夏、ある晴れた日の午後。
単身赴任で不在の夫にかわり、家を預かっている賢明な主婦、坂井千草は今、買い物に出かけていた。
さらに、いつもはシャナの首にかけられているペンダントに意思を表出させている“天壌の劫火”アラストールは……
まあ、いると色々不都合なので、擬装用の携帯電話に入ったまま、千草に持っていかれたということにしておこう。高校生の息子を持ちながら、どう見ても二十代の美人人妻とのデートを演出してやったのだから、氏にも文句はないはずである。
そしてとどめに、シャナの養育係にしてフレイムヘイズ『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメルは、所用で遠方の『外界宿』に出向いていた。もちろん、契約した“紅世の王”、“夢幻の冠帯”ティアマトー共々である。
ようするに、本日の坂井家は正真正銘、悠二とシャナの二人きり、邪魔者なしのパラダイスであった。
「シャナー、おやつの時間だよー」
まるで娘か妹でも呼ぶかのような調子で二階に声をかける少年は、言うまでもなく坂井悠二である。
当然、彼が呼ぶ少女は、彼の娘でも妹でもない。まあ、外面の年齢だけ見れば、妹で通せるかもしれないが。
千草が「遅くなるかもしれないから」と用意していった本日のおやつは、苺のショートケーキである。
超絶甘党少女であるシャナなら、それこそマッハですっ飛んでくると思っていたが、その気配どころか返事すらない。
「変だな……」
この時間、シャナはいつも父・貫太郎の書斎から持ち出した分厚い本を、悠二のベッドの上に寝転がりながら読んでいるはずだった。
気になった悠二は、自分の部屋へ向かう。
「シャナ〜?」
ドアの前でもう一度声をかけるが、やはり返事はない。
一応ノックした後、悠二は部屋へ入った。
「なんだ、寝てたのか……」
本を読んでいる途中睡魔に襲われたのか、シャナは悠二のベッドの上で穏やかな寝息を立てていた。
その光景は、少女の可愛らしさも合わさって、一枚の絵のようだった。
悠二はベッドの横に腰を下ろし、最近ではあまり見れなくなったシャナの寝顔を観察することにした。
女性の寝顔を眺めるとはあまりいい趣味とは言えないだろうが、そこはそれ、悠二も男である。好きな女の子の寝顔を好きなだけ見れるとあらば、見ないはずがない。
「……やっぱり、かわいいな」
こうして見ていると、彼女が屈強な戦士であることなど、到底信じられない。
「……かわいいな」
もちろん、今では彼女がただフレイムヘイズであるだけでなく、一人の女の子であることも、よく分かっていた。
だからこそ、
「かわいいな」
こんなあどけない寝顔を見せられたら……ムラムラきてしまうではないか。
とりあえず、小さな唇に視線を向けた。
キスしたい。あの可憐な唇を、僕のものにしてしまいたい。いや、唇どころか、シャナの全部を僕のものにしてしまいたい。
幸い、シャナはぐっすりと眠っている。さあ坂井悠二、やるなら今だ。いやでも、寝込みを襲うなんて。
じゃあ、シャナが起きてればいいじゃないか。でも起きてたら、そもそも襲うなんてことできないし。
ああだったら、起きてても身動きできない状況にしてやればいいじゃないか。冴えてるな、僕。そうと決まれば、早速用意しなきゃ。
とりあえず、シャナが寝てようが起きてようが、襲うことは決定済みらしい。
正面から気持ちを伝えればいいことにまったく思い当たらないあたり、全然冴えていなかった。
