「ミステスの…せいであります」  
押さえきれない性欲を少しでも慰めるため、その言い訳を呟きながら自らの濡れた花弁へと指を這わせる。  
くちゃり、と音。そして頭の芯に刺さる快楽。  
求めていた、あのミステスに開発し尽された肢体が激しい快感を。  
「はぁっ、ふ、んんぅ…」  
指を噛み声を殺そうとする。しかし、やがて激しくなる指使いに声をあげてしまった。  
これもミステスの調教のせい。そう思い込みながらも、指の動きは止まらない。  
「ひぃぁ、はぁっ!い、いいで、あり、まふぅ…」  
 
右手を花芯いじりに専念させ、淫穴から漏れた女汁を使い、  
男根を模らせた一条のリボンを、後ろの穴へ導いていくヴィルヘルミナ。  
「あぎっ!きつ……ん!んぁあ!」  
後ろから圧迫される感触をとりあえず無視し、両手で股間をいじっていく。  
後門から発せられる違和感は、徐々に身体と脳をしびれさせていく。  
 
「……ンッ!…ッ…ンッ…ッッ!…ッッッ……」  
鼻息がせわしなくなり、うめき声が透き通る。背筋が反って、腰が浮き上がる。  
女の果てへとたどりつきかけていたその時、  
「……ン…ッ…ンンンンンッ……ッ?」  
突然、後ろの穴に入れていたリボンを引き抜かれる。  
そしてその一瞬の惚けた時間に両手の動きもそのリボンで拘束される。  
絶頂への飛翔を強制的に止められ、やるにやらせない気持ちを抱く。  
目の端に涙を浮かべ、息も絶え絶えに振り向いたその先には  
零時迷子を宿したミステスがいた。  
 
「もしかして、僕が気付いていないと思っていましたか?カルメルさん?」  
「さ、坂井悠二……。な、なにをするでありますか」  
「いや〜カルメルさんが僕のせいにしてオナニーをしていたからね。  
 別に僕はカルメルさんにオナニーして欲しいなんて  
 これっぽちも思っていないから、ちょっと強引に止めてみたんです」  
そんなことを言いながらも悠二は彼女を仰向けにし乳房をゆっくりと揉む  
「あ、ああん、だ、誰が……ふぁこんな体にしたと、ああん思ってるでありますか……ふわぁ」  
「自分の意志からではないと?」  
悠二はにやにやと言うよりにたにたと笑いながら乳房の上にあるピンクの突起を指で弾く  
「んああッ!、あ、当たり前であります」  
「そうですか。自分の意志ではないと……」  
そう言うと、彼女の艶腰を持ち上げ、更に両足をM字に開脚させた。  
そしてそのびしょぬれの股間に顔うずめ、  
生暖かい舌で器用に秘核を覆っている皮をめくりもっとも敏感な肉豆を一舐めした。  
「ふああああああッ」  
普段の彼女からは考えられないような声がその艶かしい喉から出される。  
意識が悦びに悶えて淀み、自他の見境さえつかなくなる。  
そして悠二は徐々にその秘芽嬲りのレベルを上げていく。  
時には舌先でつつき(ベチョ)舐め(ペロッ)、時には指で挟み(グリッ)押しつぶす(ジュブ)。緩急強弱自在に嬲られる。  
そしてオルガスムスを迎えようとした瞬間  
悠二は全ての動きを止め、離れていく。  
「な、なぜでありますか……」  
お預けのような状況を強制され無意識の内にそう呟く。  
「だって、カルメルさんが自分で言ったじゃないですか。  
 自分の意志でオナニーしたんじゃないって。  
 オナニーしたくないと言う事はイキたくないってことでしょう?  
 それとも、もしかして誇り高きフレイムヘイズであるカルメルさんは、  
 ミステスなんかの責めでイキたかったんですか?」  
「そ、そんなことないであります」  
フレイムヘイズの矜持を刺激されるような言葉を言われ、即座に否定する。  
そんな言葉を待っていたと言わんばかりに悠二は、悪魔の笑みを浮かべ  
「そうでしょう?だから僕はカルメルさんの悶える姿を見たいけど  
 カルメルさんがイキたくないって言うからその部分だけは意志を尊重しようって思ってるんですよ。  
 それじゃあ続きと行きましょうか」  
 
「ん、は、ああぅっ!」  
ヴィルヘルミナの秘肉を舐る舌先。  
溢れ出した液体を指に付け、悠二は一息に膣内へと人差し指を突き入れた。  
「―――あぁぁっ!!」  
今までにない強い刺激に、ヴィルヘルミナの腰が跳ね上がる。  
「うわっ、すんなり入っちゃいましたね、カルメルさん」  
「はぅ、ああぁぁ―――ッ!!」  
自身の中を幾度となく嬲りつくしてきたその指の動きに、ヴィルヘルミナの快楽は  
一気に頂点に向かおうとしていた。  
しかし、悠二は絶頂の手前、駆け上がった余韻だけでは決して達せられないギリギリのところで  
膣内から指を引き抜く。  
「んぅあっ!ひ、あ…あ、や、やぁ…」  
「なにが『嫌』なんですかカルメルさん?ミステスにこんなことされるのが嫌なんですか?」  
膣から抜いた人差し指を舐める悠二。  
「ん、もう本気汁たらしてますね…ちょっと指入れただけでこんなになるなんて…変態ですね、カルメルさんは」  
「どの…口で…そんなこと、言うので、ありますか―――ッ!!」  
その反論をふさぐように、再び中へと指を潜り込ませる。  
幾度となく絶頂間際まで高められた性感が、再びヴィルヘルミナを襲った。  
「やぁっ!も、もうやめ、る、で…ひぁぁああ!!」  
そして、また悠二の『遊び』が始まった。  
 
