「ない、ない、ない!」  
シャナが僕の部屋を引っ掻き回している。いったい何があったのか……  
「悠二! 私のメロンパン食べたでしょ!」  
「食べてないよ」  
「うるさいうるさいうるさい! この部屋に置いたのにないってことは  
 悠二が食べたに決まってるじゃない!」  
「だから知らないって!」  
「うるさい! うるさい! うるさい!!」  
掛け声とともに贄殿遮那の峰打ちが襲ってきます。正直怖いです。  
「わかった! わかったから! 今日一日シャナの言うこと聞くから!」  
とにかく今の状況を逃れることが最優先です。このまま撲殺されたらかないません。  
「じゃあ、メロンパン、どこどこのなになにのお店のやつ10個買ってきなさい」  
 
 
(注文が多いなぁ……)  
「何か言った!?」  
「何でもないよ。行ってくる」  
そう言って悠二は、先ほどの峰打ちで2mmほど短くなった前髪をいじりながら家を出た。  
 
 
「シャナー! 買ってきたよー!」  
「悠二、遅い!」  
「何でだよ! 急いで買ってきたのに!」  
「うるさいうるさいうるさい! 言い訳するな!」  
そういって、悠二の手からひったくるようにメロンパンの入った袋をとるシャナ。  
袋の中から一つを取り出し、満面の笑みでメロンパンを食べる。  
ふと、食べている自分を見つめる悠二の視線に気がついたシャナが、  
「……あげないわよ」  
「はいはい」  
悠二をにらみつけながらそう言った。  
 
メロンパンを食べ終えた  
シャナはふと思いつく、(今の悠二なら私の言うことなんでも聞いてくれる、だったら悠二にされて嬉しいことを命令すれば…)  
「悠二」  
「な、なんでしょうか」  
悠二次なる命令を怯えながら正座して待つ  
 
シャナは頬を朱に染め、命令を下す。  
「わ、私を抱きしめて」  
「はっ?」  
 
「ほ、ほら、そ、そ、存在の力の受け渡しよ」  
「だったら手をつなげば…」  
「う、うるさいうるさいうるさい!今日は私の命令を聞くって言ったの、悠二でしょ」  
 
(いいのかな…アラストールやカルメルさんにばれたら…)  
悠二は助けを求めるような目でシャナの胸元を見やる  
勿論、コキュートスは  
 
 
 
ない。どこにも。  
 
 
 
「シャナ、アラストールが…」  
「千草とどっかいくからって。千草がもってる」  
「ふーん、そっか」  
 
そこで悠二はふと  
(あれ?じゃあ、今この家にいるのは…二人だけ!?)  
 
「ほ、ほら!命令なんだから、はやく!!」  
 
言葉とは裏腹なシャナの甘い声が耳になじむのを感じながら、悠二はすばやくシャナの後ろへ回り込んだ  
 
「!!」  
 
悠二は小さなシャナの体に後ろから腕を回し、包みこむ。  
シャナは柔らかく、とても良い香りがした。  
悠二は何度か抱きしめたことはあったが、どの状況も落ち着いた状況ではなかったため、ゆっくりと抱きしめるのは初めてだった。  
 
シャナは自分が命令したこととはいえ、悠二に抱きしめられている状態がとても恥ずかしかった。  
しかも悠二はベッドに座りその上に自分が乗っかっているため、なおさらである。  
自分のお腹の辺りに組んである悠二の腕に手を添え、眼をつぶり悠二を感じる。  
ふぅっ  
「ひゃあ!?」  
突然悠二の息が耳にかかり悲鳴をあげてしまう。  
悠二は息を吹きかけたあと、シャナの耳元で囁く  
「シャナ、次の命令は?」  
 
「…悠二がしたいようにして」  
悠二は一瞬キョトンとし、問う  
「…それ、もはや命令じゃなくなってないか?」  
「うるさいうるさいうるさいっ!!  
命令よ!悠二は普段あたしにしたいと思うことすればいいの!」  
頬を染めたシャナが怒鳴る。  
「…じゃあ何しても怒るなよ?」  
いうなり、間髪置かずシャナの唇に自分の唇を重ねる。返答させる気なんてさらさらなかった。その上で問うたのは、確認の為である。  
「………んっ……」  
しばらくたって、舌を絡めあう。もう何度目かなのに未だ慣れないらしく、いつも音をだす彼女を愛おしくおもいつつ、貪る  
 
