灼眼のシャナ  

「じゃ、また後でね、悠二」  
「うん」  
軽く挨拶を交わし、悠二はシャナの小さい背中を見送った。  
マージョリーとの戦いからしばらくは、とりたてて大きな事件も無く、近頃は平和な日々が続いていた。  
だが最近、シャナは夕食を取った後に、"紅世の徒"の気配が無いか、周囲を巡回するのを日課にしていた。  
彼女の話では、この周辺に何やら妙な違和感を感じているらしい。  
それで戦いになれば、また大変な目に会うのは分かっていたが、悠二には正直ありがたかった。  
──シャナがいては、絶対に出来ない用もあるのだから。  
              ◇  ◇  ◇  
「くっ……、っ、く……」  
シャナと別れてしばらく後。悠二は声を殺しながら、自室で自分自身を慰めていた。  
扉には鍵を掛け、万一シャナが早目にやって来た時の為に、窓にもロックをしてカーテンを閉めてある。  
若さ故に仕方の無い事であったが、実は悠二がこうしているのには、他にも理由があった。  
(シャナ……)  
固く目を閉じた悠二の脳裏に浮かぶのは、自分の守護者である少女の姿。  
悠二のこの行為は、シャナに対する劣情を鎮めるためでもあったのだ。  
桁外れの力を持ちながら、外見は十一、ニ才の彼女に対し、悠二も最初はそんな対象として見ていなかった。  
けれど、一緒の時を重ねる内に、悠二は彼女に惹かれている自分を誤魔化し切れなくなっていった。  
しかし、そうなると問題になるのは、彼女との距離の近さだ。  
何しろシャナは悠二を守る為に、朝から晩まですぐそばにいて、夜はいつも彼のベッドで寝ている。  
同じ部屋の床で毛布に包まり、彼女の可愛い寝息を聴いていたりすると、つい股間に血が集まってしまう。  
襲い掛かっても叩きのめされる、と言うのもあるが、それ以上に彼女に嫌われたくなくて、実行にも移せない。  
安楽な睡眠を得る為にも、悠二はこうして欲望を処理しているのだった。  
(シャナ……。ごめん、でも、僕っ……)  
愛しい少女を想像の中で穢しているという罪悪感は、もちろんある。  
だがそれ以上に、愛する者と交わりたいという若い欲望は、強く激しかった。  
シャナの澄ました顔、怒った顔、笑った顔、照れた顔。  
抱き締めた時の柔らかさ、肢体から立ち昇る甘い匂い、一度だけ見た一糸纏わぬ裸身。  
彼女の全てを思い返しながら、悠二の手の動きは速さを増していく。  
「シャ、シャナ……、シャナっ……!」  
かたんっ。  
「えっ!?」  
彼女の名を呟いたと同時に、小さく窓枠が音を立て、悠二の顔から一気に血の気が引いた。  
いきり立ったモノを慌ててズボンに押し込み、シャツの裾でそこを隠す。  
窓のロックを外し、ベランダに飛び出して辺りを窺うが、少し強い風が吹いているだけで、人影は無い。  
「さ、さっきのは、きっと風で鳴ったんだよな? そうだよな?」  
悠二は不安を振り払うように、誰にともなく呟く。  
髪を撫でる風が、悠二の問いを虚空に吹き消していった。  

              ◇  ◇  ◇  
「ゆっ……悠二のやつ、あ、あんな事を……」  
その頃シャナは、悠二の部屋からは死角になる裏手の家の屋根に座り、激しく脈打つ胸を両手で押さえていた。  
フレイムヘイズである彼女は、運動能力だけでは無く、聴覚を含めた五感も人並み外れている。  
窓ガラス越しに聞こえた悠二のうめきを不審に思い、シャナはカーテンの隙間から、そっと中を覗いた。  
そして、悠二の自慰現場を目撃してしまったのである。  
学校の授業と同様、性行為に関しても、シャナは尋常ならざる知識を持ってはいる。  
けれど、戦いに明け暮れていた彼女は、実経験は勿論、実際にその様な行為を見るのさえ、初めてだったのだ。  
どう反応したら良いのか判らぬまま、シャナは悠二の様子をじっと見詰めていた。  
そして、彼の口から自分の名前が出た途端、動揺して無様に音を立ててしまい、そこから逃げ出したのだった。  
「ねえ、アラストール。あれって、私の事をその……考えて、してたって事よね?」  
シャナは珍しく途方に暮れた様子で、自分の胸元にあるペンダントに問いかけた。  
そのペンダント"コキュートス"は、彼女に宿っている"天譲の劫火"アラストールの現世との接点だ。  
「いや、その、我に訊かれても困るのだが……」  
