「ん………」
悠二はうっすらと目を開けた。
まず目に入ったのが、見慣れぬ天井。
どうやら布団に寝ているらしい。
体を包む柔らかなシーツの感触がする。
(あれ……?)
なぜここに寝ているのか記憶を辿る。
(えーと……確かあの後みんなで夕飯に鍋料理食べて……)
頭がぼんやりとしている。
(途中で……お酒が混じってきたんだっけ……?)
そう、最初の頃はみんなでわいわいと料理に舌鼓を打っていたものの、なぜか途中から酒が混じり始め、
興味本位で飲んだ緒方つられて飲んだ佐藤と田中(このふたりは普段も飲んでいたようだが)、
しまいには全員が飲み始め、宴会へと変貌したのだった。
(そういえば…なんで母さん止めなかったんだろう……)
記憶は定かではないが、おそらくアラストールと晩酌を交わしている内に
(アラストールは飲めないが)酔ってきて気にならなかったのだろう。
というより世間話に夢中になっていた感がある。
(えっと…全員ということは……吉田さんとかヘカテーさんも飲んだんだっけ)
普段はおとなしい吉田が、積極的に悠二に絡んできたのを覚えている。
(シャナは……なんか妙に怒りっぽかったし、ヘカテーさんはぽんわりとしてたし……)
宴会後、元々酒に強くない為潰れた緒方を田中が背負って部屋に連れて行き、
同じく寝てしまった三人の少女はなぜか悠二が部屋に連れて行くことになっていた。
ちなみに部屋割りは、廊下から見て左から千草、悠二、シャナ、吉田、ヘカテー、佐藤、池、田中、緒方となっている。
襖は廊下側と部屋の左右にあり、それぞれの部屋を自由に行き来できるようになっている。
それから無事だった佐藤と池が部屋の片づけをし、千草はその手伝いをした後、
まだ自分の部屋でアラストールと飲み交わしているのだろう。
「ふぅ……ん?」
意識がはっきりしてくるにつれ、悠二は気が付いた。
(なんか……体が熱い?)
それに、さっきからする下半身の違和感。
なにかが乗っているような……
目線を下ろしていくと、頭が見えた。
柔らかそうな、明るい水色の髪。
「へへへヘカテーさんっ!?」
「んむ?……おふぁよう……じゅ…ごじゃいます」
「な、なにやってるんだよっ!?」
「はむ…さっき……相手してくれるって……ちゅぅ」
ヘカテーがその細い指で包み、一心に舌を這わせる悠二のモノ。
既に血管が浮かび上がるほど硬くなっている。
絡みついた唾液が、部屋の薄暗い照明を反射して光っているのが淫靡だ。
「た、たしかにそう言ったけど……」
「んっ…だ、ダメ……ですか?」
その小さな口に先端を含み、上目遣いに尋ねられる。
真っ赤に上気した顔と、潤んだ瞳に悠二の理性が削り取られていく。
無言を肯定と判断したのか、行為を続けるヘカテー。
「んぅ…ちゅっ、ちゅぅ」
「くちゅ、はむ……もうそろそろ……いいですね」
そう言うと悠二の股の間から顔を上げ、太ももに乗ると、浴衣の結び目を解いた。
はらりとはだけた浴衣から、新雪のように白くきめの細かい肌があらわになる。
いまは全体的にうっすらと赤みがかっており、僅かに汗も浮かんでいた。
驚いたことに、ヘカテーは全く下着を着ていなかった。
曝け出された慎ましい膨らみ。そして純真そのものの秘所。
いつの間にか窪みからはとろとろと愛液が流れ出し、太ももを伝っている。
ヘカテーは中腰になると、指で秘所を広げ、片手を悠二のモノに添えると、ゆっくりと腰を下ろした。
「ん……ぅっ」
最初に比べれば入りやすくなっているものの、まだまだ窮屈なヘカテーの内部。
「んっ、はぁっ!」
ずぶずぶと埋まっていき、それだけでヘカテーは嬌声を上げる。
「はぁ、ふぁ、はぅっ、んぁ」
トロンとした目で腰を上下させ始める。
その動きだけでも悠二の脳髄を快感が突き抜ける。
「ひゃぅっ、ふぁっ、んっ、んんっ、あぁっ!」
「くっ!はぁッ」
息が荒くなる。感じられる鼓動がおかしいくらいに速い。
「あんっ、んぁぅっ、はあっ、ああぁっ」
ヘカテーは貪欲に悠二を求める。
腰と腰が打ちつけられる音が部屋に響き、喘ぎ声がそれに重なる。
「はあぁっ、んぁぁっ、ああぁぁぁっ!」
ヘカテーの指先が悠二の浴衣をはだけ、胸板を這う。
ぞくりと背中を寒気が通り抜け、頭がさらに機能しなくなる。
「ひゃぁっ、あぅ、ふぁぅ、あぁんっ」
腰をくねらせ、断続的にモノを締め上げる。
茫洋とした表情で宙を見上げ、口が半開きになり、端からは光る唾液が流れ出ている。
「はあぁっ、ふぁっ、んんっ、んぅっ」
(なんか……っ…おかしい……僕も、ヘカテーさんも)
僅かに残った冷静な部分で考える。
大体、この体の熱さはなんなのだろうか?