「んう……ちゅ、んん、ふあ……」  
 いつもは鋭いシャナの瞳が、とろんとしてくる。  
 最早キスだけでは我慢できなくなった悠二は、右手をシャナの服の中に潜り込ませ、その慎ましい  
胸へと這わせる。  
「んあっ!? ゆ、悠二、どこ触って……きゃんっ!?」  
 空いた左手を、こちらはスカートの中に潜り込ませつつ、悠二は言う。  
「シャナが言ったんだろ? 普段僕がシャナにしたいと思ってることしろって……」  
「い、いつもこんなこと考えてたのね、この変態!」  
「変態は酷いんじゃないか?」  
「うるさいうるさいうるさっ、ふああっ!」  
 左手の指先がショーツの上からシャナの秘裂をなぞり、シャナは愛らしい悲鳴をあげる。  
「や、やだ、悠二、やめ……あ、あ、ひやああっ!?」  
 胸を撫でていた右手、その指の腹で、既に硬くなっている乳首を転がす。  
「あれ、もうこんなに濡れてきたよ? 本当に変態なのは、僕じゃなくてシャナの方なんじゃない?」  
「ち、ちが、ちがう、ふあああっ!! や、んああっ!!」  
「可愛いよ、シャナ……もっともっと、可愛がってあげる」  
 邪な笑みを浮かべ、悠二は言ったのであった。  
 
じっくり、ゆっくりと悠二はシャナをなぶり続ける。  
秘所をなぞるだけだった指は中まで入り込み激しくかき回す。  
彼女が達しようとすれば弱め、落ち着いてきたら動きを激しくし、  
寸前の状態を維持し、かわいがり続ける。  
「あっ、はああっ! 悠二! だめぇっ!」  
ぴたりと動きを止める悠二。  
「そう? シャナがそういうならもう終わりにしようか?」  
確かに悠二はシャナの言うとおりに行動をした。  
が、止められてしまったシャナは絶頂を迎えたい欲求が起こり始めていた。  
「だ、駄目…悠二……やめないで……」  
「どっちなの? してほしいの? してほしくないの?」  
「も、もっと、して……」  
「どこをどうして欲しいのか言わないとわからないな〜、はっきり具体的に言って?」  
 
「わ、わたしの…さっき、悠二が触っていた所を…メ、メチャクチャにしてぇ…」  
(…まぁ、いいか……今は)  
「はい、良くできました…じゃあ、早速」  
「は…んっ!!それ、いい…気持,ち、い…!」  
悠二は、また、さっきまで以上の勢いで、運動を再開する。  
「前にシャナ、子供の作り方を教えて欲しいって言ってたよね?」  
「ひゃぁっ!?…ふぁ、やん……」  
両手の淫らな手の動きはやめずに、そのままの体制で悠二は言う。  
「実はこれ、それの準備運動みたいなものなんだ…  
シャナがもっと気持ちよくなって、僕も気持ち良くなって、やっと作れるんだよ」  
「あぅ……だめ、そんな・・きゃあ!!?」  
悠二は「出し入れ」を一気に加速させ、シャナを引き落としてゆく。  
意識の底へ。  
「だから…」悠二は愛撫と、秘部をいじるのをやめ、  
 
自分のモノを彼女の目前に出した。  
「僕も、気持ち良くしてよ」  
それは、まるで"顕現"したかのようだった―  
 
「ど、どうすればいいのよ……」  
「(わかる訳ないか……でもそれはそれで……!)こうするんだよ」  
悠二はシャナの手をつかむと強引に自身のモノを触らせた。  
「や、やめてっ! 悠二!!」  
本能的なものかどうかはわからないがシャナはあからさまに嫌悪感を示した。  
しかし、どす黒い部分に火がついた悠二はさらに強くシャナの手をつかむと、  
モノをしごかせ始めた。  
フレイムヘイズであり、力は常人のそれをはるかにしのぎ、常に一振りの刀を  
もって戦っているとは思えないほど、シャナの手はかわいらしく柔らかかった。  
本気で握られていたらつぶされていたかもしれない、だが振りほどこうとする  
力のおかげで程よい強さの刺激を与えることになっていた。  
「や、やだ! 何か変なのがつく!」  
先走りがあふれ始める。嗜虐心が悠二を支配し、それをシャナの手に塗りつける。  
塗りつけられたそれは潤滑液の役割を果たしさらに快感を加速させていく。  
 