強大な"紅世の徒"の王の一人である彼も、今までシャナが聞いた事の無い、困惑した口調で答えた。  
いつもならば、厳格そうな声に似合わず世話好きな彼は、シャナの悩みに適切な助言を与えてくれる。  
しかし、今回のあまりに気まずい出来事は、さすがのアラストールも対処に困っているようだった。  
「……で、あの不埒者に対する処分はどうする? いつものように懲罰を加えるか?」  
しばらくして、意を決したアラストールは、シャナに今後の動向を提案した。  
普段通りに悠二を殴り倒してしまえば、彼女の動揺も収まるだろうと推測したのだ。  
「え……っ、だって、それは……」  
しかし、シャナの返事ははっきりしなかった。  
自分を欲望の対象として見ていた点について、怒りを覚えた部分も、確かにある。  
しかしそれ以上に、自分を想って自慰までしていたと言う事に対して、表現し難い嬉しさも感じていたのだ。  
「では、先程の事は忘れて、いままで通りに振舞うか?」  
「それも……、多分、無理……」  
アラストールの次善の策に、けれどシャナはもじもじと指を絡ませながら、そう呟いた。  
あんな形で自分の事を求められているのを知った今では、悠二に以前と同じ態度で接する自信が無い。  
けれど、これからも悠二のそばにいるならば、どちらかを選ばなくてはいけない。  
他に良い案も浮かばず、シャナはそう思い詰めながら、泣きそうな顔になって考え込んだ。  
「駄目……。私、どっちも出来そうにない……」  
「……ではいっその事、悠二と身体を重ねてみるか?」  
「えっ! アッ、アラストール、何を言い出すのよ!?」  
気乗りしない口調のアラストールの言葉に、シャナは一気に体温を上昇させた。  
思わずその情景を思い描いてしまい、もう少しで身体から炎を暴発させそうな程、頭に血が昇る。  
そして何よりシャナを困惑させたのは、心の奥底から、アラストールの言葉に同意する気持ちが現れた事だった。  
「あくまで最後の手段だが、な……。しかし、そう動揺していたままでは、また戦闘で後れを取りかねんぞ。  
 我としては業腹だが、一度そういった関係になれば、自慰がどうのと言った事など気にはなるまい。  
 ……無論、我は強制などしない。全てはお前の気持ち一つだ、シャナ」  
「私の……気持ち……」  
シャナは両手を胸に重ね、自分の心を確かめるように、軽く眼を閉じた。  
              ◇  ◇  ◇  
夜も大分遅くなった頃、いつものように窓から自分の部屋に入ってきたシャナに、悠二は声を掛けた。  
「あっ、シャナ、今日はいつもより遅かっ、た……ね……」  
しかし、いつもとは違うシャナの雰囲気に、悠二は口ごもる。  
彼女の顔は戦いを前にした時のように引き締まり、珍しいことに手足の動きが緊張しているようにさえ見える。  
カーテンをきっちり閉めて、すたすたと廊下に続くドアに歩み寄るシャナに、悠二は気圧されていた。  
「あの……、シャナ? もしかして、また敵が現れたとか?」  
問いかける悠二に目もくれず、シャナは首から"コキュートス"を外し、ドアの外側の取っ手に掛ける。  
「ごめん、アラストール……」  
「……好きにしろ」  
シャナは小さく呟くと、ドアを閉めて鍵を掛け、扉にもたれるようにして悠二の方を振り返った。  
少し紅潮した顔のシャナにキッと睨まれて、悠二は石のように硬直する。  
しかし、乱暴にコートを脱ぎ捨て、続けてセーラー服のリボンを解き始めたのを見て、悠二は慌てて目を隠した。  
「わっ! ちょ、ちょっとシャナ、何を……」  
「うるさいうるさいっ! 黙って見てろっ!」  
シャナは悠二に眼を合わせないまま、上着の裾に手を掛けて、それを思い切り良く脱ぎ捨てた。  
薄い生地のキャミソールが、シャナのなだらかな身体の曲線を僅かに透かし出している。  
(黙って……見てろ、だって!?)  
彼女の思い掛けない言葉と行動に、悠二は指の間から彼女の姿を盗み見ながら、ただ呆然としていた。  

悠二の頭が空転している間に、シャナはスカートのホックを外し、ジッパーを下ろす。  
重力に引かれたスカートがふわりとシャナの足元に落ち、布の小山を作る。  
シャナの腰に貼り付いた小さな純白のショーツが、悠二の男を強く刺激した。  
(でも、何でいきなりこんな事……まさか!?)  
