「はあ・・・・・参ったわね。これからどーするのよ?」  
「どーするもこーするも、元に戻る方法を必死こいて考えるしかねーだろが」  
ここは、夜の10時を回ったばかりの、坂井悠二の部屋。  
その中に居る3人は、かなりまずい状況になっていた。  
そのうちの1人は、部屋の主である坂井悠二であったが、他の2人はいつもの顔ぶれとは違っていた。  
いつも一緒に鍛錬をしているシャナとアラストールではなく  
フレイムヘイズのマージョリー・ドーと、その契約者たるマルコシアスだった。  
その日のシャナは、ヴィルヘルミナと用事があるらしく、  
鍛錬を共にすることができなかったため、代役として2人を呼んだのだった。  
シャナ曰く、「いい機会だから、優れた自在師である彼女に教えを乞いなさい」との事。  
彼女自身、複雑な自在法を行使することが苦手だったため、2人を鍛錬に参加  
させることは、前々から考えていたことらしかった。  
とにかく、坂井悠二はマージョリーたちと鍛錬をすることになり、  
当然、お約束のような災難に見舞われたのであった。  
 
「それにしてもつくづく変な『ミステス』よね。こんなこと今まで一度だって聞いたことがないわ」  
「ヒヒヒッ、たしかに普通の『ミステス』なら容量オーバーで破裂するところだ」  
「これって『零時迷子』だけのせいなのかしら? ユージ自身の資質によるところもあるんじゃないの?」  
「おいおいおい。まさかユージはフレイムヘイズにれる器だってのか?そんなわけあるかよ」  
2人の会話が続く。  
が、この部屋に居る3人目の声がしない。  
そんな奇妙な状況の中、2人は気にせずに会話を続ける。  
「だいたいユージは『トーチ』だぜ、不可能だ。現に今もこうして意識を表に出せないじゃねえか」  
「・・・そっか。・・・そうよね。でも、それじゃますます謎が増えてくじゃない。あーもー、イライラする!!」  
「まあまあ、とりあえず落ち着け、我が短気なる美女、マージョリー・ドー。イライラしてちゃいい案もうかばねーぜ」  
奇妙な事と言えばもうひとつ。マルコシアスの声はするのに、その声を顕現するための神器『グリモア』が見当たらない。  
「バカマルコ!!なに落ち着いてるのよ、だいたいあんたが変な提案したせいでこんな事になってるのよ!?分かってるの!?」  
「まあ、そりゃそーだけどよ、お前さんだって興味津々だったじゃねーゲハァッ!?」  
「お黙り!!」  
マージョリーは、『グリモア』ではないマルコシアスを殴る。  
それは人の肌の感触がした。・・・・・・高校生ぐらいの男子の。  
「ヒーヒヒッ、いってえな。この体は俺の物じゃないんだぜ、力いっぱいぶん殴るな」  
そう、マルコシアスは今、坂井悠二の体を乗っ取っていた。  
 
「はぁー。はしゃぎすぎよバカマルコ。いい、この私が力いっぱいに殴って、ただ『痛い』程度なのよ?  
フレイムヘイズの力、ぜんぜん使えないじゃない」  
「そりゃ『器』であるお前さんを満たすはずの『王』が別の場所に注がれてちゃあ、力でねーよなあ」  
「だったら浮かれてないで、さっさと元に戻す方法を考えるのよ。私にはやらなきゃならないことがある。  
 それをこんなことで諦める訳にはいかないの。言っとくけど、もしいい方法が見つからなければ・・・」  
「見つからなければ?」  
「その体、ぶっ壊してでもあんたを引きずり出すからね」  
「・・・・・・・・・」  
「・・・・・・・・・」  
「・・・・オーケー。本気だな我が無情の奪還者、マージョリー・ドー。我らが友人のためにもマ〜ジメ〜に考えるか」  
「初めからそうしなさいよ」  
 