 あのシャナが自分のモノをしごいている(正確にはしごかせているのだが)という光景に、悠二は  
異常なほど高まっていく。  
「くっ……シャナ、出るよ……っ」  
「え? な、なに……っきゃあ!?」  
 白濁した粘着質の液体が噴き出し、シャナの手を、顔を、髪を淫らに彩っていく。  
「な、なに、コレ……? なんか、変な味……」  
 シャナが唇に付いている精液を舌で舐め取る、その見た目の年齢と不釣合いな妖艶な仕草に、悠二  
のモノは、達したばかりだというのにすぐさま硬さを取り戻す。  
 今すぐにでもシャナを犯したい、メチャメチャにしてやりたいという衝動を、悠二はなんとか押さ  
えつける。  
(そうさ……どうせやるなら、もっとじっくり……)  
「シャナ、ごめん。汚れちゃったね……」  
 悠二はそう言いながら、シャナの手や顔に付着した自らの精液を、指先で拭っていく。  
 その指先を、悠二はシャナの眼前に突きつけた。  
「ねえ、シャナ。これ、舐めて綺麗にしてくれる?」  
「ふえ……な、なんでそんなこと」  
「綺麗にしてくれたら、もっともっと、気持ちいいことしてあげる」  
 悠二がそう言いながらシャナの秘裂に空いた方の手の指を挿し込むと、シャナはすぐに、悲鳴にも  
似た嬌声をあげた。  
「ひゃあっ!? き、きもちいいこと、ふ、あん、ま、また、してくれる、のぉぉぉっ!?」  
「うん、もっともっと……病み付きになっちゃうぐらいに、ね」  
 悠二が答えると、シャナはおずおずと悠二の手を握り、精液がたっぷり付いた指を、その可憐な唇  
で挟み、吸い始める。  
「……ん、ちゅっ……ちゅ、んむぅ……」  
 指先に感じる、シャナの唇と舌の感触、さらに目を閉じて一心不乱に指を吸うシャナ、それら全て  
が、悠二の獣欲を際限なく高めていく……。  
 
「そう、その調子。さっきのキスのように舌を絡ませて」  
シャナは一本の指を、それが坂井悠二のすべてであるかのようにしゃぶり続けた。  
自らの行為に疑問も抱かずに一つのことだけを夢中でする様子は、いつもの  
少女などとはかけ離れた獣にしか見えない。  
 
そんな姿も舐められている当の本人にとっては魅力的なものであり、  
悠二の普段芽が出るはずもない支配欲があらわれ始める。  
 
しかし、そんな彼にとっての誤算が二つあった。  
一つはシャナの肉欲が想像以上だったこと。もう一つは既存の忘れていた問題で、  
万力使いのフレイムヘイズに単純に力で勝てるはずがないこと。  
 
「悠二、もっと。もっと悠二が欲しい」  
 
この一言共に悠二の手首がガッシリと掴まれた。  
いざ指を抜こうとしてもそこに固定されたかのようにピクリとも動かない。  
 
「もっと、もっとちょうだい」  
 
這うようにしてシャナの舌先が悠二の指から移動し始めた…。  
 
シャナの口が再び悠二の口に重ねられる。  
先ほどよりも激しく、濃厚に。  
「ん…ちゅ…はむっ…」  
舌を絡め、舌を吸い、歯茎の裏をなぞり、淫欲に溺れたシャナはより強く、  
より激しく悠二を求める。  
逃げられないようにしっかりと腕を背中に回し、身体を擦り付ける。  
さらに太ももで肉棒を本能的に挟み込み、上下に動かし快楽を与えてくる。  
逆に主導権を握られてしまった悠二。  
シャナのキスのせいで、息ができず、柔らかい太ももで肉棒をしごかれ続けている。  
このままなら無様にシャナの太ももに射精してしまうだろう。  
しかし、抱きつかれているせいで身体を動かすこともできず、  
激しいキスのせいで酸素がどんどん消費されていく。  
失神寸前、悠二はある漫画に描かれていた格言を思い出した。  
『水の中で苦しくなったときはさらに深く潜り底の酸素を探すのだ』(試すときは自己責任!)  
悠二は逆にシャナの方に舌を入れ、わずかな酸素を探す。  
急に攻めてきた悠二に驚きシャナは思わず唇を離し、逃げようとするが腕を背中に回したままだったため  
シャナの上に悠二が覆いかぶさった状態になってしまった。  
 
