死にかけの六合を抱きかかえる風音  
六合「……なあ風音よ……お前には教えられたよ。 神もまた意思ある生き物の一人。それを抹殺するなど心を破壊するも同じ  
   ……俺もまた、同じ過ちを繰り返すところだった・・・・・・」  
風音「彩W・・・・・!!」  
六合「……俺をまた、彩Wと呼んでくれるのか……」  
風音「私は今の今になって、初めて神将の悲しみを知った!  
   なのに私は、晴明を殺すことだけを考えていた、話を聞こうともしなかった!!!  
   ……なのにアンタは最後まで……私の事を……!」  
六合「何を言う……所詮俺は大罪人だ……だがな……見てくれ……俺の身体は一片たりとも、女性の肉体には犯されてはいない」  
   逸物を取り出し、涙ながらに純血を訴える六合  
風音「分かっていた……分かっていたのに!!」  
六合「ああ……風音……お前と都外れで出会わなければ……お前が智鋪の宮司になどに育てられなければ……  
   こんな……こんな事にはならなんだのに……!!!」  
   六合、涙に濡れた目で夕日を見る  
六合「………美しいな……」  
風音「……はい!!とても美しゅうございます!!」  
六合「ならば・・・…」  
二人「流派!!東方不敗は!!!」  
風音「王者の風よ!!!」  
六合「全新!!!」  
風音「系裂!!!」  
二人「天破侠乱!!!」  
風音「見よ!!東方は、赤く燃えているぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!」  
   風音の声だけが出雲の丘に響く  
風音「………!!  
    ……六合……?六合・・・・・・六合・・・・・・・・彩ィィWィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!」  
 
<少年陰陽師 完 >  
 
 
 
………ダメだな、この展開だと風音は俺のコトは一生忘れないが、俺が死んでしまってる  
熱い展開ではあるのだが……  
決戦を控えた俺は、風音を如何に劇的に助けるかを考えていた  
こう、二人が祝言を上げた日に毎年思い出すような、素晴らしい演出を考えていたのだ  
やはりアレだな。多少は地味でも二人が幸せになる演出の方がいいよな  
 
 
・案2 道返の巫女の呪縛から放たれた風音と俺は二人で旅をする。月はいつもそこにある  
・案3 結局分かり合えない俺と風音は二人一緒に月の繭の中へ  
・案4 俺の心を全力でさらけ出す→ 「そうだ! どうせ聞こえるなら、聞かせてやるさ!(略」  
・案5 船を買って一家(予定)で海賊家業を始める。名前は夜明けの船   
 
 
むぅ……案2からは何故か打ち切り臭がするのな。それにこの場合は俺と風音は駆け落ちしてしまってる  
さすがに今の十二神将という立場を捨てるのは勿体ないしな……これもダメだな  
案3。狭い空間で風音と長時間の密着は望むところだ!だが原始レベルで分解されてしまう可能性もある。素人にはお勧めできない  
案4。風音! 君がツンドラの中に素っ裸で出ろというのなら、やってもみせる! ……これは出来るな。俺の風音への愛は頭が沸騰しちゃうよぅだからな!  
しかし、この告白をした時点で、十二神将六合は死んでしまったも同然!!  
案5。俺、そもそも泳げない  
くっ……どれも欠陥ばかりじゃないか!考えろ!考えるんだ六合!お前はやれば出来る子だ  
 
「太裳、見て。六合、昨日の夜からずっとああして悩んでいるのよ」  
「天后、しかし晴明様のコトも昌浩様のことも、自分たちでしか解決できない問題なのだ」  
「アナタは昔から六合には冷たいのね。"女だと思ってた”なんて言われたから?」  
「…………その後、君達女性陣が私を拘束して女装させたからだ」  
 
 
 
