※今回はミサゴ祭りの時の話しです。ただ、カムシンと教授は襲来してない事になってます。
燦然と煌く星星が漆黒の夜空を埋め尽くし、南天に輝く満月が空を彩る。ここ、御崎市は今、あるお祭りの真っ只中に
あった。町の東と西、市街地と住宅地を分ける真南川の川原沿いは、多くの観光客で賑わいを見せている。川の流れに
沿って構えた露天が軒を連ね、家族連れや友達同士、カップルなどが、溢れる人込みの中で、各々の華やかな時を過ご
していた。その喧騒もやや遠い住宅地側の公園に、二人の人影がある。
「ご、ごめんなさい、坂井君。せっかくのお祭りなのに・・・私のせいで」
「気にする事なんか無いよ吉田さん。あんなに混雑していたら、誰でも疲れちゃうよ。」
少女、吉田一美 の消え入る様な声に、傍らの少年が答えた。彼の名は坂井悠二。本来ならば、時の流れと共に消え失せ
ていく「トーチ」と言う存在に過ぎないが、その身の内に潜む秘宝「零時迷子」の力によって、辛うじて平穏な日々を
過ごしていた。遠くの空に響く騒ぎを耳にしながら、二人は公園に備え付けられたベンチに座り、夜空を眺めている。
(坂井君に――言うんだ。絶対に、今日――)
少女は胸中で一人呟く。彼女は出店を眺め見ながら二人で歩く内に、人込みのせいもあってか、履き慣れぬ草履で足を
痛めてしまった。少女は悠二に気を使い、その事を押し黙っていたが、明敏な感覚を持つ少年はすぐにその異変に気付
き、こうして少女を連れ出し休ませる事にした。気の優しい少年のその行動に、吉田は心から感謝すると共に、ある一
つの決意を固める。少女は、高鳴る心臓を鎮める為に一際大きく息を吸い込んだ。そして、
「っ、坂井君!」
「えっ、――」
気後れする心を振り払う様に、大声を悠二に向けた。その声に驚き、悠二が少女を心配そうな目付きで見詰める。
「その・・・坂井君、 ――」
その優しい瞳に見詰められ、やや声のトーンが落ちていく。
(どうしたんだろう、吉田さん。なんだか苦しそうだけど)
こういう事に対しては鈍感な少年には、その様子が何を意味するかまでは分からない。しかし、何かを懸命に伝えよう
としているのは見て取れる。とりあえず、少女の言う事を黙って聞く事にした。
「っ、――――」
少女の頬が見る間に朱に染まって行く。出そうとした声が、伝えるべき想いが、言葉にならずに消えて行った。だが、
(私・・・ゆかりちゃんに、ちゃんと言った。坂井君に、『好きです』って伝えるって。)
吉田の脳裏に一人の少女の姿が映った。それは友人でもあり、またライバルでもある存在。
「坂井君、私、私は――」
その真剣な面持ちに、悠二は少し身構え、少女の次の言葉を待つ。
「――――っ、」
少女の心臓が、いっそうその動きを強めていく。その可愛らしい顔は耳まで赤く染まり、唇が細かく縦に震えていた。
だが、その秘めた思いが――
「私、坂井君が、好きです」
「ッ! ――」
最後の言葉を後押しした。
(な、――――に)
少年の明晰な頭脳がうまく回らない。言葉を出そうにも喉が、凍りついた様に動かない。少年を真正面に見据え緩く微
笑む少女は、ぞっとする程艶やかで、美しかった。
「坂井君・・・」
少女の明媚な顔が、ゆっくりと近づいて来る。長い睫毛、大きな瞳、朱色の小さな唇。それを真近に眺めながらも、動
く事が出来ない。そして――
「っう・・・ん――」
互いの唇が、触れた。少女の柔らかな唇が、悠二の口に押し付けられる。
(僕は――――)
何も言葉が出ない。心臓が狂った様に踊り出す。その身体が、やけに熱かった。
「ふむっ・・はぁっ――」
少女が唇を離し、潤んだ瞳で少年を見詰め返している。その瞳に射られ、身体の熱が更に高まっていくのが感じ取れた。
そして、一瞬―――
( ――――が、―?)
