ユウジ王子の結婚相手を決める『舞踏会』の開催からはや半年、
シンデレラ(シャナ)とサンドリヨン(ヨシダ)も、お姫さま生活に
慣れ始めた頃でした。
「――っは!」
「ぅうあっ!」
シンデレラは、すでに舞踏会の時にその強さを認められ、ユウジ王子の
お嫁さま兼武術全般のお目付け役として、王子に剣の稽古を付けていました。
「駄目よ!そんなんじゃ!戦場では弱い奴は真っ先に死ぬのよ!?」
なにやらシンデレラは家庭環境の影響か、少々スパルタなようです。
「ぼ、僕は王子だから戦場には出ないだろ!――ってうわあっ!!」
そんなスパルタシンデレラの無茶な発言に、王子は常識で返します。
「うるさいうるさいうるさい!とにかく剣だって貴族の
教養の一つなんだからね!」
シンデレラは当初王子の軟弱ぶりに辟易としていましたが、
シンデレラに口答えするあたり、これでもユウジ王子は結構成長したほうなのでした。
そこに、もう一人の妃がやってきます。
「ユウジさま、シャナちゃん、そろそろご飯ができましたよ。」
それは、練習終了を告げる合図でした。
「た、助かったー!」
安堵するユウジ王子に、
「ふん、明日はもっと厳しくいくわよ?」
恐怖の宣告をするシンデレラ。実はユウジ王子は、シンデレラのおかげで
城の兵団の一般兵なら片手で倒せるような使い手になっているのですが、
本人はそれに気付いていません。
「今日は、どんな料理なのかなー?」
「うふふ、楽しみにしてて下さいね?」
サンドリヨンも、舞踏会の後にその料理の腕を認められ、
城の料理長の座にたたき上げられていたのでした。
「どんなお菓子が出るかな」
これはシンデレラの楽しみでもあります。
「シャナちゃん、昨日作ったパンが好きみたいだったから、また作ってみちゃった」
「ありがと、カズミ」
二人は、恋敵どうしであると同時に、大の仲良しでもありました。
食事はこのお城では、団欒の場でした。
各自テーブルマナーにあまり神経を使う事無く、食事を楽しみます。
「相変わらず、美味しいな」
「うふふ、嬉しいです」
サンドリヨンがお城に来て以来、この二人の会話は習慣のようなものでした。
「いいな、私も……はむ。」
サンドリヨンの自分にはない才能に、
シンデレラはメロンパンを齧りながら羨ましがります。
シンデレラも依然一回だけサンドリヨンに対抗して作ったことがあったのですが、
その日のディナーを全て『黒こげの何か』にしてしまったという
伝説を残してしまいました。
「そう言えば、そろそろ二人がお城にきて半年ねぇ」
チグサ王妃が何気なく漏らします。
「うむ。息子よ、そろそろ世継ぎが欲しいところだ。」
アラストール王が刺々しい声で爆弾な発言をしますが、
ここではテーブルマナーはあってないようなものです。
「なっ、なに言ってるんだよいきなり!」
世継ぎを求められた息子は、大いにどぎまぎします。
王子はこのような身分にもかかわらず、その地位を使って女で遊んだりは
しないかったので、女性経験は全くありませんでした。
「え…あぅ…」
「へ?」
サンドリヨンも、この発言に驚きますが、シンデレラはきょとんとしています。
「で、でも…王家の妃になったってことは……そっちのほうも、だよね」
先に口を開いたサンドリヨンが、真っ赤になりながら言いました。
「よつぎ?なんでカズミは赤くなってるの?」
そっちの方面の教育をする前に嫁いできてしまったシンデレラは、
わけがわかりません。
「それじゃ、今日にもどっちかとやってもらおうかしら。二人供、この半年で、ユウちゃんとの信頼関係はばっちりよね?」
チグサ王妃が、凄いことをさらりと言ってのけます。
「そ、それじゃ、私が先に……」
「だめ!」
「なんでだめなの!?」
「よくわかんないけどだめ!」
「だめじゃない!ユウジさまの初めては、私がもらうの!」
「そ、そんな食事中に騒がれては」
イケ侍従長が諫めにかかりますが、
「うるさいうるさいうるさい!これは二人の問題なの!」
二人は聞く耳を持ちません。
「はは……ま、まだ早いんじゃないかな……」
ユウジ王子が、お得意の問題先送り作戦に出ようとしますが、
「でも、もしやらない場合のユウちゃんのカリキュラムの中には、
就寝前に夜の生活についての講義が入ってるわよ?」
チグサ王妃に言われてユウジ王子はイケ侍従長から手帳を見せてもらうと、
