硬く冷たい土の感触を肌に感じ彼女は目覚めた。
ここはどこだろう。あたりは薄暗く周りは岩だらけだ。どこかの洞窟だろうか。
視線を上に向けると双頭の鴉が風音を見つめている。
「そ、宗主様、」あわてて立ち上がろうとするが、足元がふらつき膝をつく。
「また晴明を殺しそこねたか、風音よ。」
「そ、それは…」
「この愚か者めが!」激と共に通力が飛ばされ、風音は後ろの水溜りまで吹き飛ばされた。
「ごほっ、ごほっ、も、申し訳ありません、宗主様。」
「任務に失敗した罰だ、私が戻ってくるまでこの洞窟からでるな。いいな。」
そう言い残して鴉は飛び去っていった。
暗い洞窟に残された風音は絶望感に陥っていた。
どうしよう、一度ならず二度までも晴明の殺害に失敗するなんて。
宗主様は私に失望されただろうか。
もし…もし用無しと判断されて捨てられたら私は…!!
暗く寂しい場所のせいもあり、悲観的な考えばかりが頭に浮かんでしまう。
4時間ほどたっただろうか、宗主が戻ってくる気配はない。洞窟内は無風だが、
吐く息は白く服もぐっしょりと濡れているため、確実に風音の体温は奪われていく。
外へ出ようと思ったが、宗主様はここに居ろと言われた。
主人の命令には逆らえない。
「宗主様…宗主様、早く…来てください…」
もうろうとする意識の中で風音が祈っていると、洞窟内から人の足音が聞こえてきた。
…誰?
現れたのは長身の若者だった。彼は風音を見下ろすと、低い声で語りかけた。
「どうだ風音、丁度新しい身体が手に入ったのだ。中々の物だろう。」
「そ、宗主様なのですか? きゃっ!」
若者は風音の背中に腕を回し、抱きしめた。
「命令を守ってずっとここで凍えていたのか、寒かっただろう。」
「い、いえそんな……あ……宗主様の身体、あたたかいです。」
「そうか…時に風音よ、この身体はまだ私に馴染まぬのだ。少し協力してくれぬか。」
「は、はい。宗主様。」
風音が応えると、宗主は衣を脱ぎ捨て裸になった。その身体の中心の下には、
赤く隆起した陰茎がそそり立っている。
「舐めろ」
「え?」
風音は訳が分からないという顔で宗主の顔を見る。
「これをなめろと言っているのだ。」
「で、ですがなめろと言われても、どのようにすれば…」
「風音よ、飼い犬は主人に懐くとき、飼い主の手を舐めるだろう。お前もそのようにしろ。」
「し、しかし…」
「できぬのか。ではお前は犬以下だ。この役立たずめが。」
宗主は侮蔑の言葉を浴びせると、着替えようとして衣に手をかけた。
「ま、待ってください、宗主様! 私にさせて下さい。お願いします。」
宗主の脚にしがみつき、泣きそうな顔で風音が嘆願する。
宗主は薄く笑みを浮かべると、陰茎を風音の顔に向けた。
風音は手を伸ばし、陰茎にそっと手を添える。手の中に柔らかく熱い感触が伝わる。
(熱い…)
舌を出し、亀頭をなめる。性知識に乏しい風音は、犬が水を飲む様子を思い出し、ぺちゃぺちゃと
音をたてながら小刻みに陰茎を舐め上げる。
「どうですか、宗主様…」
「まあまあだな、そのまま舌をやすめるな。」
宗主は視線を落とし風音の顔を凝視する。その顔は羞恥心で紅色に染まり、その瞳はまるで捨てられた
子犬のように潤んでいた。
そんな風音の様子に宗主は興奮し、風音の頭を押さえ込み、さらに自分自身に近づける。
「んんっ、んんっ!!」
「歯を立てるなよ、そのまま全体をしゃぶるんだ。」
宗主は腰を動かし、風音の喉の奥に陰茎を打ち付ける。
風音は息苦しさを感じつつも、宗主の命令に応えようと必死に宗主のモノをくわえ続けた。
「風音、出すぞ…!」
宗主の言葉と同時に陰茎の先から熱い液体が飛び出す。
「んっ…んっ……」
