朝霧の漂う人気のない公園。  
その外れにある草地の上で一人の青年が剣を振るっている。  
一太刀毎に風を切る、その音の鋭さが彼の戦士としての実力を物語っている。  
ザボ=ンという名の冒険者だ。  
傭兵上がりの彼は毎朝の訓練を日課としていた。  
「今日はこのくらいにしておくか」  
一通りの素振りを終えると剣をしまう。そして…  
「出て来てもいいよ。もう終わりにするから」  
背後の植え込みに向かって、唐突に声をかけた。  
「何よっ、もう! いつから気付いてたの!!」  
まず黒猫が、続いて小柄な少女が、植え込みの向こうから現れた。  
 
「そりゃ気付くよ。何と言ってもケッチャは僕のお嬢様だからね」  
答えには、なっていない。  
だが、ザボはそう言いきりケッチャと呼ばれた少女もそれで納得している。  
足元で彼女の使い魔ザザが呆れたように一声鳴いた。  
「でも珍しいね、お嬢様が早起きして稽古を見にくるなんて」  
彼女は三人いる女性陣の中でも特に寝起きが悪いのだ。  
するとケッチャは何故か怒ったような口調で答えた。  
「べっ、別にいーじゃない。たまにはそういう日もあるってことよ!  
私がわざわざ見に来てあげたんだから少しくらいありがたがったらどーなのよ」  
 
「分かってる。感謝してますよ、お嬢様」  
一言謝るとそれでケッチャも機嫌をなおした。  
ザボは彼女に気付かれぬよう、密かに苦笑する。  
そうしながら、開けた草地の隅に置いてあったザックに歩み寄った。  
汗みずくのシャツを新しいものに着替えようとしたのだ。  
 
ポツリ……  
 
剥き出しの肩に当たった水滴の感触に、ハッとして空を見上げる。  
どんよりした空は既に雨雲に支配されており、当然の如く大粒の雨を降らせ始めた。  
「うわっ!」「きゃっ!」  
二人は同時に悲鳴を上げた。 慌てて周囲を見渡すと、一軒の東屋が見えた。  
 
「なんで、いきなり雨なんか降り出すのよー!  
なにもあたしがわざわざ早起きした日に限って降らなくてもいーじゃない!」  
ケッチャが文句を言いながら空を睨みつける。  
が、ザボはかまわずに彼女の手を引っ張って東屋へと駆け込んだ。  
(ケッチャがわざわざ早起きしたからこそ、いきなり大雨になったんじゃ)  
などと思っても口には出さない。  
ともあれ近くに雨宿り出来る場所があったのは不幸中の幸いだった。  
そこは公園を散策する者達が弁当を広げたり、お茶会などをするために作られており、ベンチや長テーブルなどが置かれていた。  
 
雨音だけが響く二人だけの空間。  
長い間こんな時間は持ったことがなかった。  
冒険者の常としてザボ達もまた六人でパーティを組んでいる。  
何処に行くにも皆一緒だったし、そのこと自体に不満は無い。  
(でも、今この瞬間、この雨に閉ざされた空間にいる間は僕とケッチャ二人きりなんだ……)  
 
そんな感慨に浸っていたザボをケッチャのくしゃみが現実に引き戻した。  
「あぁん、もう。ほんと最っ低!」  
なおも小さなくしゃみを繰り返しケッチャがぼやく。  
小刻みに震えるケッチャにザボがタオルと変えのシャツを差し出した。  
 
「身体を拭いて、こっちに着替えてください。濡れたままよりは、ましだよ」  
ケッチャにそれらを渡し、ザボはくるりと回れ右をした。  
しかし、ケッチャは素直に言う事を聞かなかった。  
「でも…、これは元々ザボの着替えでしょ……。  
それにその格好じゃ、あんただって風邪ひいちゃうわよ…」  
これから着替えようとした時に雨に降られたのだ。  
当然ザボは今、上半身に何も着ていなかった。  
だがケッチャをそのままにしておくことは、ザボには出来なかったのだ。  
「とにかく、それはお嬢様が使ってください。僕は大丈夫だから」  
 
ケッチャはなおも躊躇っていたが、やがて決心したらしく衣服に手をかけ始めた。  
激しく降る雨の中で衣擦れの音だけが何故か鮮明に聞こえる気がする。  
「…いいわよ、もう…。こっち向いても……」  
やがて、ケッチャの心なしか控えめな声がしたので、ザボは振り返った。  
 
!?  
 