ここで、事の経緯を説明しよう。  
それは3人で鍛錬をしている最中の、マルコシアスのふとした質問から始まった。  
「なあユージ。お前さんは存在の力を他人に受け渡すことができる奇妙なトーチだよな。  
じゃあ、逆に他人から存在の力を受け取ることはできないのか?」  
この質問に、悠二は驚いた。  
もし彼の言うように存在の力を他人から受け取れたなら、どうなるだろう?  
例えば日々存在の力を大量に回復できるフレイムヘイズであるシャナやマージョリーに分けてもらい、  
存在の力の上限を上げていけたなら。  
それは悠二が強くなることを意味するのではないのか?  
やってみる価値はある、と3人は判断をして・・・早速やってみた。  
が、結果としてそれは失敗であった。  
存在の力を受け取る、それ自体は成功した。だがその途中でマルコシアスまで飲み込んでしまったのだ。  
どうやら『零時迷子』の解明されていない機能が発動してしまったらしい。  
あわてた3人は、急いで元に戻そうとしたが、これも『零時迷子』の『戒禁』のせいでうまくいかない。  
そして事は今に至る。という訳である。  
 
「聞こえたか?ユージ。マ〜ジメ〜に考えて元に戻らねーと、怖い怖いおねーさんに殺されちまうぜ」  
(・・・・・聞いてるよ。それに、さっきから真面目に考えてる、自分の体を取り戻すためだからね)  
坂井悠二は、より大きな存在である『紅世の王』に体を乗っ取られているため  
意識を表に出すことができず、心の中でマルコシアスに言葉を返す。  
マルコシアスも心の声で話しかける。  
(以外に落ち着いてるな。あいかわらず急場での冷静さは見事なもんだ)  
(・・・・・というか、最近、この身にいろんなことが起こりすぎて、慣れてきてるみたい。ちっとも嬉しくないけど)  
それに、この前なんかシャナと体が入れ替わったりもしたしね。と、悠二は心中で呟く。  
(ヒーッヒヒヒヒ!!そー言えば、その身は宝具が入って、殺されて、存在が消えかけて、  
化け物に狙われて、かと思えば人間を越える存在の力を持ったり、波乱万丈の大盤振る舞いだったな。  
心中察するぜ、我らが災難の人気者『ミステス』・ユージ。でも今はとりあえず現状をどーにかしなと明日は無いぜ)  
悠二は、皮肉を口にしてもちっとも憎めない、明るく騒がしい彼に苦笑しながら答える。  
(大丈夫。もう方法は考えた)  
(な、なに! もう?)と驚くマルコシアスに説明する。  
(ああ。方法を考えるのはそんなに難しくなかった。  
マルコシアスは『戒禁』に阻まれて外に出せない。でも、存在の力は外に出せる。  
なら、それは『戒禁』(を構成する自在式)を解析すれば、何かわかるかもしれないと思ったんだ。  
幸い、今の僕の意識は心の中にあるから、体の中にある『解禁』を調べるのは簡単だったんだ。  
それでいくつか判ったことなんだけど・・・・・)  
 
 
・・・・・・現在、悠二が説明中・・・・・・・  
 
(・・・・・・・・・・というわけで、この解決法なら元に戻るはずだ)  
と、悠二は説明を終えた。  
(・・・・・・・・・)  
(どうしたの?マルコシアス?)  
(・・・・・・・・・おい)  
(なに?)  
(もしかして、一つ前のレスの『現在、悠二が説明中』ってので誤魔化すつもりか?  
いくらなんでもそりゃ無理があるし、解決法ってのもご都合主義過ぎるだろう。  
スレ住人に呆れられるぞ)  
(う・・うう。いや一応はちゃんとした説明考えたんだけど、取って付けたみたいに見えるし、  
実際に取って付けたものだし、複雑にするよりいっそのこと削ったほうがいいかなぁって)  
(・・・・・・・・・・・)  
(だ、大丈夫だって、某所の住人は心の広いエロ紳士だからきっと許してくれるって)  
(・・・・・・・・・・・)  
(う・・・ううう、全てはエロンパンのためだったんだ)  
(・・・・・・・・はあ、まあそれで話し続けてみるさ・・・・怒られるのは俺じゃないしな)  
(う、うん、マージョリーさんの説得がんばってね)  
(へーへー)  
 