きっとこの時の悠二は、夏の暑さで頭がどうにかしていたのだろう。
それとも、ここ最近の異常な暑さが『零時迷子』に変化をもたらし、それが悠二に変な影響を与えていたのかもしれない。
『零時迷子』が絡んでくると、話が途端にマジメな方向に走りそうになるから不思議である。まあ、悠二にもこれぐらいの言い訳をするのを許してやってほしい。
とにかく、そういうわけで悠二は『準備』をするため、一旦部屋から出て行くのだった。物語の都合上、その間にシャナが目を覚ます可能性はゼロだと言っておく。
「……ん……」
シャナは、目を覚ました。どうにも途中から寝苦しくなったような……と、そこで彼女は異変に気付いた。
「……ふえ?」
寝惚け眼を手でこすろうとした所、腕がまったく動かないのである。それも両腕……いや、それどころか両足も動かない。
「え? な、なによコレ!?」
両手には手錠がかけられそれを頭の上に掲げるように、足は革紐で縛られ、開脚するようにして、それぞれベッドの足へと縛り付けられていた。真上から見たら丁度人の字に見える体勢である。
「ふふ、おはよう、シャナ」
シャナが声のした方を向くと、そこにいたのは微笑を浮かべる坂井悠二だった。
「ゆ、悠二、なんなのよ、コレは!」
「見たまんまだよ」
その返答に、シャナは悠二がこれをやったのだということを確信する。
「いったい何のつもりよ! こんなことして、タダで済むと思ってんの!?」
「何のつもりって……こういうつもりさ」
そう言うと、悠二はベッドに上がってきた。シャナの体を跨いで四つん這いになると、悠二は真っ直ぐに、シャナの黒い瞳を見据える。
「……ゆ、悠二……?」
その真摯な眼差しに、さっきまでの勢いはどこへやら、シャナは途端にしおらしい態度を見せる。
悠二は一回微笑むと、その顔を少しずつシャナへと近付けていく。シャナは悠二が何をしようとしているかようやく理解し、しかし制止の声を上げることも、拘束から逃れようともがくこともできなかった。
やがて、二人の唇が重なる。
(シャナの唇……柔らかい……それに、なんだか、甘いな……)
悠二はその感触を存分に楽しみ、
(ああ、私、悠二と……でも……)
一方でシャナは、望んでいたこととはいえ、何を誓う覚悟もなしに悠二と唇を重ねてしまったことに、複雑な気分になった。
ただ、無理矢理だったのに、不思議とイヤだとは思わなかった。
どれくらい経っただろうか、悠二はシャナから顔を離した。
「悠二……どうして、こんなこと……」
「シャナがいけないんだよ。シャナみたいな可愛い子が、あんな無防備に寝てるから……」
可愛い、という言葉に、シャナは耳まで真っ赤になる。
「それに……僕は、シャナの全部を僕のものにしたいんだ。シャナが、好きだから」
「……え? 悠二、今なんて……ふむぅ!?」
シャナが言い終わる前に、再び悠二によって、彼女の口が塞がれた。
しかも、今度はただ触れ合うだけのキスではない。
何かが、強引に閉ざされた唇を割って、自分の口内に侵入してくるのを、シャナは感じた。
「んっ……ふうっ……」
『それ』は、自分の舌を絡めとリ、転がし、強く吸い上げる。
そうされる度に、甘い、痺れにも似た感覚が、シャナの体に走った。
くちゅくちゅとイヤらしい水音を立てながら、『それ』はシャナの口内を一方的に蹂躙する。
そうされればされるほど、あの甘い感覚が大きくなっていく。
その事実が無性に恐ろしくて、自分がどうにかなってしまいそうな気がして、シャナは悠二から逃れようと、今になって抵抗を始めた。