結局、いい案が思い浮かばないか考えたまま、歩いていると昌浩に声をかけられた  
「天一は……どうしてる?」  
ん?今なんと……?天一だと!?昌浩、お前幼女専門じゃなかったのか?お姉さんまで手を出すのか!  
その幼い顔立ちでお姉様方の人気を鷲掴みなのか?!それともアレか!  
寝取りというやつか!人のモノを奪うことに興奮を覚えてしまうのか!!  
ハッ!彰子は元々入内する予定だった!ま、まさか俺と風音が結ばれた後にわざわざ奪うつもりなど無いだろうな!?昌浩!!  
「死んだら……例え甦ったとしても、思いは消えるんだよね?」  
ま、昌浩……まさか俺のコトを!?そ、そうか、  
俺と風音が幸せな夫婦生活を送る→昌浩が俺を謀殺する→風音を愛さない俺、参上→風音と娘、哀しむ→昌浩、付け入る→昌浩、親娘丼  
お、おそろしい奴だ、昌浩。晴明が後継と認めただけのことはある  
だがしかし!俺は何度甦っても風音を愛するから全く問題にならん!残念だったなぁ!昌浩!ハハハハハハーーー  
「一人にしてくれないか?頼む」  
「いくぞ、太陰……」  
昌浩は恐ろしい子だ。お前も気をつけろ。手を握っただけでも妊娠してしまうぞ  
……太陰の体格で妊娠腹か……ヤバイな。色んな意味で。今ちょっと前屈み  
 
昌浩は夜遅く帰ってきた  
奴め……神殺しの炎を授かってきたな。背中には気をつけないとな。うんうん  
次の朝、昌浩は彰子と抱き合っていた。なんという男だ……  
出雲の国・高野山へ太陰の風で飛ぶ。すると昌浩は蹌踉けたフリをして勾陣の胸に頭を突っ込ませる  
くっ……晴明の孫の皮を被った悪魔め!俺は別のところの皮が被ったままだというのに!!  
太陰が風読みをして風音の息吹を感じてみるらしい。風を介さないと風音と繋がれないなんてまだまだだなと思いつつ  
空に浮かぶ太陰を見上げる。ちっ……あの股引邪魔だな  
「風音が智鋪の宮司の手に落ちたわ!!」  
ナンダッテーー!!  
ちょ、まじ急げ!マズイマズイマズイマズイ……風音の純血が!俺に捧げられる筈のものが!!  
ホラ、ガンバレ太陰!頑張らないと後でお尻ペンペンだぞ!  
べ、別にやましい下心でペンペンするわけじゃないぞ!  
「巫女ォォ〜〜〜!!」  
げ?巫女萌えのムカデ……もとい守護妖!!  
侮るなよ!風音萌えの心は俺の方が強い!!例えお前に百の足があろうと!愛の前では無力!あまりに無力!!!  
早っ……おいつけねぇ  
いや、まてよ?今の今までスッカリ忘れていたが、向こうにはヘタレ返上の騰蛇がいる  
正直、あの騰蛇には勝てる自信が無い。しかしあのムカデ……守護妖さんを当て馬にしたらどうだ?  
更に昌浩と戦わせて、お互いボロボロになった所で俺がトドメを刺す  
守護妖を倒した騰蛇を倒せる俺、凄い。昌浩を助けた俺、エライ……完璧だ  
想像してみろ  
 
勾陣「……まさか騰を倒すとはな。抱いて」  
太陰「六合って格好いいだけじゃないのね。抱いて」  
天一「やはり炎使いはダメですね。抱いて」  
天后「戦える力を持つあなたが羨ましいわ。抱いて」  
高於「なかなか面白い奴だ。抱いて」  
彰子「昌浩なんかより大人の魅力よね。抱いて」  
風音「アナタが夫であることを誇りに思うわ。抱いて」  
 
ふ……ふははははははは!!!バラ色人生とはこのことかーーー!!  
来週からこの時間は“かざねねねねねねね〜史上最強の嫁〜”が始まるぞ〜!!  
でもよい子のみんなは見ちゃダメだぞぉ〜〜!!  
「………ッ!!」  
この気配は風音の気配!?地上に出てきたのか?どうやって!!  
いや!俺に会いたい一心で逃げてきたに違いあるまい!愛と書いてキセキと読むんだな!!  
待ってろ風音〜〜〜!!あと娘の名前は彩音でどうだ!俺とお前から一文字づつ取って!!  
ふ……ふはははははははははははは!!!  
この森を抜ければようやく風音が!!  
「風音!!会いたかっ………」  
え?ぇ?江?衣?エ?え゛?重?柄?ゑ?  
「風…音……?」  
 
 う わ ぁ ぁ ぁ ア ぁ ぁ ぁ あ ぁ ァ ぁ ぁ ァ゛ ぁ ぁ ぁ゛ ぁ ぁ あ゛ ぁ ぁ ーーーーーーーッ!!!!!!  
 