 
「マルコシアス?・・・・ユージとの話は終わったの?」  
マージョリーは、ユージとの会話を終えた彼に聞く。  
「・・・ああ、終わった。解決法も判った」  
「そう。へーえ、やっぱりやるじゃないあの子。でも、じゃあなんで解決法が見つかったのに  
そんなに暗いわけ?なにか問題でもあるの?」  
「ああ、元に戻るために1つ覚悟しなきゃならないことがある」  
「覚悟?・・何に対しての覚悟よ」  
「俺たち全員が、それぞれ大きな代償を払う、という覚悟だ」  
「!?・・・・・・・もしかして、やっぱりその体を壊さないと出られないとか?」  
「いや、そーいう意味じゃない。誰かが犠牲になるわけじゃないが、  
それぞれの大切なことが失われてしまうんだ。とくにユージの代償が大きい。  
マージョリー、俺はその尊い代償を支払ってくれるユージに敬意を表し、  
そして当事者の1人の責任としてできる限りの事をするつもりだ。お前さんはどうする?」  
「わかった。今回の件は、私にだって責任がある。私もできる限りの事をするわ」  
マージョリーは、いつになく真面目なマルコシアスの態度に不安を覚えながらも、  
はっきりと答える。  
「でも、代償ってそんなに大きなことなの?」  
「ああ、大きい。とくにユージなんて初めての相手が惚れた相手じゃないんだからな。  
しかも、他人に体を使われて童貞喪失だ」  
「はあ!?」  
向かい合わせに座っていたマージョリーがマルコシアスはの方に身を乗り出してきた。  
そして近づいてきた顔に、マルコシアスは次の瞬間  
「ちょっと!それってどういう意・・・・・」  
キスをした。  
 
(えっ!?)   
マージョリーは何をされたのか一瞬、理解ができなかった。  
「な、なにを・・」  
まったく予想外の展開に混乱している彼女に、マルコシアスが言う。  
「元に戻る方法ってのは、一言でいうとセックスだ」  
「っな・・・・・・・・・・」  
マルコシアスは、唖然としている彼女を床に押し倒し、両手を押さえ再び唇を奪う。  
最初の触れるだけのとは、まったく違う激しいキス。  
「んむっうううううう」  
力加減がわからないマルコシアスは、強引に唇に吸いつき、舌で彼女の口内を蹂躙する。  
「ちゅる、んんっ、んっ、んう、ん」  
マージョリーは必死に押しのけようとするが、今の彼女では悠二(inマルコシアス)程度の  
力でさえ振りほどくことができない。  
「ふあ・・・んんっ、ふぅ、ちゅっ、んんんっ」  
それは、1分や2分どころではない長い口付けだった。  
彼女は、その情熱的なキスに、自分がどんどん熱くなっていくのを感じた。  
抵抗が少しずつ弱まっていく。  
「あぁ、んっ、ちゅる・・・ん、んん」  
そうして、最後には・・・・  
「あ、むっ・・・む、んっ、ちゅ・・はぁ」  
抵抗をやめた・・・・・・・  
 
・・・・りはしなかった。  
「・・・っう!!」  
マルコシアスは鋭い痛みを覚え、口付けを中断する。  
その唇から血が流れていた。  
「口付けの最中に、噛み付くなんて行儀が悪いぜ」  
「はあ、はあ、は、う、知るか!!バカマルコ!!さっさと上からどきなさい」  
マージョリーは息が乱れていたが、それでも怒鳴る。  
「それはできない。さっきも言っただろ?セックスしなきゃ元には戻れない」  
「わかるように説明しなさいよ!!」  
「簡単に言えば『戒禁』の影響の少ない所から、お前さんの中に帰るって寸法さ。  
そしてその影響の少ない所ってのが男性器だ。精液を通してお前に戻る」  
「なんでよりにもよってそんな所なのよ!!」  
「知らん」  
「・・・・・どうして何も説明せずに押し倒したわけ?そんな後で言い訳するためのような説明だけで、  
後で私が納得したと思ってるの?」  
「カッコ悪いから嫌だったんだ」  
「はあ!?」  
 
