三学期の初日、みんなでいつものようにお弁当を食べる時
「あ・・あの・・坂井君お弁当作って来たんだけど食べる?」
まず先に男の声が
「うむ。頂こう」
ついで少年の声があとに続く
「吉田さんいつもありがとう」
「いえ・・どういたしまして・・」
困ったように吉田が言い、シャナが
「尻尾で食べ物食べるの禁止」
と不機嫌な声で言う
「えっと・・坂井随分変わったんじゃないか?」
と池が言ったあと緒ちゃんがぶんぶんと首を振る
「いろいろあったんだよ」
「そういう事だ。池、余計な事は言うな」
と腹話術のような声変わりだった。
「そっそれならいいんだけど・・・」
池がびくびくと返事を返す。
「これで良かったのか?」
「まぁ良かったんじゃないのか? ああ今日も空が青いなぁ」
教室の窓から覗く空は、今日も快晴。
世界は変わらず、ただそうであるように、動いてる。