東京…  
 そこは日本でも有数の大都会  
 いろんな大企業のビルがところ狭しと立ち並んでいる、技術的にもトップクラスの場所。  
 また同時に空気が汚れてることでも日本一を誇る場所…  
 そんな場所に「誓い合った二人」はいた…  
 
 シャナと悠二はとあるビルの服売り場で買い物を満喫していた。  
 
「悠二〜〜☆どう?この服似合う?」  
 シャナは待っている自分の恋人に話しかけて、  
その答えはすぐ返ってきた。  
「うん、よく似合ってるよシャナ」  
 悠二はニッコリ笑いながら答えた。  
「じゃあ、この服にする!」  
 悠二はその答えを聞いて  
「いいの?そんな簡単に決めちゃて?」  
と尋ねた。  
 まぁ、実際悠二としては自分の恋人のいろんな姿を見てみたいという邪な考えがあって  
尋ねたのだが。  
 そんなこと知らずにシャナは  
「うん!だって悠二が似合うって言ってくれたんだもん!これでいいよ」  
と邪気なしに言うのだから、悠二は頬を朱に染めて照れてしまう。  
 悠二はそんな照れた顔を見られたくなくてシャナに背中を向けて言う。  
「じ、じゃ、はやく買おうか」  
 シャナは悠二が照れてることに気づきながらそれでも気づいてないフリをしながら  
「うん!」  
と元気よく答える。  
 
 
 二人は服売り場をあとにして、今カフェでくつろいでる  
 
 
 そして…  
「………」  
「ど〜したの?悠二?」  
 シャナは満面の笑みで向かい側に座る悠二を見ている。  
「………」  
 一方の悠二はとゆうと、今、自分の、目の前に、ある、ジュースを見ていた。  
いや、凝視していた。  
 悠二はシャナに尋ねた。  
「シャナ…なに…このジュース…」  
 その質問にシャナは  
「う〜ん?見てのとおり普通のジュースだよ?」  
と言う。           
 だが、悠二にはどうしても普通のジュースには見えなかった。  
いや、訂正しよう。  
ジュース自体は普通だ、言うなればその風景に違和感があった。  
まず、この場に二人いるのにジュースが一つしかなかった。  
そして…極めつけがそのささってるストローだった。  
そのストローは……  
 
 
 
 ハート型のストローだったのだ……  
 
 
 
 バカップルが使うような真ん中らへんがハート型になっていて、飲むところが二つあるストローだ。  
「………」  
 悠二も聞いたことならあったが、ましてや自分がそんなものを使うとは思ってもみなかったのだ。  
 うん?さっきあんなデレデレだったくせになぜ躊躇うかって?  
 決まってる!さすがにここまでやるとは思わなかったからだ!  
 だいたいシャナとこんなバカップルぶりを披露しているのはシャナから一つの願いがあったからだ。  
 
 
 〜前日〜  
「ねぇ…悠二」  
「うん?」  
 シャナは悠二と日課になってる旅をしながら今、自分たちが滞在している場所に徒がいないか  
という調査を終えたあとに悠二に尋ねた。  
「………」  
 しかし、一向に続きを話そうとしないシャナ…  
 その様子に悠二は  
{なにか話しにくいことなのかな?}  
 と冷静に分析して助け舟をだした。  
「どこか行きたい場所でもあった?」  
 それにシャナはすぐ答えた。  
「そ、そう!ゆ、ゆ、悠二が行きたそうな場所あったから行ってあげてもいいかな〜って思って  
べべ、別に私が悠二とデートしたいからとかそんなんじゃないんだからね!」  
 それだけ言うと背中を向けて肩で息をしていた。  
 悠二その様子に愛おしさを覚えながら答えた。  
「そうだね。たまには休憩もしたほうがいいだろうし、出かけてみようか?」  
「うん!」  
 シャナは満面の笑みで答えた。  
 悠二はそれに  
{天使みたいだ…}  
とじゃかん惚気ながら見ていた……  
 
 
 で、現在にいたるわけで……  
「ど〜したの?悠二?」  
 シャナは相変わらず笑みのままで…  
 今、悠二にはシャナの笑顔が  
{悪魔の笑みだ…}  
としか思えなかった……  
 
