――― 夢を見ていた
燃え上がる炎
褐色の大地で鳴り響く剣戟の歌
酷く殺伐とした光景
炎を体現した彼女は一人、永劫の時の中でその身を研磨していた
酷く空虚でそしてひどく透明な世界
「ああ・・・。ここは夢・・・。」
永遠と思われる空間での一言
景色が霞む。夜明けが近いようだ。
目蓋の裏に光を感じる
坂井悠二は現実へと覚醒していく。
一人の彼女の元へ
夏休み
雄と雌の香りで満たされた部屋の中でシャナと悠二は抱き合っていた
「この瞬間が永遠に続けばいいのに・・・」
気だるげな眼でシャナは誰に語るのでもなく呟いた
「そうだね・・・。でも僕たちはやらないといけないことがある。」
シャナは無言で悠二の次の言葉を促した
「・・・今日、登校日」
いままでの感傷が嘘のように消え去り慌しい一日が始まった。
「えーつきましては皆さんが健康に残りの夏休みを過ごせるよう、つきましては・・・」
お約束の校長の長話。それさえも愛しく感じれるほど悠二の心は安定していた。
愛する者と結ばれた幸福感、征服感それは悠二を満たしていた。
「おい・・・。坂井・・・。なにニヤニヤしてるんだよ・・・。」
怪訝そうに悠二のクラスメイトのMr.メガネマンこと池は親友の締りのない顔に話しかけた。
「え?いやっ!なにもないよ!」
これもお約束に悠二は言葉を詰まらせ、歯切れが悪く答えた。
「ったく、夏休みだからって気が緩んでるぞ!平井さんを見習え!」
悠二と池は平井ことシャナのほうを見た
しかし、そこにいたのは鉄面皮の完璧才女ではなく平和そうに居眠りをした女の子。
「・・・いや、なに・・・。完璧な人間なんていないさ・・・。」
池はさらっと流すと校長の話に意識を戻した。
(そりゃー・・・4回もイカせたら疲れて眠いだろうな・・・)と、学生あるまじきことを考えつつ
悠二は校長の話を終わるのを待った。
それから暫くし、校長の話が終わり学生がクラスに戻る人ごみの中
悠二のシャナへの無遠慮な一言で騒動が始まった・・・。
人ごみを潜り抜け悠二はシャナに歩み寄り、挨拶を交わす程度の気分で話しかけた
「シャナ、ごめんね。昨日、4回もイカせて・・・。帰ったらマッサージでもする?なーんちゃって・・・」
――― 刹那、学校を覆う封絶
「え?う、うわっ!敵っ!?」
悠二は今まで人ではない戦いに身を投じ、危険を察知する能力はまさしくフレイムヘイズなみ
しかし、今回は何か言いようのない恐怖を感じていた
「しゃ・・・しゃな・・・?」
まさしく、悠二の感じた敵とは目の前のシャナからだった。
「悠二!何も言うな!」
頬を羞恥で赤くさせながらシャナがすさまじい剣幕で悠二を見た
「悠二が無理やり何回もするから仕方ないじゃない!けだもの!!」
卑猥な単語の応酬が始まった
「な、なにいきなり怒るんだよぉ・・・。シャナだって気持ちよさそうにしてたじゃないか!」
「うるさいうるさいうるさい!悠二はせっくすのときは性格が変わる!!」
「だって、シャナが魅力的なんだもん!!」
「なっ・・・そんな優しい言葉言われても騙されないもん!」
そのとき悠二の心に住む悪魔がそっと悠二に囁いた
――― 犯してしまえ
――― 無駄口をたたく口にオマエの魔羅を
――― 強気な眼を虚ろな眼へ
――― 清楚な下着を破れ
「シャナ・・・」
悠二は有無をいわさず速さでシャナの唇を奪った
「んっ・・・・ゆ、・・ゆぅじ・・・だぁ・・・」
必死に抵抗しようとするシャナ。しかし、拡散する理性。押し寄せる快楽。
そこにはかつて最強と謳われたフレイムヘイズの姿などなくただ一人の雄のもたらす快楽に身をゆだねる雌であった。
悠二はまだ生えそろわないシャナの恥丘に指をはわせ・・・
「シャナ?やめる?僕はやめてもいいけど」
勝ちほこったように告げる
「くっ・・・あたりまえよっ!やめなさい!」
シャナは乱暴に足をばたつかせるが悠二の中指はシャナの肉壺の入り口をまさぐっている