「………んむっ!!?」  
悠二がいきなり舌を潜り込ませてきた。  
いつのまにか押し倒され、今度は彼の舌がシャナの口内を蹂躙する。  
彼の舌がうにゅうにゅと蠢き、歯の裏をなぞり、絡んでくる。  
「ん、むぅ…ふぐぅ………」  
やさしくも荒々しいキスを受けて、シャナの目は虚ろになっていった。  
(なんだか……頭が、ぽーっとして…………)  
そう思ったとき、再び悠二の手が、秘所に触れた。  
 
「ひやあああっ!? ふあ、ああっ!!」  
「ふふ……約束通り、気持ちいいこと、してあげる」  
 悠二は余裕の笑みを見せつつ、内心では一度シャナに主導権を奪われかけたことに  
わずかばかり動揺していた。  
(昼間はただでさえ、シャナに主導権を握られてるんだ)  
 今日、理不尽な理由でメロンパンを買いに走らされたことを思い出す。  
(せめて、夜ぐらいは僕が手綱を握れるようにしないとね……)  
「あん、ふぁっ、ひぃん!」  
 最早シャナは、びしょびしょになってしまっているショーツの上から軽く秘裂を撫  
でられるだけでも、快感に身を捩じらせ、喘ぎ声をあげてしまう。  
(だから……ゆっくりと時間をかけて、堕ちるところまで堕ちてもらわないとね)  
 悠二はシャナの上の服をキャミソールごとまくり上げ、現れた綺麗な桜色の乳首に  
口付ける。  
「ふああっ! ん、あ、あ、ゆうじ、もっと、もっとぉぉぉ!! もっとしてぇぇぇ!!」  
 シャナの求め通り、悠二は乳首と秘所へ刺激を与えるための動きを、さらに激しくする。  
 舌で乳首を転がし、ショーツをずらして指を秘裂へ挿し込んで、出し入れする。  
「はぁんっ!! ひ、ああ、やああっ!! な、なにかくる、きちゃうよぉぉぉっ!!」  
 性知識が皆無のシャナは、自分の言葉が何を意味しているのか、何が自分に訪れようと  
しているのか、わからない。  
 この場でただ一人その意味を知る悠二はニヤリと笑う。  
「あ、あ、くる、くるよぉ、ふあああああああああっ!!」  
 シャナは一際大きな悲鳴にも似た喘ぎ声を上げながら、身体をビクビクと痙攣させる。  
 少女が迎えた、生まれて初めての絶頂だった。  
 
初めて絶頂を向かえたのにもかかわらず、シャナの肉欲は収まらなかった。  
むしろ、悠二を求めたいという欲情はどんどん増えていった。  
「もっと、もっと悠二が欲しい、もっと感じたい」  
「うわっ、シャナ!?」  
覆いかぶさる悠二ごと強引に体を回転させ、今度はシャナが馬乗り状態になる  
シャナは悠二の首筋に顔を埋め、チロチロと舌で悠二を舐め始める。  
だが、それだけでは物足りず、悠二の服を破り胸板、腹、下腹部と少しずつ舐める位置を下げていった。  
 
そして当然の如く、舌は肉棒へと到達する。頭のなかでは理解していても、心は戸惑いを隠せない。  
「……シャナ……やめっ……」  
すると一旦肉棒から口を離し、平然と残酷に答えた。  
「嫌。悠二だって辞めてくれないし、辞めたくない」  
それだけ告げて再開する。  
ゆっくり、ゆっくりとねぶる。  
まるで飴を舐めているかのような緩慢な動き。表情だけはいつかの団子を食べていた時の微笑み…  
絶頂は、すぐそこまで訪れていた  
 
「っ………!!」  
悠二はなんとか体を起こそうとするが、シャナに重心を押さえられてうまくいかない。  
彼女の舌が、拙いながらも確実に、彼の敏感な部分を刺激していく。  
舌でチョンチョンとカリ首をつつかれ、裏筋を舐め上げられる。たまらず悠二はうめき声を漏らした。  
「う……く、あっ………」  
ぴちゃぴちゃという水音と、二人の荒い息遣いが部屋に響く。  
恍惚した表情で肉棒を舐めるシャナの姿は普段の彼女からは想像できないものだった。  
「ん……ぴちゃ……ちゅる………ゆう、じ」  
そうつぶやいて、一度シャナは口を離した。  
「あっ……」  
愛撫を止められ、悠二はつい残念そうな声を発してしまう。  
シャナの舌技によって、彼のソレははちきれんばかりに膨張していた。  
その声を聞いて、シャナがいたずらをするかのようにニマリと笑う。  
 