しかし、手足にかけられた拘束具が、それを許さない。なす術もないままシャナの口内は犯され続け、甘い感覚も強く、大きくなっていく。
ここに来て、シャナはようやく気付いた。今も自分の口の中で暴れている何かが、悠二の舌であるということに。この甘い感覚の正体が、快楽であるということに。
「んふ……ちゅっ……ふう」
一度気付いてしまったら、あとは堕ちていくだけだった。
もはや抵抗する意思を完全に失い、今まで感じたことのないような大きな快楽に、シャナは溺れていく。
強い意思を秘めているはずの瞳は熱く潤んで、とろんとしていた。少女の美しく白い肌は、今や全身が、紅く染まっている。
さらなる快楽を求めて、自分から舌を悠二のそれに絡ませようとするが、舌が触れ合うたびに心の底までとろとろにされ、受け入れるがままになってしまう。
そんなシャナの態度の変化に気付いたのか、悠二はようやく、唇を離した。
「んぁっ……待って……」
離れた悠二の唇を追って、わずかに舌を伸ばしてしまい、シャナは赤面した。
その様子に、悠二はシャナが堕ちつつあることを知り、この機会を逃すまいと、さらなる攻勢に出た。
「ひやっ、ん、あぁぁっ!?」
紅く染まった可愛らしいシャナの耳たぶを、悠二は甘噛みしていた。シャナが、たまらず嬌声を上げる。
「ねえ、シャナ」
「ふあっ、やん、ああ!」
続いて首筋を唇と舌で愛撫しながら、悠二はシャナの耳元で、甘く優しく、少女をさらなる快楽へと誘う言葉をかける。
「シャナ、気持ちよかった? ねえ、気持ちいいかい?」
言葉と共に、ふうっ、と息を耳に吹きかける。
「ひゃあぁん!! いいっ、いいよぉっ! きもち、いいよおっ!!」
「そっか。じゃあさ……もっと、気持ちよくなりたい?」
言いながら、悠二はシャナの服を、薄いキャミソールごと捲り上げる。ちらっと見えた桜色の突起は、つんと自己主張していた。そちらにはまだ手を付けず、顕になったお腹のあたりを、触れるか触れないかといった繊細なタッチで、ツツーとなぞる。
「い、あああっ! な、なりたい、もっと、もっとぉ! もっと、きもちよくしてぇっ!!」
ついに少女が堕ちきったことに、悠二は満足げな笑みを浮かべる。ディープキスとちょっとした愛撫だけで、こんなにも乱れてしまったシャナが、もっと直接的な部分を弄られてしまったらどうなるんだろう、と悠二も興奮気味になる。
「ねえ、本当にいいの? それは、シャナが僕のものになるってことなんだよ?」
「ふぅ、あっ、なり、たい、わたし、ゆうじのものに、してぇ、ふぁっ、あん!」
悠二のものになる。それは、甘美な響きを伴ってシャナの耳に聞こえていた。そう聞こえるのは、この快楽だけが理由ではない。
「あ、わっ、たしも、んう、ゆうじのこと、すき、だからぁ……ひゃん!?」
悠二はシャナの言葉に、抱擁で答えた。彼女の首筋に顔を埋め、言う。
「ありがとう、シャナ……大丈夫、ちゃんとシャナの全部、僕のものにするから、もうずっと、離さないから」
「ふあああっ! や、あうん、ゆぅ、じぃぃぃ!!」
悠二はシャナの首筋に強く吸い付き、シャナは甲高い声を上げた。
悠二が顔を離すと、あまりに強く吸ったからか、そこには紅く染まった肌の中でもはっきり分かるほどの、赤い跡がついていた。
「これが、シャナが僕のものである証、だよ……消えないように、これから毎日、つけてあげるから」
「ああ、うれ、しいっ……!」
