「あ痛っ!」
ある日の体育の授業中。ランニング中に、一人の少年が転んで怪我をした。
「坂井、どうした?」
「いや、ちょっと足を……ひねったかも……」
ちょうど隣にいた池の心配そうな声に、顔をしかめながら答える悠二。
「先生! 坂井が……」
すかさず、体育教師に事情を説明する池。この辺の手際の良さは、彼が皆に頼られる一因でもある。
「そうか……じゃ、誰か坂井を保健室に……」
「わ、私が連れて行きます!」
体育教師が言い終わるのを待ちきれないように悠二の介抱役を買って出る吉田。
「悠二は私が連れて行く!」
吉田に対抗するように声を荒げてシャナも言う。
こういった場合、保健委員もしくはクラス委員が動くべきであり、この二人はそのどちらでもないのであるが、御崎高校一年二組において、三角関係に積極的に介入しようとする勇気を持つ者はいないのが現状である。
事実、クラス委員の一人である池も、内心複雑な思いを抱きつつも静観を決め込んでいた。
そのまま修羅場へと突入しそうな雰囲気を知ってか知らずか、体育教師が妥協案を口にした。
「女子一人じゃ大変だろうから、二人で連れて行ってやってくれ」
この瞬間、修羅場の続きが保健室に持ち込まれることが決定した。
御崎高校保健室。
いつもはこの部屋の主である保健医がいるはずだが、この日は所用により席を外している、ということだった。
「保健の先生、いないんですね……」
「だったら私が治療すればいい」
「わ、私が手当てします!」
シャナの声を遮るように、吉田が高らかに宣言する。
その宣言に気圧されたシャナが我に返り悠二の治療を始めようとしたとき、吉田はすでに悠二をベッドに座らせ、包帯を巻く準備を始めていた。
吉田の手際に負けじと、シャナも悠二の治療をしようとするが、ひねった足はすでに吉田が治療を始めている。
(どうしよう……あ!)
ひねって転んだ際にすりむいたのか、悠二の膝からは血がにじんでいた。
大急ぎで消毒液や絆創膏などを用意してシャナは悠二の元へ急ぐシャナ。
悠二の横に座ろうとしたとき、シャナは悠二の目線がある一点に注がれているのに気がついた。
しゃがんで包帯を巻いている吉田の、胸の谷間。
(……む……わ、私だって……)
悠二の背後に回り込み、後ろから抱きつくような体制で膝の治療を始めるシャナ。
「しゃ、シャナ……? ちょ……なんか……」
悠二の肩の上の、シャナの吐息にどぎまぎする悠二。
その反応に気をよくしたシャナが得意げに言う。
「あててんのよ」
「え、な、何を?」
(カチッ!)
バキッ!
シャナのヘッドロックにより、悠二の意識はあっという間になくなった。
「さ、坂井君? 大丈夫ですか!?」
慌てて悠二をベッドへ寝かせ、悠二の服を脱がし始める吉田。
「な、何してるのよ!」
「介抱するんです。シャナちゃんは下がっててください」
素早く自分も全裸になり、吉田は悠二に添い寝する。
「……!」
負けじと服を脱ぎ、おそるおそるながらも悠二の股間に顔を近づけるシャナ。
まだ勃起していない悠二のモノにゆっくりと口づけた。
チロチロと舐めていくウチ、堅く、そして大きくなっていく悠二のモノ。
負けじと吉田も悠二のモノに舌を這わせる。
その大きさが最高潮に達したとき、悠二の意識が戻った。
「ん……あ、れ……って!! ふ、二人とも何して……!?」
自分の置かれている状況に気がつき、一気に意識を覚醒させた。
それに気がついたシャナと吉田が、ラストスパートする。
ちゅぱ……ちゅぱ……
ちろ……ちろ……
激しさと優しさを兼ね備えた二人の責めに、悠二の絶頂はあっという間に訪れた。
「だめだ……もう……い、くぅっ!」
悠二の放った大量の精子は、シャナと吉田、二人の顔を汚していた。
顔中精子まみれになった二人は、ここからが本番と、どちらが先に挿入するか互いに牽制を始めた。
その直後。
キーンコーンカーンコーン。
授業終了を告げるチャイムが校内に鳴り響く。
「ふ、二人とも……そろそろ教室戻らないと……」
悠二の気弱な声が聞こえているのかいないのか。シャナと吉田は睨み合ったまま、
「はぁ、はぁ……シャナちゃん、やっぱり舌技だけではだめですね。床勝負で決着つけますか」
「い、いいわよ、受けて立つわよ。今日のシチュは?」
「ここは保健室の続きらしく、保健の先生とその生徒で逝きましょう……うぉおお──! 搾りとったるぁ!!」
「ナマ言ってんじゃねぇ! メロンパンの焦げた臭いがワシの狂気を火の玉にするぜ!!」
こうして、二人の勝負は放課後へと持ち越されることになった。
to be continued……