「シャナ、ひょっとして、さっき僕がしてるとこ、見てたの!?」  
「……っ!?」  
ハッと閃いた悠二が訊くと、シャナはまるで叱られた子犬のように、身体を竦める。  
「……ど、どうして、分かったの……?」  
「どうしてって……。そりゃ前触れもなく、いきなりそんな事を始めたら、僕にも分かるよ」  
悠二はシャナの身体から視線を逸らしながら、照れの混じった苦笑いを浮かべて言った。  
「でも、だからって、何もシャナがそんな事をしなくても……」  
「……それだけじゃ、ない」  
「……え?」  
「その……悠二が、私の名前を呼んだのも……」  
「聞いてたのっ!?」  
驚きに、逸らしていた悠二の視線が、ついシャナの方を向いてしまう。  
キャミソールを脱ぎ捨てた裸の胸の、二つの桜色をした突起を目撃して、悠二の目はそこに釘付けになる。  
ショーツと黒いハイソックスだけになったシャナは、悠二の方へゆっくりと歩み寄った。  
「悠二は、その……。わ、私と、したいんでしょ?」  
「それはもちろんしたいけどでもこう言った事にはやはり段階というものがそれに僕初めてだしっ!」  
焦りまくった悠二は、息継ぎもしないままに、ベッドの方に後ずさりながら、一気に言い募る。  
「私だって、こんな事するの初めてよ……。でも、悠二が私の事を想って、あんな事してるから……」  
「いやちょっと落ち着こうよ僕だって心の準備がというか女の子に襲われるのは男の沽券に……うわっ!?」  
ベッドの端に足を取られ、悠二はベッドにどすんと仰向けに倒れ込む。  
「こんな気持ちになっちゃったのも、悠二のせいなんだから……。そうよ、おまえが悪いのよ、悠二……」  
今まで彼女の様々な表情を見てきた悠二だが、こんなシャナは想像さえした事がない。  
身体つきは幼く見えても、それはれっきとした『女』の表情。  
「責任取ってよね……。こんな状態じゃ、私もまた駄目になりそうなんだから……」  
目元を薄く染めたシャナの、匂い立つような色香、恥じらい混じりの無意識の媚びに、悠二は金縛りにあう。  
シャナは欲望に瞳を潤ませながら、動けないでいる悠二のパジャマのズボンに手を掛けた。  
              ◇  ◇  ◇  
「あ……、また、こんなになってる……」  
ズボンと一緒に下着を剥ぎ取ったシャナは、すでに大きくなっている悠二の男根を見て、そう呟いた。  
悠二の方は、シャナに自分の陰部を見られたショックで、仰向けのまま硬直している。  
「悠二、私の裸を見たから、こうなったんだよね……?」  
「あっ、シャナ、触っちゃ……!」  
シャナの細い指でそっと撫でられ、悠二のモノがピクンと跳ね上がった。  
「えっ……!?」  
その動きにびっくりしたように手を離したシャナは、まるで火傷をしたかのように、触れた手を押さえる。  
そしてしばらく、苛立たしげに胸元でその手を握ったり開いたりして、狼狽した表情で佇む。  
その間に、ようやく悠二はパニックから立ち直り、冷静な思考を取り戻した。  
「……あのさ、やっぱり無理してるでしょ、シャナ。ちょっと脅えてるみたいだし……」  
「ばっ、馬鹿にしないでよっ! こっ、こんなの、何でもないんだから!」  
自分の態度を戒めるようにキッと眉を寄せると、シャナはむんずと悠二の怒張を掴む。  
そして力任せに握り締めたまま、乱暴に上下にしごき始めた。  
「いっ……!? ちょ、ちょっと!」  
「知ってるんだから! こ、こうすれば、気持ちいいんでしょっ!?」  
耳まで真っ赤にして、シャナは細い指で悠二のモノに快楽を与えようとする。  
しかし、いくら知識があっても、こういったことは経験がものをいう。  
第一、シャナは自分の力がどの程度のものかも忘れていたので、悠二はかなり痛い思いをする羽目になった。  
「ちょっ、シャナっ! 痛い……って言うか、折れそう……」  
「あっ、ごっ、ごめんっ!」  
だらだらと苦痛で油汗を流している悠二に気付き、シャナは慌てて手を離した。  
(何で上手く出来ないの……? どんな事だって、こんなにみっともない失敗はした事がないのに……)  
シャナは肩身の狭い思いをしながら、少しシュンとなった。  
力の加減が出来ない主な原因は、悠二に対する特別な感情ゆえなのだが、免疫のないシャナにはそれが分からない。  
(そうよ、手でするのが無理だったら……)  
失敗が手段のぜいだと勘違いしたシャナは、意を決したように悠二の股間に顔を近づけていった。  