悠二は抱擁を解いてシャナに向き直った。もう拘束具はいらないかな、と思ったが、せっかくなのでそのままにしておくことにした。
「じゃあ行くよ、シャナ」
言葉と共に、悠二の指先が、かすかな曲線を描くシャナの胸に触れた。そのまま、左右の胸を交互に、円を描くようにしてなぞる。
「ふあっ、やあっ、くぅん!」
シャナの反応に気を良くした悠二は、今度は掌全体を使って、同じようにシャナの胸を優しく撫で回した。
「ひゃうっ、あぁん、だ、めぇ……ふあああっ!!」
「ほんと、シャナって敏感だね。喜ばせ甲斐があるよ」
「やあああっ、そんなっ、こと、いわない、でぇっ!!」
「ふふ、でも……まだ、こんなもんじゃないよ」
悠二の指が、痛いほどに自己主張していた桜色の突起を、つまんだ。
「ひゃあぁぁぁぁんっ!?」
優しく撫で回されていた時とは違う、強い鋭角的な刺激に、シャナの体が思い切り仰け反った。それによって空いたベッドと背中の間に悠二の空いた方の手がしっかりと回され、つままれていない方の胸に、悠二がかぶりついてきた。
「ふああああっ! あああああっ!」
そのまま硬くなった左右の乳首を、歯で甘噛みされ、舌で嘗め回され、唇で吸われ、もうシャナには何がなんだかわからなかった。分かるのは、悠二にこうして激しく愛されることが、とても幸せだということだけだった。
絶え間なく与えられる絶大な快楽は、シャナを快感の高みへと押し上げていく。
「ふぁあっぁあああ!! も、だめぇぇえぇぇぇっ!! なにか、くるぅ、くるよぉぉぉぉぉっ!! ああああああああああっ!!」
小さな身体がビクンビクンと大きく痙攣し、限界まで身体を仰け反らせ、シャナは生まれて初めて、快楽の絶頂を迎えたのだった。
「はあ、はあ……」
「ふふ……まさか、胸だけでイッちゃうなんてね」
顔を覗き込んでくる悠二の一言に、シャナは自分の乱れようを思い出して、
全身を真っ赤に染める。
だが、悠二の言葉による責めは、まだ終わらない。
「知らなかったよ、シャナがこんなえっちな子だったなんて」
「ち、違う、私、そんなんじゃない!」
「違う、ねえ。もう、こんなになってるのに?」
悠二はシャナのスカートをたくし上げ、その下にある真っ白なショーツの上
を、ゆっくりと擦った。
「ひゃあぁぁぁん!?」
「ほら、こんなにグショグショで……透けちゃってるぐらいなのに……とって
もイヤらしいよ、シャナ」
「い、やぁぁぁ、いやぁぁぁ、悠二、言わないでぇ……」
拘束された両手足。はだけた衣服。秘所から溢れ出る蜜を吸いすぎたせいで
既に役目を果たさなくなったショーツ。
シャナの見た目の幼さも相まって、その光景は悠二の言葉通り、ひどく淫靡
だった。
「……あれ?」
悠二は、あることに気付いた。
「シャナ、嫌がってるわりには……ふふ、どんどん溢れてくるよ? シャナって、
言葉責めでも感じちゃうんだ?」
「っ!? ち、ちがっ、ひゃあああっ!?」
ショーツの上から軽く縦スジを突つかれただけで、シャナは反論を封じられ
てしまう。
「シャナって、意外とMなのかな。まあ、僕も意外とSなのかもしれないけど」
そう言って、悠二はシャナの唇を奪った。むろん、片手はシャナの秘部に這
わせたままだ。
「ふうっ!? ん、んむぅ……ふぁっ……」
口と秘部、両方からの激しい刺激に、シャナの身体は再び高ぶっていく。
「……ん、はぁ……ゆうじぃ……?」
唇を離し、悠二はシャナの足の拘束具を外し始めた。