 
三時間後。  
 
 
「ひぐっ、あ、うぅ、う……」  
「凄いですねカルメルさん。三時間は弄っているのにまだ頑張るなんて」  
ニコニコと笑いながら、悠二の指はヴィルヘルミナの肉体を貪っていた。  
「イカ、せて…くだ、さぁ…う、うあ…」  
「言ったでしょう、カルメルさん。あのことを誓えば―――幾らでもイカせてあげますよ」  
「あのこと…あっ、ふぁ…」  
「そう、あのことです。僕の―――奴隷になること」  
 
「そ、そんなことは、はぁ…、ほ、誇り高きフレイムヘイズが、  
 ふぁ、ミステスなんかに屈するなんてことは、ひ、あ…あ、や、絶対にありえないであります」  
愉悦に融かされながらも、歓喜の悲鳴を上げながらも、  
フレイムヘイズとしての高いプライドからなんとかそう言い切る。  
「そうですか……。イキたくなっても、心はまだ堕ちてないと言う事ですか。  
 それじゃあ取り引きは無効ですね。続きを始めますか。」  
非情にそう言いきり、悠二はヴィルヘルミナの尻を持ち上げる。  
拘束された両手は何もない床に引っかくように伸ばされ、顔は床に擦り付けた体勢をとらされる。  
「次は趣向を変えてみますか……」  
悠二はたわやにスカートを捲り、両手で尻のふくらみを左右に開いた。  
「や、やめッ、ふぁふぁぁああん」  
悠二の意図を察し、拒否の言葉を上げようとしたが、  
両の手を拘束され責めで疲れきった体で逃げられるはずもなく、淫核を嬲られ直ぐに黙らされる。  
「何を今更嫌がってるんですか。さっき自分で弄っていたじゃないですか…」  
 うん、黒ずんでもなくいい色ですね。さてカルメルさんのこの穴にはいくつ皺があるのかな?」  
たとえ身も心も捧げた相手であろうとも見せるのが恥ずかしい穴を嬲られる。  
その状況にヴィルヘルミナは顔を羞恥で真っ赤に染める。  
一つ一つの皺を伸ばすように弄ばれ、目尻に涙を浮かべる。  
「1、2、…………、全部で14本ですね。あれ?どうしたんですかカルメルさん?  
 前の口がさっきよりも大洪水ですよ……」  
さも今気が付いたといわんばかりに悠二がそう言う  
「お尻で感じるだけでも変態なのに、カルメルさんはその前の段階、言葉で嬲られただけで  
 こんなに感じるなんて…大変態ですね。恥ずかしくないんですか?」  
「そ、そんなこと、な、ないでありふぁぁぁ、ああぁん」  
尻穴に指を入れられ反論も満足にさせてもらえない。  
指の責めから少しでも逃れようと、足に力を入れるが当然そんな事では逃げ切れない。  
むしろ太股からふくらはぎにかけて力をいれて震えている今の状態の方が一層艶かしい。  
秘穴から流れ出した蜜が太股を伝い下に水溜りを作る。  
汗と愛液で塗れた衣装が、彼女の肌を貼り付け脇腹にかけてのラインを強調する。  
徐々に尻が自らの意思で持ち上がり、イクと思った瞬間  
やはり動きを止められる。  
「ダメですよ……カルメルさん。イキたかったらちゃんとお願いしなきゃ。  
 僕の奴隷になるからイカせて下さいって」  
 
「し、知らないであります」  
ヴィルヘルミナは満足な思考が出来なくなってきた。ただ辛うじて残る理性が拒絶を主張しているだけ――。  
しかし、その理性にも淫欲の白い靄が立ちこめ、輪郭が朧気になり始めている。  
「そうですか、しょうがないですね。それじゃあもう少しレベルを上げますか」  
そういって悠二はヴィルヘルミナのリボンで彼女自身の目隠しをした。  
唐突にもたらされた暗闇の世界。視界を完全に塞がれてしまった以上、今の彼女は他の識覚に依存するしかない。  
――いや、強制的にそれらの感覚を研ぎ澄ますように仕向けられた。  
右腋のあたりに何かの存在を感じる。皮膚感覚を通して、彼女はそれを確認させられていた。  
やがて、その何かは腋の下でしばらく停止し、「いつでもオマエに触れるんだぞ」と  
脅しているかのごとき行動を取ってから、ゆっくりと移動し始める。  
右腋から左腋へ。感じやすい柔肉の連山を飛び越え、そして首筋に沿って耳から頬へ。  
決して触ってはこないが、しかし、いつでも弄べるのだと、その塊は無言のうちに威迫してきた。  
産毛が逆立ち、鼓動が早まる。体内に生じている焦りを吐き出すみたいに、ヴィルヘルミナは何度も深呼吸した。  
そのたびに、美巨乳がブルン、ブルン、と揺れる――何もされないうちから、彼女の双丘は早くも、緊張し始めていた。  
「何か」はゆっくりと、顔の上空を漂っている。触ったりなどせず、ただ存在感を誇示してくるだけ。  
美顔の周りを何度もうろついてから、それは肉体の正中線に沿って、ゆっくりと下り始めた。  
大胸筋のはざまを通り、へそのくぼみを越え、そして下腹部へ……。  
しかし悠二は何もしてこない。一分、二分……静寂の時間が過ぎていく  
「な、なにをするでありますか……」  
彼女の胸に湧き上がっているのは――不安感だった。これからどうなるのだろう? いや、どうされてしまうのだろう?  
その瞬間、胸の突起に何かが掠る。  
「ふぁぁぁん」  
触れるか触れないかの刺激なのに有り得ないほどの愉悦を注がれる。  
(ど、どうしてふぁ、こ、こんなに感じるので、あぁんありますか)  
哀れに彼女は自分の感覚器官に起きている意識下の「汚染」を、まだ自覚していなかった。  
今の彼女の感じやすさは、悠二によって醸成されたものであることに。  
「無感覚」という状態に、人であれフレイムヘイズであれ意識あるものには耐えられない。  
それがどういう性質のものであれ、意識あるものは外界からの刺激を必要とする。  
視覚の遮断と思わせ振りな威迫とによって、「無感覚」と「不安感」とを高められていた彼女の意識は、  
ほとんど反射的に責めを受け入れていた。彼女の識意下の部分は、むしろ貪欲に、それを受け取ろう、  
味わおうとすらしていたのだ――この積極性こそが、今の「感じやすさ」の原因だった。  
 