 悠二は苦悩していた。激しく、激しく苦悩していた。  
 なぜなら、目の前にバカップルへと通じる一つの道があるからだ……  
(ああぁぁ〜〜、ど〜しよ、ど〜しよ、ど〜しよ!!!本当にどうしよ!!!  
たしかにシャナは愛してるけど、それとこれじゃ話が別だ!!!  
まぁ待て、待て、待て、落ち着こう、ここにいるのはたかが数分  
ここにいる人たちとまた会う可能性は限りなくゼロに近い。  
だがまた逆に考えてみろ、坂井悠二。ここにいる数分間のあいだは  
絶対にバカップルとまわりから見られる。人は神経が研ぎ澄まされてるときに  
数字を考えるととてつもなく長く感じるときがあるって聞いたことがあるな、  
僕は今まさにそれだな。その神経をもった状態で数分間なんて…  
無理だ!!!!!  
しかたがない、ここはシャナに断って……)  
 とシャナの顔を見る。だが、シャナの顔を見た瞬間今までの葛藤が全て無駄になった…  
 シャナは…ただ笑っていた。ただ笑っていた。  
(…ふぅ…自分の彼女の望みぐらいかなえてあげるか…  
思えば、シャナは今までずっと戦いだったんだもんな  
僕とそんなにかわらないに戦いばっかで我侭もいえなくて…  
これはもしかしたら、彼女がはじめて言った我侭かもしれなくて  
そうだ坂井悠二このくらいわけないだろ?あのシャナと戦った徒の強さに比べれば  
全然、わけないじゃないか!)  
 悠二は覚悟を決めて、バカップルへの道へと歩みだした……  
 
 
「あああぁぁ〜〜つっっかれた〜〜」  
 悠二は今カフェの前にあるベンチに腰を下ろして体を休めていた。  
 シャナはというとお金を払いに行っていてここにはいない。で、その余った時間を悠二は  
(いやぁ〜、あのあと大変だったなぁ〜まわりからは白い目で見られてたし)  
先ほどの出来事を思い出しながら、  
(でも、真っ赤になったシャナ可愛いかったなぁ〜)  
惚気ていた……  
 そこで、回想にひたっていた悠二の頭にシャナの一喝が入る。  
「悠二!!!」  
「どわぁ!?」  
 当然のごとく驚いた悠二は体をベンチから浮かして目の前にいたシャナと頭をぶつけてしまう。  
   
 バゴン!!  
 
 響きの良い音がした後にシャナの叱責がとんだ。  
「馬鹿!なにすんのよ!」  
 シャナは涙目になりながら文句を言う。  
「シ、シャナがいきなり怒鳴るからだろう」  
 悠二はクラクラする頭を抑えながらそれだけなんとか言う。  
 しかし、そんなことは一切構わずまたシャナが怒鳴る。  
「何度も呼びかけてるのに気づかない悠二が悪い!」  
 当然悠二としてはそれで納得できるわけもなく  
 でも、やっぱりシャナには敵わないわけで……  
「そんな勝手な……」  
 と弱気にしか反論できない。  
 そして、シャナはそれを無理やり押し切る。  
「うるさいうるさいうるさい!と・に・か・く、悠二が悪い!」  
「うっ……」  
 しかたなく悠二は反論を諦めてシャナのご機嫌取りをする。  
「わ、悪かったよシャナ。ね、機嫌直してよ。メロンパン買ってあげるから」  
 メロンパンという単語にシャナは心惹かれて悠二に尋ねた。  
 