「そろそろ、脱がしてあげようと思ってね。縛ったままじゃ脱がしにくいだろ?」
その言葉の意味するところに気付いたシャナは、
「や、やだっ、悠二、おねがい、やめて!」
「どうして?」
「だ、だって……」
悠二に言われなくても、シャナは自分のアソコがどろどろに蕩けきっている
ことぐらい、分かっていた。悠二に、そこを見られたくない。ショーツ越し
に見られている今でさえ、とんでもなく恥ずかしいというのに、直に見られ
たりしたら……。
「ねえ、シャナ」
しかし悠二は、そんなシャナをさらなる快楽に溺れさそうと、悪魔の囁きで、
彼女のフレイムヘイズとしての強靭な精神を蝕んでいく。
「さっき、イッちゃったとき……どうだった? 気持ちよかった?」
「そ、そんなの……言えない……」
「言えない? 嘘ついちゃダメだよ、シャナ。気持ちよくなきゃ、イクはずな
いだろう?」
「あ、うう……」
「正直に言ってごらん。僕、嘘つきな子は嫌いだよ」
「っ! やだ、やだぁ、言うから、ちゃんと言うから、きらいにならないで、
ゆうじぃ……」
「じゃあ、言ってみて。気持ちよかった?」
「よかった、とっても、きもちよかった、よぉ」
「もっともっと、気持ちよくなりたい?」
「うん、なりたい、もっともっと、きもちよく、なりたい」
普段の彼女からは信じられないくらい従順になったシャナの様子に、ちょっ
とやりすぎたかな、とも思う悠二だが、そんなシャナも可愛く、愛おしい。
「じゃあ、脱がすよ。いいね?」
シャナは結局、恥ずかしげに首肯した。
足の拘束具を外し、悠二はゆっくりと、シャナのショーツを下ろしていく。
完全には脱がさずに、片足に引っ掛けておく。これもまた、イヤらしい。
しかし、やはり恥ずかしいのか、シャナは拘束から逃れた足を閉じようと
する、が、
「こぉら、ダメだよ、シャナ」
悠二がその間に自分の膝を割り込ませて、それを許さない。
「ゆ、ゆうじぃ……」
「気持ちよく、なりたいんでしょ?」
「……う、ん」
「なら、僕に任せて、シャナは力抜いて」
こくん、とシャナが頷くのを見て、悠二は閉じかけていた足を、ゆっくりと
開かせる。
そこを見た悠二は、思わず感嘆の溜息をついた。
鮮やかなピンク色の華から、大量の愛蜜が溢れ出していた。
そして、その蜜は華に収まりきらず、シーツの上に水たまりを作っている。
「きれいだ……それに、すごい……こんなに濡れてる……」
「やだぁ……そんなこと、言わないでぇ……」
「……ふぅん……また溢れてきたよ、シャナ。やっぱり、シャナは言葉で責め
られて感じちゃう、えっちな子なんだ」
「いやぁぁぁ、やだ、やだよぉ……」
「いいんだよ、シャナ……僕の前でなら、いくらでもえっちになっていいんだ。
僕は、えっちなシャナも、大好きだから」
その悠二の一声で、シャナの声の質が、変わった。
「ほん、とう? ほんとに、こんな、えっちでいやらしいわたしのこと、
すき、なの?」
「本当だよ。僕がシャナに嘘つくはずないだろ」
「ゆうじ……ゆうじ、だいすき……」
「僕もだよ、シャナ」
それを合図に、悠二はシャナの秘所に口付けた。
「ひああぁああぁぁっ!! ゆ、ぅじぃぃぃっ!!」
たったそれだけのことで、シャナの腰が跳ねる。
シャナの秘所にしゃぶりつく悠二は、時には舌と唇で秘裂を丹念に愛撫し、
時には水音を立てながら、溢れ出す愛蜜を吸い、飲み込んでいく。
「ああっ、んっ、いやぁん、あっ、あっ、いい、いいよおっ、ゆうじぃっ!