――何かが、動いた。
(――なん、だ―――)
総身が熱さに震える。身の内の何かが、大きく脈打っていた。
(――――っ、)
一瞬、目を焼く強い閃光が過ぎ去る。
(―― これ、 は――)
それは古い街並みに聳える大聖堂
( 僕、が―― )
それは人で賑わう城下の職人通り
(――――これ)
悠二は当然、その光景を見た事が無い。だが、
(―知っ、て――いる、?――)
その景色は記憶の片隅にあった。
(――― 、 ―― )
目の前に、長く艶やかな髪を戴く、見目鮮やかな美しい女性が映る。女性は後ろから近づいてきた彼に気付き、にっこ
りと微笑んで手を振った。彼もその手に応え、女性と共に再び歩き出す。その、己が愛する女性の名は――
(――フィレ、・・・ス―)
『彩飄』、フィレス。
「坂井君!しっかり、しっかりして!」
少女が大きな声を張り上げ、目の前の少年の肩を揺らしている。少年の顔は蝋人形の様に青白く、その目は少女を映し
てはいるが、どこか遠くを見る様な冷えた光が燈っていた。
(どうしよう!私、私がっ――!)
告白した動悸からか。うまく頭が働かない。助けを呼びに行くという選択肢すら、脳裏には浮かばなかった。
(何とかしないと、坂井君が!)
混乱する頭には何も浮かばない。目の前が真っ白になり、思わず頭を伏せる。堪えた嗚咽が漏れ、その目に涙がうっす
らと込み上げて来ていた。
だが、その時、
「―― 、 ス―」
「えっ?」
少年が何か、小さな声で囁いた。その声に気付き、少女が顔を上げる。目に映る少年の顔は精気に満ち、目には強
い輝きが燈っていた。そして、まるで何事も無かったかの様に、その瞳が真っ直ぐに少女を見据えている。少女はその
様子を眺め、安堵の溜息を漏らす。
「良かった・・・坂井君、どうっ――!」
突然。少年が少女に口付けし、その唇を塞いだ。そして、
「ふぅ、んッ!――」
少年が舌を割り込ませ、唇を抉じ開けた。暖かい舌が口中に満ち、歯の裏を、舌の付け根を、桜色の唇を一気に貪る。
それは先程の、子供が交じわす様なキスではなく、濃厚な、男女の誓いの行為。
「んっく・・・ぅんっ、」
少女はその性急な動きに、ややの驚きを見せる。だが、恐怖は無かった。それは彼女が、心の奥で望んでいた物でもあ
ったからだ。少女はおずおずと、口中で踊る舌に、慣れない仕草で自らの舌を這わせる。
「ふむっ、ふ、ん――」
舌と舌が絡み合い、互いの唾液が交じり合う。その暖かな口の奥から、湿った呼気が漏れ出していく。
「んっ・・・はぁっ――」
少年が唇を離した。少女はその、いつもよりどこか逞しい風貌を、ぽーっと眺めている。そして――
「あっ!」
身に付けた浴衣を乱暴に剥ぎ取られ、ベンチに押し倒された。そして、その下に身に着けたブラを千切る様に取られ、
彼女の白い豊満な胸が顕わになる。
「・・・坂井君――」
少年が目の前の乳房を揉み扱き、その頂点にある乳首を口に含む。
「ふぁっ!あ、あぁん、さ、坂井、君・・・」
少女はその、初めて味わう感覚に身を捩じらせる。身体が徐々に、火照って行くのが感じられた。
「あっ、そこ・・は、んんっ、――」
少年が、少女の固く立った乳首に軽く歯を立てる。一瞬、少女の体に、弱い電流の様な快感が走った。身体の火照りが
更に強くなり、うっすらと汗ばんでいく。そこへ、
「きゃぁっ!あぁ、だ、だめ、んッ!坂井、く――ん―」
少年の手が下に伸び、少女の下着の上から、秘所を擦る。その布越しにも、秘所がじっとりと濡れそぼっているのが、
感じられた。少年が乳房から顔を離し、一気に少女の下着を下ろす。
「嫌ぁっ・・・坂井君――見ない、で――」
少年に、自分の秘所を見下ろされていた。その、とても耐えられない差恥心に、少女が顔を横に背ける。少年は構わず、
「ひあっ!あぁ、うんっ、駄目、そんな・・・所――」
秘所を舌で舐め上げた。皮を被ったクリトリスを、舌で転がし優しく剥く。更に、
「ふあ、ぁん、嫌ぁっ――坂井、君――」
右手の人差し指を膣に差し込んだ。熱く濡れたそれは、容易く指を受け入れる。少年はその指を、前後に鋭く動かして
いく。その度に、少女の蕩ける様な声が公園に響いた。しかし、
「――坂井君?どうし――」
少女の声が中途で止まる。指を引き抜いた少年はジーンズを脱ぎ、怒張した、脈打つペニスを引き出した。少女は初め
て眺め見たそれに、一瞬、躊躇する。そして、
(あれが・・・坂井君の、 ――あれが、私の中に?)