目の前にあるモノが何なのか、とっさに理解出来なかった。  
一拍の間をおいてソレが何なのかを理解するが、その途端、彼は激しく動揺することになる。  
振り返ったザボの目前にはケッチャの姿がある。  
 
しかし彼女は今、彼と同じく上半身に何も纏わず、ただ胸元を両手で覆っただけの姿をしていたのだ。  
肉付きの薄い肩は日に焼けておらず鮮烈な白さを保っている。  
薄茶色の髪は、しっとりと濡れていた。  
だがその光沢が色褪せることは無く、むしろ解れた幾筋かの髪が細い項に絡まる様は、  
普段の彼女からは見られない薫るような色香を立ち昇らせていた。  
そして胸元……。  
両手で隠されたその膨らみは決して小さなものではない。  
彼女は日頃の言動や振る舞いこそ少女らしい。  
しかし本来なら少女と呼ばれるには微妙な年齢なのだ。  
 
(だっ、だめだ。落ち着け、落ち着け……)  
動揺する心を必死でなだめようとするが、かえって焦りが募るばかりだ。  
「どういうつもりです。男物のシャツでは駄目ですか?」  
内心の焦りを悟られまいとして、つい突き放すような口調で問い正してしまうザボ。  
しかし対するケッチャは、つと視線を外し小さく答えた。  
「だって…、ザボにばっかりそんな格好させとくなんて、やだよ。  
ザボがそのままでいるなら、あたしも……」  
普段、聞くことのない口調、今までに見たことのない表情。  
ある一つの“思い”がザボの心に沸き上がっていく。  
 
それは彼が意識的、無意識的に押し殺してきた感情だった。  
“お嬢様をお守りする騎士になる”  
幼い頃からの夢であり、彼女と出会ってから今まで続いてきた関係の大前提だったはずだ。  
(でも僕は……)  
顔を上げる。目の前にいる少女は、やはりこちらを見ている。  
その瞳に真っ直ぐに見つめられた時、決心はついた。  
「やっぱり、ちょっと寒いね」  
照れくささを微かに含んだケッチャの言葉。  
「だったら僕に暖めさせてよ」  
ザボは、そう答えて手を伸ばし白く華奢な肩に、そっと触れる。  
ケッチャも静かに頷き、そのまま身体を預けた。  
 
何度も何度も小鳥のようなキスを重ねる。  
出会ってから今日までの日々を反芻しながら繰り返す。  
お互いの身体に両腕を回し心臓の鼓動に従って二人分の温もりを分けあう。  
「ケッチャ……」  
「…ん……」  
それだけで二人は解りあい、ゆっくりと抱擁を解いた。  
予備のシャツは結局、長テーブルに敷かれた。  
その上にケッチャの身体を優しく横たえる。  
微かに震える、うっかり触れば壊してしまいそうな細い裸身の白さが眩しい。  
「ケッチャ…。綺麗だ、綺麗だよ。ケッチャ……」  
耳元で囁く。それだけでも繊細な身体には反応があった。  
 
「や、やだ。なんか恥ずかしい…。あんまり見ないで……」  
敏感過ぎる身体の反応に戸惑い、つい胸元を手で隠してしまうケッチャ。  
ザボはくすりと笑って彼女の髪を撫で、その心を解きほぐしていった。  
「っ……、ん…ふぅ」  
唇を耳から首筋、更に鎖骨の辺りまで滑らせる。  
時には強く吸い付き、時には舌先でチロチロと擽るように……。  
「はぁ…ん、ひぁっ、ん…はぁ……」 繰り返される愛撫により目覚めた快感が白い肌を朱に染めていく。  
「手…、退けて…。そこも見せて欲しいんだ……」  
 