もっと、もっとぉっ!!」
愛しい相手の名を呼んで、さらなる快楽をねだる。望みはすぐに叶えられた。
悠二にクリトリスを探り当てられ、興奮のあまり硬くなったそこも、悠二の
激しい愛撫の餌食になってしまう。
指でこすり、舌で転がし、甘噛みし、唇に挟んで吸う。そんなあまりに強す
ぎる甘い刺激の連続に、シャナの秘所からは愛蜜が止めどなく溢れ、それが
また、悠二に飲まれていく。
「ん……ちゅ……シャナの蜜、甘くておいしいよ」
「ああんっ、んああっ、くうっ! ひゃっ、ああああっ、あぁぁぁん、
んあああっあぁぁあ!!」
悠二の舌が、ついに秘裂を割り開いて、奥まで侵入してきた。
膣内の襞を丁寧に舐められる感触がシャナを新たな悦楽へと誘う。
「あ、や、やあっ! イク、イクぅ、イッちゃうぅぅぅ!!」
と、その時。
「ふえっ……? なんで、どうしてぇ……?」
悠二が突然、シャナへの愛撫を止めてしまったのである。
絶頂へと至る寸前で急激に快楽から引き離されたシャナとしては、たまった
ものではない。
「ねえ、シャナ。シャナは、僕にどこをどうしてほしい? ちゃんと言ってく
れなきゃ、続きはしないよ」
悠二が顔を上げてシャナを見れば、シャナは涙を浮かべた切なげな視線で、
悠二を見ていた。その視線に込められたシャナの望みを正確に理解しながら、
しかし悠二は、シャナがそれを実際に口にするのを待つ。
やがてシャナは、おずおずと、口を開いた。
「おねがい、ゆうじ……わたしの、あ、あそこを、いじって……」
「あそこって?」
今日の悠二は、どこまでも意地悪だった。
が、ここで、悠二の思惑とはズレたことが起こる。
「……?」
てっきりそこの名を出すのを恥ずかしがるシャナの顔が見れると思っていた
のだが、シャナはきょとんとした表情で、悠二を変わらない切なげな視線で
見つめていた。
悠二は、その理由に思い当たった。
「もしかして、シャナ……ここをなんて言うのか、知らないの?」
そこを指で押しながら言うと、シャナは悩ましげな声を上げつつ、頷いた。
なるほど、あのヴィルヘルミナのことだ、「必要のない知識であります」と
か言って、こういうことは一切シャナに教えていなかったのだろう。
(まあ、そういうことなら……ふふ、それなりの楽しみ方がある、か)
シャナの恥じらいの表情が見れなかったのは残念だが、自分がシャナに恥ず
かしいことを教え込めるのだと思うと、それはそれで魅力的だ。早速、実行
に移す。
「シャナ、ここはね、おまんこって言うんだ……言ってごらん」
「おまん、こ……?」
「そう、よく言えました。じゃあシャナは、そのおまんこを、僕にどうしてほ
しいのかな?」
焦らしに焦らされ、いい加減限界が訪れようとしていたシャナは、叫ぶよう
にして懇願する。
「ゆうじ、おねがい、わたしのおまんこ、めちゃくちゃにしてぇっ! いっぱい
いっぱい、かんじさせてぇ、おねがい、ゆうじぃ!!」
悠二はすぐに、シャナの求めに応えた。さっきと同じように、いや、さっき
以上の勢いで、シャナの秘部にしゃぶりつく。
突然の激しすぎる快楽に、シャナは悲鳴にも似た嬌声を上げる。
「ふあぁぁぁ…はあぁっ、あぁん! ふぁあっ、ああ!! くる、くるのぉ、
おまんこに、おまんこになにかくるのぉぉぉっ!! ひぃやああああああああああっ!!」
悠二の愛撫が再開されてほどなく、シャナは二回目の絶頂を味わうことになった。
ぐったりとしているシャナに、さすがに心配になったのか、悠二が声を
かける。
「シャナ、大丈夫?」
ぼーっとしていたシャナは、しばらくしてから、悠二に答える。その顔には、
微笑が浮かんでいた。
「ん、大丈夫。ただ、あんまり気持ちよすぎたから……」
そんなシャナがたまらなく愛おしくて、悠二はシャナの唇に、自分のそれを
重ねた。ただ触れ合うだけのキス、それがこんなにも気持ちいい。
悠二は、改めて本題を切り出した。
