学校からの帰り道、シャナはその気配を感じていた。
「これって…!」
すぐ隣の悠二も驚愕の声を上げる。
悠二が最近感じるようになった「存在の力」。それが大きい物が近くにひとつあった。
「出てきなさい!そこの影!」
シャナが怒鳴りつけると、影がゆるりと盛り上がった。
『やれやれ、フレイムヘイズがこんなところをうろついてるとは…驚いたぜ。』
影の中から男のような声が漏れる。
「…『紅世の徒』……」
悠二のかすれた声が漏れる。
『おいおい。言っておくが俺はこう見えても"王"なんだぜ。真名は"深遠なる猟犬"で通り名はヒュレスってんだ。覚えときな。』
「その深遠なる猟犬が何の用だ?」
アラストールの声に、ヒュレスは、
『いやよ。ここの町にゃトーチがわんさかいやがる。おまけに他の徒どもの匂いもぷんぷんしやがってな。んで、まさかと思ったら…』
影の塊から一本、棒のようなものが伸びてシャナを指した。
『案の定、フレイムヘイズまでいやがった…と。』
反対側からももう一本棒が伸び、まるで肩をすくめるような形になる。
『はぁーあ、ついてねぇぜ。おまけにその徒ってな人形マニアとブラコン兄妹だしよ…』
「しゃべっている暇があるなら何故ここに来たのか教えなさい。」
さすがに腹が立ったか、シャナが怒気のある声でヒュレスに言う。
「私は短気なほうじゃないけど、徒と世間話する暇は無いのよ。」
『ふふ、怖いねぇ、おチビちゃん。…まあ、俺らとあんたらが出会ったら、やるこた一つ…だろ。』
「ふん、貴様の言動にはあ奴を思い出させるものがあるからな、痛い目程度では済まさんぞ。」
珍しく、アラストールも怒りが芽生えている。
…『あ奴』については、説明するまでも無いだろう。
ヒュレスはまた影に溶け込み、移動をし始めた。
『さーて。この俺に追いつけるかな?追いついたら飴をあげるぜ。』
「行くぞ、シャナ!」
「わかってる!」
足の裏に爆発を起こし、追いかけるように飛び立っていく。
「……って、僕は…?」
そしてそこには、一人置いてけぼりにされた悠二だけがぽつんと立っていた…
風が頬を通り抜ける。屋根を強く蹴っていく。
シャナは、徒の気配を頼りに空を駆け抜けた。
相手が影では、姿を見付けようも無い。それに、かなりの速度で間が離れていく。
もはや己の感覚を頼りに探すしかなかった。
未だに動き続けるヒュレスの気配。
方向を変えればそちらに付いて行き、ひたすらに追いかけた。
(何て速さ…!?)
一度も追いつくことは出来ない。間を縮めようとするも、それどころかさらに間が開く。
しばらくそんな追いかけっこをしていたが…急にヒュレスが止まった。
場所は目の前の倉庫らしき場所。シャナも止まり、様子を伺う。
「…罠は無いみたいだけど…」
「用心するに越したことは無い。危険ならばすぐに外に出るぞ。」
「うん。大丈夫。」
そう言って、倉庫内に突入した。
中に入ると、倉庫とは思えないほど広く、何も入っていなかった。
全ての窓は閉ざされ、光の一筋も入ってこない。そんな闇の中を進んでいくと、後ろで重い音がした。
「何!?」
「しまった、閉じ込められたか!」
それが扉のものだと気づき後ろを見れば、光の差し込まない闇のみ。
「さて。君たちはある重大な過ちを犯した。それは何かわかるかな?」
後ろからの声に振り返れば、そこにいたのは…男。
黒のジャケットにシャツ、下も黒のジーンズに黒いシューズ。まさしく黒尽くめの男であった。
「…どういう、意味?」
「んー、わかんないかな?この俺の真名をもう一度思い出してみな?」
黒尽くめ…ヒュレスは、指出しグローブ(これも黒)をはめた手で顔を覆いながら、こうつぶやく。
「闇は、俺にとって最高のステージなんだよ。」
刹那、闇が膨れ上がり、シャナに襲い掛かる!
