全てが寝静まった深夜。
坂井家では今日もお決まりの夜の鍛錬が始まろうとしていた。
二階から戻ってきた悠二が忍び足でシャナと二人の寝室に入る。
すると、それに気づいたシャナが布団に潜っていた顔を半分出し、悠二のほうを見つめて言った。
「奈々寝てた?」
その問いに悠二は頷き、小さな声で返事を返す。
「うん。ぐっすり寝てたよ」
忍び足で、しかし早足でシャナがいるベッドまで行き布団の中に入る。その際、シャナは冷たい空気に触れて震えるが、悠二が抱きしめてその冷たさは無くなる。
悠二はシャナを抱き締めながら少しずつ腰から下へと手を持っていく。しかし、その行為に対してシャナも制したりしない。
何せこの行為はシャナと悠二が結婚する前から、結婚して奈々ができたあとからも続いている行為なのだから。
悠二がシャナの尻を軽く触るとわさとらしくシャナは反応して身をよじる。
「悠二のえっち!」
怒った風にそっぽを向くが明らかに笑っている。
その自分と会ってからかなり変わった少女につい自分も、クスリ、と笑ってしまう。そして、即座に反応してくる。
「何よ。何かおかしい?」
「フフッ、だってシャナ、僕と出会ってから明らかに性格が変わってきてて、おかしいよ」
それを聞いたシャナは一瞬キョトン、とするも次第に笑い始めた。
そして二人で一頻り笑った後にシャナは悠二を見上げながら言った。
「でも、変わった自分に後悔はしてない。悠二と出会えたんだもの」
「シャナ……」
悠二は抱きしめる強さを更に強め、シャナの唇に深くキスをする。シャナもそれを嫌がらない。
悠二は舌を出し、それをシャナの口の中へと進入させる。シャナはそれも許し、むしろ快く迎えた。
自らも舌を出し悠二の舌と絡めさせ、お互いに相手の口の中を縦横する。
「うん……うっ、ゆうじぃ……」
「シャナ、っあ、いいよ…す、っごく」
お互い唇を離した後はまだ、互いに舌を出し合っていて糸を引き、切れた。
双方とも息は荒く、シャナのほうは頬を桃色に染め、体は火照っており、いつもきつく上がっている眉毛も今は下がっている。
明らかに一匹のメスとなっていた。
それは悠二も同じで普段とは違う妻、シャナに対して息子はこれでもかというほど勃っていた。
悠二も一匹のオスと化していた。
それでもまだ襲わないのはシャナからの一言を待っていたからだ。
そして、悠二にシャナはその一言を言う。
「悠二。夜の鍛錬始めよっ?」
「元からそのつもりだよ。シャナ……」
二人の夜の鍛錬が始まる。
〜つづく?〜