「今度はちゃんとやるから……。悠二、じっとしてて……んっ」  
「うっ、うわっ、シャナっ!?」  

先端にふにゅっとシャナの柔らかい唇が当たり、悠二は両手をベッドに突いて起き上がった。  
悠二の見ている目の前で、シャナは両手で根元を持って反り返ったモノを引き寄せ、先端を口に含んでいく。  
「んっ……ふっ……」  
「ああっ、駄目だよ、シャナ、そんなっ……!」  
自分の肉棒を桜貝のような少女の唇が飲み込んでいく眺めは、童貞の悠二には刺激的に過ぎた。  
しかもそれをしているのが、誰よりも愛しいと思っているシャナであるとなれば、興奮は更に倍加する。  
「ちゅ……、ふぅっ、ん……」  
「くっ! ……くあっ!?」  
さらに信じられない事に、シャナは男根を半ばまで咥え込むと、そこを軽く吸い、舌で不器用に舐め始める。  
シャナの拙い舌使いに、経験のない悠二は理性を掻き乱された。  
ベッドの端に腰掛けた状態の悠二の足元にしゃがみ込み、シャナはぎこちなく悠二に奉仕する。  
小さな口が限界まで広げられ、両目を固く閉じたまま、苦しげに眉を歪めて、剛直を上下にしゃぶる。  
妄想が現実になったような状況に、悠二は半ば夢見心地だった。  
「ふむっ……、くちゅっ、ちゅっ、ちゅぽっ、んっん……」  
「くっ……。シャ、シャナ……」  
悠二の視線を避けるように、シャナは顔を伏せたまま、音を立ててそこを嘗め回した。  
頭を小刻みに動かしながら、時折り思い出したように、指で下の袋を撫でる。  
シャナが直接生み出す快楽よりも、愛する少女が自分のモノを咥えていると言う事実に、悠二の胸は熱くなった。  
性技の知識はあっても技量が伴わないため、シャナの歯がたまに幹の部分に当たり、痛みをもたらす。  
しかし今の悠二には、そんな痛みさえ心地良く感じられた。  

「んふっ、くふんっ、むっ、ぬっ、ぬちゅ……」  
「くぅっ、シャナ……、気持ちいい、よ……」  
悠二は、素直な感想を呟きながら、懸命に自分の剛直を舐め上げるシャナの髪を、そっと撫で付けた。  
彼女の細く長い髪は、さらさらと滑らかな手触りで、そこからふわりといい匂いがする。  
悠二の呟きに、シャナはようやく口を離し、おずおずと顔を上げた。  
「ほんと……? ほんとに気持ち良かった?」  
「うん。すごく良かった」  
「そっ、そう……。良かった……」  
今になって恥ずかしさがこみ上げてきたのか、シャナは耳まで真っ赤にして、再び顔を伏せた。  
その初々しい態度を見て、悠二の脳裏に悪戯っ気が顔を覗かせる。  
「それじゃ、今度は僕が、シャナを気持ち良くしてあげないとね? よ……っと!」  
「えっ? ちょ、悠二なにを……きゃんっ!?」  
悠二はシャナの両脇に手を差し入れ、意外に軽い彼女の身体を、掛け声をかけて一気に抱え上げる。  
そして戸惑っているシャナを、そのまま自分の腿の上にストンと座らせた。  
              ◇  ◇  ◇  
「ななっ、何よ、何する気よっ!?」  
悠二の顔が至近距離に来て、シャナは照れ臭さを誤魔化そうと、ことさらぶっきら棒に文句を言った。  
愛しさを込めて覗き込んでくる悠二の視線が、熱くてたまらない。  
すると、悠二はシャナの額に軽く口付けて、微かに笑いながら言った。  
「さっき言ったろ? 今度は僕が、シャナを気持ち良くしてあげる番だって……」  
「わっ、私はいいっ! いいったら、やっ、あん!」  
拒否の言葉の途中で、悠二にそっと胸を触られて、シャナの口から甘い声が洩れた。  
悠二の手は、なだらかな胸の曲線をなぞるように、やわやわと蠢き、手の平が乳首を擦る。  
今まで、自分で慰めた事すら殆どないシャナにとって、それは余りにも甘美な快感であった。  
「どうかな? シャナ、気持ちいい?」  
「んっ……やっ……、知らないっ……そんなのっ……ふあっ!」  
片方の胸を撫でられながら、もう一方の胸の蕾を口で吸われ、シャナはびくっと背中を反らした。  
バランスを崩しかけるが、悠二の片手がシャナの背を抱いており、後ろに倒れはしない。  
シャナは両手で悠二の肩にきゅっと掴まりながら、初めての快感に髪を振り乱した。  
「ねえ、シャナ……、キス、したい……。いいよね……?」  
「うそっ、だってさっき……んっ!?」  
唇についばむようなキスをされ、シャナは眼を見開いた。  
先程まで、そこで自分のモノを咥えていたと言うのに、悠二は気にした様子すらない。  
悠二はシャナの瞳を覗き込みながら、彼女の髪を掻き上げ、優しく口付けを重ねる。  