既に官能の炎をその中に宿した瞳でケッチャはザボを見返す。  
やがて、おずおずとながら、その両手をほどいていった。  
手の平にやや余るほどの大きさをもった双丘。  
ザボは壊れ物を扱うかのように慎重にその膨らみに手を触れる。  
(柔らかい。それに手の平に吸い付いてくるような…。これが、これがケッチャの……)  
「やっ!だめぇ!いたいのっ!!」  
突然の悲鳴にハッとなる。  
知らず知らずのうちに力が入ってしまったらしい。  
「ごめん!だっ、大丈夫!?」  
ザボにとっても女性を抱くのは初めての経験なのだ。  
 
今頃になって顔が紅潮してくるのを自覚する。  
「ん…、いいよ。だから……」  
その言葉に頷いて再びザボはケッチャの身体を愛し始めた。  
左右の乳房に交互にキスを繰り返し、その頂きを口に含む。  
舌を使ってコロコロと転がした後、軽く歯を立てると、それらはツンと伸び上がった。  
「っん! あっ…ん!はぁ…んんっ! ああぁぁっ!!」  
ケッチャの艶声が次第に大きくなっていくにつれ、ザボの愛撫も激しさが増していった。  
ちゅっ、ちゃぷっ、ちゅぱっ  
わざと大きな音を立てて白い裸身のあらゆる場所に唇の刻印をつけていく。  
 
「あっ、あん。 いいの…、あぁん…だめっ、いいよぉ……」  
初めて受ける男からの快感はケッチャを完全に溶かしていた。  
そのことは彼女の最も秘められた箇所にある泉が示している。  
ザボはその場所にそろそろと手を伸ばした。  
クチュリ…  
指先がその割れ目に到達し、下着の上からなぞり上げる。  
「ひっ! やぁん、だめっ!そっ…んなとこ、はあぁぁん!!」  
秘部を擽るザボの手を、とっさに押さえてしまうケッチャ。  
しかしザボは、もう躊躇わなかった。  
「いい…よね、ケッチャ。 見たいんだ。ケッチャの身体を、全部。だから…」  
 
「…ん。いい…ょ……」  
消え入りそうなほどの、か細い声。  
しかしケッチャにも既に迷いは無かった。  
スカートを止めている帯を自らほどき、脱がし易いように腰を浮かせた。  
そんな彼女の気遣いに応え、ザボはスカートと下着をするりと抜き取った。  
薄茶色の茂みと、その奥にある泉とが顕になる。  
ケッチャは羞恥の余り両手で顔を覆ってしまったがザボはそれどころではない。  
初めて目の当たりにする女性の秘部に、すっかり見入っている。  
溢れる愛液により、てらてらとした光沢を放つ秘唇。  
小さく顔を覗かせている真珠のような淫核…。  
 
顔を近付けると、むせ返るほど濃密な薫りに酩酊感すら覚えてしまう。  
衝動に突き動かされるままに、ザボはその部分に吸い付いていった。  
「んはっ! はっ…、あぁっ、あぅぅ! はぁっ、ああぁぁぁ!!」  
上から下へ、下から上へ。時に深く、時に浅く。  
縦横に動き回る舌がケッチャを一歩一歩と快楽の高みに導いていく。  
更にザボは秘裂の責めを指に変え、軽く入り口を引っ掻くように擦り上げた。  
「ひぃっ! やっ、やっ…ん! やだ…っ、あっ!いゃあぁぁぁ!!」  
未体験の激しい快感はケッチャを確実に追い詰めていく。  
 