風音のふくよかな胸から半透明のドロドロした液体が……  
そのまま大車輪でプルプル揺れて……  
風音?風音ェェェェェ!!!  
お前かぁ!我が妻を傷つけたモノはぁぁぁぁぁぁ!!  
「風音…ッ!」  
抱きかかえた風音の身体は冷たかった  
くそ……血は……止まらないのか?俺は風音の下乳に手を当てる  
普段なら嬉しい場所なのに、ここにポッカリと穴が開いている  
「酷い…」  
「ここは六合に任せて、いくぞ昌浩」  
太陰や勾陣が何か喋っている  
「私……取り返しの付かないことを……」  
取り返しの付かないこと?そんなモノは無い。何を後悔……ま、まさか、俺の子を!?!  
いや、いい。いいんだ!子供はまた作ればいい!風音の身体が無事なら何度だって……何度だって……  
「喋るな!」  
安静にしてるんだ!大丈夫だ、これぐらい、これぐらい  
そうだ、今天界から天一を叩き起こして……それで……それで……  
「ごめん……なさい……今更だけど……」  
謝るな!生まれることが出来なかった子はこれからともらってゆけばいいではないか!  
「風音……もういい、喋るな!!」  
俺がお前から聞きたいのは謝罪の言葉ではない!愛の言葉だ!!  
「これは……報い……ね……私が……愚かだった…から……」  
バカな子ぐらいがちょっと可愛いんだ!大丈夫、大丈夫だから!!  
俺は風音の軽い身体を抱きしめる。風音のいい匂いがする  
顔を擦りつけて、俺のモノだと刻む。風音に俺の匂いを刻む  
「アナタの手を……取ればよかった……六合」  
「彩Wだ」  
「彩…W…」  
「彩W……他の誰も知らない。俺の唯一の名前だ」  
今からはお前が呼んでくれる。お前だけが俺を知っている。ああ……俺の名前……  
「彩W…」  
「あぁ」  
もっと愛をこめて!  
「一人はもう……いや……」  
馬鹿。婚姻の願いは男の俺から言うものだ……  
「六合……傍に……居て……いい?」  
いる。ずっと傍に居る。十二神将など辞めてでもずっと傍にいる  
一週間、ずっと繋がったままでも構わない。むしろ望む所だ。そしてずっと二人で、年を越えたら三人で、さらに年を越えたら四人で  
ずっと、ずっと、幸せにしてやる。一緒に居てくれ!!  
「傍に居ろ…」  
風音の手が俺の腕を掴む  
「彩…W…ッ!」  
その手から力が失われていく  
風音の勾玉が、転がっていった  
風が吹いた。その風から、風音の声も、息も聞こえなかった  
 
 
風音……  
道返の巫女の姫である風音の肉体は人間のソレとは違う  
風音の身体は光のように消えていった  
風音……一緒に居たかった……  
ようやく、最後にお前の笑顔が見れたのに  
閉ざされた記憶の中の傷が、音もなく心に触れる時に  
やさしく微笑むその裏には孤独の涙だった  
守りたい…信じたい…笑顔の訳をすべて、激しさも、愛しさも、全部受け止める……そう誓っていたのに  
「風音…風音ッ!、風音、風音、風音ェェェェェェ!!!」  
緋色の勾玉だけが残る  
これだけが風音が在ったという証だというのか!これだけがッ!!  
黄泉のに繋がる洞窟から障気が走る  
「……そうだな。もう、俺を彩Wと呼ぶ者は居ない。俺は六合か。十二神将の六合か」  
勾玉を握りしめる。約束だからな。一緒に居ようと  
この手を離すもんか、真っ赤な誓いだからな  
大丈夫だ。  
風音の笑顔も、風音の柔らかい乳房も、しっとりと濡れた唇も、流れるような黒髪も  
健康的な脚も、むしゃぶりつきたい太股も、全部、全部、俺が覚えてる。決して色あせないから……  
 
 
 
