「あら、チビジャリ。珍しい所で会ったわね」  
「む」  
 真夏の御崎市市街で、ノースリーブの白いワンピースに身を包んだシャナと、  
 いつもの青いスーツドレスを腕まくりして着こなすマージョリー・ドーが対峙した。  
 まあ対峙とはいっても、双方ケンカを始める気はないのだが。  
 この二人は、どちらかといえば仲が悪い。無論原因は、5月初頭の“屍拾い”を巡る一連の戦いである。  
“愛染の兄妹”や“探耽求究”が襲来した際の共闘でいくらかは改善されたとはいえ、  
 誰もが苛立つような炎天下の中出会って気分の良くなる相手でないことは確かだった。  
「ヒッヒ、今日は“ミステス”の兄ちゃんは一緒じゃねぇのか、嬢ちゃん」  
 マージョリーの脇に抱えられる“グリモア”から、マルコシアスが愉快気に言う。  
「え……」  
「むぅ」  
 その何気ない一言で、シャナは頬を朱に染めて俯き、彼女が首からかける“コキュートス”からは、  
 アラストールの不機嫌極まりない唸り声が漏れる。  
「ゆ、悠二は……買い物に、行ってる」  
 ただの買い物ではない。悠二曰く、『今夜の準備』とのことだった。  
 ついでに言えば、ヴィルヘルミナはまたも『外界宿』から呼び出されている。  
 彼女が要請した資料が集まったはいいのだが、欧州でのゴタゴタがアジアにまで波及してきて、  
 とてもそれどころではないらしい。というわけで、ヴィルヘルミナは自分の足でその資料を取りに行ったというわけだ。  
 要するに、今夜ヴィルヘルミナは不在なのである。そこに『今夜の準備』とくれば、  
 それはつまり、そういうアレやコレやだということだ。  
 悠二がいったいどこに何を買いに行ったのかは定かではないが、いかがわしい所にいかがわしい物を買いに行ったことは想像に難くない。  
 
「……ん〜、あんた何か、雰囲気変わったわね」  
 もじもじと答えたシャナから何か感じ取ったのか、マージョリーが言った。  
 マージョリーは勘が良い。今夜はどんな風に責めてもらえるのかな、  
 なんて桃色なことを考えていたシャナに違和感を覚えないはずがなかった。  
「そ、そう……かな」  
 思い当たる節がありまくるシャナは、また俯いて、指先をもじもじと絡み合わせる。  
 マージョリーは、そんなシャナの様子を観察してみることにした。  
 何のことはない、ただ暇だからである。  
 俯いているため視線は隠れているが、その頬は明らかに暑さ以外の理由で赤らんでいる。  
 マージョリーにしてみれば色気の欠片もない幼児体型は、少し丸みを帯びてきたようにも見える。  
 いや、丸くなったのは雰囲気か……?  
(……ん? ははぁ、そーゆーことか)  
 と、そこでマージョリーは気付いた。  
「な、なによ」  
 シャナは、そんなマージョリーの不躾な視線に気付いたらしい。顔を上げて、  
 マージョリーのどこかニヤついた顔を睨みつける。  
 しかしマージョリーは気にした風もなく、いきなりその細い指先で、シャナの首筋をなぞった。  
「ひゃんっ!?」  
「あー、やっぱり。キスマークじゃないの、コレ。相手はあの坊やかしら?」  
 マージョリーが見つけたのは、シャナの首筋にある不自然に赤い跡だった。  
 当然、悠二がつけたものである。悠二曰く、シャナが彼のものである証、らしい。  
「そ、そんなの、あなたには関係ないでしょ!」  
「ふぅん、図星か」  
「うっ……」  
 こうやってあたふたしているのを見ると、とても数ヶ月前死闘を演じた相手とは思えない。  
 それこそ、あのカズミやマタケのようなただの女の子にしか見えない、とマージョリーは思った。  
「あっ、そーだ。いいこと思いついたわ、あんたちょっと、付いて来なさい」  
 そう言うマージョリーの顔に一瞬、邪なものが過ぎったが、不幸にもシャナはそれを見逃していた。  
「はぁ? なんで私が……」  
「別にいいじゃないの。どうせ暇なんでしょ、あんた」  
「……」  
 事実、悠二が帰ってくるまでの暇を潰すつもりで街を散策していたシャナは、  
 渋々、マージョリーに付いて行くことにした。  
 
