家にはもう戻れない。最近母さんが偉く迫ってくるからだ。
学校にも戻れない。シャナと吉田さんが同じ様に迫ってくる。襲うと例えた方が正しいのかもしれない。
外に長くいると、存在自体が危うい。カルメルさんが未だに特訓という名のリンチをしてくるからだ。
だから、この場所にはもういられない。
最後の決断を自分で下すために、携帯電話を取り出すと、ある人へと掛けた。
「あ、もしもし、父さん?今ヤバイ事になってるんだけど、どうしたらいいと思う?」
「うん、何だね。言ってみなさい」
今の状況を全て話した。
「・・・という訳なんだけど・・・・・・」
「そうか。男になったな悠二」
「は?」
「で、誰が本命なんだ?」
ツー、ツー、ツー、
もう逃げる場所がない。どうすればいいんだ。
途端、封絶が掛かる。