「君の全てが欲しいんだ、シャナ」
無駄に装飾せず、シンプルな言葉を選んだ悠二に、シャナもまた、同様に
して答える。
「私も……悠二のものに、なりたい」
この言葉で、お互いの覚悟は決まった。
悠二は下着ごとズボンを脱いで、下半身を開放する。
パンパンに張り詰められている肉棒に、シャナが息を呑む。
「そんな大きいのが、本当に私の中に入るの……?」
「怖い?」
「ううん、大丈夫。悠二が一緒だから」
そう言いながらも、シャナの顔にはわずかな怯えが浮かんでいた。
彼女を安心させようと軽くキスし、悠二はシャナの腰を抱え、亀頭をシャナ
の秘裂にあてがう。
「いくよ、シャナ」
「うん、来て、悠二」
悠二は一気に、己の怒張を押し込んだ。ゆっくりとやって長く痛がらせるより、
一気にいって痛みも一瞬の方がいいだろう、と判断してのことである。
焼けるように熱い異物に、すでに快楽に慣らされてしまっているシャナの
身体は、敏感に反応する。
処女膜は一撃で破られ、その痛みがシャナを襲うが、それはすぐに快楽へと
変質していった。
今まで使われることのなかった肉襞は、初めてその内に受け入れた肉棒を
味わうかのように締め付け、接合部からは愛蜜がじゅぷじゅぷと漏れ出していた。
「ああああ! いたい、いたいよぉ! でも、どう、してっ! こんなに、
きもちが、いいのぉっ!? ふあぁぁあぁっ!!」
「く……くっ。シャナ、いいよっ……凄い、締め付け……っ、う!」
「ふあっ、ああ、んあああっ!! いい、きもちいい、よおっ! うああん、
ああっ、ゆう、じのおちん、ちん、が、あぁっ! またぁ、またくるぅ、
またおまんこに、なにか、きちゃうぅぅううぅうぅぅぅっ!!」
前後運動が二桁に達したかどうかというところで、シャナの幼い性器は早く
も根を上げた。愛液をどぱっと吐き出し、身体を痙攣させる。
しかし悠二は、まだ達していない。そのまま、イッたばかりの少女の腰に、
容赦なく自分の腰を打ちつける。
「う、くっ、シャナ……!」
「ひぃっ! やっ、ま、まだ、だめぇっ!! あっあぁっ!!」
「さす、がに……、イクの、はやすぎ、だよ……っ」
「だ、って、だってええっ! ゆうじの、おち、ん、ちん、がああっ!
きも、ちっ、よすぎるのおおおおっ!!」
シャナの足が悠二の腰に回され、より深く繋がることを求めてくる。悠二は
それに応えるべく、肉棒を激しく突き入れる。
「いひゃああああん!! お、おまんこ、おまんこきもちいいぃぃぃぃっ!!
もっと、もっと強くううぅぅっ!!」
「くっ……シャナ、僕、そろそろ……」
「んうっ、いい、いいよ、ゆうじ、きて、わたしのなかに、きてぇっ!!」
悠二の表情が、快感に激しく歪んだ。体内で肉棒が膨れ上がる。
同時にシャナの中で熱が一気に爆ぜ、頭の中が閃光で真っ白になる。
「く、うっ、シャナ、シャナアアアアッ!!」
「ふああっ、あっ、はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! ゆうじ、
ゆうじぃぃぃぃ!!」
三度目の絶頂の中、途方もない幸せを感じながら、シャナは意識を失った。
おまけ
一方、坂井家の台所。
「ふふっ、若いっていいわねぇ」
いつの間にか帰ってきていた坂井千草が、シャナの嬌声をバックミュージッ
クに、人参の皮を剥いていた。
彼女が出かけたのは近場のスーパーだったのだから、はやく帰ってきても
不思議ではない。当然、行為に夢中の悠二達は、知る由もないが。
「なんとなくお赤飯食べたいなーって思って買ってきたけど、大正解だったわね♪」
呑気に喜んでいる様子の千草とは対照的に、ドス黒いオーラを放っている
携帯電話が、テーブルの上に置かれていた。
(ぬーぬぬぬぬぬぬぅぅぅぅぬっぬぬぬー、ぬぬぬぬーぬぬぬ)
とりあえず後で悠二に説教を喰らわすことを心に決めるアラストールであった。