十二神将だって兄弟というものに憧れてもいいと思うの。
昌浩が羨ましい・・・。
最近は都も安定していて、清明からお許しの出た私達は二人で山へ遊びに来ていた。
玄武と二人きり。
こんな時間は久しぶりだわ。
いろいろと話したいこともあるけど、今日はこの質問を投げかけてみることに。
「ねーぇ、玄武?私達って一緒に歩いていたら兄妹に見えるわよね?」
「・・・まぁ、他人から・・・というか、見える人から見ればそう見えなくもないだろうが・・・いきなりどうしたのだ?」
「うん・・・あのね、兄がいたらやっぱりこんな感じかな?って思って。」
「太陰、兄弟が欲しいのか?」
半ば呆れたように聞き返してくる。
「我らは恋仲だろう?なぜ今更そのようなことを・・・」
「だってぇー・・・昌浩たちが羨ましいんだもの。」
そう言って頬を膨らませて拗ねてみせる。
すると私の左に腰を下ろしていた玄武が、私の前髪を上げて額に口付けてきた。
「まったく、太陰は子供だな。」
「っ・・・な、何よ!あんただってたいして変わらないじゃない!!大体違うのは見た目だけでしょ!?」
「はいはい、そうだったな。」
「ちょっと、玄武!まじめに人の話を聞きなさいよー!!」
玄武は見た目に伴わないしゃべり方をするから、たまに頭にくることもある。
だけど・・・
「そうだな、妹がいたらこんな感じやもしれんな。」
ちゃんと私の話には耳を傾けてくれている・・・
そう思うだけで何となくうれしくなる。
「そんなに兄弟が欲しいのか?」
「うん、無理なのはわかってるんだけど、昌浩たちを見てると楽しそう。」
すると玄武はしばらく何かを考えているように遠くを見つめていた。
「ならば・・・今日一日我のことを兄だと思っていいぞ?」
やっと口を開いたかと思うと、玄武はそう言って私の頭を軽く優しく叩く。
「ほぇ・・・?」
いきなりの提案に思わず素っ頓狂な声を出してしまう。
「ほら、兄と呼んでみろ。」
珍しいことに、すでに調子に乗っている玄武。
いざ、そう言われると中々言いづらい。
「ほら・・・太陰・・・」
さらに催促するような眼差しを向けるので、観念して呼んでみることにした。
「げ・・・玄武兄様・・・」
慣れないことなので、何か・・・すごく照れくさい。
「太陰!」
「きゃっ!?」
一人で照れていると、玄武は私を胸に抱きこんだ。
「よし、今日は天気も良くて気持ちがいい。我と一緒に昼寝をしよう。」
「ぇ・・・え・・・?」
なぜ玄武のことを兄と呼んだだけでこういう運びになるのか?
混乱している私をよそに、玄武は私を押し倒していた。
「ちょっと!玄武!!兄妹はこんなことしないでし・・・んむっ・・・」
普通に沸き起こるであろう疑問を投げかけるが、口付けにより唇を塞がれ、舌が入ってきた。
「っ・・・ふぅっ・・・玄武・・・んッ・・・」
しばらく口付けていたと思うと、今度は耳元で囁きかけてきた。
「太陰・・・もう一度・・・我を兄と呼んでくれないか・・・?」
「ぇ・・・玄武・・・兄様・・・?」
何だかよくわからないけど、とりあえず要望どおりに呼んでみる。
「太陰に兄上と呼ばれると・・・何とも言えない感覚になるな。」
「ばっ、馬鹿ね!何を言っている・・・んんっ・・・」
そしてまた唇を塞がれる。
確かに・・・こういうのも悪くない気がするわ。
「ん・・・んぅ・・・」
玄武の首に手を回し、私も舌を絡めとる。
「何だろうな・・・良くないことをしているのだろうが、変な気分になるな。」
「ふぁ・・・唇つけたまま・・・しゃべらないでぇ・・・」
玄武は大人びた優しい瞳で私を見下ろしていた。
そんな玄武の目を見ていると、本当に自分が小さな妹なったような錯覚に陥る。
「兄様ぁ・・・」
甘えた眼差しを玄武に向ける。
「太陰・・・太陰・・・可愛い・・・」