 
「無理をすれば命を落とすぞ?晴明!!」  
黄泉の鬼達を智鋪の宮司が召還する  
「お前の負けだ……覚悟しろ!!」  
「うっ……」  
倒れるが、目は敵を睨み付ける晴明。その視界に入ったのは俺に一凪ぎで絶命された鬼達であった  
「大丈夫か、晴明」  
「六合?六合よ、風音はどうし……そうか」  
「晴明、コイツは俺にやらせろ」  
智鋪の宮司……貴様は、貴様だけはぁ!  
「こしゃくな十二神将がぁ!」  
十二神将として晴明を守り……彩Wとして貴様を殺す!!  
「ぐぁあ!?」  
「息吹よ息吹……神の息吹となれぇぃ!!」  
晴明の術に全てが消されていく  
だが、貴様だけは先に俺が殺してやる!  
智鋪の宮司の身体を貫いた矛を一閃する  
「ぎゃあぁ!」  
なんと醜い断末魔だ……貴様が、風音を汚した……  
「まだだ……」  
まだ喋るか  
「まだ、式となった騰蛇がいることを忘れるな……」  
「黙れ!俺は貴様を許さない!決して!!」  
風音……敵はとったぞ……  
「ャ斎……安らかに眠れ、我が友よ……」  
あ、そうだった。よし、ついでにお前の敵も取ったぞ、ャ斎  
 
 
「道返の巫女が〜」という太陰に連れられて洞窟の洞窟(なんだ?それ)へ入って行く俺と晴明  
寒いんだけど……。はぁ、風音が居たら、身体で暖め合うのに……  
正直、道返の巫女とか騰蛇とか晴明の孫とか、もうどうでもいいや  
風音の居ない世界なんてど〜でもいいや  
なんだろうね、もう、世界が灰色に見えるよ。これから先の俺の神生なんて生彩を欠くね。正妻を欠いた今  
あとはずっと晴明に使役される神生ですよ。歯車ですよ、働き蟻ですよ、……ケッ  
ャ斎もいねーし、もう何を使って自慰すればいいかわかんねーよ  
そりゃ風音との色んな思い出がある今はいいけど、思い出なんてどうせ色あせていくんだよ。妄想にも限界があるんだよ  
夢も希望もないっーの  
晴明はさ、若菜の面影覚えてるみたいだけどさ、アレだって美化されてんだよ、実際の若菜なんてそんなにいいもんじゃねーんだよ  
晴明の若菜(妄想)は、大体乳の大きさが三割り増しぐらいだとおもうよ、実際  
肌の白さとかも、もうちょっと黄ばんでると思うな、現実  
あ゛〜〜もう十二神将とか辞めたいね。要らんだろ、十二人も。十二人律儀に揃える必要ないんだって。朱雀とか青龍とか  
でも死んでもまた十二神将やらされるしなぁ〜。奴隷だよね、俺。誰の奴隷かは知らないけど。風音の奴隷だったら喜んでするけどさ  
はぁ……  
はぁぁぁ〜〜……  
何?道返の巫女助けるの?あっそ  
確か風音の母親だろ?ババァじゃん。使用済みの子宮なんて要らねーよ。  
きっと風音に似てるんだろうな。でもババァ。もうね、俺の中の風音を汚すなよと、小一時間……  
「かような所に居ましたか、巫女殿……」  
あ、この氷っぽいのの中にいるのか?晴明  
って、守護妖のムカデ居るし。そーか、お前巫女萌えじゃなくて熟女萌えか  
どれどれ、風音の母親はどんな面してるん…だ……  
 
 エ ロ ッ ! !  
 
ちょ、ちょっと待て、何故に肩出し?何?この人妻、年中誘ってるのか?欲情丸出しなのか!?  
つうか一児の母?あり得ないだろ、風音と姉妹っていっても問題ないぞ!!  
ま、待て、落ち着け六合、落ち着いて考えるんだ……  
まず、想像しよう。道返の巫女の髪型を風音の髪型にする…………風音ェェェェェェェェェェェェ!!!!!  
風音、風音じゃないか!それも結婚三年目仕様、夫婦の新しい刺激の為のふしだらな巫女さんプレイ中だと!!  
くっ……晴明!はやく封印を解くんだ!!!  
………  
……  
…  
晴明の術によって、道返の巫女を包んでいた氷が溶けていく  
その間、俺は少し冷静になった  
これは道返の巫女であって風音ではないのだ。風音はもう、帰ってこないのだ  
巫女に風音の格好をさせても、それは風音じゃないのだ  
そんなものを求めて何になる……  
『巫女よッ!!』  
汚い手で触ってんじゃねぇ!!守護妖が!!  
「……晴明…どの…」  
おお!風音とは違っておっとり系か!  
しどけないぞ!人妻の色気を感じるぞ!  
「風音!!風音はどこじゃ!?晴明どの、私のあの子は……ッ!!」  
ハッ……お、お義母さん……くっ!!  
「……コレを」  
風音の形見だ……コレから二人で、これを大切にしていくぐらいしか、もう……  
「そんな……風音……どうして……あの子が」  
泣かないでください、お義母さん!!  
「後は六合と守護妖に任せよう……」  
晴明!流石晴明だ!だが守護妖は邪魔だぞ!!  
まぁいい、所詮は節足動物。そもそも対象外だ  
嘆き悲しむ女と男が二人(と一匹)っきりで慰めあえば、その後、まぁ色んなコトがあっても、むしろ当然!!  
 