「なっ…!?」
「そ、そんな!?」
一方、シャナの気配を追い続けていた悠二も、それを察知した。
他の気配…―おそらくヒュレスという徒―それが膨れ上がり、シャナの気配を包み込んだのだ。
「…シャナ…無事でいてくれ…」
そうつぶやき、また走り出した。
「…ふふ、こりゃいい。まさにマリオネットの様だな…」
「な、何が…」
闇に両手両足を縛られて、宙吊りにされているシャナ。
それを見てのヒュレスの感想は、その様子を見たままに述べていた。
「くそ…っ…」
「『離せ』と言われて離す馬鹿はそういない。それに、どうせ君は死ぬのさ、おチビちゃん。」
シャナの言葉を先読みし、それの答えを言うヒュレス。
「……」
「まったく、言いそうな言葉がわかりやすいね。君ら人間ってさ。…ま、だから面白いんだけど。」
ヒュレスはそう言うと、すぅ…とシャナの前に来て、一言。
「次から言う君の台詞の、全ての答えを教えてあげるよ。」
そっとシャナの頬をなで、
「最初は、『それはね、君の知らない事。』」
その指を唇に当て、
「次は、『楽しみだよ。君がどんな声を上げるか。』」
そのまま下に下ろし、あごに触れる。
「そして最後に――」
あごを指で上げ、口づけをする。
「っ!!!?」
「『君はもう、堕ちてしまった。どうしようも出来ないさ。』…これは、おまけって奴だ。」
「っな、何を…」
「ふふ。言ったはずさ。」
闇の触手が、シャナの身体に巻きついていく。
「さあ、楽しもうぜ。…快楽のダンスパーティーを、な。」
触手から漆黒の炎が湧き、シャナの全身を包み込む。
その炎はシャナの服装だけを焼き尽くし、全裸にさせた。
そのあらわになった胸に触手が巻きつき、蠢く。
「く…ぁ……やめ…ろ…」
「おやおや。もうそれを言うとは。…答えはさっき言ったけど、な。」
胸だけではない。全身のいたる所に触手が巻きつき、うねうねと蠢いている。
「さて、これはどうかな?」
そうヒュレスが言うと、胸の触手の先端がくぱ…と開いて乳頭にかぶさった。
「ひゃぁっ!」
先端のその中で、乳頭に吸い付き、蠢いて刺激する。
「やぁっ!はぁん、やだ、やだぁぁ!!」
「…何が、いやなんだい?」
先ほどの巻きつきで、唯一刺激を受けていない部分に、触手を這わせる。
「ひぃっ!」
「ふふ、いい声出すなぁ、おチビちゃん。まだまだ子供っぽいけど、中身は十分オトナだな…」
秘部に這わせている触手はそのまま、後ろの穴にもう一つ触手を近づける。
「いや、いやぁ!」
「なに、まだ入れないさ。…こっちで濡らしてから、だがな。」
そう言いながらも、後ろの穴を触手でグリグリと弄る。
「さて。こっちは…と。」
触手を太いものと細いものに分け、太い方で秘部への刺激を続け、細い方は…
「…っはぁぁぁん!」
肉に隠れた芽に吸い付いた。
その中で、皮をむき、舐め尽していく。
「ひあぁ!だめ、だめ、それだめぇぇ!!」
とんでもない快楽の電流に、シャナの声は悲鳴に近くなっていった。
「おーおー、凄い声出しちゃって。…ま。そのほうが俺好みなんだけど。」
そして、シャナの秘部に触手があてられる。
そこが濡れているのを確認し、少々奥に進ませていく。
「やぁぁ…入れないで…」
膜の手前辺りで、触手を細くして膜の穴を通す。
「だめ、入ってこないで、だめぇ…」
奥の壁に触手が到達したところで……触手を一気に膨らませた。
「い…っ!!痛いぃぃっ!」
そのまま触手を前後に動かす。
「いぎっ!あっ!がっ!いだっ!」
よく見れば、黒の触手に赤いものが混じっていたりする。
「やっぱ処女はいいねぇ。この血の匂いが俺は好きなんだよ。…でも、痛がらせるのもなんだし。」
そういうと、ヒュレスは呪を唱え、触手に送り込んだ。
すると、触手全体から粘液のようなものがにじみ出てきた。
「うん。やっぱこっちのほうが触手っぽいか。」
「がぁっ、いっ…?はぁんっ?ああっ!」
悲鳴の混じったシャナの喘ぎが、段々と艶を帯びてきた。
ヒュレスが触手に送り込んだ自在法、それは催淫液だった。
それの証拠に、触手は自身の出す粘液とシャナの液のおかげでさらにスピードが速くなっているのだ。
「さて、と。こいつが効いてるなら、こっちも大丈夫かな?」
