深夜の安倍邸の一角にある部屋。  
 部屋の室内では部屋の主である安倍晴明の孫、昌浩が寝息を立てていた。  
「まご……いうなぁ……」  
 どうやら夢を見ているようで、どんな内容かは知らないがとりあえず晴明の孫と言われているようだ。いつものツッコミを寝言で言っていた。  
「……ぅ……ん?」  
 しかし何かに気づき、ゆっくりと瞳を開ける。まだ日も昇っておらず、寝ぼけ眼ながらどうしてこんな時間に起きてしまったのかと考える。  
 しかもやけに体が熱く息苦しい。連日の物の怪胎児で体調でも崩したのかと上体を起こしながら思った矢先、ある異変に気づいた。  
「………」  
 昌浩は少し考える。自分の布団の中が膨らんでいるのだ。  
 一瞬もっくんだと思ったのだが、大きさ的には子供一人分くらい。  
 よくわからない状況に考えても無駄だと判断した昌浩は、一気に捲って見た。  
「む……?」  
「た……っ!!」  
 昌浩の意識は一気に目覚める。自分の目の前にはもっくんと同じ十二神将の太陰。  
 それも、昌浩の肉棒を小さな口で咥えており、昌浩に気づかれ一瞬見つめあうが、太陰は気にする事なく頭を上下に動かした。  
「んッ……ちゅッ……ジュルルッ」  
「ちょ……た、たいい……ま、待……ッ!」  
 目が覚めたことで伝わる感覚もはっきりとし、押し寄せる快感の波に昌浩は体をブルッと震わせた。  
 太陰を止めようとするも力が抜けていき、経験のない昌浩はあっという間に太陰の口内に精を放出させた。  
「んんんッ!」  
 口内に流れる精子に一瞬眉を顰める太陰は肉棒から口を離す。  
 それでも射精は続き、太陰の顔を精子が汚していく。  
 やがて射精が終わると、肉棒に付着している精子を太陰は音を立てながら舐め取り、その舌の感覚に再び昌浩は体を震わした。  
「ちゅッ……んッ、昌浩早い」  
「た、太陰!? な、な、何やって」  
 しばらく呆然としていた昌浩だったが、ハッと我に返ると布団を退かし太陰から少し離れて大声を上げる。太陰の顔には自分が出した液が付着して、よく分からないが恥ずかしく感じて直視はできないが。  
「何って……まぁ、なんとなく」  
「な、なんとなくぅ!?」  
 本当はこの手の事に関しても晴明の後継に相応しいか確かめる為だが、何となく太陰は言わなかった。  
 その適当な答えに驚く昌浩は、いつも自分の腹に寝ているやつがいない事に気づくと太陰に尋ねた。そう、もっくんがいないのである。  
「ねぇ、もっくんは?」  
「騰蛇? 騰蛇なら勾陳が……」  
「こ、勾陳?」  
 太陰から出た名前は、太陰や騰蛇と同じ十二神将である勾陳。何故かもっくんが勾と呼んでいる女性。  
 意外な名前に、脳をフル稼働させて考える昌浩はあることを思い出した。そういえば寝ている時に勾陳が来たような。  
 
『昌浩、昌浩』  
『ん……こうちん……?』  
『昌浩。少し騰蛇を借りていくぞ?』  
『もっくん? うん……わか……』  
 
「ぁ………」  
 思い出した。確かに勾陳にもっくんを貸した、その後また眠りの世界に入ってしまったが。  
 勾陳はもっくんをどうするんだろうと思いつつ、ふと何かの感覚に下を向く昌浩は、再び驚いた。  
 離れていた筈の太陰のとの距離が縮まり、また肉棒を咥えられている。前かがみの姿勢で時折上目遣いで自分を見てくる太陰は、昌浩より幼い容姿だが女という意識を昌浩の脳裏に植えつける。  
 既に硬くなった肉棒を瞳に涙を浮かべつつ、小さな口いっぱいに咥えて口でしごく太陰の姿に、昌浩の興奮は高まっていった。  
「だ、だめだって……そんな、また……」  
「んぶッ……チュルルッ、ハァ……んんッ……んじゅッ、ぢゅぷッ!」  
 太陰の顔が動くたびに昌浩は体を跳ね押し寄せる射精感を、唇を軽く噛みながら耐えている。  
 だが、やっぱり経験が無いのが災いし昌浩の我慢は、太陰が口内に唾液を溜めて一気に吸った刺激で切れた。  
 何分と経たずに再び射精する。再び口内で受け止める太陰は一度目のように口を離さず、そのまま喉に絡みつく液を何とか飲んでいく。  
 しかし放出された精子は小さな口内には収まりきれず、ダラダラと太陰の口の端から垂れ落ちていった。  
「んくッ……ふぅ、昌浩早いって」  
「そそ、そんな事言ったっ……むぐッ!」  
 太陰の言葉が何となく心にグサッと突き刺さって反論しようとした昌浩。しかし不意に太陰が唇を重ねてきて目を見開き驚く。  
 そしてそのまま流れるように押し倒され、口内には太陰の小さな舌が侵入し昌浩の口内を嘗め回す。  
 口内からくる舌の感触と、精液の苦い味に昌浩の瞳から涙が浮かび眉を顰めた。  
「んッ……んはぁッ……もう硬くなってる、さすがに入りそうにないけど……」  
 一旦口を離し再び昌浩の口に押し当てる太陰。  
 太陰の言うとおり、昌浩の肉棒は射精した直後にもかかわらず硬くなっていた。その事に頬を赤らめる昌浩は恥ずかしそう。  
 そしてこの瞬間、昌浩に変化が訪れ、太陰の肩を掴み逆に押し倒した。  
 急に押し倒され太陰は驚きつつ自分に覆いかぶさっている昌浩を見て、更に驚きの表情を浮かべた。  
 
