「どういうことよ、アラストール?」  
「むぅ…我にもわからん。」  
そんな少女とごつい男の声で目を覚まして目覚まし時計を見ると時計は6時を指していて、  
まだお袋から頼まれた妹が俺を布団から引きずりだすにはまだ余裕があることを確認し、  
俺はまた眠りに堕ちるべくまぶたを閉じた。  
「ちょっと、あなた起きなさい。この状況を説明しなさい。」  
誰だ俺の眠りを妨げる奴は?。妹か?お兄ちゃん疲れてるから遊びはまた今度な。  
「起きろっつってんでしょうが!!」  
そんな怒号と共に頬になにか冷たいものがくっつけられた。  
仕方なく目をさましてやると、黒衣の下に妹と同じパジャマをきた女の子が俺の頬によく切れそうな日本刀を突き付けていた。  
ははは、妹のお友達かな?でも初対面の人に刃物を向けるのはお兄ちゃん感心しないな。  
「もうよいだろう、シャナ」  
ごつい声はペンダントから響いている。もうわけがわからん。  
「わけがわからないのはこっちよ。朝起きたらこの格好で隣の部屋で寝てたんだから。」  
待て、隣の部屋には妹がいたはずだ。妹は無事か?  
「妹?そんなのいなかったわよ?」  
何だか繋がってきた。恐らくこいつは妹と入れ替わってしまったのだろう。でその原因は大体予想が付く。  
ハルヒ…また面倒背負い込んできたな?  
 
「入れ替わっただと…?それなら話は早い。恐らくこの国のどこかにシャナと入れ替わった者が存在するのだろう。」  
えらく大げさな話をする奴だな。もっとカジュアルにいこうぜ。  
「冗談はいいから。とりあえずここの現在地を教えて。」  
とりあえず俺はこのえらい貫禄のあるちびっ子に、ここの現在地を教えてやった。  
「あら、悠二の家のすぐ近くね。御崎高校の周辺で助かったわ。あなたの妹を探す手間が省ける。」  
この子高校生か?見てくれうちの妹と変わんないぞ?  
いやこの子のほうがうちのよりもしっかりしてそうだが。  
それよりも御崎高校?そんな高校この県には存在しないぞ?  
「何だと?確かにこの県は御崎高校がある筈だが……。」  
OKおっさん、時に落ち着け。心当たりなら幾らでもある。  
「おっさんではない。我は紅世の王“天壌の劫火”アラストールだ。」  
グゼ?なんだそりゃ?  
「この世の歩いてゆけない隣。昔ある詩人が、“渦巻く伽藍”にそう言う名前を付けたの。」  
ははぁ、ますます分からない。こいつら揃って絶対に教師になれないタイプだな  
「うるさいうるさいうるさい!どうでもいいから心当たりって何なのよ?」  
まぁそう慌てるな。とりあえずソッチ系の悩みなら今まで嫌というほど解決してきた。…殆ど長門の力だけどな。  
「その長門っていう人がなにか事情を知っているのね?」  
まぁ、そういうことになるな。そう言えば今日は土曜日、  
普通の学生にとっては休日の日か。よし、ならそろそろ出掛けるか。  
「出掛けるって…どこ行くのよ?」  
ん?あぁ…期間限定SOS団員その5候補のお披露目会だ。ハルヒも喜ぶぞ、なんたって今度は「異世界人」らしいからな。  
 
「うぅ…キョンくーん。」  
「困ったであります」  
「原因不明」  
「ヒヒ、どうせ教授あたりが時空をいじくって遊んでるんだろ。ブッ殺しに行こうぜ!」  
「うわーん!本が喋ったー!」  
「バカマルコ、こんな小さい子びびらしてんじゃないわよ。」  
「とりあえず原因が分かるまでうちで預かるよ。」  
「ケーサク、いつも世話掛けるなぁ…。」  
 
ちゃんちゃん  
 

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