後ろの穴に擦り付けていた触手を、一気に突き入れる。
「ふあぁぁぁ…はあぁっ、あぁん!」
触手による二穴攻めに悶絶するシャナ。
後ろの方が抜ければ前の方が入り、また前の方が抜ければ後ろの方が入り…
その間にも乳頭や肉芽を責められ、もはや快楽漬け状態である。
「絶景だよ。俺の手にかかって堕ちない女はいない…」
ヒュレスが目を細める。その手を上に上げ…
「さあ……」
挿入された触手をギリギリまで抜き、吸い付いた触手の圧力を高める。
「フィニッシュだっ!!!」
手を振り下ろすと同時に、触手を全開まで突き入れ、奥のほうに粘液を放ち、吸い付いた場所から思いっきり引き抜いた。
「はああああぁぁぁんっ!!!」
その一撃で、シャナは初めての絶頂に達した。
力なくうなだれるが、また触手が動き始める。
「まだまだこれからだぜ。俺が許してくれると思うか?」
まだ、快楽の宴は続く…
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
悠二はひたすらに走っていた。彼らのいる場所へ。
何度も角を曲がり、他の人をすり抜けて。走った。走った。
目的地まであと少しであった。…といっても、元々いた場所からはかなり遠いが。
「…?」
目的地…つまり、シャナと徒のいる場所に変化が起こった。
シャナを包み込んでいた気配が離れ、中心にいた徒の気配が消えたのだ。
「…勝った、のかな?」
それにしてはなんか変だ。言葉では言い表せないが、そんな感覚が頭の中に残る。
「それでも、急がないと!」
へとへとの足に活を入れ、また走り出す。
それから少しして、やっと目的の場所にたどり着けた。
「やっと…着いた…」
そこは大きな倉庫の様な建物だった。周りには何もなく、まるで危険物保管倉庫の様だ。
「…って、危険物か…」
少し苦笑をもらす。少し名前に合ってるかも…とか考えたのだろう。
すぐに近づき、扉を開ける。
――…だが、そこには、絶望と悲しみしかなかった。――
時間を悠二が気配が消えたと感じる少し前にまで戻そう。
何度も何度も犯され続け、シャナの精神は崩壊しかけていた。
「あはっ、もっと、もっとぉ!もっといっぱいズボズボしてぇ!いっぱいネバネバしてるのかけてぇ!」
…いや、もはや崩壊してると言ってもおかしくはないだろう。
「はやくぅ!はやくあたしのなかにビュッビュッてだしてよぉ!がまんできないのぉ!」
自ら触手を握り、自分の秘部に出し入れするシャナ。
「やれやれ。急にワガママになって…ほらよ。」
指を弾くと同時にシャナの中に粘液が送り込まれる。
「ふぁぁぁん…きもちいい、きもちいいよぉぉ!!」
身をよじらせ、仰け反りながら叫ぶ。
「……まさかここまで淫乱になるとは…俺自身想像してなかったな…」
軽く頬を引きつらせながら、ヒュレスが苦笑する。
彼の経験上、ほとんどの女はマグロ…つまり自分を無くすか、今のシャナのように快楽漬けにはまるかのどっちかだったのだが…
シャナのそれは度を越えていた。まるで自慰を初めて知ったサルのようだ。
「サルって…どういう教育受けてたんだこいつは。性について教わんなかったのか?」
ごもっともな意見だ。実際の話、シャナはそういうことについてはまったく知らない。
「もっとぉ、もっといっぱいぃ…いっぱいだしてぇ…」
それが今や、初めての快楽にどっぷり漬かり、更なる快楽を求め続けている。
「…あー、悪いが今日は打ち止めだ。な。頼むからもう離してくれないか?」
「ねぇ…もっと…もっとぉ……」
「聞いちゃいねえや…仕方ない。散れ。」
ヒュレスの一声で、闇の触手が消え去った。
「…っと。悪いな、おチビちゃん。俺は消えさせてもらう。付き合ってたらこっちがもたねぇや。」
落ちて来たシャナを受け止め、床に置いてから影の中に溶け込んだ。
一人、粘液や自身のよだれや愛液まみれで横たわるシャナ。
「あぁん…どこいっちゃったのぉ…?ほしい、ほしいよぉ…おなかのなかガンガンついてほしいのぉ…いっぱいいっぱいビュルビュルだしてほしいのぉ…」
熱いままのそこを自分の指で慰める。
「あたしのなか、グチャグチャにかきまぜてぇ…ドロドロのえきでおなかをふくらませてぇ…おねがぁい…」
指を二本、三本と増やしていくが、満足には程遠い。