「いくつ?」  
 突然だったので悠二はその問いに  
「へっ?」  
 と間抜けな返事を返してしまう。  
 悠二がそんなだったのでシャナはもう一度言った。  
「だ〜か〜ら、いくつメロンパンを買ってくれるの?」  
「えっ、あ〜そういうことか!」  
 その言葉でようやく理解した悠二はさっきの質問の答えを言う。  
「一つでいいだろ?」  
 その言葉にシャナはさっきよりも怒りを含ませた声で悠二に言う。  
「女性の機嫌を損ねたのに1個なの?男っていうのは女性の機嫌を損ねた場合それ相応の  
 罰または謝罪するべきなんでしょ?メロンパン1個で納得できるわけないじゃない」  
「うん?」  
 悠二はそのシャナの理論を聞いて一人の女性を思い浮かべた。  
(まさか……)  
 幸い悠二が尋ねる前にシャナが自分の口からこの理論を説いてくれた人物の名前を言ってくれた。  
「千草がそう言ってたのよ」  
(やっぱりか……)  
 悠二の予想は当たっていた。  
(母さん。やたらとシャナになんかふきこんでたもんな)  
 坂井千草。海外に夫が滞在中のとき一人で坂井家を立派に守っている専業主婦また、  
 千草自身は覚えてないが悠二の母親でもある人物である。  
(ってなに解説してんだ僕は)  
(とりあえず、シャナのご機嫌をとらないと!)  
「じゃあ、三つ?」  
 そういうとシャナは目を細くさせて  
「三つ?私の価値はメロンパン三つなの?」  
 というので悠二は  
「じゃあ、五つ!」  
 と数を二つ増やしたがシャナはそれでも満足できず  
「次の電車いつかな〜」  
 なんて言っている。  
 悠二は最後の思いを込めて言う、だが  
「じゃ「十個」  
 いきなりシャナに言葉を遮られてしまう。  
「へっ?」  
 再び間抜けな声を発してしまう悠二。しかも、  
 今月の小遣いギリギリである。  
「じゅ、十個!?」  
 その悠二の反応がおもしろかったのかシャナはニンマリ笑って言う。  
「そ。十個」  
 悠二は食い下がる。なんとかそれだけは避けたかったからだ。  
「でも「駄目」  
 しかし、それもシャナの即答ですぐに終わる。  
 泣く泣く悠二は承諾した。  
「うぅ〜分かったよ…」  
 シャナはその答えを聞いて  
「やった!」  
 と喜んでパン屋に先にいってしまった。  
「まったく……」  
 悠二も呆れながらシャナについていく。  
 
 悠二とシャナは沈黙していた。まるでそれが暗黙のルールであるかのように沈黙していた。  
 しかし、悠二はその沈黙に耐えかねてシャナに話しかける決意を固める。悠二も頭では分かっていた。  
 シャナにとってその沈黙がどれだけ大切なのか。  
 それでも、悠二はシャナに話しかける。だが、  
「ねぇ「うるさい」  
 0.1秒で黙らされた。  
「……はい」  
 悠二とシャナにまた沈黙が訪れる。  
 
 シャナはメロンパンとにらめっこしていた……  
 
 いま、シャナの目の前には6個のメロンパンが並んでいる。そのうちの一つは  
 「メロンパン」200円これは普通のメロンパンなので説明を省こう。  
 「シュガーメロンパン」270円なんでも甘さが「メロンパン」よりマジヤバイらしい  
 食べた人の感想は「一日中、口の中が甘くて水を飲んでも砂糖水になるんだ」だそうだ。  
 「メロンパンBig]550円「メロンパン」約三倍の大きさである。  
 「ロイヤルメロンパン」600円このメロンパンはここにあるメロンパンの中でも一番値段が高い。なんでも  
 最高の材料を使っているんだとか。  
 「今月限定〜ココアメロンパン〜」420円メロンパンの甘さとココアの苦さを兼ね備えているらしい。  
 最後は  
 「ビックリメロンパン」300円買うまでなにが出るか分からない。  
 さっき紹介したメロンパンを含めた計30個の中から出るらしい。  
 と僕の説明が終わったとたん、シャナの目が光って(いや、実際光ってないんだけど、それぐらいの迫力があった)  
 いきなり、沈黙が破られた。  
「メロンパン2個、ロイヤルメロンパン3個、シュガーメロンパン1個、  
 ココアメロンパン1個、ビックリメロンパン3個!」  
 シャナは言い終わったあと「やってやったぜ!」というような誇らしげな目で店員を見た。  
 店員はその迫力に押されながらも  
「あっ……分かりました」  
 とだけ返事をした。  
 …どうやら、シャナのメロンパンにらめっこは終わったようだ……  
 