上下の唇を何度も吸われているうちに、シャナもそんな事はどうでも良くなっていった。  
「シャナ、可愛いよ……。それに、すごくいい匂いがする……」  
「ばかっ、や、嗅いじゃいやっ……!」  
首筋に顔を埋めた悠二に肌の匂いを嗅がれ、シャナはむずがるように身体をくねらせた。  
けれど悠二はシャナの声に逆らい、首筋をちろちろと舐めながら、胸一杯に彼女の体臭を吸い込む。  
シャナが風呂に入るのは悠二の家でだけだから、石鹸やシャンプーの香りは、自分のものと変わらない。  
しかし、それがシャナの肌の香りと合わさると、天上の花のようなかぐわしい芳香になる。  
「何で……? こんなにいい匂いなのに……」  
「だめなのっ……。は、恥ずかしいのっ……あっ、くふんっ!」  
嫌がるシャナの意識を逸らす為、悠二は両手で柔らかな肢体のあちこちを探り、官能を導き出し始めた。  
シャナ同様、悠二にも経験は無い上に、知識の量では彼女とは比べ物にならない。  
だが悠二には、アラストールさえ感嘆させた、いざという時の冷静な判断力があった。  
「シャナ……、ここを、こうされるのが、好きみたいだね……」  
「ちっ……、違っ、そんなこと……ああっ!?」  
悠二はシャナの声の調子と身体の反応から、彼女の性感帯を次々と暴き立てていった。  
つんと突き立った乳首を軽く押し込み、くりくりと捏ねると、一際甲高い声を上げる。  
微かな胸の膨らみの、下の麓を羽毛のようなタッチで撫でると、切なげにきゅっと眼を閉じる。  
脇腹を、ピアノを弾くような指使いで下ってゆくと、ぷるぷるっと子犬のように身体を震わせる。  
薄いニーソックスの上からさわさわと足を撫でると、耐えかねたように足の指先がくるっと丸められる。  
最初の勢いはどこへやら、シャナは悠二の想いのこもった愛撫に、我を忘れていった。  
「なっ……。なんで……っ、こんなにっ……。んはぁっ、おかしい、おかしいよぉ、わたしっ……」  
絶大な快楽は、シャナの鋼のような精神を侵食し、戦士としての自我を蝕んでいった。  
シャナの思い描くフレイムヘイズとしては、正にあるまじき行為だが、身体と感情がそれを受け入れてしまう。  
今のシャナは、"紅世の徒"に恐れられる『炎髪灼眼の討ち手』ではなく、快楽に流される普通の少女だった。  
本来の力の、十分の一も出せば、容易く彼の腕から逃れられるはずなのに、どうしてもそれが出来ない。  
シャナは、自分の身体と心の反応が、まるで信じられなかった。  

「シャナの身体、すべすべして柔らかいよ……」  
「んふぅんっ、くぅん、だめ、だめだったら……、悠二ぃ……」  
シャナの耳元で囁いた悠二は、背中に回していた手で背筋を伝い、ショーツの後ろに潜り込ませた。  
小振りな尻肉をじかに揉み解すと、シャナは悠二の首に抱きついて、鼻に掛かった声を出す。  
張りがありながらも、あくまで柔らかいその弾力に、悠二は夢中になった。  
興奮に呼吸を荒くした悠二は、指をお尻の谷間に滑らせ、更に前へと侵入していく。  
指先に熱いしたたりを感じた瞬間、シャナの身体が今まで以上に激しく跳ねた。  
「きゃふっ!? やっ、くっ、うそっ、いやいやっ!」  
「うわ……、すごい、こんなに……」  
シャナのそこは、すでに焼け付くような熱を孕んでおり、ぬるぬるとした雫が溢れていた。  
その淫靡な手触りに、悠二の頭にも灼熱の炎が灯る。  
襲い来る刺激にシャナはふるふると脅えたように首を振るが、悠二の動きは止まらない。  
悠二はシャナの腰を抱えるようにショーツの奥へ手を差し込み、手探りで彼女の股間をまさぐった。  
              ◇  ◇  ◇  
「シャナ……。僕も、シャナのここを触ってるだけで、すごく気持ちいいよ……」  
「ひんっ! ん……んくっ……あふっ……、ゆ、ゆうじぃ……」  
すっかり従順になったシャナの華奢な身体を抱きかかえながら、悠二は初めて触る女陰の感触に溺れていた。  
シャナはくたっと悠二の身体にもたれ掛かり、全身をほんのりと朱に染めている。  
「ここが特に……。こりこりしてて、なんかこう……興奮してくるんだ……」  
「きゃぅっ……! くぅっ……、そこっ、だめ……っ、だめになっちゃうぅ……」  

悠二の指が硬くなった突起を掠めるたびに、シャナはぴくん、ぴくんと身体を痙攣させ、切なげな声を出す。  
花弁からは湧き水のように快楽の雫が溢れ出し、ショーツの中央がぐっしょりと濡れていく。  