「なによ、どこに行くのかと思ったら」  
 到着したのは、なんの変哲もない豪邸……なにか矛盾している気がするが、  
 要するにマージョリーが居候している、佐藤啓作の家だった。  
「場所はどこだっていいのよ。それこそ、そこらの公園でもね。でもまだ日が高いし、  
 さすがに外はまずいでしょ」  
「……?」  
 一部言っていることの意味が分からなかったが、シャナは自分も知っている場所ということで、  
 わずかに警戒を緩めていた。  
(……むぅ)  
 一方で、アラストールはなんとなく嫌な予感を感じていた。  
「さ、入って入って」  
 まるで自身の家であるかのようにマージョリーが案内したのは、  
 彼女の根城と化している室内バーだった。  
「うっ」  
 その部屋に入った瞬間、シャナは顔をしかめた。  
 どうせ今日も朝っぱらから飲んだくれていたのだろう。バーの中は、  
 酒に耐性のないシャナにはキツすぎるほど酒臭かった。  
 そのせいで足がわずかにふらつき、その時、  
「っ!?」  
 視界が、反転した。マージョリーがシャナの足を払って、床に倒したのだ。  
「ちょっ、いきなりなにを……!?」  
 抗議とともに起き上がろうとしたシャナは、上にのしかかってきたマージョリーによって、  
 その動きを封じられた。  
 マージョリーは手早く“コキュートス”をシャナの首から外し、  
 傍らに浮いていた“グリモア”の上に放る。  
「じゃ、マルコ。ちょっとの間、“天壌の劫火”と世間話でもしててちょうだい」  
「あいあいよー。あんま無茶すんなよー」  
 どこか投げやりに答えたマルコシアスは、“グリモア”を操って、  
 “コキュートス”を乗せたまま、開きっぱなしのドアから外に出て行った。  
「待て、“蹂躙の爪牙”! 我をどこに連れて行く気だ!?   
 ええい、待てと言っておるだろうが、『弔詞の詠み手』、シャナに何をする気―――」  
 バタン、とドアが閉まって、アラストールの声が途切れた。  
「……なんの、つもり」  
 努めて冷静に、シャナはマージョリーを睨みつけながら言う。  
 しかしマージョリーは、シャナの問いには答えず、唇の端を歪めると、こう言ったのだった。  
「ふぅん、あんた……こうして見てみると、かわいい顔してるじゃないの」  
 マージョリーの眼は、獲物を捕らえた狼のそれだった。  
 
「ワリぃな、“天壌の劫火”。どうもマージョリーのヤツ、ラミーん時のこと、  
 まぁだ根に持ってるみてーでよ」  
「……」  
「さすがにまたドンパチやる気はないみてぇだったが……まさかこーなるとはな、ヒヒッ」  
「……」  
「ま、これもある意味、一戦交えるってことなんだろーけどよぉ、ヒーッヒッヒッヒ!   
 今度はどっちが勝つかねぇ?」  
「……」  
 
 
 
 悠二にしか許さないと決めていた唇は、マージョリーにあっさりと奪われた。  
「ふぅ……ん……ちゅぷ……んん……」  
「ん〜〜ぅっ……。ぅぐっ! うぅ〜〜……!」  
 しかも、マージョリーはいきなり舌をシャナの口内に挿し入れてきたのだ。  
 シャナは必死に抵抗するが、お互いフレイムヘイズ同士で力は互角、  
 となるとシャナに馬乗りになっているマージョリーの方が、圧倒的に有利だった。  
「ちゅ……ちゅぷ……ぷちゅ……ん……」  
 その抵抗を慣れた手つきで抑え込みつつ、  
 マージョリーは巧みな舌技でシャナの口内を蹂躙していく。  
 マージョリーの舌は、彼女の性格からは想像できないほど丁寧に優しく、  
 口蓋の上部や歯茎の裏側まで、シャナの口内の隅々まで撫で回す。  
 終いには、マージョリーの舌は蛇のようにシャナのそれを絡め取り、激しく吸い上げた。  
「ん、ふ……ちゅ……」  
 豊富な経験による絶妙な舌使いの前に、シャナの抵抗は次第に弱々しく、  
 そして最後には抵抗する気力を失い、マージョリーのなすがままとなってしまう。  
 