「触れるか触れないかのタッチでこんなに感じるなんて……  
 最初見たときは芯の強そうな人だと思いましたが、これじゃあ  
 口ではどう言っても、カルメルさんが淫乱で変態なのはもう一目瞭然ですね」  
侮蔑的な笑みを浮かべそう言う悠二。  
「ち、ふぁ、ぁあ、ち、ちがふぁ」  
「違う」という否定の言葉が言えない。  
口を開けば、まず蒸気のように熱く湿った吐息が飛び出し、次に透き通り出したヨガリ声が続いた。  
膝がカクカクと笑い出し、四肢の指先からも力が抜けていく。  
「まともに喋れない位胸がいいんですか?それじゃあ今度は胸にしてあげます……」  
ムニュ・ムニュと、悠二の両手が麓部分を絞ったり、揺すったり、ひねったりしてくる。  
ぞわぞわと快楽が広がっていく。悦びの波は肉の奥で共鳴し、体の芯をぐらぐら揺すぶってきた。  
ヴィルヘルミナはそれだけで、官能の火種を吐き出すかのように悶えた。  
責めに合わせて首をすくめ、肩をすくめる。乳房がますます張りを増し、乳輪が膨れ、桃柱がいきり立った。  
 ベチャリ。  
そこへ、悠二の舌が舞い降りてきた。右果に淫着した侵乳者は、ブルブルと震える肉峰を、ふもとから頂上にかけて一気になぞり上げる。  
軽く圧しをかけ、その柔らかさと弾力とを確かめつつ、ネットリと愛撫した。  
「…………んんんんあああああッ!」  
色違いの部分にはまだ触れられていなかったが、しかしヴィルヘルミナのバストは、それでも充分すぎるほどの悦楽を生み出してくる。  
続いて、左も侵乳された。ヌチャリ。間を置かずに、また右。ヌロン。そして左。ペチャリ。  
しばらくそれが繰り返される。  
大胆と繊細、巧妙と直裁の間を自在に揺れ動く弄虐を受け、膨張していたふくらみはいっそう隆起し、より敏感になっていく。  
快感によって敏感にさせられ、敏感にさせられたことによってより快感を覚えてしまうという、肉悦の無限地獄  
――女だけが陥ってしまう恥辱の循環路――へ、ヴィルヘルミナは追い舐られた。  
 
悠二は揉み手のリズムまで変化させ始めた。荒々しい責撫のときには、踊るような早さで。緩やかな淫撫のときには、あやすような鈍さで。  
急激なリズム変化。それは、ヴィルヘルミナのふくらみに緊張をもたらした。性的興奮のせいなのかどうかはともかく、彼女の乳首が更に、強く痼り始める。  
そしてその流れを保ったまま悠二は搾乳をするかのように強く扱き始めた。  
(……うあンッ…や、し、搾るのは…や、やめるのでありますッ…)  
ふくらみの中に詰まった何かを搾り出すように、残酷に悠二の両手が蠢く。多方向から加圧することにより、女の象徴を融通無碍に変形させていた。  
「……ンッ!…ッ…ンッ…ッッ!…ッッッ……」  
胸の奥で爆発し、そして背筋を駆け上がってくる官能の熱波。  
彼女は髪を振り乱し、身体の動かせるところはすべて動かして、痴れたように見悶えた。  
グニッ・ムニッ・グミュッ。  
搾乳運動から、遠慮が次第に消えていく。ふくらみの構成因子である乳腺をより分けようとしているみたいな、容赦のない加圧。  
(……あうッ…ううッ…んくぅぅぅッ)  
痛みにも似た疼きが、濃密な性の甘みへと変貌していく。霞がかった瞳の端から、ゆっくりと涙がこぼれ落ちる。  
柔丘の内部から噴き上がる本能のうねりが、今や全身の主導権を取ろうとしていた。  
吊り上がり気味で(ムニョ)いつもはキツいはずの両目をしどけなく潤ませ(グチュ)、ぶるぶると首を振った(ブチャ)。  
髪が(モニョ)、波のように揺れる(ムニュ)。細みの腰はフニャフニャと淫らにくねり(グチャ)、両膝は上下動してやまない(ブチョ)。  
揉み回される豊かなふくらみから、とめどなく溢れてくる快感。その圧倒的なボリュームに、ヴィルヘルミナは押し流されかけていた。  
口の端から、耐え切れなかった分の涎が垂れ始める。  
彼女の、その乱れぶりを見た悠二は、人差し指を伸ばしたまま目的地に向かう。  
標的は――恐ろしいくらい感じてしまっている柔丘の頂上で、ビンビンに痼り立っている肉芽。  
指は、まるでボタンを押すように、朱色の突起を押しつぶした。  
「あふぁッ……!」  
鋭すぎる悦楽の刺激に貫かれ、ヴィルヘルミナは叫ぶと同時に崩れた。  
なんとか我慢していた口も、今やOの字に開けられ、涎と喘ぎを発して止まることがなかった。  
「ふあッ、はあッ…ん、んあッ…あッあッあぁ……」  
悠二に、白いふくらみを揉まれ、こねられ、揺さぶられ、握られ……面白いように、嬲られに嬲られる。  
同時にまた、敏感な乳首も弄られに弄られた。指の腹でこすられ、つまんでひねられ、押しつぶされ、爪を立てられる。  
そして、果てへ飛び立とうとした瞬間、案の定全ての動きを止められる。  
 