「こんな間抜けな状況で、どの面下げて惚れた相手に抱かせてくれなんて話ができるんだよ」  
「惚れた?あんたが?・・・・わたしを?・・・・ま、また冗談を・・・」  
「冗談じゃないさ。まあ、いつも冗談みたいな口調で言ってるけどな、  
俺は最初に出会ったときからずっとお前に惚れていた」  
「嘘よ」  
「嘘じゃないさ。俺は本当は『徒』の到滅や、世界の歪みなんてどうでもいいんだぜ。  
ただお前が望んだから力を貸してるんだ。俺の目的はお前と共にあることだからな」  
「信じないわ」  
「嘘をつくな。ほんとうは判っているんだろ。お前さんは前に恋するお穣ちゃん達に言ってじゃないか。  
恋をするということは、その想いの重さと怖さを、相手に感じさせることだって。  
さっきのキスにそれを感じたんだろ?だから、今お前はそんな潤んだ瞳になってるんだ」  
「!?」  
マージョリーは顔ごと視線を横に向ける、頬は上気し赤みを帯びていた。  
マルコシアスはその仕草に愛おしさを感じ、同時にそこから覗く首筋の色気に強い劣情を催し、  
たまらずにそこに口付ける。  
「あっ」  
激しさのないやさしいキス。  
それでもマージョリーはその感触に驚くほどの刺激を得る。  
 
そしてキスは続く。髪に、覗いた肩に、耳元に、上気した頬に。何度も。  
そのたびに彼女は反応を示す。  
「あっ・・・・・・ふっ・・・・・あ・・あ」  
「無理やりに押し倒したことは謝る。でもあんな間抜けなことが理由で抱くことを、  
お前に説明するなんてカッコ悪くてできなかったんだ。だから無理やするのかって思うだろうが、  
童貞の俺には他にどうすればいいか思いつかなかったんだ」  
「え? 童貞?」  
驚いたマージョリーは、横に向けていた顔を正面に戻し、マルコシアスに視線を向ける。  
「ヒヒヒッ、ああ。俺だってどーていなんだぜ。だから笑って許してくれ」  
「・・・・・・・バカ」  
マルコシアスは掴んでいた両手を離し、笑顔を見せた彼女の頬を両手で包み込む。  
今度は口と口のキス。  
「ぁふ、う・・・・んっ、んんんんっ」  
「っちゅ・・・・はぁ・・ちゅ、ふぁ、ん、ちゅ」  
貪るような激しいキス。  
始めはされるがままだったマージョリーも、やがて自ら求めるように動き出す。  
それはマルコシアスの唇の血が止まり、味がお互いの唾液で判らなくなるまで続いた。  
やがて唇が離れる。  
当然、マルコシアスはそこで終わるはずもなく、乱れた息も整えぬまま彼女のシャツを  
脱がせる。  
 
「あぁぁ・・・・・・」  
マルコシアスは現れた、大きなな胸に手を伸ばす。  
そしてその感触に感動する。  
それは圧倒的な質量を持ち、こんなに大きいのに嘘みたいにやわらかい、  
「あ・・あ、あ・・・・・ん・・ん・・・ぁ」  
そのくせに弾力を持ち指を押し返そうとする。  
触っているだけで気持ちがいい。  
「・・・あ・・・・あ・・・・あぁ・・・・ん・・」  
邪魔なブラを外す。  
形のいい綺麗な乳房と、その頂点にある可愛らしい桜色に目を奪われる。  
マルコシアスは人間の男がなぜ、女性の胸を好むのかすぐに理解した。  
気持ちいい。そして楽しい。いつまでも続けていたい。  
だから揉む。  
「あ・・はぁ・・・あ・・う・・・あ・・・あ」  
そして視覚的にも、それは彼を楽しませた。  
あのマージョリーが感じている。いつもはつり上がった眉をひそめ、かわいい嬌声を上げ、  
送られてくる快感に翻弄されている。  
いつもの強い気迫がなく、まるで少女のような可憐な表情  
 
「気持ちいいのか?マージョリー」  
「・・・・・し、知らないわよ・・・エロマルコ!!」  
それでも悪態をつくところは変わらない。  
「素直じゃないところも可愛いぜ」  
「なっ!?・・ば、ばかっ・・なに、言ってるのよ。わたしが可愛いなんて・・・」  
「照れるな、照れるな。たしかにお前さんは、いつも強さと気迫と熱さと貫禄を持っている。  
俺もそんなところに惚れ込んだ。でも同時に俺にはそれが、守らないとならない小さな女の子の  
ように見える。我が可愛い小鳥、マージョリー・ドー。俺はそんな所と好きだぜ」  
「・・・・・・・・・・」  
「真っ赤になるなよ。俺まで照れるぜ」  
「う、うるさいわよ!! 何が照れるよ、そんな恥ずかしいセリフ口にしといていまさら」  
「ヒヒヒッ、男はいつだって惚れた女には饒舌になるもんさ」  
「・・・・・・・・・バカ」  
 