「くっ・・・ぁ・・・っ・・・・んあっ・・・んっ!・・・・」
悠二は自分に与えられた新しいオモチャを試すようなシャナを弄り
「流石、最強のフレイムヘイズ。上の口はしっかりしてるけど・・・下の口は教育されてないようだね。僕が教育してあげるよ。」
そこには既に愛や癒しと言った感情はこめられていなかった。
「はっはっは。綺麗だよ!シャナ!こんな周りに人がいるのに・・・いけない子だな・・・。」
なじられる責められる罵声を飛ばされる・・・。
しかし、決して不快ではないむしろ、深い快感に繋がる・・・。消え行く理性の中必死に抵抗を試みる
「やだ!やん・・・やめてぇ・・・。んっ・・・!!!悠二!いつもの悠二に戻って!!んあっ・・・んっ・・・ひぎぃ!」
「いつもの僕?これもいつもの僕の一つだよシャナ・・・。抑圧されて押さえ込んでいた悠二。シャナなら受け入れてくれるよね?」
「オマエは悠二じゃない!」
シャナは流され行く理性を総動員して悠二を振り払い
「ちょっとオマエとは距離を置く・・・。」
乱れた服を押さえてシャナは姿を消した
そして数分後、封絶はその主を失い現世へと繋がっていく
「悠二?どしたんだ?そんな所で?」
「え?あ・・・すまん池。ちょっと体調悪い。保健室行くから先生によろしく」
「あ、おい・・・。なんだ・・・?にやにやしたり真っ青になったり・・・。夏だなぁ・・・。」
悠二は焦っていた。一時はお互いを愛し理解したとしても、なんで俺はこんな軽薄な奴なんだ・・・。
――― 駅前 いない
――― 川 いない
どこだどこだどこだ・・・。肺と心臓を酷使し、悠二は走った。
見つからない見つからない見つからない
夕日が沈む黄昏
昔の人はこの神秘的な光景に畏怖を覚え、この時間で妖と人間に世界は入れ替わると信じていた
しかし、今の悠二にはそんな感情はなく失った宝石を必死に探していた
「僕は・・・取り返しのつかないことを・・・してしまった・・・。」
焦りは苦しみ、苦しみは悲しみ。極度の自己嫌悪に陥った悠二は己の行動は始めて反省した。
地面に叩きつける己の拳
痛みなんてもうない。感覚が麻痺してる。もし、この手が駄目になってシャナが戻るなら僕を喜んで手を捨てる
そんなくだらないことを考える自分にまた自己嫌悪
日は沈み、家への道を歩いていると懐かしい声
「あらあら?悠ちゃん?どおしたのよ?その手?」
母の心配する声はとても優しかった。同時に質問への拒否権は無いと言わせんばかりに強さも兼ねていた
「・・・シャナちゃんは夕食になっても来ないし、悠ちゃんは帰ってこないし。悠ちゃん、家に帰りましょう?」
悠二は顔をあげることなく母より数歩遅れて家に帰った
千草に勧められるまま風呂に入り軽い食事をとった。
千草はとくに責めるわけでもなく息子が部屋に行くまで悠二を優しく見守っていた。
悠二は心中穏やではなく必死に母の質問に身構えていた
時計の短針と長針が12で重なったとき母はゆっくり告げた
「悠ちゃん」
「は、はい!?」
我ながら情けないと思いつつ動揺を隠せずにいた
「そんなに身構えないでちょうだいな。なにがあったかは無理に話せなんて言わないから今日は寝ましょう。」
千草は慈愛に満ちた笑みを浮かべ息子に話しかけた。
悠二はこの後、朝まで追及があるのかと思いそのことばかり考えていた自分で激しい怒りを覚えて涙を流した。
「母さん・・・。僕・・・。僕・・・。取り返しのつかないこと・・・。してしまった・・・!」
千草は何も言わず悠二の言葉に耳を傾けていた。
悠二は己の失態と軽薄な発言を隠すことなく千草に話した。
いったいどれぐらい話してるんだろう・・・。
自分が話してる言葉はきっととても汚くて最低の言葉。
母から罵声や軽蔑の言葉があったほうがまだ楽だ・・・。
――― 時計が何度鳴っただろう・・・。
うっすらと空が青みがかかっている。
もう話すことは尽きた。でもこの場を離れることができない。
唐突にこの静寂は母の言葉で切れた
