、ワイバーン、バグベアード、アイアンゴーレム
ぞろぞろ強敵目白押し
ラスボス<アトン>があらわれた!
「そこの筋肉娘! この俺が拾ってきたファーラムの剣(必要筋力25)を使うんだ!」
「はい! イリーナ・フォウリー、世界を救ってみせます」
(歌おわり)
「ご清聴ありがとうございましたですぞ」
「バスさん。ちょっとこっち来て下さい」
今日も元気に営業中<青い小鳩亭>!
からんころ〜ん♪
「いらっしゃいませ〜」
「イリーナ! お待たせ!」
「マウナ! もう持病は治ったんだね」
「うん。自分に<レストア・ヘルス>したら治ったわ」
『最初っからそうしろ!』
青い小鳩亭は今日も元気に営業中!
ぜひ一度遊びに来て下さい!