(うぅ〜〜僕の小遣いが〜〜〜)  
 悠二は泣いていた(無論、本当にではない心の中で泣いていた)  
 ついさっき、そこのパン屋で……  
 
 
「………とゆうわけで、3790円になります」  
 店員に言われて悠二は財布から4000円と90円を出す。  
 店員はそれを受け取って  
「4000円と90円からお預かりいたします」   
 そう言うと手際良くおつりを取り出し  
「300円のおつりです」  
 それを悠二に渡し  
「ありがとうございました!」  
 といってニッコリ笑うとまた次の人の接客に取り掛かった。  
 しかし、悠二はそれを一切見ていなかった。なぜなら  
(あぁ…僕の小遣いはメロンパンで消えたんだな……)  
 メロンパンで3790円が消えたことを考えていたからだ。  
 
 とにかく、悠二はその一件で小遣いの大半を失っていた……  
 
 そんな悠二をみかねたのかシャナは悠二のことを  
「悠二、元気だしてよ!」  
 と励ましていた。  
 そのシャナの言葉を聴いた悠二は  
(…ふぅ……そうだよな、いじけてても仕方ないか……)  
 やっと、自分を取り戻した悠二はそこで、気づいた  
(あぁ…もう夕方か……)  
 外は真っ赤な夕日で照らされていた。  
 そこで、悠二はビルの近くに公園があったことを思い出し  
(ラストはそこにするか……)  
 と思考を巡らしシャナを誘った……  
 
 
 公園には悠二とシャナしかいなかった……  
 その公園は噴水が中心にあって、そのまわりに遊具がおいてある、  
 まるい形をした公園だった。   
 
 その公園は「紅水公園(こうすいこうえん)」という名前だった。  
 
 その名前の由来は  
「綺麗………」  
 夕方の時間帯になると夕日の光が当たり、噴水の水が赤く見えて  
 紅の水がでているように見えるからである……  
「どう?綺麗でしょ?」  
 悠二はそれを知っていて最後をここにしようと思ったのだ。  
 シャナはその問いにさっきと同じ答えをだした。  
「うん……すごく綺麗……」  
 シャナは最後ぐらい素直のなろうと思い悠二に感謝の言葉を告げた。  
「悠二、今日はありがとう。私なんかの我侭に付き合ってもらって」  
 その言葉に悠二は  
「いいんだよ。僕も今日は楽しかったし。僕でよければまたいつでも付き合ってあげるから」  
 と言った。  
 シャナは胸が温かくなるのを感じながらもう一度言う。  
「うん……でも、ありがとう」  
 悠二も  
「うん……」  
 とそれだけ言ってシャナの言葉を受け入れる。  
 しばしの沈黙……  
 それをシャナが突然破る。  
「そういえば、悠二と会ったときもこんな夕焼けだったよね……」  
 シャナは夕日を見つめながら言う。  
 それを聞いて悠二はあのときのことを思い出していた。  
 あの……灼熱の瞳と髪をもつ少女との出会い、  
 自分がもういないと知った辛い現実、  
 燐子に喰われそうになった弱い自分、  
 そこで、悠二は顔をしかめた。  
 振り返ったシャナはその顔を見てクスッと笑う。  
「嫌な記憶も思い出した?」  
 的中。悠二はさらに顔をしかめて  
「うん。すご〜〜く嫌な思い出も思い出した」  
 悠二がそういうとシャナは悠二の顔をしっかり見て言う。  
「でも、悠二はあのときとは比べものにならないくらい強くなった。本当に強く……」  
 シャナは悠二を見つめる。  
 悠二もシャナの顔をしっかり見て言う。  
「うん。君のそばに居たかったから……」  
 悠二はシャナに近づいていく……  
「悠二……」  
 シャナも悠二に近づいていく……  
「シャナ……」  
「悠二……」  
 二人は声を、唇を、重ね合わせた……  
「「愛してる」」  
 二人は強い、強い、絆で結ばれていた。  
 
 
 
   
  END(じゃないかも……だって、まだ夜がな……クックックッ……)  
 

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