一日のスケジュールの中に確かに入っていました。講師はベルペオル軍師です。
ユウジ王子は軍師の方を見ました。かつてユウジ王子は性に目覚めたての頃、
ベルペオル軍師でオナニーをしているところをチグサ王妃に見られた事が
あるのですが、それが影響しているのかは、定かではありません。
ベルペオル軍師もこっちを見て意味深な笑みを浮かべます。
軍師の部下であるウィネが、時代にあっていないヘルメットの上に
描かれている目で殺意を表明していましたが、王子は気にしないことにしました。
そしてこの騒動のなか、突如、常時無感情の巫女ヘカテーの表情が変わります。
「話し合いじゃいつまでも終わらないよ?クジなり何なりでちゃっちゃとやらないと。
二人もベルペオル軍師にユウジ王子の初めてを取られるのは嫌でしょ?」
先代炎髪灼眼の女傑の鶴の一声で、騒動は沈まります。案外、陰の実力者
なのかもしれません。
クジの結果はシンデレラでした。
これはいい加減な方法ではなく立派な占いの一つであり、日本史の中には籤引きで将軍になった者も出てきます。
ウィネがヘルメットの上に描かれた目で安堵を表明しているのも、
クジの中にはシンデレラ、サンドリヨン、ベルペオル軍師の他に、
巫女ヘカテー、シュドナイ将軍、チグサ王妃、マティルダの降りたヘカテーが
含まれているのも、ユウジ王子は見ないふりをしました。
将来大物になれるかもしれません。
夜の儀式の方法は、部屋で待つお姫さまにガバッという感じなのですが、
今日はどちらとも初めて。一体どうなるのでしょう。
「チグサは何で今日は身体を念入りに洗えなんて言ったんだろう。」
シンデレラは現在自分の居る、ベッドが一つしかない、
ピンクの薄暗い部屋で待機するよう言われたので待っていました。
シンデレラは今から起こることも、今日の寝巻がやけに薄くて扇状的なことも、
まだ分かっていないようです。無知と清らかさは違うというのは、
本編の千草の名言でしたが、恐らくこんな状況を言うのでしょう。
そこに、タオル一枚のユウジ王子が入って来ました。
「ん?どうしたのユウジ」
なぜか赤くなっているユウジ王子に、シンデレラは訝しがります。
「いや、あの、そのね、」「はっきり喋る!」
「はっ、はいっ!」
シンデレラはそんなユウジの態度に、段々苛々してきました。
ユウジは覚悟を決めて、シンデレラの寝っ転がっているベッドに腰掛けます。
「これから、世継ぎをつくらなくちゃいけない。」
ユウジは自分の顔が真っ赤になっているのを自覚しながら言います。
「そう、よく分からないけど、頑張ればいい」
「いや、シャナも一緒にするんだ」
「私はそのやり方知らないよ?」
ユウジは何か隠している。シンデレラはそう感じました。
ユウジはシンデレラの方に向き直って、シンデレラに
遠回しな同意を求めます。
「シャナ、僕のことが好き?」
「な、何言ってんのよいきなり!」
シャナが赤くなりながらうやむやにしようとしますが、
「いや、これは大事なことなんだ」
ユウジは至って真剣です。このヘタレもピンチのときには肝が据わるようです。
「ん…、うん……。ユウジ、好き、だよ…。」
「僕が今からどんなことをしても?」
「……?うん。」
ユウジ王子はそれを聞くや否や、シンデレラに覆いかぶさるように抱きしめ、
その唇を奪いました。
「〜〜〜〜〜!!」
シンデレラは声なき声を上げて抵抗しますが、
シンデレラ≠フレイムヘイズという設定により、男の力にはかないません。
性に目覚めてから初めて女性?の身体に触れたからでしょうか、
王子は興奮で我を忘れてしまいました。そのテンションのまま
シンデレラの服を脱がしにかかります。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
ユウジは息を切らせながら、シンデレラのSFをまさぐります。
「いや!やめて!痛い!痛いよ!」
シンデレラも必死で抵抗します。城に嫁ぐ前に習ったサブミッションの技術を
応用して、やっとの事で抜け出すことが出来ました。
「シャナ、待っ―――」
「嫌ぁーーーーっ!!」
シンデレラは、城中に響き渡るような絶叫を上げ、ユウジ王子を殴り飛ばすと、
「嫌っ!こんなの嫌ぁっ!うわあぁぁぁぁぁ!」
大泣きしてしましました。やっとユウジが我に帰ります。