もっと彼女に感じて欲しくて、悠二はわざとくちゅくちゅと音を立てるように、シャナの陰部を弄り続けた。  
「……あっ! ま、まって、ゆうじっ! わたし、これいじょうされたら……っ!」  
「……え?」  
しばらくそれを続けていると、突然シャナが今までとは感じの違う声を出した。  
けれど、悠二はシャナの頭を胸に抱えていた為、彼女の切羽詰った表情を見ることが出来ない。  
咄嗟には彼女の言葉が理解できず、当然ながら指の動きも完全には止まらない。  
しかし、限界まで高められたシャナにとっては、その躊躇いがちな動きが最後の一押しになった。  
「だめ……、だめだめっ……もうっ……。くっ、んんんっ!!」  
「わっ!? ……っと、危ない、シャナ!」  
シャナの腰がガクガクッと震え、崩れ落ちそうになる脱力した肢体を、悠二は焦って抱き止めた。  
悠二が覗き込むと、シャナは放心したように瞳の焦点を失い、ぼんやりとしている。  
心配になって悠二が頬を軽く叩くと、シャナはハッと目を見開いて、それからぷいっと顔を逸らした。  
「大丈夫? 一体どうしちゃったのさ、シャナ?」  
「……ちゃったの……」  
シャナは怒ったような顔で呟くが、あまりに小さな声の為、悠二の耳では聞き取れない。  
「え……? シャナ、もう少し大きな声で言ってくれないと……」  
「……イッちゃったのっ!」  
今度は完全な怒鳴り声で、シャナはいまいましげに吐き捨てる。  
「あっ……。ああ、そうか……」  
ようやく、しつこく訊くべきではない事柄だと気付き、悠二もシャナに負けないぐらいに赤面した。  
「私、待ってって言ったのに……。どうして止めてくれないのよ……」  
「うっ、いや、その、ごめん……」  
少し恨めしげに睨み上げるシャナに、悠二は恐縮した様子で頭を下げる。  
しかし内心では、(拗ねたシャナも可愛いよな……)などと、更に怒られそうな事を考えていた。  
「……もう、いいわよ。私も、その……。……ったし」  
今度も最後の言葉が聞き取れなかったが、さすがに同じ間違いを犯す悠二ではない。  
悠二は黙ったまま、労わるような手つきでシャナの肢体をベッドの上に抱き上げ、仰向けに寝かせた。  
数qを駆けても汗一つ流さないはずのシャナは、初めて受けた絶頂の余韻に、激しく息を乱している。  
今まで見たことも無いシャナのその儚げな姿に、悠二は彼女に対する愛しさが更にこみ上げてくるのを感じた。  
「……シャナ、脱がしても、いい?」  
「…………」  
悠二の問いに、シャナは顔を横に倒したまま、無言で小さく顎を引く。  
それを同意と受け取り、悠二は中央が濡れて中の花弁が透けているショーツに、両手を掛けた。  
「あっ、その……。脱がせられないから、ちょっと腰を上げてくれる?」  
「……っ!」  
悠二の依頼に、シャナはぎゅっと眼を瞑りながら、しかし僅かに腰を浮かせる。  
緊張に震えてきた手で、悠二はショーツを黒いニーソックスの上に滑らせ、シャナの足から抜き取った。  
悠二は信じられないほど縮んだ小さな布切れを傍らに置き、露わになったシャナの股間に眼を向ける。  
前にちらっと見た時にそうだと思っていた通り、シャナの下腹部は、全くの無毛だった。  
「やっぱりシャナ、まだ生えてなかったんだ……」  
「うっ、うるさいうるさいうるさいっ! 悪かったわねっ、成長してなくてっ!」  
思わず口走ってしまった感想に、シャナは噛み付くような勢いで喚き立てる。  
「誰も悪いなんて言ってないだろ? ぷっくりしてて、すごく可愛いよ……ちゅっ!」  
「きゃんっ!? ばっ、ばかばかっ、悠二のばかっ! 止めないと……っくぅっ!?」  
花弁にそっと口付けると、シャナは恥ずかしさのあまり、悠二の頭をポカポカと叩いた。  
全く力の込められていない拳に頭を叩かれながら、悠二はすっと舌を伸ばし、シャナの雫を舐め取る。  
新たな刺激に、シャナの言葉が途中で飲み込まれ、頭を殴っていた腕もピタッと止まる。  
シャナの愛液は少ししょっぱく、それでいて舌に纏わり付くような甘さも感じられた。  
「んっ……シャナ、止めないと、なに?」  
舌全体でシャナの秘裂を味わいながら、悠二は少し意地悪げに問い掛けた。  
シャナの振り上げられていた両腕は、今は力無く身体の両脇に投げ出され、逆手でシーツを握り締めている。  
「やっ……、止めないと……止めないとっ……!」  
シャナの声は次第に快感に震え、壊れたCDのようにただそれを繰り返した。  