(なにか…………っ!もしかしてあのお酒!)
可能性としてはそれが一番高いだろう。だが、気付いたところでもう遅い。
ふたり共、絶頂へと登りつめていった。
「はぁぁぅ、んんっ、んぁっ、はあぁっ!」
「くぅっ!へ、ヘカテーさんっ」
段々と前かがみになってきたヘカテーを抱き寄せ、今度は悠二が突き上げ始めた。
もう思考は破棄し、ただ快楽を求める。
「はあぅっ!ゆ、悠二さぁんっ!」
ヘカテーの小さな胸を揉みしだき、頭頂部を摘む。
「んんぁっ!だ、ダメですっ、そんなに、ふぁっ!」
ただ突き上げる。
「ひゃんっ、おかしっ、いあぅっ、なっちゃいますっ」
ヘカテーの膣内を掻き回す。
「あああぁっ、んんっ、んぁぁぁっ!」
柔壁がモノを包み、溶けるように混ざり合わさり、快楽を生み出す。
「ああああぁぁっ!やぁっ、んんぁぅっ」
限界が近い。速度を、深さをさらに上げる。
「んぁぅっ、も、もうっ、ダメっ!」
「くっ!うぁっ!」
ヘカテーを抱きしめ、己が欲望を吐き出す。
「ああぁっ、ひゃああああああぁぁぁぁぁっっ!!」
甲高い声を上げ、ヘカテーも絶頂に達した。
さて、その少し前。
薄暗闇の中で吉田一美は目を覚ました。
「ん……あれ?」
ぼんやりとする視線を彷徨わせ、旅館の部屋だということを確認する。
「そっか……眠っちゃったんだ……」
微かに残っている記憶を掘り出し、顔が紅くなる。
「わたし……なにやってたんだろう……」
一美は起き上がると、襖を開け、廊下に出た。
照明も無く、漆黒の闇に包まれた廊下を進む。
古い板がギシ、ギシ、と音を立てるのが不気味だった。
だが、それよりも気になっていたのが。
「なんで……こんなに熱いんだろう……」
体の火照りだった。
風邪をひいたように熱く、意識が朦朧とする。
そのままふらふらと歩き、丁度悠二の部屋の前を通った時。
僅かに襖が開き、光が漏れているのを見止めた。
「まだ、起きてるのかな?」
そっと、隙間から部屋の中を覗いてみると。
「ッ!?」
悠二とヘカテーが。
ヘカテーが悠二の上で腰を振っている。
(なっ、なんで!?)