「だからイカせませんって……。それとも僕の奴隷になる決心が付いたんですか?」  
「悦楽の生殺し」。それはまさに――「至高の快楽」にして「地獄の拷問」だった。不可逆の一方的な翻弄と、絶頂寸前での足止め。  
真綿で首を締めるように、性的な焦らしで女の心身を染める。  
胎内に湧き溢れる欲情で、嬲り墜とす。女にとってこれほどまでに辛辣な加虐が、他にあるのだろうか?  
 
 
ヴィルヘルミナの体全体が、もうどうにもヤリ切れなかった。さんざん弄ばれている胸は、特に爆発しそうにすらなっている。  
淡紅色に染まった柔球は、血管の筋をハッキリと浮かび上がらせ、突かれたら破れてしまいそうですらあった。  
これ以上ないというくらいに勃起し、小石のようになっている乳首。痙攣して止まない艶腰。  
濃厚すぎるメス臭を放ち始めている秘裂。全身が官能の奔流に呑まれ、救いを求めてのたうっている。  
しかしヴィルヘルミナは何も答えない。ただ切なげな吐息だけが熱く途切れ途切れに発しながら、  
ほんの少し動いたかどうか解らないぐらい首を振る。  
「はぅッん……くぁッ……あふぅ……」  
言葉を紡ぐと、淫らな女のせがむ言葉が出そうだったのだ。  
けれどもヴィルヘルミナの理性は崖っぷちだった。あと一押しでもされたら、淫欲の海に堕ちていってしまう。  
ただ、彼女のフレイムヘイズとしての本能が無意識下で働いているに過ぎない。  
 
 
「まだ躊躇いますか……。強情ですね……」  
口調とは裏腹に悠二はヴィルヘルミナの強気を愉しんでいる風にも見える。  
 
「…はは、仕方ないですね。僕の負けです」  
苦笑いを浮かべ、悠二は両の手を軽く浮かべた。  
「僕ももう限界ですから…入れさせてもらいますよ、カルメルさん」  
「ほ、ほんとうで…あります、か…」  
「ええ、僕のコレで。チンポでぐちゃぐちゃに…掻き回してあげますよっ!!」  
最後の言葉を言う前に、悠二は秘裂にあてがった肉刀を、一気に貫き入れた。  
「は、ひぃぁ―――ッ!!」  
どすん、と奥まで刺し貫かれる感触。  
今までに無い強い衝撃に、今までジラされた快感の中枢が悲鳴を挙げる。  
「や、や、やぁぁぁっ!!」  
おかしくなる。オカシクナル。  
数百年という月日を重ねて培ってきた『フレイムヘイズ』という誇り。  
この世のあらゆる自在法ですら曲げられることの出来ない矜持を、  
このミステスはいとも容易く捻じ曲げようとしている。  
その恐怖。その快感。己の『あるべき姿』すら変化させていくミステス。  
それがとても恐ろしく―――とても、甘くみえた。  
「は、あ、あうっ!あ、もぅっ!!」  
激しく打ち付けられる恥骨。そして、肉棒。  
がむしゃらに動き、自らの膣内を蹂躙してくるミステスの動きに、ヴィルヘルミナは  
今までに無いほどの、波を、体に感じていた。  
「―――ッ!!―――っ!!」  
息が出来ない。頭が白い。  
既に四半時はジラされ続けたこの体に、この攻めは凶悪だった。  
そして、ヴィルヘルミナは待ち望み続けていた快楽を―――  
 
「はい、お預けです」  
 
得られなかった。  
 
「どう……して……で、ありま……すか?」  
「どうしてやめるのかって?」  
正常位で結合したまま、動くのをやめた悠二が、ヴィルヘルミナを見下ろしながら言う。  
「このまま普通にイっても、つまらないじゃないですか」  
悠二は、ヴィルヘルミナが動くことの出来ないよう、腰を両手で押さえつけている。  
「あ……あ……」  
何とかして快楽を得ようと、ヴィルヘルミナが腰を動かそうとするが、押さえつけられているために僅かしか動けない。  
その僅かの動きが、さらにヴィルヘルミナを焦らしていく。  
「さて、カルメルさんはどうして欲しいですか?」  
「く……あ……」  
「僕がさっきまで言っていたこと、覚えてますよね?」  
──坂井悠二の奴隷になる──  
挿入の快感で忘れかけていたそれを、ヴィルヘルミナは思い出す。  
ぱぁんっ!  
「ああっ!」  
悠二が一度だけ腰を前後させる。  
「さあ、どうしますか?」  
 