玄武はそういいながら私の衣を脱がせていった。
「もう、起っているぞ・・・?」
先ほどまでの口付けにより、すでに体は興奮し始めていた。
玄武は私の胸の突起を摘んだり舐めたりと刺激を与える。
紅い華が私の身体に咲いていく・・・
「ゃ・・・ん・・・はぁ・・・に、兄・・・様っ・・・」
「太陰、もう感じているのか・・・?」
更に下へも手を伸ばし、潤い始めたそこを焦らすように指でなぞっていく。
・・・おかしくなりそう・・・
「や・・・に、兄様・・・焦らさないで・・・?」
「では・・・どうして欲しいか言ってみろ。」
「っ・・・?」
一瞬躊躇した・・・
いつもならこんなこと言わないし、言わされたりしない・・・
でも、今日は何だか口にしてしまいたい・・・
「・・・触って・・・兄様に・・・触って欲しいの・・・!」
途端に膣内へと指を差込み、激しく中を掻き回す。
ぐちゅ・・・ぐちゅぐちゅん・・・
「はぁん・・・ァ・・・ふぁあん・・・」
「気持ちいいのか?」
こくこくと頭を振る。
玄武の指は私の感じるところを的確に突き、絶頂へと誘う。
「ぁぁあっ・・・も、もう・・・」
「もうイクのか?」
そういうと玄武は指を抜いてしまう。
「ぇ・・・?」
私はすでに熱を持ってしまった身体をどうすることもできずに玄武を見上げた。
「まだまだ・・・付き合ってもらうぞ・・・?」
そう言うと今度は指の変わりに生暖かい感触が・・・
ピチャ・・・くちゅ・・・
「ひゃぁあん・・・!」
玄武の舌の動きに集中し、快感だけを求める。
いやらしい声と愛液が溢れる。
「に・・・兄様・・・もう・・・兄様が欲しいのっ・・・!」
もっと・・・もっと玄武を感じさせて。
「・・・そうだな。今日は太陰、自分で射れるんだ。」
私にはとうに理性などない。
残っているのは快楽を求める本能だけ・・・
私は反り勃つ玄武の欲望をあてがい、身体を沈めていく。
「ひっ・・・はぁん・・・ゃ・・・」
「全部・・・入ったな。」
私は玄武に馬乗りの状態で向き合った。
「気持ちよくなりたいのだろう・・・?腰を振るんだ。」
ぐちゅ・・・ぐちゅん・・・
玄武に促されるままに腰を振る。
「はぁん・・・あぁん・・・」
再度絶頂へと上りつめるにつれ、私の動きは速さを増していく。
玄武も私の動きに合わて突き上げる。
「兄様・・・兄様ぁッ・・・」
「く・・・太陰・・・」
「んぅ・・・んッ・・・もち・・・いぃ・・・」
グチュグチュ・・・グプ
お互いを貪り合う・・・
卑猥な水音と喘ぐ声が二人を追いあげる。
「ぅ・・・ぁ、ぁ・・・ぁ・・・」
「太陰・・・出すぞ・・・太陰の中に・・・ッ」
「んっ、玄武・・・兄様の・・・ちょう・・・だい・・・」
「・・・ッ・・・出る・・・っ・・・!」
ドピュッ・・・
「ぁっあ、兄様っ・・・あぁああっ!」
「はぁっ・・・くっ・・・!」
私は背中を反らして絶頂を向かえ、その締め付けにより達した玄武も精液を胎内に流し込んだ。
眼をかたく閉じてそれを受け止める。
まだ煩い鼓動を感じながら玄武と抱き合う。
「太陰・・・いつもより良かったか?」
「う・・・うん」
「我もだ・・・」
「玄武・・・」
欲求の波が過ぎ去り正気に戻ると、とても恥ずかしい。
結局「兄様」を連呼していた・・・
「太陰・・・」
「なぁに?」
玄武は微笑み、頬に口づけをしてこう言った。
「またいつでも兄になってやるぞ?」
「え・・・あの・・・」
意味を履き違ってない・・・?
「も・・・もう次からは普通にして・・・」
半分自分に言い聞かせるように言った。
だって・・・本当はこういうのも悪くないと思っている自分がいることに気づいてしまったんだもの。
でも、そんなこと・・・ぜーったいに玄武なんかに教えてやんないんだから!
−Fin.−