「ん?悠二、どうして欲しいの?」  
 
とてもさっきまで何も知らなかった少女には見えない。  
それほどまでにシャナの飲み込みは早く、悠二は彼女の仕返しに戦慄していた。  
このまま主導権を握られるわけにはいかない、そう思った悠二は一瞬でこの状況を  
打破する名案を思いついた。  
(シャナにしてもらわなくても……!)  
火事場の馬鹿力を発揮しシャナの拘束をはずすと、彼女の控えめなふくらみ、  
そこにある突起に自分の肉棒をなすりつけた。  
「ぐっ……!」  
寸前まで高まっていた悠二の肉棒はすぐに欲望を解放した。  
脈打ち、シャナの白い肌、黒い髪、顔に白濁を放出する。  
「きゃっ!」  
放出されたものにひるみ一瞬動きを硬直させるシャナ。  
すかさず、悠二はシャナの片足を上げ、いまだにいきり立つ肉棒を挿入した。  
 
「ひあああああああああっ!」  
挿入と同時に、シャナは驚きと快感でかん高い声を上げた。  
ゆっくりとだが、悠二は腰を前後に動かす。  
「うあんっ! そんな、急、に……はぁっ!」  
「シャナ、初めてなのにそんなに感じるなんて……やっぱりエッチなんだね」  
「そんな……ぁはっ……こと……なあああっ!」  
悠二の一突きごとに大きく反応するシャナの身体。  
「んんっ! 悠二……だ、めぇ……ああっ!」  
「何がダメなの? こんなに気持ちよさそうなのに?」  
先ほど攻められていたお返しとばかりに、言葉責めをする悠二。  
 
このままだとまた悠二に主導権を握られてしまうと判断したシャナは、嬌声がでるほどの快楽にあらがい、腰を激しく動かす。  
「うう、っく!?」  
突然の彼女の攻めに怯んだ彼の隙をつき、卑猥な言葉を投げ掛ける口を自分の口で塞ぎ舌を潜りこませる。  
 
唇が合わさったことで呼吸が乱れ、さらに激しく腰を動かしているために息が苦しくなる。  
だが、息が苦しくなるのに比例するように、つながった部分の神経はますます過敏さを増していく。  
先ほどまでの快感に比べ、はるかに勝るそれに二人は限界を迎えようとしていた。  
どちらが先に達してしまうのか。  
それは今後の主導権を握るためにも負けられない勝負に、いつの間にかなっていた。  
だが、悠二は射精した直後だった。  
そのほんのわずかな差が、勝負の明暗を分けた。  
「んー! むぐ…んーんーんー!!」  
シャナの絶頂が近いのを感じとり、自身の肉棒をこれでもかと奥に叩きつける。  
「んんんんんっ!!」  
口をふさがれているため声を出せないままシャナは快楽に屈した。  
悠二はすぐに抜き、抜いた瞬間に再び白濁のシャワーを浴びせる。  
敗者に鞭打つようにシャナに振りかけられる敗北の証。  
負けん気の強い彼女にとって、敗北は屈辱の極み。  
勝者に命令されるまま、負けた悔しさを胸に秘め、彼女はシャワーで身体を洗いに行った。  
 
一方、悠二は電話を受けていた。  
母親からの電話で、内容はこう、  
『ちょっと用事ができたから今晩は帰れない』と。  
 
シャナはシャワーを浴びながら考え事をしていた。  
終わったあと『これが子供を作るってこと』と悠二に教わった。  
シャナが子供の作り方について導き出した結論はこう、  
互いに快楽を与え合い、女が先に男を絶頂に導くこと。  
男の絶頂とは白濁してネバネバした液体、精液というらしい、を女の体内に摂取すること。  
ただし、摂取は自分の女陰、悠二にさっき散々いじられた場所、に限られる。  
大きく間違った見解だが、彼女はそう理解した。  
 
さらに先ほどの勝負の敗因を考える。  
先ほどの勝負?の敗因は何か。それは自身が快楽に屈してしまったこと。  
快楽に屈しないように強く精神力を保つ必要があることは最中に理解していた。  
だが、快楽に抵抗するのは並大抵の精神力ではそうはいかない。  
強烈に焼きつき頭から離れない気持ちよさ。  
今思い出すだけでも身体を疼かせる熱。  
それに抵抗するのはおそらく今の自分では無理。  
ならどうするか、勝負は常に先手必勝。  
少なくとも悠二のあの表情、放出した液体を見れば快楽を与えることはできる。  
さっき自分がして、気持ちよさそうな表情にさせた行為を重点的にやればいい。  
そう結論付け、リベンジを誓った。  
 