「はい、奴隷になるであります」  
今だけ、首を縦に振ればいい。どうせ後でどうにか出来る。そんな事も心の片隅に置きながら言うヴィルヘルミナ。  
しかし悠二はやはり追い詰められた者のそんな思いを見抜く程度の思考は持っていた。  
そして更なる絶望をヴィルヘルミナに与える。  
「そうですか、僕の奴隷になってくれますか。  
 でも、躾ってのは最初が肝心なのでもう少し悶えてもらいましょう」  
そう言い、悠二はヴィルヘルミナを仰向けにし、足も拘束する。次に股間をまさぐり、クリトリスを露出させる。  
そして、悠二はヴィリヘルミナのリボンを細く裂きクリトリスの根元に巻きつける。  
「くぅぁん!」  
敏感になっている体の、もっとも敏感な部分を締めつけられヴィルヘルミナが悲鳴を上げる。  
悠二はリボンの端を持ち、そのまま上に引っ張りだした。  
「くぁああああん…」  
仰向けにされ手足を固定されているため、ヴィルヘルミナは腰を上げブリッジみたいな体勢を取らされる。  
しかし一定以上はあげることも出来ず苦悶の呻き声をだす。  
汗と愛液に濡れたフトモモから下に駆けてが踏ん張るせいで、白く足の甲がぴんと反り返り、  
指先までもが救いを求めて緊張している様子が凌辱感を煽りかえって艶めかしい。  
ヴィルヘルミナをその体勢にさせたまま、悠二はリボンを壁のフックにかける。  
特性のリボンでもあるので切れることもない。  
「これでもう腰を落とせないでしょう?力を抜いて腰を落とすとクリトリスが凄い事になってしまいますしね」  
「そ、そんな……」  
「大丈夫ですって。カルメルさんが腰を落とさなければ良いんですし」  
そう言いながら悠二は無防備に曝け出されたクリトリスに、ふーっと息を吹きかける。  
縛られて真っ赤に腫れている粘膜をくすぐる風に、ビクンとヴィルヘルミナの体が震え出す。  
「くぅぅ… や、止めるであります…」  
「何言ってるんですか?カルメルさんに選択の余地なんてないし、なにより此処からが本番ですよ?」  
そう言いながら数本のリボンを悠二はヴィルヘルミナの胸に巻き付ける。  
元々の美巨乳が、上下に巻き付かれ 乳房を絞り出されることで余計にボリュームを増し、パンパンに張りつめた。  
その豊かになった胸を目指して悠二は手を伸ばす。掌で乳房を包み込むようにして 胸に張りつかせる。  
 
「くぅ──っ ああっ…、 ふぅん…」  
乳首を中心として放射状に張りついた掌が、胸を揉みしだく。  
ただでさえ敏感になっている ところに、胸を縛られ、弄られ瞬く間に蕩けるような快感が広がって行く。  
しかも悠二は揉むと 同時に乳首にも責めを加えている。ヴィルヘルミナの乳首を咥え、揉むリズムに合わせて、軽く甘噛みしていった。  
その度に、たまらない快感が彼女を襲う。無理な体勢を取らされている足が震え出す。  
「やっ! 胸…… くぅっ…  あああっ──!」  
腰が僅かに落ち、それに伴いクリトリスが引っ張られる。その途端、途方もない快感が溢れだし、悲鳴を誘う。  
「ほらしっかり足に力を入れないと、どんどん引っ張られますよ?」  
ヴィルヘルミナのお尻を激励するかのように、バチンと叩きながら悠二は残虐が笑みを浮かべた。  
「くふぁぁぁあ」  
悠二が股間に顔を近づける。クリトリスは真っ赤に腫れあがり、 秘裂から溢れた蜜はその下でひっそりと咲く、菊の蕾にまで滴っていた。  
悠二の舌が小陰唇を捕らえた。襞の1枚1枚を確かめるように、ゆっくりと舐めていく。  
「ひぃっ や… くぅ、 ああっ…」  
胸への刺激だけでも十分以上に感じている状態で、秘裂を舐め上げられては堪らない。 たちまち足の震えが大きくなり、腰が落ちかける。  
「くぅぅ───っ! あっああああ────!」  
自らの体重がクリトリスで支えられる。その凄まじい刺激にヴィルヘルミナは絶叫をあげた。  
それでも悠二は舌を止めない。ヴィルヘルミナは懸命に足に力を入れ、腰を持ち上げるしかない。  
「ああああっくひぃいい!」  
しかし腰を持ち上げるために足に力を入れると、秘所が締まり、余計に快楽を感じてしまう。  
刺激のループを断ち切ろうと、ヴィルヘルミナは足に力を込めたまま、アヌスを緩める。  
「ふぅ… ふぅん… ふぅ、 はぁ… ふぅん…」  
浅い呼吸を繰り返しつつ、お腹に意識を集中し、なんとか力を抜いていく。  
しかし、悠二の方がまだ上手だった。  
ヴィルヘルミナの対応に感心しつつも、即座に攻めを変える。  
舌の先端でリズミカルにトントンと小突いたと思えばそのままブルブルと振動させる。  
「くぅん… ふぅわっ… な、なんでありますか?」  
子宮の裏からむず痒いような感覚が湧きあがる。まるでお腹の内部から羽毛の刷毛で丁寧に 撫ぜ回されているようだ。  
力を抜くために下腹部に意識向ける度、むず痒さは増していった。  
同時に今まで強烈な刺激で意識できなかった、胸への責めにも気がついた。  
張り出した乳房はより敏感になり、快感にほんのりと桜色に染まっていた。  
胸の先端では、乳首が激しく自己主張をしており、 それに応えるように、悠二の手が弾くように刺激している。  
 