照れて伏せている顔を持ち上げ軽くキスをして、また愛撫を再開する。  
胸に両手を添えて揉む、最初は優しく。  
「あぁ・・・う・・・あ・・く・・ふ・・・ん・・」  
次第に強く。  
「はぁぁ・・・う、ん・・・・ふ・・あ・・あ」  
 
「気持ちいいか?マージョリー」  
さっきと同じ質問。でも、返事は違っていた。  
「・・・・う、ん」  
真っ赤になりながらも、今度は素直に。  
そんな仕草を見て、マルコシアスはますます愛撫に夢中になる。  
子供のように。  
「あ・・・あ・・・く・・・マ、ルコ・・・すこし・・い、たい・・」  
彼の愛撫に、マージョリーが痛みを訴える。  
でもマルコシアスは止まらない。  
両手で乳房を揉みしだきながら、乳頭に口を寄せしゃぶりつく。  
「っひゃ!?」  
可愛らしい悲鳴。  
やがて、痛みも快感に飲み込まれる。  
「ふぁ・・あぁっ・・あっ・・ひっ・・ああっ・・んんっ」  
マルコシアスは愛撫に強弱をつけながら、さらに彼女を追い込んでいく。  
「あ・・・・あぁっ・・あっ・・・ん・・ああ」  
そして嘗め回していた乳頭を甘噛みした瞬間  
「ふっ・・あっ・・・あっ!!!!?」  
マージョリーは絶頂に達していた。  
 
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」  
「いまのがイクってやつか?」  
マルコシアスが、息の乱れた彼女に不躾に訊く。  
「いちいち訊かないでよ!!バカマルコ!!」  
「ヒーヒッヒッ、スマン、スマン。なにしろ俺は人間の情事の作法に疎くてな。  
なにかマズイところがあったら言ってくれ」  
と、言いながら、更なる愛撫をしようと彼女に手を伸ばす。  
「ちょっと待って」  
彼女に止められる。  
「どーした。まさかお預けなんて言わないよな。お断りだ」  
「ち、違うわよ。あの、その、つ・・・・・は・・・・・ット・・・」  
何か言ってるが聞き取れない。  
「聞こえないぞ」  
「だ、だから、・・・き・・は・・・・ベ・・・で・・し」  
「トイレか」  
「そんなわけないでしょう!! 続きはベットでしましょうって言ったのよ!!」  
と、怒鳴った後に気づき  
「あ」  
また恥ずかしさで顔を伏せる。  
「あーあー。そーいえば、床の上だったな。申し訳ない我が愛しき姫君」  
言ってマルコシアスは立ち上がりながら、彼女を両手で持ち上げる。  
お姫様抱っこである。  
 
「な、何するのよ! お、降ろしなさい!」  
彼女が暴れるが、もちろん気にしない。  
「まあまあ。ベットはすぐそこだ・・・・・・ほら着いた」  
ベットに降ろす。  
彼女はすこし怒った表情をしているが、照れ隠しなのはみえみえだった。  
「じゃあ、続きだ」  
マルコシアスは宣言して、彼女のスカートに手をかけ、降ろしてしまう。  
「・・・・・・あぁ」  
彼女が下着一枚になる。  
足を閉じようとするが、両膝をつかまれているためできない。  
マルコシアスの目に、ブルーのショーツがあらわになる。  
それは見ただけで濡れていると判断できた。  
「濡れて・・・・・」  
「っ!!」  
マルコシアスはそれを指摘しようとたが、凄い勢いで睨まれたためやめる。  
「ヒヒッ」  
そして彼女の大事な場所に手を伸ばし、下着の上から撫であげる。  
「あぁっ!?」  
くちゅ。  
嬌声と共に、湿った下着の擦れる音が響く。  
「あぁ・・はっ・・・ふぁ・・・あ・・・あ」  
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ・・・  
そのまま大事な場所を撫で続ける。  
 
