このところ雨が続いている
「じめしめ〜」
「太陰、脱ぎ散らかすな」
湿気に太陰が吐いていた股引(って本人に言ったら前に殴られた)を脱ぎ散らかしたので
世話焼きのフリをして回収する(*´д`*) ハァハァ
このまま太陰のかほりと温もりが残ってるコレを顔に擦りつけたいがそうもいかない
そんなことをすれば俺は十二神将の中で村八分にされてしまう
「………」
しかしコレを見ていると榎ャ斎のコトを思い出す
奴は重度の巫女萌えだったが、同時に太股に対する愛について語り合った俺の心の友だった
太陰のコレを見て「コレジャナイ!逆なんだ!」と力説していた
ャ斎曰く、素肌を出す部分は足じゃなくて股にすべきで、足はすっぽり覆った方がよい
素足よりも布越しの足コキの方が興奮するし、布と下着の間の素肌の領域が絶対ネ申!!
俺は奴の造形の深さに感心したものだった。思えば奴の提示した領域は勾陣の片足に存在していた
奴の勾陣を見る目を騰蛇は気づいたに違いない。故に無意識下でャ斎を殺すことに遠慮しなかったのだろう
ャ斎が死んでから、俺の性欲解消の供給源は途絶えて久しい
まあ、奴の呉れる絵巻はほぼ巫女ものだったが
「神はぁ!平等ではぬぁぁぁぁい。
生まれつきロリの者ぉ、ヘタレ朱雀の恋人な者ぉ、もふもふの物の怪になる者ぉ、未だにアニメで出番の者ぉ、性別も童貞も体型もぉぉ十二神将は皆、違っておる。
そう、この国の神も、差別されるためにうぁぁぁる。だからこそ高於の神は封印され、姫は餌にぬわぁり、そこに我が定住する。
我はぁ!悪ではぬぁぁい。この国こそが悪なのだ。人の願いを具現した十二神将はどうだ?男余りの現象と坐しておるわ。
藤原の姫と法師の小僧はぁ、不幸ばかり。ぶらぁぁぁが、我、大陸の大妖怪たる窮奇はでぅえはぬぁぁい!
望むならば姫も、ムチムチな恋人も、用意してやろう!我だけが性欲を、満たしてやれるのだぁあ!
私の下僕の鶚や?の死も、我が回復しておるという証。
捧げるのだぁ!奪い屈し支配され、その果てには、荒淫があぁぁぁぁる!!」
そんな風なコトを、水鏡の向こうであの異邦の妖怪は言っていた
正直諸手を挙げてついて行きたいと思ったが、昌浩より先に俺が出て行くのもアレだと思ったのでガマン、ガマン
「ここには蛍がいない!!」
はい?何言ってるの、晴明の孫?
酒池肉林の夢を捨てて若本に立ち向かう昌浩
まぢで?はぁぁぁぁぁ……これだからお子様は
「昌浩ぉぉぉ!!昌浩ぉぉぉぉぉ!!」
騰蛇もなんかテンパってるし。って、コイツ水鏡の扉開けたよ、おい
うむ!二人で昌浩に考え直すように説得するんだな?やはり騰蛇よ、お前とは相通ずるものがあるな
俺は勢いよく水面に飛び込んだ
下方に昌浩を発見。取り敢えずグーで殴ろう。そうしよう
「ぶるあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ぐあぁ!!
熱っ!!熱い熱い熱い熱い熱いーーーーーー!!
「六合……!!」
昌浩を殴ろうと前に立ったら、丁度窮奇の吐いた炎に当たってしまった
死ぬほど熱い。だか、そういう顔は六合として見せるわけにはいかない
「いけ」
バードンに頭焼かれた宇宙警備隊隊長みたいな状態になったので、昌浩の説得は騰蛇に任せて
(なるべく平静を装いつつ)、カッコイイ姿勢のままこっそり薬(オロナ○ン)を背中に塗る
背中に手が全部届くのは俺のちょっとした特技だ、フフン
と思ったら昌浩が窮奇に踏みつぶされてる。降参したほうがいいぞ。来週からこの時間は俺が主役の六合ランブル!になるから安心しろ
しかし昌浩は腕に貼った札と「それは晴明が鍛えた剣だ!」とジャムのおじさんばりに登場した青龍が持ってきた剣で
「急急如律令!!!」
…………ふ、やったな、昌浩。もう俺に教えることはない
彰子のコトは諦めざる終えないが……帰ったら俺の秘蔵本を譲ってやろう。うんうん
後日、藤原彰子が晴明の家に来た「昌浩、桃食べる?」とか言いつつ桃色新婚空間を形成している。
晴明と若菜に続き二回目だ。俺は真剣に転職を考えた
今日は昌浩、騰蛇、太陰、天一と一緒に亡者退治
桃スゲー(゜д゜ )
とか思ってたら、晴明が危機らしい。青龍と玄武は何やってるんだ
というかなんだ、晴明も歳なんだから無理するなと、小一時間
はぁ〜昌浩について行って亡者退治したと思ったら晴明か。神将づかいが荒いな、この一族は
だいたい、息子や孫の保育その他に神将使うのからして間違ってると思うのだが
せめて娘だったらまだ役得なのだが、男兄弟ばかりだったしな
「縛っ!!!」
晴明に刺客が襲いかかる
俺は颯爽と割って入ったが……女!?