次いでザボの舌が狙いを付けたのは女の最も敏感な部分だった。  
まず舌先で、ちょん…、とつつく。  
それだけで彼女の肢体が、ひくん、と跳ねた。  
「変…よ。そこ……、へん…にっ、なっっ…、っあ! ふあぁぁ…っん!!」  
その表面をじっくりと舐め回した後、口に含む。  
ちゅばちゅばと音を立てて吸い上げ、更にその抱皮をちゅるんと剥き出しにする。  
無防備な肉真珠にカリ…と歯を立てると迸る快楽に華奢な身体が、びくびくと震える。  
「っっは! はぁっ…、ぁああぁ…ぁぁ……」  
ケッチャの意識は真っ白な閃光に塗り潰されていった。  
 
細い脚が、ぴんっと張り詰めたあと徐々に弛緩していった。  
はぁ、はぁ、と荒い息をつきながらも満たされた表情のケッチャ。  
絶頂の余韻も覚めやらないうちに、ザボは自らの身体を覆い被せていく。  
ケッチャの両脚の間に身体を挟み、その部分を大きく割り広げ、己の分身をあてがう。  
「……ぇ? ぁ……」  
ケッチャも、ようやくザボの動きに気が付いた。  
視線を交わし、こくりと頷く。  
「いくよ…!」  
ザボは、ゆっくりとケッチャの内へと入り込んでいった。  
「くっ!」「っあ!」  
二人の声が同時に上がる。  
 
全身が真っ二つに裂けてしまうのかと思えるほどの強烈な痛み。  
続けて圧倒的な質量が身体の奥深くに分け入ってくる。  
息が出来ず、声も上げられず、ただ口をぱくぱくとさせることしか出来ない。  
(んっあ! だめ…っ! もっと、ゆっく…りぃぃ!!)  
そう言いたいのに声が出せない。  
激しく打ち付けられるザボの分身はケッチャにとって余りにも強すぎる刺激だ。  
絶頂に達したばかりの身体は性感が鋭くなり過ぎていた。  
 
(おっ、おねが…いっ! あたしぃっ、壊れるっ! こわれっ…ぁぁ!!)  
しかしザボは挿入の勢いを弱めない。  
 
ザボも彼女のことを只の慰み者にするつもりはない。  
ただ、彼自身初めての行為に思わず自制が効かなくなっているだけだ。  
ケッチャの内部はザボにとって、それほどに心地良かった。  
(きつい…! でも、これは……!!)  
初めて味わう挿入の感触は想像以上だった。  
ぬるぬるした肉壁が己の分身を柔らかく包み込む。  
しかし、奥へ進めば進むほど痛いくらいに締めつけてくるのだ。  
「ああっ、ケッチャ…、最高だ! 最高だよっ!!」  
そのうち、ザボの熱意はケッチャの身体にも波及していった。  
痛みと快感が徐々に入れ変わっていく。  
 
「すごいっ…、すごいよ、ケッチャ……!!」  
それだけをうわ言のように繰り返し必死になって腰を打ち付ける。  
破瓜の血が混じる愛液がザボの律動に合わせて、じゅっ、じゅっ、と音を立てる。  
「好きだっ! ケッチャ。僕は、ケッチャ! 好きだぁぁ!!」  
「あっ、あたし…っ、もっ、もう……、ザボっ…! はぁあぁぁん!!」  
二人は同時に頂きへと登り詰めた。  
どくん、どくんと脈を打つザボの分身はケッチャの内部に熱い想いを解き放つ。  
ケッチャは、自身の内部にその想いが満ちていく感触を、うっとりとしながら感じていた。  
 
やがて二人は身を起こすと初めての行為の余韻を惜しむかのように静かに唇を重ねあった。  
 
しばらくして、唐突にザザが一声鳴いた。  
気が付けば雨は、あかり始めている。  
結局、濡れたままの衣服で身繕いすることにした。  
(みんな、気付くかな……)  
ケッチャとの間に起こった決定的な関係の進展。  
二人の女性陣は気付くかもしれない。  
残る男性陣二人は…。  
「大丈夫。何もかも、全部……。ね?」  
不意にケッチャが、そう言った。同じことを考えていたらしい。  
「ああ、そうだね」  
それだけ答えると二人は腕を組み公園をあとにした。  
 

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