「悠、二…!もっと、中に、もっと…!」  
「あぁ、シャナ、可愛い、よ!」  
"零時迷子"のミステスにして、  
"人ならざる者"、坂井悠二は、今日も愛するひとの体内に、分身を何億か、注ぎ込む。  
「っっ…!…はぁっ、はぁ、はぁ…」  
「…悠二、今日、凄い、いっぱい…」  
最強の魔神と契約した強者、  
「炎髪灼眼の討ち手」という極端に孤高"だった"フレイムヘイズシャナは、  
今日も愛する男の欲望のすべてを受ける。  
ふたりはその行為を、当たり前のように幾度も、繰り返す。  
 
「最近カルメルさんがあんまり情報解析の仕事で休まなくなったから、ウズウズしてたんだ…」  
「うん、二日ぶりだもの…嬉しい!」  
「わぷ!?」  
シャナは感情を素直に表し、それは抱擁となる。  
そしてそのまま自然に、互いの喉さえも塞ぐような、唇同士の熱い接触となる。  
悠二は、相手ととろけ合いながら、  
(なんて、幸せな時間なんだろう…)そんな事を素直に思い、  
シャナは、ずっと望んでいたこの日々に対して、  
(悠二と、こんな…)今更恥ずかしがっていた。  
やがて唇を離し、両人、自然と愛する人の名前がこぼれ出る。  
「悠二…」  
「シャナ…」  
今日も二人は、落ちてゆく。最高の快感の底へ。  
 
 
三日後の学校。  
二人は極限の欲求不満状態に陥っていた。  
二晩ともヴィルヘルミナが「夜の鍛錬」に坂井家に来襲(?)し、  
行為の時間がまったく取れなかったのである。  
まさか登校時にしても、二人して遅れれば怪しまれる事は必至だった。  
(この際、ベッドじゃなくても…人がいない場所…体育用具室は?…ダメだ…)  
生徒数が多い御崎高校では、用具室はほぼ毎時間、授業で使われていた。  
(今にでも封絶を張って…ダメ、ヴィルヘルミナや「弔詞の詠み手」がすぐに気付く…)  
しかも教室には、封絶中でも動ける人間、佐藤と田中がいる。  
(やっぱり、放課後まで待つしかない)  
二人ともその事実にガッカリし、  
(でも…!)  
しかし今日こそは愛する人と一つになれるのだ、と確信し、意気揚々となる。  
――悠二とシャナが「そのような関係」になってから、結構な月日が経った。  
その行為自体は、人間ではない本人達にとって意味は無く、  
本来の目的である生殖も望めないことは両人共に分かっていた。  
しかし、その行為の持つ意味、副産物としての快感、それらを毎日のように積み重ねていくうちに、  
 
やめられなくなった。  
 
薬のような危険な中毒性、それをもその行為の魅力として、二人は捉えてしまっていた。  
 
帰りのホームルームが終わり、終業のチャイムが鳴る。  
二人は怪しまれないよう別々に、できるだけ早足で、打ち合わせてあった"目的地"へ向かった。  
 
御崎大橋の下である。  
「確かに、ここなら誰にも見られないね」  
確かに二人の頭上には橋が視界に覆い被さるように建っていて、人目を防いでくれていた。  
「昨日通ったとき、どうしてもダメならここでやろうと思ってた」シャナが言い終えるかの間に、  
「うん、いい場所だね・・」「あっ!…」  
そう答えながら悠二は、早速いつもの通り、シャナに後ろから抱きつき、  
既に突起している箇所を弄りまわす。  
「もう、こんなになって…」  
「悠、二、だって、ひとのこと、言えな…ぁう…」  
その通り、シャナはさっきから悠二の象徴が、自分の股間に当たっているのを感じていた。  
それは最早、いつもの5倍はあろうかという大きさになっており、  
欲求不満状態によって、さらにその大きさを加速させていた。  
「あっ…ん、いぃ、悠二ぃ…」  
「今日のシャナ、凄いやらしい…」  
そういう悠二も、すでに理性は崩壊しているわけで、自然と某所に手が伸びる。  
「やぁっ…!そこ、まだ…あっ…」  
「まだ?こんなに濡れてるのに?」  
確かにシャナの某所は、下着に「湿り気を帯びる」などというレベルでは無くなっており、  
準備完了な事は一目瞭然であった。しかしシャナもフレイムヘイズである。  
 
(あまり攻められてばかりでも、ダメ……今!)  
シャナは悠二の一瞬の隙を突き、腕力に任せて、悠二の下半身を一気に裸にした。  
「!!」  
すかさず立場は逆転し、シャナはそそり立っているモノを貪る。  
 じゅぷ… ピチャピチャ…じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ…  
悠二が壁にもたれかかって、シャナが膝立ちになって…という様は、  
野外という事もあり、なんともいやらしかった。  
「シャ、ナ…ダメだ、誰か見てたら…」  
「…自分が攻められるとすぐ弱気になる、じゅぷ……今更ダメって何よ」  
言いながらも奉仕は続く。  
「それは、そう、だけど…僕、もう…」  
確かに、シャナの口内には既に、僅かながら苦味が現れていた。  
「もう?今日の悠二、早い…」  
「しょ、しょうがないだろ、溜まってるんだから…」  
「…なら、仕様がないわね…」  
実のところ、シャナもさっきから、悠二を受け入れたくてウズウズしていた。  
 
シャナはパンツを脱ぎ、壁に手を付ける。  
「行くよ、シャナ…」  
「来て、悠二…」  
(そういえば)  
その台詞で思い出す。  
(フィレスさんも、ヨーハンさんとそういう関係、だった…んだろうな)  
「…どうしたの?悠二」  
「あ、ごめん。じゃあ…」  
悠二は、ゆっくりと、モノを挿入させる。  
「ん…やっぱり今日の悠二、おっきい…」  
悠二はピストン運動と共に答える。  
「凄いよ、シャナ、締め付け、られ、て…」  
「あっ、んっ、あっ、悠二、いい、ぁん…」  
互いがこの3日間の我慢を、相手にぶつけている。  
ここは野外で、誰に見られるとも分からない。  
シャナは下着を脱いだが、スカートは履いたままの状態。  
まして、悠二は欲求不満の獣状態である。  
それらの事柄が、二人の本能を加速させていた。  
「悠二、もっと、あっ、中に、ほしい、よ…」  
「シャナ、ダメ…だ、凄い、可愛い、イク…」  
 
先程の攻めもプラスして、既に悠二は限界だった。  
「あぁ、ダメだ、シャナ、逝く…!」  
「あっ、えっ、まだ、きゃぁぁ!」  
ドクン、と、それはシャナの中で鼓動し、すべてを吐き出す。  
「あっ、あ、あぁ、ぁぁ…」  
「凄い、悠、二、こん…なに…」  
 
やがて射精は終り、二人は幸せな空気に包まれた――  
――が、欲望は当然、終わらない。  
「悠二、まだ私、悠二を感じたい」  
「うん、解ってる、僕もだよ…」  
ふたりはまた、身を重ねてゆく――  
 
 
それは、ふたりが生きている限り、終わらない連鎖。  
良い事なのか、悪い事なのか、  
「悠二、いい、ぁん、あぁっ…」  
二人は知らない。  
どこまで、終りはあるのか、  
「シャナ、好きだ、凄い、可愛い…」  
それすらも、解らない。  
ただ、そこにいる相手のために、快感のために、自分のために、  
二人は溶ける。溶けていく。  
 

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