時は近世。  
まだ封絶も発明されていないこの時代、フレイムヘイズと徒は、  
のちに「大戦」と喚ばれる史実に残らない戦争を繰り広げていた。  
所は「とむらいの鐘」の本拠地、ブロッケン要塞。  
「小夜啼鳥」争奪戦に勝った彼らは、彼らの目的「壮挙」にまた一つ  
近づいたということで、ひとときの勝利の祝杯をあげていた。  
「ところでえええ、『虹の翼』はどうしたああ?」  
「め、メリヒム殿は、何やら用事があるとかで、部屋にこもっておられます」  
おどおどした牛骨が言い終えると、鉄巨人は不機嫌な様子で腕組みをする。  
「まったくううう、このめでたい席だというのにいいい」  
「そう言うな。今日はあいつの念願が叶った日みたいだからな」  
鈍色の竜が、彼の怒りをやんわりと制した。  
「う〜ん、何だか間違っている気がしますけどね」  
 
「はっはっは……」  
美女の顔を中心に抱いた花の一言に、鈍色の竜は反論できなかった。  
 
「んっ……」  
メリヒムの部屋では、一人の人質が、メリヒムからの愛撫を受けていた。  
「はぁぁ……」  
紅蓮の髪と瞳をもつ女は、その体を抱かれ、耳を弄ばれている。  
「ふふふ……すぐに俺の虜にしてやるからな」  
「私が負けるなんて……思わなかった」  
うっとりした表情で返す女に、メリヒムは満足気に耳元で囁く。  
「実力は五分だった。ただ、俺の愛のほうが強かっただけさ」  
どうして「炎髪灼眼の討ち手」がこんな所にいるかというと、  
二人は「勝ったほうの言うことを聞く」という約束を交わしていて、  
マティルダはその約束通り、“メリヒムのもの”となってしまったのである。  
「愛……愛してるなら、帰してよ」  
「断る。どうしてもと言うなら、俺に勝ってみろ」  
言って乳首を舌先で転がし始める。戦いしか知らないマティルダの体は、  
その刺激に耐えられず、びくんびくんと震える。  
「あっ、あっ、あぅ」  
「そうだ。それでいい」  
「うぅ〜……」  
快感が、乳首から下腹部へと伝わり、秘部がじんわりと熱くなる。  
「可愛いな……普段の威勢の良さはどこへいった?」  
乳首を舌で責めながら、秘部を指で気持ち良くしてやる。  
「ああっ、あん……」  
マティルダの秘部は既にびしょびしょで、いつでも  
受け入れられるようになっていた。  
「そろそろ……いいか?」  
マティルダは真っ赤な顔で頷く。メリヒムは彼女の足の間に腰を落として、肉棒を押し当てる。  
そしてマティルダの細い腰を両手で掴み、猛ったペニスを押し込んでいく。  
それは始めは痛いが、だんだんと快感に代わってゆく。  
「んんんっ、す、凄いなこれは……」  
腰を振りながら、その締まり具合に驚く。少しでも身を任せたら  
達してしまいそうだった。  
「あっ、あっ、やめないで、もっと速くっ」  
の期待に答えて腰のスピードを早めたのがいけなかったのか、  
「うあっ、あああっ!」  
マティルダの膣内に、耐え切れずに白濁を出してしまった。  
快感がペニスを中心に広がっていき、その感覚に陶然となる。  
 
「あれ……何でやめちゃうの?」  
ぽーっとした顔でマティルダに尋ねられて、メリヒムはばつが悪そうに答える。  
「わ、悪かった。先に達してしまった俺の負けだ……」  
「ん……私の勝ち……これで皆の所に帰れるのね」  
しゅんとするメリヒムと、どこか不満げなマティルダ。  
しばらく沈黙が続いたが、先にマティルダが口を開いた。  
「じゃあ……もとの場所に戻る前に、とりあえず今は満足させて頂戴?」  
 
傍らで休んでいるメリヒムに跨る。  
「ま、待て、一日に出る量は限られアーッ!」  
第二ラウンドが、始まった。  
 
「と、これが私がマティルダから聞いた体験談であります」  
「ふ、ふぇぇ……シロのえっち……」  
子供の作り方を最近知ったシャナは、かつての尊敬する師の体験談に、  
正座したまま顔全体を真っ赤にさせる。  
「ぬぬぬぬ……戻ってくる迄の二日間、一体何をしていたんだ!」  
「四十八手のどれが一番気持ちいいか、  
調べていたそうであります」  
「うああああああああああああ!」  
アラストールの脳裏に、松葉崩しやら理非知らずやらが  
走馬灯のようによぎって、危うくダメになりそうになる。  
「それでは今日の“炎髪灼眼の討ち手”の話はこれで終わりなのであります」  
「なんだか、身体が熱いよぅ」  
持て余す方法を知らず、身体をもじもじさせるシャナ。  
「今日は少し刺激が強すぎたようでありますな。それではまた明日」  
何食わぬ顔で、部屋から出る。  
そして自分の部屋に戻ったヴィルヘルミナは、すぐに自身の疼きを  
押さえる作業を始める。  
「あっ……天道宮での最後の一週間を、思い出してしまったのであります」  
鍵を閉めながら、秘部に手を伸ばす。  
(四十八手は、私も試したなんて……言えないのであります)  
既にとろけているそこを指で掻き混ぜて、快楽に耽った。  
(七人に別れたメリヒムに、交互に犯されて……)  
そのときの光景を思い出して、指の動きが自然と早くなる。そのたびに、  
気持ち良さがヴィルヘルミナを徹底的にダメにしていく。  
(早漏気味なメリヒムが、我慢して腰を振っているときの表情が……あぁ……)  
頭がぼーっとしてくる。エッチな蜜が太ももを伝わって、床に落ちてきた。  
「あっ、あっ、メリヒム……我慢しないで、出すのであります……」  
真っ白になったヴィルヘルミナは、ドアにもたれかかったまま、  
すっと眠りに堕ちていった。  
 

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