「脱がせるぞ」  
短く確認する。  
「う・・ん」  
と、マージョリー返事をするが、彼に脱がされるのが恥ずかしいのか、  
自分で脱いでしまう。  
そして、マルコシアスは改めて、そこを見る。  
そこは複雑な形をしていたが、綺麗な色をしていて、いやらしく濡れていた。  
ごくっ。と声が出るのにもかまわす、そこを凝視する。  
「そ、そんなに見ない・・てっ、きゃぁ!!」  
マージョリーの非難の途中に、彼は堪らずそこに口をつけた。  
そして、そのまま唇と舌と鼻で攻める。  
それほど、そこはマルコシアスの理性を破壊した。  
「は・・あぁ・・だ、だめ・・マル、コ、こんなの」  
非難するが、かまわず続ける。  
「はぁ・・・はあ・・はあ・・・は・・はあ」  
そこは、しっとり濡れ、やわらかく、びっくりするほど熱かった。  
マルコシアスは、優しくしようなんて微塵も思わなかった。  
激しく攻める。  
「ああ・・・はあ・・・・ふん・・・・はあ・・あぁ・・・は」  
くちゅ、くちゅ、ちゅっ、ちゅる、ちゅ、  
いやらしい水音と、素敵な喘ぎ声がさらに彼の理性を溶かす。  
 
マルコシアスは、特に反応の大きい突起に吸い付きながら、  
ぐちょぐちょになった場所に指を差し込む。  
「ひゃあ・・・ふぁ・・・はあ・・はあ・・ひぃう・・はあ・・」  
マージョリーは、その乱暴な愛撫から彼の欲望と愛情を感じ、さらに反応を高めていく。  
もう、なにがなんだか分からないぐらい気持ちよくなってきていた。  
マルコシアスも、欲望が暴走しわけが分からなくなっていた。  
そして、その気持ちを本能に任せ、次の段階に進む。  
「入れるぞ」  
「はあ、はあ、はあ・・ふ、へ?」  
朦朧としたマージョリーの理性では、もうなにを言ってるか聞き取れなかった。  
マルコシアスは構わず、自分の衣服を脱ぎ捨てる。  
「あ」  
マージョリーは、裸身になった彼の起立を見て少しだけ理性が戻る。  
「ちゅるっ」  
その彼女に、マルコシアスはまた深い口付けをする。  
それだけで戻りかけた理性は霧散してしまう。  
「ちゅる・・・ちゅ・・うん・・・・ちゅ・・・・ちゅる」  
貪りあう。その言葉の体現のような激しさで、2人の唇と舌は絡み合っていた。  
マルコシアスが口を離し、もう一度言う。  
「入れるぞ」  
「うん」  
彼女はコクンとうなづく。その顔はもう照れていなかった。  
ただ熱に浮かされていた。  
 
マルコシアスは、起立した物を掴み彼女の入り口に合わせる。  
にゅる、  
「ああ!?」  
入れようとしたが、滑って上手くいかなかった。  
でも、その刺激だけでマージョリーは強く反応した。  
今度は、ちゃんと入り口を確かめ、確実に挿入する。  
ちゅるるっ、  
「はあぁぁっ!!!」  
「うあっ」  
今度は入った。2人して快感の声を上げる。  
そして彼は驚いた。あまりの気持ちよさに。  
彼女のそこは、やわらかく熱かった。でもそんなにやわらかいのに、  
それが嘘みたいに彼のモノを締め上げる。自然と腰が動く。  
「あぁっ・・・はうっ・・・ひっ・・・・ひゃぁっ・・ふっ」  
彼の激しい攻めに、マージョリーは悲鳴のような声を上げる。  
「ひゃっ・・・はあ・・あっ・・・はあ・・・・ひぅ・・・・あぁ・・」  
マルコシアスも、あまりの締め付けに、攻められている錯覚をうける。  
でも、その攻めを吹き飛ばすように、さらに激しく腰を振る。  
「はあ・・・はあ・・・・あ・・・・ふぅ・・・はぁ・・・は」  
彼女は身をよじり、快感に震えている。  
 