「もっとぉ、もっとふといのぉ…あたしのなかにたくさんつまっちゃうのちょうだぁい…」
出し入れされるたびに、中の粘液がドロドロと出てくる。
「ああぁん、だめぇ、でちゃいやぁ…」
その粘液を指ですくって口の中に入れる。
「んむ、んふぅ…はぁぁ…ん…」
電気のような感覚に身体を震わせる。
ついには、自分の腕を秘部に入れてしまった。
「はぁぁぁぁ…」
快楽の吐息を漏らす。
「はんっ、ぁは、いいっ、きもちっ、いいっ、ああっ!」
乱暴に腕を出し入れすると、痛みまで快楽のパルスに変わってしまい、それがまた力を込めさせる。
がちゃ…
「?」
扉のほうで音がした事に気づき、そちらを向けば…
――凍りついたままの悠二がいた。
ナンナンダコノジョウキョウハ。
悠二の頭は混乱していた。
何故シャナは裸なんだ。それよりも、何故腕を…入れてるのかがわからない。
一体どうなって……
「あは、ゆうじぃ…ねぇ、あたしにいれてぇ…あたしのなかをかきまわしてぇ…」
そんな悠二にお構いなしにシャナが秘部から腕を抜き、寄って来た。
「シャ、シャナ?言ってる意味が…っ!?」
悠二の前で屈んだかと思うと、突然制服のジッパーを下ろし始める。
「な、何やってんだよ!?」
「ゆうじぃ、これちょうだぁい。あたしの…ここにちょうだぁい。」
片方の手でズボンを脱がせつつ、もう片方の手で自分の秘部を弄る。
「いっぱいいっぱいおなかをついてぇ…ゆうじのあついの、なかにビュクビュクそそいでぇ…」
言い終わるや否や、空気に触れていた悠二自身を口の中に含んだ。
「うくっ!?」
「…んっ…んぐ…」
ねっとりと自身を舐め尽され、自分でも知らずのうちに血液が充填してくる。
「…ゆうじ、はやくいれてぇ。ほしいのぉ。がまんできないのぉ。」
すぐに後ろを向いてお尻の肉を割る。そこにはもはやよだれのように愛液をだらだらとたらす秘部が見えた。
「ちょ、ちょっと待って…」
「はやくぅ!きもちいいのはやくぅ!」
いきなり悠二自身を掴み、自分の秘部に突き刺した。
「くぁ…!」
「はぁぁぁぁぁん!!」
一気に深くまで挿入されて、喜びの声を上げるシャナと、熱い中に入れられて、声を漏らす悠二。
我慢が出来なかったのか、シャナが勝手に動き出した。
「あっ、あっ、あっ、あっ!いいよう!ゆうじのいいよぉぉ!」
「うわっ!シャナ、動かないで…」
一気に動いているせいか、自身が擦れて痛いのだが、それでもシャナは悠二を犯し続ける。
「いいよぉ!いいよぉ!ゆうじ、ゆうじのきもちいいよぉ!」
「そ、そんなに押されたら…」
悠二が動かずシャナが動いているため、悠二にヒップアタックを食らわせていることになる。結果…
「うわっ!」
悠二は転び、尻餅をつく。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
その影響で、シャナの中に深く突き刺さることになる。
「ゆうじぃ!いっぱいついてぇ!あたしのおなかつきやぶってぇ!!」
その感覚が気に入ったのか、悠二が倒れた状態で続行―要するに騎上位―していく。
「だ、駄目だよシャナ、早く抜いて!」
「ゆうじ、ゆうじのあついのなかにだしてぇ!おなかのなかをゆうじでいっぱいにしてぇ!」
悠二の話しなぞ聞かず、ただ己の欲望に従っているだけのシャナ。
「お願いだから…はやく…」
悠二の限界が近いと知ると、思いっきり腰を上げ、勢いよく座った。
「ふぐぅ!」
悠二の声と同時に熱いものがシャナの中に放たれた。
「あは、ゆうじぃ、ゆうじのがはいってきてるよぉ、あついよ、あついよぉ…あははは、あはは…」
そのシャナの様子に、悠二は大きな絶望を抱えた…
おまけ
作:やっと終わったー。
シ:いつまで時間かけてんのよ。みんな呆れるわよ。
作:だってだって、だんだんスレが鬼畜じゃなくなってくるし、それで…
ア:この根性無しが。だからいつまで経ってもへたれなのだぞ。
作:…ううっ……アラストール…
悠:今回は僕が受みたいだったけど…
シ:悠二!それは禁句よ!
悠:なんで?
シュ: や ら な い か ?
シ:ほら来たぁ!
悠:うわぁぁぁぁぁ!!?
作:……(アラストールは今度派手に責めてやる…)
ア:…!?(悪寒)