 十分もそうしていただろうか。マージョリーはようやく、シャナから唇を離した。  
 すでにシャナの目は熱く潤み、意思の力を失ってとろんとしていた。  
(ふぅん……思ってたより……)  
 マージョリーはとりあえず、確認も兼ねて、白いワンピースをたくし上げ……  
 そこでマージョリーは、少しばかり驚くことになった。  
 シャナは、ショーツを穿いていなかったのである。さらにたくし上げると、胸部を覆う衣類すらない。  
「なぁに、あんた。ノーブラノーパンで街ん中うろついてたわけ? こんな薄手のワンピースで?」  
「ゆ、悠二が……着ちゃ、ダメだ、って……」  
 先ほどまでのディープキスも相まって、シャナの全身が朱に染まった。  
(あの顔でなかなか鬼畜なことしてるわねぇ)  
 そんなことを考えながら、マージョリーはたくし上げたワンピースをこれまた慣れた手つきで脱がす。  
 シャナの幼くも美しい裸身が、顕になった。  
 一瞬それに見蕩れたマージョリーは、なんとなく悔しくなって、  
 自分の指先をシャナの秘所に押し付けた。  
「ふあぁぁぁん!?」  
「あら……キスだけでこんなに? いや、羞恥プレイの成果かしら?」  
 そこはすでに、熱くぬかるんでいた。ちなみに、両方の相乗効果である。  
「ま、どっちにせよ、この感じよう……坊やにだいぶ調教されてるみたいね」  
 言いながら、おへその辺りをさわさわと撫で回す。  
「ふあっ、ああ!」  
 悠二によって徹底的に快楽を覚え込まされたシャナの身体は、  
 たったそれだけのことでも敏感に反応してしまう。  
(う〜ん……ただチビジャリ喜ばせてるだけじゃ、意味ないのよねぇ)  
 そう考えてマージョリーは、右手で控えめなふくらみを揉み込み、左手で太股を撫で回す。  
 ただし、もう硬くなってしまっている桜色の突起と、秘所には絶対に触れないようにして。  
「ひやあぁぁああっ! だめ、だめぇっ!」  
 もはやなにをされても感じてしまうシャナは、たまらず嬌声を上げる。  
 しかし、それを続けていくうち、シャナの瞳に段々と切なげな色が浮かんできた。  
 
「ひゃ……んっ……あぁん……」  
 自分の思惑通り事が進んでいることにほくそ笑みつつ、あくまでも意地悪に、  
 マージョリーは言う。  
「ん〜? なによチビジャリ、その目は。なんだか不満そうじゃない。  
 なにかご要望でもあるのかしらぁ?」  
「ふあ……うぅ、ああっ」  
「ほらほら、恥ずかしがってないで言ってごらんなさいよ。私は別に、  
 あんたが満足できないままここで終わらせちゃってもいいのよ?」  
「っ!! あ、うぁ……だ、だめぇっ、いまやめられ、たら……わたし、わたしぃっ!」  
「なら言いなさい」  
「ぃあっ、ふぁ、ああん」  
 シャナの心中では、フレイムヘイズとしての誇りが、必死の抵抗を試みていた。  
 しかし、そんな彼女の意思に反して、身体は貪欲に快楽を求めている。  
 やがて、両者の間で勝敗が決した。  
「あ、ああっ、わ、わた、しの、ふああっ、ち、ちくび、っとぉああっ!   
 う、あ、お、お、おまん、こぉっ、いじって、いじってぇぇぇっ!!」  
 マージョリーはニヤリと笑い、しかしこれだけでは満足しない。  
「あら、それが人にものを頼む態度?」  
「ふ、ふあ、ぃん、お、ねがい、おねがい、しま、す、わたしの、ちく、び、とぉ、  
 おまんこ、いじって、くださ、んぁああっ、めちゃくちゃに、して、くださぁっ、いぃぃぃ!!」  
「よろしい」  
 あまりに簡単に堕ちてしまったシャナに不甲斐なさを感じつつも、  
 マージョリーは彼女の乳首を、口に含んだ。  
「ひいやぁぁぁぁあっああぁああっ!!」  
 焦らしに焦らされた上でいきなり強い刺激を受け、シャナは一際大きな嬌声を上げた。  
「ふぅん、いい声で鳴くじゃないの」  
 言いながらも、マージョリーは休むことなく、シャナに快楽を与え続ける。  
 唇と舌、さらに右手で乳首を、左手でグショグショになっている秘所を、ひたすらに弄ぶ。  
「あ、やっ、はぁぁぁぁんっ! ふああああっ!!   
 だめ、だめぇ、わたし、おかしくなっちゃうぅううううぅぅぅぅっ!! あああああああああ!!」  
 身体を大きく仰け反らせ、シャナはとうとう、絶頂に達した。  
 しかしマージョリーは、ぐったりとしたシャナへの責め手を止めようとはしない。  
 宴は、始まったばかりなのである。  
 