「吐くなよ、全部飲め。」
風音は言われるまま、ごくりと液体を飲み干す。喉の奥に苦くて不快な後味が残る。
苦悶の表情を浮かべる風音を見て、宗主は冷笑を浮かべた。
「どうした、風音、私の出したモノを飲むのがそんなに嫌だったか?」
「い、いえ、そんなことはありません。」
「ではなぜそんな不味い物を飲んだような顔をする。」
「そんな、不味いだなんて。宗主様の、とても美味しいです。」
「本当か?」
「本当です、宗主様。」
「ではもう一度飲めるか?」
「はい、宗主様、私にもっと宗主様のを下さい。」
「ふっ、そう急かすな。これはそう都合よく出る物ではない。それに…」
宗主は風音の胸元に視線をやる。
「脱げ、風音」
「…えっ?」
「脱げ風音、そんなびしょ濡れの格好では風邪を引くだろう。暖めてやる。」
「は、はい、宗主様。お心づかいありがとうございます。」
彼は風音を濡らした張本人なのだが、気が動転している風音は素直に宗主に感謝する。
風音は帯をほどき、自分の服を脱ぎ捨て全裸になった。だが恥ずかしいのだろうか、
腕で胸元を隠そうとする。細身の身体に不釣合いなほど大きな風音の胸は、宗主に
新たな興奮をもたらした。
宗主は手を伸ばすと、風音の腕を押しのけ胸をわしづかみにした。
「あっ…宗主様っ…」
「※※※※※※※…」宗主はなにやら怪しげな術を風音の耳元でささやいた。
「宗主様、何を…?」
「言ったであろう、暖めてやると。」
風音は身体の中心の下から、熱く込み上げてくるものを感じた。
「あっ、あっあっ、あああっ!?」
凄まじい快感が風音の全身を駆け巡る。たまらず風音はうずくまり、その熱くたぎる
衝動を昇華させようと、無意識に自分の秘部に指を伸ばす。
「はあっ、はあっ、ああ…ダメ…宗主様…見ないで…見ないで下さい…」
風音の秘部は愛液であふれ、留まることを知らず内股を伝わり、滴り落ちてゆく。
「どうした、風音よ。主人の前で漏らすとは、はしたない女だ。」
「ち、ちがいます、これは、っあああああ!!」
羞恥心は快感を増幅させ、大きなうねりとなり風音に襲い掛かる。
もはや、風音にはまともな思考能力が失われていた。
「お願いします、宗主様、私にお慈悲を、お慈悲を下さい。」
「これが欲しいのか、風音よ。」
「はい、宗主様のそれが欲しいです。」
宗主は風音の腿に腕を回し風音の身体を抱え上げる。
そして、熱く膨張した陰茎を、ぐっしょりと濡れた風音の秘部にあてがう。
「入れるぞ、風音。」
「はい、宗主様、入れてください。」
「入れるぞ風音、本当にいいのか。」宗主が風音に確認する。
「はい、宗主様、お願いします。私に宗主様のモノを入れて下さい。」
「本当に入れていいんだな、風音よ。」三度宗主が尋ねると風音は涙を流し、
嗚咽しながら応えた。
「お願いします。私の中に宗主様のモノを入れてください。じゃないと私、
死んでしまいます。助けてください、たすけてください。宗主様…!」
「よく言った、風音。お前の望み通り入れてやろう。」
宗主はそう言うと風音の秘部を破らんと力を込める。
だがその刹那、鈍い音がしたかと思うと、宗主の右肩が破れ、もげ落ちた。
片腕で風音は支えきれず、彼女は土の上に尻餅をつく。
「くっ…この身体ではこれが限界か…まったく、人間の身体は脆弱すぎて
使い物にならぬわ。」
宗主の魂が男から離れ、男の体は枯れ枝の様にぼろぼろになり、崩れ落ちる。
「はあっ、はあっ…、宗主様…、どこですか…お願いです…私を一人に…
一人にしないで…」
ひとり取り残された風音は、高ぶった劣情をおさめることも出来ず、
快感を超えた刺激は脳を侵し、それに耐えられず彼女は意識を失った。
―つづく―