「悠ちゃん」
「・・・・・」
「悠ちゃんは男の子だから自分に歯止めが効かなかったのよ。でもね、それは許されない行為なのよ?」
「・・・・・」
「悠ちゃん?聞いてる?」
「う、うん・・・。」
「無理やりされる女の子の気持ちはきっと男の子じゃできない。そしてシャナちゃんが戻ってきて誤っても修復
できない傷が残ると思うわ」
悠二は分かってて理解しようとしなかった結果に地面に叩きつけられるような衝撃をうけた
「だからね悠ちゃんにもシャナちゃんと同じ気持ちになってもらうのが一番だと思うの」
悠二は一瞬、千草の言っている意味がわからなくなり反射的に顔を上げた
目の前には千草の顔
抵抗する前にふさがれる悠二の唇
「んっ!?・・・ちょ、ちょっとまって!!!母さん!!!や、やばいよ?いくらなんでも・・・」
「悠ちゃん、シャナちゃんに本当に悪いと思ってるなら抵抗したら駄目よ?」
その言葉に悠二は釘で撃たれたように抵抗をやめ千草の行為に身を任せた
千草は馴れた手つきで悠二のズボンを脱がせてそそり立つ男根をしごく
「あらぁ、あらあら〜?悠ちゃん、包茎さん?」
千草は艶美な笑みを浮かべながら悠二の男根をリズミカルに上下に動かす
ふつうのマスターベーションをはるかに超える快感と近親相姦という背徳的な状況に
悠二の男根は本人の意思とはまったく反対にさらに快感を得ようと膨らませる
「んっ・・・ひぐぅ・・・」
「このおちんちんがシャナちゃんを泣かせた悪いおちんちんですか?徹底的に躾けてあげるわ」
しごかれて数十秒・・・。悠二の男根は情けなく汚濁を吐きながら倒れた
「あらあら・・・。包茎に早漏・・・。これじゃ、シャナちゃんも可愛そうね・・・。くすくす」
射精後の敏感な男根に下をはわせてカリの部分を下の先っぽで刺激し、尿道の入り口に舐めまわす
「う、うわぁ!!いたっ・・・んっ・・・はぁはぁ・・・んぬぅ・・・ひゃん!」
「悠ちゃん、女の子みたい・・・可愛いわよ・・・。」
激しく男根へのフェラをしながら千草は悠二の乳首をつまみあげる
「はぁはぁ・・・んぐっ・・・ん・・・ふぁ・・・ひぐっ・・・。んっ!!!!や、やめてぇ・・・。」
悠二には既に抵抗する気力はなく千草の熟練した性技の前で打ち止めされていた。
「で、でるぅ!!!!」
ドッピュドッピュ・・・。
「んっ!ん・・・とっても濃い・・・。でも、まだできるわよね?悠ちゃん?お母さんの中で逝っている?ウフフ」
すぐに復活した男根を自分の肉壺の中に導き腰をスライドさせゆっくり快感の波を送る
無数の肉襞がざわめきうねって絡みつき悠二は意思とは関係なく腰を振る
「んっ・・・あはっ・・・んふふ・・・うまいわ・・・悠ちゃん・・・。」
「くっ!うああああ!!!!」
悠二の中にあった最後の理性が切れて悠二は必死に腰を動かし始めた
すでに二回果てているおかげでずいぶん中でも持つようだ・・・。
しかし、無数の生き物によって責められた男根はすでに限界まで達していた
「ゆ、ゆうひゃん・・・な、なかにだして、い、いわああよぉ・・・・」
「はあはあ・・・ぬん・・・・んっ!!!!」
こみ上げる快感やがて我慢が限界に訪れた。
慌てて千草から男根を引き抜く。先端が秘部からでた瞬間、悠二は辛抱できず射精してしまった。
勢いのよい迸りが千草の年不相応な胸に飛び散る。
「ふふふ・・・。お疲れ様・・・。シャナちゃんのこと忘れてゆっくりお休み・・・。」
悠二は深いまどろみに落ちていった。
――― 夢を見た
燃え上がった炎があった空間
昔聞こえた剣戟の歌は聞こえず聞こえるのは小鳥の囀り
世界は変わった。
変わったのは世界じゃない。
僕たちだ。
――― 色がなかった世界に色を
――― 一人の少女と一人の少年
――― ずっと手をとりあって生きていく
――― たとえ行き着くさきが果てない明日だとしても
意識が覚醒していく。
自分の腕を枕に穏やかな寝顔を浮かべている少女
「おはようシャナ。」