悠二はその続きを遮るように、指で花弁を弄りながら、敏感な肉芽を唇で挟み、舌先でころころと転がす。  
炎を使役する異能者であるシャナも、身体の芯を灼き焦がす快楽の焔には、全くの無力であった。  
「止め……っ、もう止めてっ、お願いっ……!」  
また絶頂を迎えそうになり、シャナは普段の態度からは信じられないほど可憐な表情で、悠二に懇願する。  
本能を直撃するような甘く切ない声に、悠二はやっとひくひくと蠢いている花弁を責めから解放した。  
「……はぁっ、はあっ……。ね、悠二……、お願い、もう、きて……」  
シャナは大きく股を開いたまま、誘うように両手を悠二に差し伸べた。  
心も身体もありのままの全てを曝け出したシャナは、幼女趣味のない男であっても抗えないほど魅力的だ。  
悠二は身体を起こすと、飛びつきたい衝動を抑えつつ、シャナの小柄な身体にそっと覆い被さった。  
              ◇  ◇  ◇  
「じゃ、いくよ、シャナ……?」  
悠二は一言断ると、亀頭の尖端でシャナの入り口を探った。  
下腹部の中心を下に辿っていくと、花弁の中程でつぷっと沈む感触がある。  
そこが入り口と見極め、悠二は手を添えた剛直をそこに固定し、腰を静かに前へ進める。  
しかし、きつく締まった乙女の門は、頑強に悠二の侵入を拒んだ。  
「くっ……あれっ? シャナ、もう少し力を抜いて……」  
「やっ、やってるわよっ……、ふっ……くぅっ!」  
シャナは破瓜の痛みに顔を顰めながらも、懸命に悠二を受け入れようと試みた。  
けれど、痛みはどうしても身体の緊張を生み、狭い秘洞はよりいっそう強い力で収縮する。  
悠二がシャナの苦痛に遠慮している事もあり、どうしてもそれ以上は進まなかった。  
「っ……はぁ、駄目かな、これは……。シャナ、今日はこの位にしておこうか?」  
「ど、どうしてそんな事言うのよ、悠二っ! 私は平気っ、平気なんだからっ……!」  
早々に諦めて身体を離そうとした悠二に、シャナは憤りを込めてそう叫んだ。  
「だってシャナ、すごく痛そうじゃないか。僕も、その、僕の勝手で、シャナを傷付けたくないし……」  
悠二の言葉には、愛する少女に辛い思いをさせたくないという、真摯な思いやりが込められている。  
だが、元来勝気なシャナには、それは自分の不甲斐なさを責められているようにも感じられた。  
悠二を受け入れたいという真情と、湧き上がる負けん気が、シャナの身体を支配する。  
「……っ、このっ!」  
「うわっ、シャ、シャナっ!?」  
怒りで普段の力を取り戻したシャナは、一瞬で悠二を仰向けに押し倒し、今度は自分が馬乗りになった。  
「こっ、こんなの、本当に何でもないんだから……! み、見てなさいよっ……!」  
「シャナっ、だから、無理しなくていいってば!」  
悠二の言葉を無視して、シャナは掴んだ男根の尖端を入り口に宛がい、大きく息を吐く。  
「────っ!!」  
そして思い切り体重を掛け、自分自身の抵抗を強引に打ち破り、悠二の怒張をずぷずぷと呑み込んでいった。  
「……んくっ! ほっ、ほらっ、何とも……ない、じゃないっ……」  
(どこが何とも無いんだよ……)  
やせ我慢をして必死に平静な振りを装っているシャナに、悠二は心の中で溜息をついた。  
身体は苦痛に強張っている上、その瞳には一杯に涙をたたえ、今にも零れ落ちそうだ。  
本人は余裕の笑みを浮かべているつもりだろうが、悠二には小さな子供の泣き笑いのようにしか見えない。  
けれど悠二は、そんな意地っ張りなシャナが、堪らなく可愛くて仕方がなかった。  
「まったく、シャナは無茶ばっかりするんだからな……」  
悠二は身体を起こして、指で零れそうな涙を拭ってやると、小さな身体をぎゅっと両腕で抱き締める。  
すると固くなっていた身体が、悠二の体温に安心したかのように、次第に柔らかさを取り戻す。  
たったそれだけで、悠二は肉の快楽とはまた違った、かけがえの無い充足感を覚えた。  
「だっ、誰が無茶だって言うのよ……。平気だって、言ってるでしょっ……」  
「はいはい。じゃ、ゆっくり動くから、痛くなったら言ってね」  
「だから、こんなの何でもないって……、んっ、くっ!」  
悠二はシャナの頭を宥めるようにポンポンと叩くと、出来るだけ痛みを感じさせないように動き始めた。  
子供扱いするような悠二の態度に口を尖らせていたシャナも、内奥を掻き乱される感触に、再び強情さを失う。  
「どう……、シャナ、辛くない?」  
「うっ、うん、平気……。痛いだけじゃ、ないから……」  