「ああん… ふわぁ… んんっ」  
乳首を弾かれる度に甘い声が上がってしまう。胸から発生した快感のパルスが、子宮の奥と 共鳴し、  
どんどんと身体の中に熱を篭らせていく。蕩けるような気持ち良さに思わず足から 力が抜けてしまった。  
「あああっ んん、くぅうううう!!」  
腰が落ち、それに伴いクリトリスが上に引き上げられる。慌てて四肢に力を入れ、体を支えると  
今度はクリトリスからの刺激が強まってしまう。  
「ああああああっ!! やあっ──!!」  
クリトリスからの刺激を弱めるために、力を抜いて耐える。すると今度は子宮の奥の疼きに どうしても意識が集中する。  
「ふぅん ひ、くぅう…」  
踏ん張り、お腹に意識集中すれば子宮に、快感に溺れればクリトリスの刺激が 強まってしまう。  
そして絶え間無く続けられる胸への愛撫。ヴィルヘルミナは確実に快楽の頂きへと追い詰められていった。  
絶頂の頂が見え始めた時、悠二が妙な事を言い出した。  
「安心して下さいカルメルさん。今回は此処で止めたりしませんよ」  
「え?」  
予想もしてない言葉に思わず責め苦の中でも一瞬歓喜を含ませた声を上げる。  
「僕がミステスにしては存在の流れを感じる機微に富んでいる事はご存知ですよね?  
 つい先日それを応用すればこんな事が可能だってことが解りましてね」  
そう言いながら責め続ける悠二。  
秘所を出入りする舌の震えと、子宮へと響く刺激。蕩けるような胸への愛撫。そのいずれにも一気にイカせるような激しさは無い。  
しかし今までと違いそれでも止まることなく続く刺激はゆっくりとだが、確実に絶頂へと向かわせていた。  
「うぅん…あ… ああああっ!!」  
ついにイケると思い歓喜の声を上げるヴィルヘルミナ。  
しかし、悠二は残酷なまでに責め巧者だった。  
(ふふ、焦らしはしないけど、こういうのはどうだろう?)  
ヴィルヘルミナの体内を走る存在の流れを感知し  
責めていた舌と、手の動きを調節し、イク手前で快感の曲線をフラットにした。  
 
「ふわっ ああん… ふぅん、んんっ… 」  
そのまま刺激を弱めればただの焦らし責めだが、今回はその状態から微妙に、本当に微妙に刺激を強めていく。  
「あああっ くぅ… ああっ あああああ!!」  
絶頂寸前の、一番敏感な時点で行われる責めに、悲鳴が一際大きくなる。  
焦れったさは感じない。いや感じる余裕が無かった。  
「イッてしまう」という感覚だけが強まって、それでも決してイクことが出来ない。  
その異質な快感にヴィルヘルミナの身体がガクガクと震える。  
「ああっああああっ! ああっ…」  
悠二の意思の元、与える快感を完全にコンとロールしている。  
快感の曲線は、絶頂ラインに無限に近づく漸近線を描きつつも、それを越えることは無い。  
しかしその絶頂に備えるように、ヴィルヘルミナは歯を食い縛り身体を支える。  
(んっくぅぅんっ… ど、どうしてでありますか… あああ!!!)  
胸、子宮から発生した熱が、身体の奥で大きなうねりを作っている。 絶頂と言う放出を許されないそれは、時間と共に膨れ上がる。  
イケないことを切なく思うよりも先に、「もうイク」という予感だけが高められる。  
息を吐くことを禁じられたまま、息を吸い続けるように、身体の奥で出口のない 快感が大きくなっていった。  
「んんんっ くぅあああっ あああっ…… くぅうん…」  
イケない苦しさか、あまりの快楽のためにか、ヴィルヘルミナの身体のあらゆる所から 珠のように汗が噴き出している。  
秘裂からは途切れることなく愛液が溢れ、全身はオイルを塗ったように汗にまみれ、光を反射していた。  
 
 
一時間後  
肉の内奥から溢れ出てくる、どうしようもない渇望。怒涛のごときその奔流に押し流され、  
囚われのフレイムヘイズは全身を痙攣させつつ、泣き呻いていたのだ。  
元々白雪を思い起こさせる肌は、のぼせているかのように真っ赤。  
乳果は蒸しパンみたいに膨れ上がり、乳芽も親指のようである。  
結果的には寸止めさせられているため鬱血している股間は、打撲痕のごとく熱を帯びており、  
そして、その発熱に浮かされているかのように、秘裂と菊門が開閉を繰り返している。  
「……ふぃ…ぃぃンふぃ、ひィ…ふ…ンふィ…ィィ……」  
「どうです?心から奴隷になりたくなりましたか?」  
 