夢から目覚めた様に、内に秘めた決意が霧散して行った。少女が、やや怯えた声を上げる。
「さ、坂井君、少し待っ――あっ!!」
だが、少女の声を遮る様に、少年がペニスを膣に捻じ込んだ。奥まで一気に差し込まれたそれは、一息に処女膜を突き
破る。濡れていた為か、さほど血は流れなかったが、鈍い、破瓜の痛みが少女の全身を震わす。
「んっ、い、痛ッ!坂井君、はぁっ、あっ、もっと、ゆっくり――」
少年は答えない。ただひたすらに、快楽を貪っていた。
(やっと、やっと会えた――)
少年が、少女の上から圧し掛かり、膣にペニスを抜き差しし前後させる。その度に、泡とも水ともつかない、血の混じ
った彼女の愛液が、膣から流れ出す。更に、
(もう、二度と離さない――)
彼女の唇に荒く口付ける。それは数えるのも憚れる程に、幾たびも交じわして来た互いの愛の証。
(僕は君を愛している)
ペニスを引き抜き、少女を四つん這いにさせる。そして、それを淫裂に宛がい後ろから一気に貫いた。
(君も僕を愛している)
細く締まったウエストを掴み、更に速く腰を打ち付けて行く。
(共に――永久の時を過ごそう――)
後ろから、彼女の形のいい胸を鷲掴みにした。少女の小さな嬌声が、公園に響く。
(優しく、気高く、美しい――)
膣が段々と、ペニスを締め付ける力を強めて行く。その快感を味わいながら一人、呟いた。
(愛するフィレス――――)
月が西天の空を過ぎ、その身の大半を山に隠している。
公園に備え付けられた時計は、午後十一時三十分を差していた――
「はぁっ、ぁん、ぅ、坂井―く、んっ!」
少年がベンチに仰向けになり、腰を突き動かして、下から少女を犯している。お互いの体は殆ど密着する程に近づけら
れ、その手は少女を堅く抱きしめていた。
「あぁん、はぁっ、ん――」
少女の口から、苦痛の物とはまた違った響きの声が漏れ出す。
(これが―坂井君の、 凄く――熱くて、大きい)
膣を縦に貫くペニスはいっそうその動きを速めていく。その動きに誘われ、少女の限界もまた、近づいていた。
「あっ、ん・・ゃぁ――」
少年の舌が再び、目の前で揺れる胸に伸びた。乳首を焦らす様に舐め上げ、乳房を揉んでいく。少女のやや甲高い嬌声
が、静まり返る住宅地に響いた。
「坂井君―わたし、私、もう――」
少女の甘い囁きが絶頂の兆を告げる。その声を受けてか、少年の動きが更に早まっていく。膣の奥深くまでペニスが打
ち込めれ、子宮口にまで達していた。
「んんッ! ―ああぁっ――!!」
少女が一際高く喘ぐと同時に、全身に壮絶な快感の波が押し寄せる。全身が震え、心臓が大きく高鳴った。膣が
ビクッと痙攣し、絶頂の感覚を味わっていく。その、急激に狭まった膣の中で――
「――――ッ」
少年が達し、子宮に大量の精子が注ぎ込まれる。熱く脈打つペニスが震え、しばし、その残滓を掬う様に膣襞が蠢いた。
「はあっ、ぁん、――」
少女の腰が掴まれ、ペニスが引き抜かれる。愛液と血、精子が混ざった液体が泡を立て、秘裂から零れていく。
「・・・あっ――――」
少女が、総身を貫く快感に酔い、少年に倒れる様に抱き付いた。
「――坂井君・・・」
そのまま目を閉じ、しばし、少年と共にその時を味わう。
月がその身を闇に溶かし、暗い薄靄が街に満ちていく。祭りの喧騒も既に途切れ、静寂した夜に虫の音が響き渡る。
時計の指し示す時刻は今、
午前零時零分。
(誰――だ)
自分を呼ぶ小さな声が聞えた。
(僕は・・・ここ―で)
寝起きしたばかりの様に、全身の感覚が鈍い。
(熱―― 、ぃ―)
何時の間にか、肩を強く揺さぶられていた。
(何を――――)
うっすらと開きかけた瞳に、何かがぼやけて映る。
( 、――)
その何かが、自分に話し掛けていた。
(―ああ、 ――)
それは己が愛する
(吉、 田―さ、ん――)
一人の少女の姿。