「シャナ、ごめん」
「嫌っ、近寄らないで!恐い、恐いよ!」
いつもの剣の稽古と立場が逆です。シンデレラは顔を恐怖で歪めて、
裸のままユウジから逃げていました。
「シャナ、ごめん!もう痛くしないから、ホントごめん!」
一国の王子が土下座をするという、えらい自体がおこりました。
すっぽんぽんの状態で土下座という、なんとも情けない状態なのですが、
これは恐らくファンタジーで、メルヒェンなおとぎ話なので、
ここでは触れないことにします。
「ほんと…?」
シャナは泣きやんでくれたようです。
これも素直な子に育てた継母テンモクイッコのお陰です。
「うん、始めからやりなおそう。」
ユウジは優しく、シンデレラをベッドへエスコートします。全裸で。
ベッドに座った二人は、まず抱き合います。
「ドキドキするね」
ユウジが言うと、シンデレラもドキドキしてしまいます。
今度は薄暗い部屋のムードが味方して、いい雰囲気になりました。
まずは仕切り直しのキス。
童貞×処女なので、舌を入れるなんて考えもつきません。
「んー」
くちゅ、くちゅ、なんて音の一つも立たない味気ないキスですが、
二人をドキドキさせるには十分でした。
王子はこんどはゆっくりシンデレラを寝かせると、耳を食みます。
「はぁっ、あぁあ」
シンデレラは初めての快感に思わず変な声を出してしまいます。
ユウジは優しく下に向かってSFを愛撫していき、乳首で止まりました。
「ひゃぁっ!」
「おっぱい、気持ちいい?」
「あぁっ、そんなこと、言わないであぁっ!」
乳首をちゅぱちゅぱ音を立てて吸われると、シンデレラはどうしてもビクビク感じてしまいます。
ユウジはシンデレラの耳元に顔を戻し、秘部を優しくいじりながら、囁きます。
「シャナ、気持ちいい?」
「あ…、あ…、」
「ふふ、恥ずかしい…?」
シンデレラはこくりと頷きます。
「ふふ、可愛いよ…?」
ユウジはそう囁きながら抱きしめます。
「や、やあっ」
これが拒否ではないことは、ユウジには分かりました。そのまま秘部をいじります。
「濡れてきたね」
「ん〜、んんん〜」
「ん?くちゅくちゅ音が聞こえるよ?」
「や、や〜…、」
「ふふ、とっても可愛いよ、シャナ…。」
「あっ、あっ…」
さっきの強姦未遂が嘘のような甘さです。
ピンチのときには肝が据わるようです。
「ここからさきはちょっと痛いよ?いい?」
「うん、ちょっと恐いけど、大丈夫。」
ユウジ王子はそれを聞くと、シンデレラを寝かせ、頑張って濡らした秘部に、ユウジ二号を入れました。
ぶちぶち
「キャーーーーー!」
(数分後)
シンデレラは、王子の胸の中で泣いていました。
「くすん…くすん…」
「ごめんね、シャナ」
「うぅん…、最後までできなくて、ごめんね…。」
「ううん、僕の方こそ…」「私が」
「僕が」
「私」
「僕」
(以下ループ)
下の階では、バーのマスターであり魔女のマージョリーと、その客であるチグサ王妃と、ベルペオル軍師が飲んでいました。
「あのボーヤ、後半巻き返したわね」
マージョリーは試合結果をハイライトし、
「もう!悠ちゃんもっと優しくしてあげないと…」
王妃は息子のヘタレっぷりを嘆きます。
「まぁ、終わり良ければ全てよしってこったな。」
マルコシアスはあくまでお気楽です。
「やっぱり、私が教えてからにするべきだったのかねぇ……」
軍師は試合結果についての反省点をのべました。
「やめなさいって。アンタがあんなボーヤの相手なんかしたら、
ボーヤ溺れてダメになっちゃうわよ?」
「ヒッヒッヒ、王子なのにオナニーしかさせてもらえねぇたぁ酷なこってブッ」
「女三人が飲んでる最中に下ネタはマジでやめなさいよバカマルコ」
次の夜、今度はサンドリヨンの番です。
(今度は優しくしなくっちゃ、がんばるぞ)
サンドリヨンは、ベッドに座って待っていました。
王子はうるうるしているサンドリヨンの肩に
手を置いて、きちんと同意を求めます。
「吉田さん、準備は――」
ユウジ王子は、言葉を終える前に口を唇で塞がれました。
そのまま押し倒されます。(何だこれは、何がおこったんだ)
王子はされるがままに、口内を舌で蹂躙されました。こんな快感初めてです
(きもちいい なにもかんがえられない )
そのままサンドリヨンは、ユウジ王子の下半身を隠すタオルを取ると、
ユウジ二号にご挨拶に行きました。
ぱくっ