出そうになった声を必死に抑え、食い入るように見つめる。
見ている間にもふたりの動きはさらに激しくなっていく。
ヘカテーの喘ぎが、高く、大きくなっていく。
(あ、あんなに………すごい)
いつの間にか一美のショーツにも、熱い染みがじわりと滲んでいた。
「ふぁ…はぁ、はぁ」
「ん……ふぅ……」
荒い息を吐くヘカテーを隣に寝かせ、悠二は声を掛けた。正面に。
「入っておいでよ、吉田さん」
「ッ!」
悠二に覗きがバレていたことに驚き、一瞬呼吸が止まる。が、気を持ち直して襖を開けた。
「坂井君……」
知らず知らずの内に息が荒くなっていることに一美は気付かない。
「おいでよ……シャナも」
「えッ?」
振り返ると、そこにはシャナが。同じく上気した頬と、潤んだ瞳をしている。
そのシャナが、一美を突き飛ばした。
「きゃぁッ!」
勢い余って悠二の上に倒れこむ。
「あ…………」
目の前に悠二の顔がある。他の三人同様、真っ赤に染まり、息が荒い。
唯一違うのは、一美の太ももに当たっている部分。たった今出したばかりなのに、まったく衰えていない。
悠二が傍らの少女に声を掛けた。
「シャナ」
「うん」
「ヘカテーさんも」
「はい」
身を起こした一美の両サイドに、ふたりが寄り添ってきた。
「え、あの……」
「おまえだけ相手されないのは不公平だから」
困惑する吉田にシャナがきっぱりと言う。
「うん、いいよね、吉田さん」
自分を見つめる蕩けるような視線に、一美は頷いていた。
自分の愛する人に純潔を捧げられるのだ、躊躇う必要はなかった。
というより、体が欲していた。芯が疼いていた。
左右に陣取ったシャナとヘカテーが吉田の浴衣をはだける。
と同時に硬直した。
「…………ずるい」
「……………卑怯です」
現れた豊かな膨らみにふたりはそれぞれ愚痴をこぼす。
「え……なにが?」
「む……」
「えっと……」
一瞬のアイコンタクトで同意したふたりは膨らみを手で掴み、舌を這わせ始める。
「えっ、きゃぅッ!」
「ん……おっきい……」
小さな手から零れるぐらい発育のいい胸は、容易に形を変化させる。
「んぅ……ふ……」
ヘカテーも自分にはない豊かで柔らかな感触を羨ましげに楽しんでいた。
時折、さっそく勃起している淡い先端を舐めあげたり、全体を舐め回している。
「んむ……ちゅ…」
「ふぁ……あん……っ」
「吉田さん、腰上げて」
「んふ……はい」
少し持ち上がった腰からピンクのショーツをゆっくりと引き抜く。
秘所から湧き出た愛液がつぅっと糸を引いた。
恥毛は生えているものの、とても薄い上に量も少ない。
「吉田さんって薄いんだね」
「やぁ……言わないで……」
両手で顔を覆ってしまう。だが、喘ぎだけは漏れている。
「んぁぅ……んっ、あぁ……」
「なんでこんなに大きいのに……ちゅぅッ!」
シャナが吉田の首筋に吸い付く。唇を離すと、微かに赤い跡が付く。
「だ、ダメッ!跡、付いちゃう」
「やだ、たくさん付けてやる」
小悪魔的な笑みを浮かべ、シャナは次々とキスマークを付けていく。
「それじゃ、そろそろ挿れるよ」
吉田に断り腰を掴むと、天井を向いてそそり立つモノに入り口をあてがう。
充分すぎるほど濡れているので、あまり抵抗は感じられない。それでも慎重に侵入していく。
「いッ……っ!」
吉田は固く目を瞑り、顔を歪ませている。横のふたりが痛みを和らげるように愛撫を重ねている。
ねっとりと絡みつく肉壁。窮屈ではあるが、柔らかい肉が優しく包み込むような感触だ。
そして最後の抵抗。一息に突き破ると、根本まで埋没した。
「んぁぁぁぁッ!」
絶叫が部屋を埋めた。
「はぁ、吉田さん、入ったよ」
「ん……はぃ…ッ」
「これで、三人とも公平ね」
「そうですね、みんな平等です」
「それじゃ、今からは勝負」
「え?」
「悠二を気持ちよくした者が勝ち」
「え、いや、シャナ?」
「別にいいでしょ?」
「ん…まぁ……」
「じゃ、決定」
言うが早いか、シャナが悠二を抱き寄せ、唇を奪う。
「んッ!?」
強引に舌を絡めてくる。やや荒っぽいながらも情熱的な動きで悠二の舌を弄ぶ。
「んぐっ、くちゅ、ちゅっ、ちゅぅっ」
そこでようやく我に返ったふたりが、シャナを阻止しようと行動を始める。