「ふあぁぁぁん、いい、いいよぉ……おねがい、もっとぉ……もっとわたしを、めちゃくちゃにしてぇ……」  
 そうして達すること十数度、すでにシャナは、哀願の声を上げ始めていた。  
 暗い愉悦を胸に、マージョリーはそんなシャナの様子を見下ろし、嘲笑う。  
「ふふん、いいザマねぇ、チビジャリ。あんたホントに、あの使命使命ってうるさい『炎髪灼眼の討ち手』?」  
「……ふ、う、うぅ……、ひやあっ!?」  
 その言葉にシャナの瞳がわずかに意思の力を取り戻す。しかし、愛蜜に溢れる秘裂をなぞられ、  
 その快感に押し流されてしまう。  
「あら……チビジャリ、あんたのここ、太くて固いものが欲しいって、ヒクヒク震えてるわよ」  
「ああ、んあぁ……ほしい、ほしいよぉ……わたしのなか、ぐちゃぐちゃに、かきまぜてほしいのぉ……」  
「そう。じゃあケーサクとエータでも呼ぼうかしら」  
 瞬間、上気していたシャナの顔が、蒼白になった。  
「やっ、いや、いやああああっ! おねがい、やめてぇ!」  
 思っていた通りの反応を返されたのに満足し、  
 マージョリーはシャナをさらに追い詰めるための台詞を吐く。  
「あら、遠慮することはないわ。あいつらだってお年頃だし、  
 ヤリたい盛りでしょうからねぇ、喜んで引き受けてくれるんじゃない?」  
「やだぁ、やだやだやだ、やめて、やめてよぉ……」  
 シャナは、一時の快楽に流されて軽率なことを口にした自分を、呪いたい気分だった。  
 自分は、身も心も、全て悠二のものなのである。  
 本当なら、こうしてマージョリーによがり狂わされていることも許されざることなのだ。  
 そこに、悠二以外の男のモノをくわえさせられるなんてことになったら、とても耐えられない。  
 なによりも辛いのは、その悠二以外の男のモノによって快楽に溺れる自分の姿が、  
 容易に想像できることだった。はしたなく腰を振り、さらなる快楽をせがむ、自分の姿が。  
 もっとも、さすがのマージョリーも、本当に二人を呼ぶ気はない。  
 特に田中の方は、彼を慕う少女から色々相談されている身である。  
 それに、友人に恋人を犯されることになる悠二が気の毒でもあった。  
 