「奴隷になるのであります。だから……ふぁぁあ」  
台詞の途中で肉芽を摘まれ止められる。  
「カルメルさんは今の自分の状態で、僕と取り引きできると思っているんですか?」  
にやにや笑いながら自分の竿でヴィルヘルミナの入り口を擦りながら言う。  
「奴隷にさせて下さい、だから、だからお願い、イカせて下さい……」  
「ミステスごときに屈服するなんて有り得ないとんじゃなかったですっけ?」  
「そ、その言葉は撤回するのであります。だからどうかイカせて下さい」  
フレイムヘイズとしての誇りも矜持もかなぐり捨て、ただひたすらに尻を振り懇願する。  
「それじゃあ誓約してください。ヴィルヘルミナ・カルメルは僕のペニスなしでは生きられない肉便器だって」  
「私こと、ヴィルヘルミナ・カルメルは坂井悠二のペニスがなければ生きられない肉便器であります。  
 だから早くイカせて下さい」  
恍惚と夢幻のなかで叫んでいるに過ぎないが、言霊と言って、自ら口に出させる事によって洗脳は進んでいく。  
「本当、変態ですね。カルメルさんは……。しょうがないですね入れてあげますよ」  
身体全体が性感帯と化したヴィルヘルミナの膣内に容赦なくペニスを突っ込む。  
愛液にとろける膣内は、さしたる抵抗もなく、奥の奥まで侵入を許してしまう。  
「ああぁぁあっぁん!」  
女の芯を貫かれ、中枢が一気に燃えた。熱さや充足感、そして濃密な甘さが、芯から細胞の隅々に向けて、じわじわと拡散していく。  
それだけで折れてしまうのでは、と心配になるくらいに、身体を反らしていた。  
悠二が腰を動かし始める。  
「……ひッ……うあ…あぐッ、あうッ、あああう」  
肉矛は女の柔肉を掻き混ぜ、粘膜の合わせ目を擦り、蕩けた淫穴を進退する。  
グニュ・ベチョ・ジュプ。  
股間から、淫靡なメロディが鳴り響いた。恥ずかしいくらい大量の愛液  
――彼女が悦びに溶かされていることは、もはや一目瞭然だった。  
瘧にかかったかのように全身を震わせていた。身体から骨という骨を抜き取られた気分。  
目の奥底にはピンクの閃光が瞬き、はっきりいって何も見えなかった。  
そして待ち望んでいたものの到来ついにはっきりと頂の頂点が見える。  
「……ふ、ふひぃ…」  
しかし、悠二は更に悪辣だった。  
腰の動きを微妙に調整する。  
一気に燃え上がらせるのではなく、かといって鎮めることもなく。  
そう存在の流れを感知して、自分が与える快楽と絶頂によって放出された分の快楽が等しくなるように責めたてて行く。  
(なっなに… ああああっ イッてるのが… とっ止まらないであります!)  
絶頂を迎えながらも収まることのない快感の渦が、ヴィルヘルミナの絶頂を引き伸ばす。  
それによって体はイキっぱなし。しかし精神はそれを感ずる事が出来ない。  
さっきまで以上の焦らし責めである。  
ヴィルヘルミナはこの先約30分の間イっているのにイケない状態をあじ合わされた。  
 
「どうでした?イケて嬉しかったですか?」  
のうのうとそんな事をのたまう悠二。  
「イカせて、ちゃんとイカせて下さいであります。これ以上焦らされるのダメであります  
 何でもするのであります。だから、だから……」  
声が湿っぽくなっている。あまりの股間の切なさに涙が零れて来ているのだ。  
「そうですね、これ以上すると壊れてしまいそうですし。玩具が壊れると役に立ちませんから。  
 そろそろ、昇天させてあげますよ」  
先ほどまでと違いただ挿入しての陵辱。  
しかし、そんな単純なモノでも苛烈な責めであった。  
ヴィルヘルミナの思惑を読んでいるかのように、全く予想だにしない抽送をする。  
「……あ…ぐ…あ…ひッ…あひッ…ひぐッ…ぐ…」    
スタッカートだらけの喘ぎ。呼吸することすら、今のヴィルヘルミナには苦しくなっていた。  
右にいったり(ジュプッ)、左にいったり(グチュッ)。手前にいったり(ズヌッ)、回転したり(ヌブッ)。  
思いもよろぬところを(ジュブッ)、思いもよらぬ強さで(グヂュッ)、擦られ(ズリッ)、突かれ(ズンッ)、エグられる(グリッ)。  
「…ンぁッ…こんなぁ……あぅ゛ッ……」  
ヴィルヘルミナの美体を揺すぶってくるものは、パルスや高波などという、そんなあまっちょろいものではなかった。  
原爆クラスに匹敵する、ピンクの淫爆だった。  
悠二はその反応を愉しみながら、ヴィルヘルミナを仰向けにする。、  
そして右足を肩に担ぎ、下になった左足に腰掛けるようなポーズをとり、太腿の内側に筋が浮き上がるほど拡げた。  
そしてその中央部のさらに奥深くへとペニスをつぷつぷと挿入する。  
「……ふぁッ!………ひぅッ!……」  
太腿と尻を挟まなくなった分、ペニスはさらに奥深くへと潜り込んだ。ペニスが巨大化したような錯覚に襲われ、膣圧がぐんッと高まる。  
腰の扇動に上半身をリンクさせる。  
深く、えぐるような突き上げに合わせて、ヴィルヘルミナの美巨乳がぷるんぷるんと揺れ、  
細く白い喉は淫楽からの解放を求めて激しく上下にわなないた。  
今まで体験したことのない凄まじいまでの快感がざわざわと押し寄せ、髪を激しく左右に振り乱す。  
あまりにも凄まじい喜悦。すぐに、喘ぐことすらできなくなった。  
理性どころか意識も消えうせ、ただ蕩けていく。ただただ、翻弄されていく。  
どんな女であれこの責めの前には屈服するしかないだろう。  
 