風呂から上がると悠二から千草が今日帰らないことを聞いた。  
すかさず、  
「悠二、今晩リベンジよ!」  
こうして、悠二とシャナの2回戦が始まったのだった。  
 
シャナは先手必勝とばかりに、悠二をベッドに押し倒し、ズボン越しに彼の股間を刺激する。  
だが不器用なシャナは力加減を誤っており、彼への愛撫は少々強かった。  
「シャ、シャナ…」  
悠二は、痛さと気持ち良さが混ざったなんともいえない感覚に溺れそうになる。主導権を握ることに成功したシャナは、悠二をそのまま押さえ込み、快楽を送り続ける。  
彼のモノがはちきれんばかりに大きくなると、シャナは不敵な微笑みをしながら愛撫を止める。  
「何で止め…」  
「ふふっ悠二、これからどうして欲しいの?」  
 
「………」  
「黙ってちゃわからないわよ」  
「………さい」  
「聞こえないわよ」  
「もっとしてください」  
「ふふっ悠二は変態ね…」  
シャナは悠二の返答に満足し、彼のズボンを下げる。  
左手で現れた剛直を揉むようににぎり、もう片方の手の親指で裏筋をなぞる。刺激を送るたびにモノはピクピクと苦しげに脈打つ。  
「悠二、気持ち良い?」  
「ああっ…いいよ、シャナ気持ち良い…」  
「もっと気持ち良くしてあげるね…」  
 
これなら十分勝てると踏んだシャナはそのまま挿入に持ち込もうとした。  
だが、身体を移動させる際にできたわずかな隙を悠二は見逃さなかった。  
悠二はシャナの小さい身体を持ち上げると壁に押し付け、そのまま挿入、  
いわゆる駅弁といわれる体勢である。  
シャナは身体を浮かせられた状態でどうにか反撃の方法を考える。  
その間にも悠二の縦の激しい動きで高められていく。  
シャナは悠二に抱きつき体重を預け、激しく身体を横方向に動かす。  
受ける快感も大きくなるが、相手に与える快感も大きくなるはずと踏んだ  
シャナはとにかく腰を動かし続けた。  
 
シャナの反撃にひるむ悠二。悠二の、反応に勝利を確信したシャナだった。  
そして、終わりは突然やってきた。  
 
「うっ」  
ドクッドクッッ。  
これでもかと、悠二の精を搾り取り勝利の笑みを浮かべたシャナだったが、  
 
時計の針は、折りしも零時を廻ってしまった…  
 
なんとかシャナは悠二を逝かせることに成功した  
「ハァハァ私の、勝ち…ね」  
シャナは勝利の笑みを浮かべるが、悠二も何故か笑っていた。  
「そう……だね、今回は僕の、負け……けど!」  
その時、時計が零時になったことを告げた。すると彼の存在の力が回復し、精力までもが回復する。当然、膣の中のモノも剛直を取り戻す。  
シャナは恐怖した。今彼に動かれたら耐えられるわけがない  
逃げようと、もがけばもがくほど、モノが擦れ体に電気が走る。  
そんなシャナに悠二は恐怖をつげる  
「三回戦のはじまりだよ」  
 
「あっ! あぁっ! やめてぇ、悠二!」  
甲高いシャナの声が響く。  
満足そうな笑みをうかべ、悠二は余裕を持って腰を動かしていく。  
「だめぇ、壊れちゃう……」  
懇願しても悠二は聞く耳を持たない。  
それどころか、一層激しさを増して腰を打ち付けた。  
「ふああああっ!!」  
快楽に屈し痙攣するシャナ。  
「これで終わりなんて思ってないよね? 夜はこれからなんだから」  
一晩中、シャナは涙と涎を流し続けた。快楽という拷問に身をさらされ続けて。  
 
「シャナ」  
その日以来、夜、悠二に名前を呼ばれると身体を強ばらせ動けなくなってしまうようになった。  
さながら蛇に睨まれた蛙のように。  
だが、同時に股間を湿らせ、快楽を待ち焦がれるシャナ。  
「どうしたの? ここをこんなにして?」  
悠二が意地悪く尋ねる。  
「ゆ、悠二、エッチなこと、して……」  
自らスカートを捲り上げおねだりするようになったシャナ。  
(まだまだ色々と教えてあげないとね、どっちが上なのかを、ね  
 今度はカルメルさんでも陥としてみようかな、あの人耐性なさそうだし)  
悠二の野望はまだ始まったばかりだ。  
 

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