「だ・・・め・・・もう・・・はあ・・くっ・・・イッ・・ク・・」  
「はあ・・・・・いいぜ・・・マージョリー・・・」  
「はあ・・・あ・・・はあ・・・はあ・・・だ・・め」  
彼女の締め付けがいっそうきつくなり、そして  
「はぁ、あ、あ、はぁあああああああああ」  
彼女は大きな絶頂に達した。  
 
「大丈夫か。マージョリー」  
彼女がグッタリしたため、マルコシアスは腰の動きを止めていた。  
絶頂に達したため理性を取り戻したマージョリーは、拗ねたような口調で言った。  
「また、私ばかりイかせて。卑怯よ」  
「ヒッーヒヒヒッ。おいおい、拗ねるなよ。お前さんがあまりに色っぽくてな、  
ブレーキが効かなかったんだ。さっきも可愛かったぜ」  
と、からかった口調で返す。  
マージョリーは、この台詞にピンとくるものがあった。  
(照れさせて優位に立とうとしている?)  
(本当は自分だって恥ずかしい?)  
そして、その疑問を検証し、すぐに確信にする。  
(なら次はこっちの番よ)  
彼女は、やられたまんまで済ますような女じゃなかった  
 
「そう、ありがと。あなたも素敵だったわ」  
「な!?」  
予想外の返事にマルコシアスは戸惑う。  
「でも、あなた、私に惚れてるって本当なのね。あんなに夢中になって・・・・  
あなたの愛で壊されちゃうかと思ったわ」  
「な、ななななに言ってやがる、おかしくなったのか」  
「おかしくしたのはあなたじゃない」  
「なっ!!」  
「そういえば返事言ってなかったわね。マルコシアス、私もあなたのことが好きよ」  
最初はからかうつもりだった彼女だが、次第に本音が溢れてくる。  
「いつでも私に優しくて、どんな暗い気分のときも騒がしく励ましてくれる。  
私はあなたの愛に守られていたのね。こんな時じゃないと言えないから言っとくわ。  
マルコシアス、私はいつもあなたに感謝しているのよ」  
「〜〜〜〜〜〜」  
声も出せず顔を真っ赤にしている相棒の頬に両手を添え、今度は自分からキスをする。  
触れるだけのキス、そのまま唇を耳元に移動し、そこで一言。  
「だから、あなたも気持ちよくなって。私の愛しい狼さん」  
マルコシアスの理性は完全に砕け散った。  
 
「マージョリー!!」  
マルコシアスは、腰の動きを再開し、彼女に深い口付けをする。  
「んんっ・・ん・・ちゅ・・・はぁ・・・ちゅる・・んん」  
にゅる、にゅっ、ぐちゅっ、じゅっ  
腰の動きが今まで以上に早くなる。  
マージョリーは、息苦しさにキスを続けられなくなって、唇を離す。  
マルコシアスは空いた口でそのまま乳房に吸い付く。  
「ひゃっ・・・はあ・・・ひゃあ・・・はあ・・・あぁ・・・あぁっ」  
乳房が彼女の弱点らしく、すぐに声が切羽詰ったようになる。  
彼は、その弱点を本能で感じ、両手でそこを激しく揉む。  
「ひゃっ・・・はあ・・・ふぁ・・・はぁ・・はあ・・・ひゃあ」  
「うぁっ」  
悲鳴と嬌声の入り混じったような喘ぎ声に混じって、  
マルコシアスの呻き声が上がる。  
乳房を愛撫されることで、彼女の締め付けが強くなっていた。  
そのやわらかく熱い締め付けはマルコシアスに、目が眩むような快感を  
もたらしていた。  
それから逃れるように、強く腰を動かし  
「ふっ・・・はあ・・ふあ・・・はあ・・ああ」  
更なる快感を二人にもたらす。  
 