 
 
 
俺のチキン野郎ォォォォォォォォォォォォ!!  
 
 
結局巫女タンに手を出せず、挙げ句「晴明さまのところへ行ってあげてください」みたいなコト言われ……  
大丈夫だよ〜晴明強いし。ホラ、やっぱりピンピンして……  
……昌浩死んでない?  
昌浩……騰蛇と差し違えたというのか?……無念だろう。だが、彰子のコトは安心して俺に任せろ  
「若菜…?」  
「晴明!?」  
ソレ、若菜じゃない、昌浩だぞ!ま、まさか最愛の孫が死んでボケたのか!?おい  
いやだぞ、老人介護は十二神将の仕事じゃないって!絶対  
「じい…様…?」  
ま、昌浩が生き返った!?  
桜が咲いた!?(異常気象か!?)  
青龍が消えた!?(もう出てくるな役立たず)  
 
 
 
道返の巫女お義母さんはムカデが返したらしい。クソ!余計な真似を  
く……何故昌浩は生き返って風音は生き返らないのだ  
本当なら、この草原には俺と風音が並んでる筈なのに、なんで隣にいるのは白虎なんだ  
俺にそのケは無い!そういうのは青龍にヤらせればいいのだ!!  
『道返の巫女より十二神将の六合にコレを……』  
何?恋文!?まったく、母子そろって照れ屋だなぁ、おい!  
……風音の勾玉じゃないか……馬鹿、思い出すじゃないか……風音……風音ぇぇぇ〜〜  
『貴殿に持っていて欲しいとの仰せだ……』  
そうか……母親公認の仲になったのは嬉しいが……あ、ちょっと風音の匂いがする……ハァハァ  
 
 
 
二人で暮らすはずだった家で俺は一人佇む  
あぁ……向こうは書斎で俺は天空から借りた本を読んでて、あっちの小さな炊事場では風音が炊き出しをしている  
そして、俺の背中に彩音(仮)が無邪気にその平ら胸を押しつけてじゃれてくるんだ  
それで俺は天空の書を破いてしまって、風音が彩音(仮)を叱るんだ  
でも俺は彩音(仮)が可愛くて可愛くてしょうがないから、つい甘やかしてしまって、風音に怒られてしまう  
しまいには風音が拗ねて、この寝室で、仲直りの睦み合いを始めるんだ……  
ふ……風音は、自分の娘に嫉妬してるのだろう?そんな風音が俺は一番だ……  
そんな……そんな二人の性活が……う、うぅ……  
「風音……君が居なくなってから、この家ががらんとしちゃったよ。  
 でも……すぐになれると思う。だから…心配するなよ風音……」  
――ガコッ!  
「誰だ!?」  
ハッ!?もしや風音!風音なのか!!  
「よう、六合じゃないか〜なんだ?俺達の住処にようか?」  
「今日は晴明の孫は居ないんだな〜」  
……雑鬼だった  
「……お前達、ここは空き家ではない。早々に立ち去れ」  
「へ?だって誰も住んでないだろう?」  
うるさい!住む予定だったんだよ!俺の夢と幻想と愛を土足で踏みにじるな!!  
「消えろ!!」  
お前達は汚点だ!無かったことにする!。ふ……何故かこの矛が今までになく手に馴染む気がするぞ!!  
さあ、征こう風音!俺達の愛の巣を守る為の戦いだ!!  
俺達の戦いはこれからだ!!  
 
 
 
 
 
 
 
六合草子  ―完―  
 

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