ちゅっ
吉田一美は写真に口付けをする。
「・・・・坂井君、大好きです。何時か、一緒に隣を歩けるよう、私もがんばります」
吉田は写真を胸に抱き、今日も決意をかためる。
写真を机の上に置き、引き出しから出すのに写っているのは
長い髪を持った不機嫌そうな表情をした少女。
「私は、絶対、負けません」
写真に決心を叩きつけ、そっと置く。
キチキチキチキチ
伸ばしたカッターナイフで細かく刻む。無表情に、瞳には氷を住まわせて。
「負けません、負けません、負けません、負けません・・・・」
あらかた刻み終わると、カッターを片付け机の上も綺麗に掃除する。
「私は、絶対、負けません」