「マ、ジョリー・・・もう、そろそろ」  
「あぁっ・・はあ・・い、イクの?」  
「ああ・・・お前、気持ちよすぎだ」  
「ふ・・・ふふっ・そう・・私も、もうすぐ」  
絶頂に向かい、2人はさらに激しくなる。  
「あ・・はあ・・だ・・・め・・・きもち、い、い」  
マルコシアスは彼女の中を蹂躙するように動く。  
そして、  
「はあ・・はあ・・・いくぞ・・・」  
「う、ん・・・来て・・マ・・ルコ」  
くちゅ、にゅる、ぐちゅ、ぐちゅ!!  
「ふぁ・・・はぁ・・あぁ・・ふぁ・・あ」  
「はぁ・・あっ・・あっ・・・はぁあああああああああ」  
ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ  
マージョリーは、絶叫し絶頂を迎える。  
その瞬間の強い締め付けに、マルコシアスも精液を吐き出す。  
「はあ、はあ、はあ、ふあ、はあ」「はあ、はあ、はあ」  
2人して荒い息を吐きながら、余韻に浸る。  
そして、ふとマルコシアスが素直な感想を述べる。  
「はあ・・は・・・はあ、セックスって、気持ちいいな」  
「ふ、あはっ、なに言ってんのよ、ふふっ」  
マージョリーは、彼の正直な物言いに爆笑する。  
 
「うるせえ!!笑うな!! こっちは初めてだったて言ってんだろ」  
「だって、マルコ、正直すぎるんだもの。可愛い」  
「〜〜〜〜〜〜」  
「はいはい、怒らない。初めてとは思えないほど上手かったわよ。  
気持ちよかったわ。マルコシアス、大好きよ」  
「・・・・・・・・・・お前、判っててからかってるんだろ」  
「ふん。さっきのお返しよ」  
「言っとくけど俺は嘘は言ってないからな」  
「知ってるわ。私も嘘は言ってないもの」  
2人は見つめ合う。  
そして  
「あはははあははは」「ふははははははは」  
笑いあう。  
 
「って、笑ってる場合じゃないでしょ!!!」  
「ああ!?、どうした。もう終わりじゃないのかこのSS」  
「元に戻ってないじゃない」  
「・・・・・・・・・」  
「どういうことよ!?」  
「あー、気持ちよすぎてお前の中に戻るの忘れてた。  
もう一回やる、ぐふぁっ!!」  
「死になさいっ!!バカマルコ!!」  
 
 
次の日の朝。  
坂井悠二は、いつもより遅い時間に目を覚ました。  
となりに寝てたマージョリーは、いつの間にかいなくなっていた。  
昨日の夜、結局もういちど体を重ね元に戻ることができたが、  
マージョリーは疲れ果て眠り込んだはずだった。  
「もう帰ったんだ」  
呟きながら、昨日のことを思い出し、1人でうっとりする。  
「すごかったなぁ・・・マージョリーさん可愛かったなぁ・・・」  
マルコシアスの感覚は悠二も共有していたため、昨日のマルコシアスの体験は  
悠二の体験でもあった。  
昨日の体験はラッキーぐらいに思っていた悠二には、予想できなかった。  
次にマージョリーと会うときは、2人して赤面してしまい、そのことで  
シャナと吉田さんを筆頭に、佐藤、田中、池に厳しい追及を受けることに。  
1階で、昨日なにをやっていたか尋問しようとしている人がいることに。  
それがシャナと吉田さんという人がいながら、他の人に邪な気持ちを抱いた  
悠二への天罰だった。  
 
 
「・・・・・・・・・」  
「昨日のこと怒ってるのかマージョリー?」  
「別に怒ってないわよ。・・・・ただね、あんな事があって、  
どういう態度とったらいいか分からないのよ」  
「今までのままでいーじゃねーか。別に恋人のようにしろなんて言わねえよ。  
お前さんは今までのように好き勝手暴れて、俺はそれを更に盛り上げるのさ」  
「なによ、それじゃまるで私が乱暴者じゃない」  
「おいおい。自覚ないのか、乱暴者なんてお前さんのためにあるようなぐはっ!?」  
「お黙り!!」  
「ヒヒッ、そーそー、これこれ、こんな風に楽しくやれりゃいいのさ。  
お前さんの、これから続く悲喜こもごもの長旅を、隣で一緒にいれたらな。  
それとも、たまには『ミステス』の坊やに体を借りて、乳繰り合うか?」  
「ふん。ばーか。キザな奴」  
と言いながら  
(それも悪くないわね)  
と思うマージョリーであった。  
 

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