「んっ、ゆうじい、ゆうじい……」
シャナが僕のことを呼ぶ声が聞こえる。そっと聞き耳を立ててみると
「どうして、どうして私じゃないの……?」
泣いている声? もっとよく耳を澄ましてみる。
「私も悠二のことが好きなのに……」
シャナは枕に顔をうずめると、尻を高く上に突き出しショーツの中に指を這わせた。
「ねえ、悠二? 私、悠二のことを思ってエッチなことしてるの」
だんだんと艶のある声が混じり
「悠二、もっと私を見て、もっと私を知って」
シャナの脳裏には悠二との今までの思い出がめぐっていた。
はじめてあったときは変なミステスだと思った。
私にシャナという名前をつけた。
私の裸を見た。
フリアグネに連れ去られたとき心が痛んだ。
そばにいてくれると心が落ち着いた。
これからもずっと一緒にいてくれると思っていた。
それなのに。
よりにもよってなぜ。
私じゃなくて彼女なのか。
怒りに心が震える。と同時に悲しみに満たされる。
人は行動して失敗した後悔より行動しなかった後悔のほうが大きいという。
行動しなかった結果がこれ。
彼女は悠二を手に入れた。私はまた独りになった。
今なら言える。『好き』だと。
でももう遅い。遅すぎる。
悲しみにくれながらもシャナは指を動かし続けた。
この指は私の指じゃない。悠二がしてくれているんだと思って。
中まで深く差し込み大きくかき回す。
「悠二! 気持ちいいよ! 悠二!!」
悲痛な叫び。ここにいない人を思いながらの。
「あっ、あっ、あああああああっ!!」
満たされない絶頂。悲しみが増すだけの。
涙で枕を濡らしながら、部屋に誰かがいる気配に気づく。
「だ
言い終わる前には、何者かの身体が覆いかぶさっていた。