 だが当然そんなことは知らないシャナは、必死である。これこそがマージョリーの狙いだった。  
 仕上げとばかりに、マージョリーは言い放つ。  
「じゃ、どーすんのよ。ほかにここにある太くて硬いものって言ったら……これぐらいしかないわよ?」  
 マージョリーが手に取ったのは、放り捨てられていた空のウィスキー瓶だった。  
「そ、そんなの、で……?」  
 鈍い輝きを放つそれに、シャナは思わず怯む。  
「で、どーなの? これで犯してほしい? それとも、ケーサクとエータを呼ぶ?」  
 選択肢は、与えられているようで、いなかった。  
「………て……」  
「ん〜? なに、聞こえないわよ。もっと大きな声で」  
「……おねがい……それでわたしを、おかし、てぇ……」  
「へぇ、こんなのがいいの。とんだ変態娘ねぇ」  
 シャナは羞恥に震えながら、静かにその時を待つ。  
「さて……じゃあ、行くわよっ!」  
 マージョリーは一気に、瓶の注ぎ口の方を、シャナの秘裂へと挿入した。  
 カーペットの上に水たまりを作ってしまうほどに潤っていたそこは、さしたる抵抗もなく、  
 あっさりと瓶を飲み込んだ。  
「ひやああああああああっ!? つ、つめたっ、ふああ、ひゃああぁぁぁぁん!!」  
 今まで何度も迎え入れてきた悠二の熱い肉棒とは異なる、瓶のひんやりとした感触が、  
 シャナを新たな悦楽へと誘っていく。  
 マージョリーは、手に握った瓶を時には前後させ、時には円を描くように回し、シャナを狂わせていく。  
 一方で、空いている方の手で乳首やクリトリスに刺激を与えるのも忘れない。  
「はああぁぁぁんっ!! んっああっ、はぐっ!! んあぁっ……あっ、あっ、はぁあんっ!!」  
「あんた……好きな男以外のモノくわえてこんなよがっちゃうなんて、とんでもない淫乱ね」  
「くああっ、ひぃん、ふぁ、あああぁっんああ、はああああっ!!  
 ちが、わ、たしぃぃぃぃっ!? ふあ、ああああんっ!!」  
「この状況で言われても、説得力がないわね」  
 口ごたえの罰として、マージョリーは瓶の動きを、より大きく、激しくする。  
 それに伴って、シャナの嬌声も大きくなっていった。  
「ひゃぁっ、あぅ、ふぁぅ、あぁんっ! んんぁぁっ、ぁぁぁぅっ、はあぁぁぁんっ!!   
 ふあ、ああっ……いい、よぉ……きもちっ、いいよぉぉぉぉっ!!」  
 シャナにわずかながら残っていた理性が、とうとう消え失せた。  
 今の彼女は誇り高いフレイムヘイズではなく、本能のままに快楽を求める、一匹の雌だった。  
「ひゃあんっ! やああっ、あっ、ああっ、あああああぁぁっ!! もっと、もっとぉ!!   
 もっとわたしのなか、ぐちゃぐちゃにしてぇぇぇぇっ!!」  
 シャナの哀願に応え、マージョリーは瓶の動きを、限界まで激しくする。  
「ひうっ、いあっ、ああっ! あっ、んんぁっ、ふあああぁぁっ!!   
 はぁん、うぁ、わ、わたし、いくぅ、いっちゃう、いっちゃうのぉぉぉおおぉぉっ!!」  
「なら……思いっきり、イキなさいっ!!」  
 気合一声、マージョリーは手に持った瓶を、鋭く強く、シャナの最奥まで突き入れる。  
「ひゃぅっ、ふあああぁぁっ、あああああぁぁぅっ! あぁぁぁぁぁああああぁぁぁっっ!!」  
 その一撃で、シャナは今日何度目になるかも分からない絶頂へと、昇り詰めたのだった。  
 
 
 
 おまけ  
 
 
 
 一方、室内バーの前。そこに、二人の少年が前屈みの姿勢で立っていた。  
『ほらほらほらほらぁっ!!』  
『ああぁっ、ひゃああああああぁぁぁぁぁっ!!   
 ああぁっ、あんっ、あっ、あっ、ああああぁぁぁぁぁっ!!』  
「…………」  
「…………」  
「……なあ、田中」  
「……なんだ、佐藤」  
「……シャナちゃんって……意外と、すごいんだな」  
「……そうだな」  
「…………」  
「…………」  
「…………」  
「……なあ、佐藤」  
「……なんだ、田中」  
「……今日一日ぐらい……シャナちゃんオカズにしちまっても、バチは当たらんよな?」  
「……おまえにゃオガちゃんがいるだろーが」  
「……そうだな」  
 
 
 
 さらにおまけ  
 
 
 
 その夜。  
「ねえ、シャナ?」  
 シャナは、悠二のその表情に恐怖した。笑顔、しかし、目だけは笑っていない。  
「な、なに、悠二」  
「コレ」  
 悠二が、顕になったシャナの胸、その少し下あたりを指差した。  
 赤い斑点。キスマークである。いつのまにか、マージョリーに付けられていたらしい。  
 シャナの顔が、真っ青になった。  
「……ねえ、シャナ。今日、どこで、誰と、ナニをしてたのか、詳しく教えてくれないかなぁ?」  
「あ、あのその、ち、違うの、これは、ええとその」  
「…………おしおき、だよ」  
「だ、だから、違うの! 待っ……ひやぁぁあぁああぁぁぁぁっ!?」  
 この夜、シャナは、買ってきたばかりの荒縄やらバイブやらその他諸々を縦横無尽に駆使する悠二によって、  
 何度も何度も失神するまでイカされることになった。  
 結局、悠二がシャナを許したのは、シャナに身も心も悠二の奴隷となり、  
 今後一切、男女問わず悠二以外の存在に身体を許さないことを数十回誓わせた後だったという。  
 どうしようもなく嫉妬心・独占欲の強い悠二であった。  
 
 
 
 今度こそ続かない  
 

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