『ほぅ、来てみれば面白いことをされているじゃないか』  
「あ、あなたはっ……タカオカミノカミ!」  
 昌浩の長い黒髪は白銀へと変わり、声も女のようになっている。  
 そう、昌浩の中に高淤が憑依しているのだ。ちなみにこの時点で昌浩自身の意識はなくなっている。  
 神気を出しながら、高淤昌浩は神の力を使い太陰の服を脱がしていき、神将である太陰も成す術がなく裸にされてしまう。  
 高淤昌浩の手が太陰の幼い秘部へと伸びると、高淤昌浩は妖しく微笑み太陰は体を少し跳ね上げる。  
 太陰の秘部は既にぐっしょりと言ってもいいほど濡れていたのだ。  
『ふぅん……もうびしょびしょだなぁ? コレの精で興奮してしまったか?』  
「……」  
 図星だ。高淤昌浩もそれを感じ取り、面白そうに笑いながら指を軽く入れて出し入れする。  
 その刹那、指はぐっしょりと愛液で満たされ太陰は幼い声で喘ぐ。  
 数往復で太陰の秘部はぐっしょりと濡れ、指を濡らす愛液を舐めながら高淤昌浩は笑みを浮かべながら硬くなっている肉棒を秘部にあてがう。  
 その行動に気づく太陰は止めようとした、入らないとさっき自分で言ったから。  
 しかし時既に遅し。肉棒は愛液の滑りもありゆっくりと確実に太陰の膣内に入っていた。  
「ひッあぁぁッ……痛ッ……だっめぇ……おおきい……ッ!」  
『ぅッ……さすがにッ、最後までは入らないか。フフフ……しかし、入らないと言っていたが、しっかりと入ったじゃないか』  
 さすがにすべては入らず、肉棒の半分程度で膣内の最奥へと達した。  
 太陰は唾液を一筋垂らしながら身を震わせ、高淤昌浩は容赦なく締め付ける膣の快感に耐えながら腰を動かす。  
 結合部からは水っぽく卑猥な音が流れ、肉棒を出し入れしているというよりも太陰の体全体を動かしているのに近いものがあった。  
『んッ……神将の膣というのもイイものだな……ッ!』  
「ひぅんッ……熱ッ……あぁッ……」  
 膣内の締め付けに耐えられなくなり高淤昌浩は精液を膣内に放出する。昌浩にとっては三度目の射精だ。  
 しかし、神のお力か昌浩自身が絶倫なのか、射精後すぐに硬くなり高淤昌浩の腰は止まることがない。  
 そう、この繰り返しが夜明け前まで永遠に繰り返され、その度に太陰は快感を全身で感じていた。  
 
 
 翌朝。旦那を起こすため若奥様彰子が昌浩起こしに来た。  
「昌浩、昌浩。起きて、朝よ?」  
「ぅ……う、ん……あきこ……」  
「おはよう昌浩。今日もとてもいい天気……あら?」  
 体を優しく揺すられ昌浩は目を覚ます。いつもどおり笑顔の彰子の表情が変わった。  
 その変化に、昌浩も困惑して首をかしげた。  
「彰子、どうした?」  
「昌浩、昨夜は太陰と寝ていたの?」  
「…………………え?」  
 太陰という名前に、昨晩の出来事が一気に頭によぎった昌浩。  
 それに加え、自分の隣には何故か裸で寝ている太陰。朝の風に当たったのかブルッと体が震えた。  
 昌浩から嫌な汗が流れ出る。どちらかと言えば襲われたに近いが、太陰とあんな事を……。  
 昌浩の脳裏には様々多種多様な言い訳が駆け巡る。そして変な昌浩に彰子は困惑の表情を浮かべていた。  
「昌浩どうしたの?」  
「あ、いや、その……」  
「変な汗が出てるわよ? 体調良くない?」  
「ぜ、ぜぜ、全然元気だようん!」  
「???」  
 首を傾げる彰子に、ガバッと起き上がりその場で謎の体操をする昌浩。  
 そんな二人に近づく十二神将の六合と、六合の肩に乗っているもっくんが近づいてきた。  
「あら、もっくん、六合、おはよう」  
「あぁ。ところで………何をやっている?」  
 静かな声で謎の体操を行っている昌浩に問う六合に、当の本人は苦笑い。  
 そして昌浩はもっくんの変化に気づいた。  
「もっくん? どうしたの、なんかやつれてるよ?」  
「な、何でもない」  
 どう見ても昨晩よりやつれているもっくんは、不機嫌そうに六合の肩から昌浩の肩に飛び乗った。  
 六合に聞いても、分からないと返され昌浩と彰子はお互い首をかしげてはてな顔。  
 そしてもっくんが何故か怒鳴り、昌浩ともっくんの小喧嘩が始まると彰子は笑って、六合は何のリアクションもなく見ていた。  
 そんな少し騒がしい朝にもかかわらず、昌浩の布団では太陰が気持ちよさそうに寝息を立てていたそうな……。  
 

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