な、な、な、な、な、なんだそのふくよかな胸は!張りのある股は!
お前が持ってる短刀よりよっぽど凶器ではないか!
ちょっとキツそうな感じの顔立ちが俺の好みジャマイカ
それによく見るとあれは――絶対領域!!(榎ャ斎命名)
「…………何者だ?」
「風音と……貴方は?」
何?俺の名前が知りたいのか?俺に興味があるというのか?
「十二神将、六合」
完璧だ。心の中の興奮を一切見せず、むしろ若干突き放し気味に言ってのけた
この娘、ちょっと乱暴な強気娘らしいからな。むしろこうした方がムキになって俺が気になるに違いあるまい
それにさり気なく十二神将と言って、生活の安定度も示したし
周りで見てる青龍、玄武、晴明の信頼も失わない。我ながら自分が恐ろしいな。フッ
風音タソは空中でクルクル回転しながら着地した
乳だけでなく身体も柔らかいのか。色んな体位が楽しめそうだな!
「残念ですが、今宵はこれで退散いたします!」
なんだと!?計算失敗!?
「ふっ……」
ぬぉおお!?投げ接吻!?駄目ではないか、ここにはみんな居るんだぞ
俺は泣く泣く風音タソの投げ接吻(何故か針の形状)を薙ぎ払った
済まない……俺には十二神将としての立場と築き上げた性格が……
昌浩と夜回りを仕様としたところで風音タソの匂いを感知!
「済まない、後でゆく」
昌浩と騰蛇に断りを入れて、都外れの荒ら屋に侵入。ん……そこか。ッ!?!烏から首が生えた?キモッ
『老いぼれの命一つ奪えぬとはなんと無様な!!』
この声!?我が心の友・榎ャ斎!!
『何のためにココまで育て……』
お義父さんだと!?ャ斎、お前そこまで倒錯的な色事を……!?
どうしたんだャ斎!お前は巫女萌えだったはずだ!あの時だって道反の巫女にお前は……
ん?待て……
巫女=処女。巫女萌えャ斎=今はなんか烏
これから導き出される結論は風音タソはまだ汚れを知らない未通娘!
六合、一目会ったその日から、あなたのコトを私は……
でも、お義父様(ャ斎)によって開発された身体は優しく愛撫されただけで感じちゃうの……
こんな淫乱な娘はあなたには相応しくないわ……(上目づかい)
か……完璧じゃないか、ャ斎!!
しかもお前の提唱した絶対領域も完備、太陰を彷彿させる髪型に、アンバランスな肉体!!
そう かんけいないね
ニア 殺してでも うばいとる
ゆずってくれ たのむ!!
風音タソと運命的な出会いをして数日
昌浩より晴明の近くの方が遭遇率が高いと考えた俺は昌浩の夜回りには付かずに
晴明の警備をしていた。そろそろ妄想ではなく現実で風音タソと会いたいものだ
自家発電後の紙代も馬鹿にならない。しかし紙は便利だな。高いが
コレがない頃は葉っぱで拭いてたからな……時々かぶれて痛かった。蔡倫よありがとう
ある夜、昌浩がボロボロになって帰ってきた。騰蛇の過去について聞いてきたので
本人に聞くべきだと答えた。どうせ昌浩は彰子に慰めて貰うんだ。フン!教えてやるものか
翌日、天界の部屋(どこにあるかは聞くな)の布団の下に隠してあった巫女萌え本(ャ斎贈呈)が社の下に置かれていた
太陰は誰のか判らない持ち主に対して「変態!」とか「最低の屑ね!」とか罵っていた
内心ちょっと興奮した
天一の無言の威圧に朱雀は必死に「俺じゃねぇよ」と言っていたが必死すぎて逆に怪しまれていた
神将の中で三割ぐらいはアレは朱雀の物ではないかというコトになっている
俺は終始無言だったが、日頃の行いからか容疑者からは最初から外れてた
正直ホッとしたが、朱雀には悪いと思った
その夜、「大丈夫だ、俺はお前の物だとは思ってない」と朱雀に言って慰めようと思ったが
朱雀の部屋で朱雀と天一が身体を重ねていた。しかも巫女さんプレイだった
いつか殺す
その日は朱雀を俺に、天一を風音タソに置き換えて自家発電
おそらく、俺の秘蔵本を晒したのは晴明だろう。俺が昌浩に付いていれば昌浩が怪我しなくて済んだと考えたに違いない
いくら若菜にそっくりだとはいえ執着しすぎだと思うが。無論、昌浩の才能も俺は認めているが……
その後、昌浩を女だと考えたらかなり萌えたのでもう一発発射してしまった
風音タソと結ばれる時に備えて充電すべきじゃないのかと日々思ってるのだが、日課は中々変えられないものだ
昌浩の傷は風音タソによるものらしい
くっ……晴明の警備などするのでは無かった!!俺も風音タソに虐められたい
しかも話を詳しく聞くと馬乗りになって短剣を突き付けられたらしい
この晴明の孫はあの程よく引き締まった尻の感触を存分に味わったのか!?なんと羨ましいんだ!!