そしてようやくこのフレイムヘイズが待ち望んだものが到来した。  
空しく震えてばかりだった筋肉が、他律的な力で押し広げられる。  
内側の粘膜が押し広げられ、エグり潰され、征服されていった。蜜穴が拡張させられ、満たされる。  
自分の内側から圧服させられていくこと……その、残酷なまでに甘い被虐感。  
鈍痛にも似た、制御の効かない痺れ。胃の腑の裏まで、その振動と恥痺とが走り抜ける。  
「ふああああああ……」  
抑えられ、せき止められ、撓められていた奔流。不自然に押し戻されていた本能の溶岩流が、一気に流れ出した。  
女体だけが持っている穴から、ドロドロと煮えたぎった肉悦が溢れだす。  
ヴィルヘルミナは折れんばかりに背筋を反り返らせた。切れるのでは、と思えてくるほど眦を見開き、  
顎関節を心配したくなるほどに大口を開け、髪の毛の先まで硬直させて、全身で刺激を貪り食らったのである。  
「……あああああああッッッ!」  
長い長い絶叫。ヴィルヘルミナの女体が、ガクンガクンと蠕動する。  
続いて瞼が下がり、下顎が上がり、背筋が戻った。想像を絶するほどのエクスタシーを味わった、  
彼女の肉と心はゆっくりと、その緊張を解きほぐしていった。  
「見事なイキっぷりでしたね、カルメルさん」  
意地の悪そうなニタニタ笑いでそう言う悠二。そこでヴィルヘルミナの肉体に悠二が仕掛けた最後の罠が発動する。  
ゆっくりと、だが不可逆的に。過ぎ去ったハズの悦びが、なんと、またもや満ち始めたのだ。  
それも、抵抗を許さぬ圧倒的な力強さで、である。あの奔流、女芯を毀つあの淫撃が、再び溢れ出したのだ。  
「……ふああ…ふ、あ…ふあ、あ、あ、あッ…アッあッアッ」  
Uターン。極楽なのか地獄なのか良く分からないあの境地へ、強制的に、逆戻りさせられたのだ。  
放出量が足りなかった――それに尽きる。6時間を超える時間「焦らし責め」に落とされていたヴィルヘルミナ。  
その間彼女の肉体に溜まった淫欲の炎は一回のオルガズムでは消火し切れなかったのだ。  
エンドレスエクスタシー、絶頂のリピート、オルガズムのリバウンド  
「……ふはァ、ふはあぁ…ふはああ……あ、ひッ…い、いあッ…ま、また…あ、  
ひあッ、ひああッ…また、また…ひいッ…また、また、またああああァァッ」  
女殺しの乱反射。彼女は沈んでいるのか、浮いているのか分からない世界へと堕ちていってしまった。  
 
 
万条の仕手と呼ばれた稀代のフレイムヘイズ、ヴィルヘルミナ・カルメル  
彼女はこのとき自分の果てを知った。  
否、一人のミステスに教え込まれたのだ。  
 
 
結論から言えば、ヴィルヘルミナ・カルメルは坂井悠二の奴隷になった。  
シャナや他の存在がいるときは普段通りに振る舞うようにしているが、それも悠二の命令。  
今や希代の戦技無双、万条の仕手、夢幻の冠帯ティアマトーのフレイムヘイズは、  
ただ一個のミステスに服従している。  
「んぷっ、ちゅ、んんん〜…」  
そしてその状況を受け入れ、悦んでいる自分に、喜んでいる。  
「ふっ、ふぅ…はぷっ、る、ちゅるっ」  
今もなお、主人の男根をくわえるその表情は悦楽に満ちていた。  
「普段は無表情なのに、こんなに可愛い顔できるんだね、ヴィルヘルミナ」  
自らの股間に顔を埋めている奴隷の頭を撫でる悠二。  
メイド服をはだけて一心不乱に奉仕を続けていたヴィルヘルミナは、主人の言葉に頬を染める。  
「んぱっ…ごひゅじんひゃまの…ちゅるっ、おひゃげでありまひゅ…ちゅ」  
舐め、吸い、悠二の男の部分を丹念に刺激する。  
「はは、いい子だね。それじゃあ…ご褒美だ」  
ぐっ、とヴィルヘルミナの頭を掴み、口の中にペニスを突き入れた。  
「んぐっ!?ふ、むうぅぅっ!!」  
突然喉奥を突かれ、思わずえづくが、それでも吐き出そうとはしない。  
そう調教された体は、悠二の行為を全て受けいれていた。  
「っ!出すよヴィルヘルミナ!」  
「ふ、んぅぅぅ!!」  
口内で悠二のペニスが跳ねた。同時、熱い液体が口の中を満たす。  
青臭く粘つく精液が溜っていく。その味に、体の中のナニかに火が灯ったのを  
ヴィルヘルミナは感じた  
「口の中で味わってから飲むんだよ」  
言われずとも、と心中で呟く。  
 
舌を精液に絡ませるように動かす。  
毎日のように味わってきたその味に、更に体がうずき始めた。  
「ん…んんぅ…んく、く…飲んだであります、ご主人様…」  
体の中を通る主の精液に、ヴィルヘルミナのスイッチが完全に入った。  
それも悠二が教え込んだこと。全ての性感を開発され尽した彼女は、名実共に肉奴隷と言うにふさわしかった。  
「はぁっ…ご、ご主人様…我慢できないのであります…」  
「まったく、堪え性のない奴隷だね。まあ仕方ないか。じゃあ四つん這いになってお尻こっちにむけて」  
「は、はい…お情けをください…ご主人様…」  
堕ちたフレイムヘイズと堕としたミステス。  
二つの人在らざる者の競演は、飽きることなく続いた―――  
 
 
 
終っとく。  
 
 
 

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