ある休日、シャナと吉田さんは坂井家を訪ねていた。  
映画でも見ない? と千草に呼ばれたからだ。  
が、リビングに入った瞬間、二人は硬直した。  
“頂の座”ヘカテーが悠二のひざに座っていたからである。  
「ちょっとどいてくれない? 見づらいんだけど?」  
「いいじゃないですか? 悠二さん? 本当はうれしいのでしょう?」  
「それはそうかもしれないけど…あ、シャナ、吉田さん、いらっしゃい」  
「ちょっと! どうして悠二の膝にあなたが座ってるのよ!」  
「坂井君! 私も膝に座ってそっと寄りかかって〜  
(長いので省略、完全に痛い妄想です、ありがとうございました)〜したかったのに!」  
唖然とする3人。そんな中、千草がお茶を持って入ってきた。  
「さあ、皆さんどうぞ、ごゆっくり」  
微笑を絶やさぬままそっと出て行く千草。  
(まったく、あんなにかわいい女の子を3人もはべらせて。誰に似たのかしら?  
 悠ちゃん、がんばりなさい)  
と心の中でエールを送る千草。彼女の持ってきたお茶には媚薬が混ぜられていたことを知るものはいなかった。  
 
映画の内容は恋愛映画、  
違う世界から来た女性、主人公を守るために現れた女性、主人公に以前から想いを寄せていた女性が主人公に恋をするという  
まさに今、この空間に悠二がおかれている状況と変わりない内容であった。  
互いにあの手この手を尽くして彼の気を引こうとする女性たち、ついには身体をはって彼を誘惑する。  
濃厚なベッドシーンに移る。それはもう性欲の強い高校生が見たら卒倒するくらいの。  
(かー…)  
(ドキドキドキドキ…)  
(男の人ってあんなことするの!?)  
全員テレビの中で行われている行為に釘付けになっています。  
目を見開き一瞬たりとも見逃さないように睨み付けているんじゃないかと思わせるくらいに。  
 
映画が終わったころ、みんな体が火照って、顔を真っ赤にしたままうつむいてしまいました。  
媚薬が効いてきて性欲がわきあがり抑えることができなくなってくるくらいに。  
口火を切って  
「坂井君、坂井君もあんなことしたいんですか?」  
「よ、吉田さん? なに言ってるの?」  
「私、坂井君が望むなら何でも……」  
服を脱ぎだし、ほかの二人にはない発達した乳腺や皮下組織が発達して隆起し、哺乳期には乳汁を分泌する部分  
――ありていに言えばおっぱいといいますが――をあらわにして悠二を誘惑しようとしてくる。  
「悠二! なにでれっとしてるの!?」  
怒りをあらわにし、自らも服を脱ぎだすシャナ、見事なまでの平面が涙を誘います。  
(「うるさいうるさいうるさい! 何よこの文章は!?」  
 「事実を書いたまでで、ぐはっ……はいはいちゃんと直しますよ」)  
平面――じゃなかった、全体的に凹凸の少ない見る人が見ればたまらない体型をさらします。  
「悠二さん、私ならあなたを骨抜きにするくらいの技を披露します」  
語気に怒気をわずかに含ませながらじっと悠二を見つめてくる。  
「「「悠二! 悠二さん! 坂井君! 誰を選ぶの!?」」」  
といってもいきなりそんなことを言われても選べるわけがありません。  
「なら……Hで勝負したらどう?」  
「母さん!?」  
「悠ちゃんに抱いてもらって一番気持ちよくしてあげた人の勝ち、ってことでどう?」  
「やるわ、悠二は渡さない!」  
「坂井君をこの胸の虜にしてあげます」  
「悠二さんを私の技で天国に連れて行ってあげます」  
(僕の意思は無視ですか? 皆さん。いつの間にかくじが作られてます。引けということでしょうか?)  
悠二は覚悟を決めてくじを引くと  
 
 
「とりあえず、私がお手本を見せるわね?」  
そう言うと、千草は服を脱ぎ始めた。  
「ちょっ、母さん、何するの!?」  
「何って、ナニよ? 決まってるじゃない」  
驚く悠二を尻目に、母の脱衣は泊まらない。  
「貫太郎さんも帰ってこないし、ちょっとうずくのよ」  
「いや、でも、親子なんだし!?」  
わたわたと後ずさりながら、何とか逃げようとする悠二に、  
「え? 悠ちゃんと私は(MMR)よ?」  
「な、なんだってー!? 僕と母さんは本当は(アキラメナイ!!)だったの!?」  
千草の衝撃の発言により驚く一同。  
「ね? だから何も問題無いのよ」  
「(いいのか? だったらいいのか? 据え膳食わずは恥なのか!?)」  
突然の事で頭が追いつかない悠二に  
「じゃあ、『いただきます』」  
母の身体がのしかかった。  
 
「ン、ふ、ふう、・・・・ンっ」  
「あぁ、もう、出る!」  
何度母の中に達したか判らない。しかも、  
「母さん、その、あ、一つ、聞いて、聞いて良い?」  
「ん? なあに? 悠ちゃん」  
それは、  
「何で、お尻なの?」  
生殖器ではなかった。  
「あら、貫太郎さんともこっちよ?」  
「「「「!!!!」」」」  
傍(はた)で見ていた面々も驚く。  
「それに」  
母は自身の秘所を撫であげながら  
「こっちはまだ使った事が無いもの」  
言う。  
「「「「!!!!????」」」」  
未だ交わり終えぬ息子よりも、その彼を慕う少女の方が受ける衝撃は大きかった。  
「(純潔は散らさない方がいいの!?)」  
「(坂井君のために前はとっといたけど、こんなところで健を生贄・・・・もとい、  
  健と『訓練』した成果を出せるなんて、棚ぼたです?)」  
「(おじ様やカンターテ・ドミノといろいろ試しておいて正解でした)」  
一部、尋常でないのも混じっていたが瑣末な事だった。  
 

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