まるで別人のような素直さで、シャナは悠二にそう囁いた。  
シャナの強引な動きと違い、悠二の動きは彼女に対する労わりと愛情に満ちた、ゆったりとしたものだ。  
その優しい律動に、シャナも痛みだけではない、安らかな何かを感じてゆく。  
「あっ……」  
「どうしたの、痛い?」  
「ううん、違うの……。何だか、身体の芯が……熱くなって……」  
その何かは、甘く疼くような感覚と混じり合い、シャナに人として、女としての本能を呼び覚ます。  
自分でも気付かないうちに、シャナは悠二の動きに合わせ、微かに腰を使い始めていた。  
「シャナ……、僕、こんな……、こんなにいいなんて……」  
「わっ、私も、段々、痛くなくなって……。何これ、こんなの、知らないっ……!」  
シャナが身体の強張りを解いた為、秘洞の中はふわりと包み込む感触に変わり、悠二を攻め立てた。  
自分の腕の中で快楽に震えるシャナが、何よりも愛しく感じられ、『ずっとこのままでいたい』とさえ思う。  
ぬめりを増した肉襞の一つ一つが、悠二の肉棒に纏わりつき、気が遠くなるような快感を引き出す。  
シャナの身体を気遣うというより、すぐにも暴発しかねない昂ぶりを抑える為、悠二は静かに動き続けた。  
「悠二っ……、私、切ないの……。奥が……、ずっと奥の方が……」  
「こっ……、こう……?」  
「あっ! そう、そうなの、それがいいの……」  
早くも女の悦びを感じ始めたシャナは、自ら足を悠二の腰に回し、より深い挿入を求めた。  
二人の腰がぶつかるたびに、悠二の尖端が、こつん、こつんと奥に当たり、シャナの渇きを癒す。  
薄く血の混じっていた愛液が次第に色を失い、悠二の股間を伝ってシーツを濡らしていった。  
「あくっ……! ゆ、悠二のが、中で……ピクピクしてる……」  
「くっ、シャナっ……。僕っ、そろそろ……」  
ゆるやかな動きにも係わらず、複雑に絡みつくシャナの肉襞に、悠二は自身の根元から射精の衝動を感じ始めた。  
我慢できなくなった悠二は、動きを段々と激しくし、シャナの中を大きく湿った音を立てながら貪る。  
シャナもその動きを受け入れ、更に足りないとばかりに自分も腰をくねらせる。  
「シャナ……。中に……出してもいいかな……」  
「うんっ、悠二……。私も、悠二を感じたいの……もっと、もっと強く……」  
次第に水位を上げる互いの官能を高め合いながら、二人は本能の命じるままに強く抱き合った。  
シャナの中は悠二を決して離さないとばかりに、きゅくきゅくと締め付ける。  
悠二の剛直はシャナを蕩かすように熱くなり、絶頂の予感に耐えかねて断続的に震える。  
「……っ、シャナっ!」  
「んんん……っ! あ、悠二ぃ……」  
悠二はそのまま思いの全てをシャナの中に注ぎ込み、シャナは幸せな気持ちでそれを受け入れた。  

              ◇  ◇  ◇  
互いの心を補い合うような、甘美な一体感を感じながら、二人は固く抱き合って息を整えていた。  
しばらくして互いの視線がふっと重なり、どちらからともなくクスクスと笑い始める。  
二人とも、嬉しくて可笑しくて、そしてどこか照れ臭くて、笑いの衝動はなかなか収まらなかった。  
「……ははっ。何か、変な感じだね、シャナ」  
「ふふっ……そうね。こんな気持ちになるなんて、思ってもみなかったわ」  
下半身は繋がったまま、二人は全てのわだかまりが消えた様子で、楽しげに微笑みあう。  
その時、かちっと小さな音がして、部屋の壁に掛けられた時計の、全ての針が12時を指す。  
「あ……悠二……?」  
「え、あ、あれっ!?」  
その途端、力を失いかけていた悠二のモノが、シャナの中で再びムクムクと硬度を取り戻し始めた。  
──それは、ミステスである悠二がその内に秘める宝具、『零時迷子』の力。  
午前零時になると、その前日の消耗を回復させる働きがあるのだが、それは精力の消耗も同様である。  
そうなると当然、先程の行為も、その前の自慰の影響も失われる訳で、悠二の剛直は自然な欲求に猛り出す。  
二人の間に気まずげな沈黙が漂い、お互いに何とも言えない表情を相手に向ける。  
「……あのー、シャナ。……もう一回、いい?」  
「ばかっ、知らないっ!」  
おずおずと問いかける悠二の顔に、シャナは後ろ手で掴んだ枕をぼふっと叩き付けた。  

〜END〜 

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