晴明に貴船への使いに命じられる
道中一人だ。風音タソ出ておいで〜〜
……風音タソは会いに来てくれなかった
まったく、みんなが居る時はあんなに積極的なのに、イザという時は恥ずかしがり屋な娘だ
だが、それがいい
昌浩が防人の魂に取り憑かれてるらしい
貴船に向かう昌浩。また風音タソと会いたいので今度は昌浩について行こうとするが
晴明も行くらしいので、ソッチに付けと言われた
こんど昌浩が襲われても俺のせいじゃないからな!と内心思ったが
まあ晴明も前回のコトでガチホモ青龍などは戦力外でこの俺の有能さが判ったのだろう
太陰も一緒だし、これはこれでよしとしよう
太陰の風で貴船に向かう途中、どさくさに紛れて太陰の尻に触った
「な、何をするのだ!」
間違って玄武の尻を触ってしまった……OTL
「いや、偶々当たっただけだが?」
平静を装いつつ、答える。悪いが俺には童子趣味は無い
「なによぅ!私の風が狭いっていうの!!」
太陰が怒ってる。俺はその太陰の狭い膣に差し込みたいのだと危うく口に出しそうになってこらえた
で、貴船に着いたと思ったら、なんかヌルヌル(太陰命名)が現れた。太陰は気味悪がって後方に下がった
そう言えばャ斎の本の中にはああいったヌルヌルに犯される巫女という話もあったな。ヌルヌルには何故か服だけを溶かす作用が……
っと、危ない、危ない。ヌルヌルの攻撃をかわした俺だが、コイツから風音タソの匂いがした
「まさか!!」
この中に服が溶けて生まれたままの姿になった風音タソがぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!
ふぬぉぉおおぉぉぉおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!今なら閻魔大王だろうと殺せるぞぉぉおぉぉぉぉ!!
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ヌルヌルが気色悪い断末魔を上げるがキニシナイ!腹部を切開して…風音タソ風音タソ風音タソ風音タソ風音タソ風音タソ風音タソ風音タソ
風音はどこだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!見つけたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
<ヌポッ!>
なんで服が溶けてないんだよ……OTL
まあいい。風音タソの裸体を他の連中に見せる訳には……
晴明→枯れてる 玄武→子供 太陰→ぺったんこの自分と比べて嫉妬混じりに真っ赤
くっ……やはり裸の方がよかった!!!
俺は風音タソが息をしてるか確かめる
手の平に風音タソの生暖かい吐息……もう、この手は洗わないことにしよう
「大丈夫だ」
晴明に報告しつつ、俺は風音タソをガッチリ抱きしめた
太陰はヌルヌルまみれの風音タソに触ろうとしないだろうが
枯れてるのと精通前のガキとはいえ男だ。俺の風音タソに色欲を抱かないとは限らない
こうして俺が守ってやらなくてな
風音タソの太股はヌルヌルのせいで冷たかったが、柔らかかった
むぅ……辛抱溜まらん!持って帰りたい!隅々まで身体を拭いてやりたい!!
「晴明、どうする?」
もう帰ろう。今すぐ帰ろう。昌浩には騰蛇が付いてるし大丈夫だから!
むしろ今もうこれ以上風音タソに触れてると俺が大丈夫じゃないから!
「コイツを生かしておけば、また晴明の命を狙ってくるかも知れん」
玄武、お前の目は節穴か?何が水鏡だ!風音タソがそんなコトするような子に見えるっているのか!?
前のはアレだよ、ちょっとじゃれ合おうとしただけだよ!人間関係の築き方が不器用なんだよ
カラスINャ斎っていうキショいのに育てられたから!俺が身体と身体でコミュニケーションしてエモーションするから大丈夫だって!!
「かといって、見殺しにするわけにもいかんな」
流石晴明!わかってる!改めてついて行くコトに決めたぞ
……といかん、いかん、もうこれ以上風音タソに触れてると、冷静沈着な六合を演じきれない
濡れて液体を滴らせる風音タソを一旦手頃な岩に座らせる。スマン、もっと柔らかい所に寝かせてやりたいのだが……
「フン!」
え?何結界貼ってるの晴明!?ちょ……これ持って帰れないジャン!!
あ……でも風音タソの寝顔カワイイ……(*´д`*)
いや、そうじゃない、そうじゃない
って、晴明!風音タソをこんな所に置いてどこに!?あ?昌浩?く……どれだけ孫好きなんだよ!
孫と風音タソドッチが大事かぐらい……ハッ?太陰と玄武が「どうしたんだ?変な六合」な感じの目でコチラを見ている
う……く、この場は晴明達について行って、帰ってから後でコッソリ戻って来よう
そうだ、流石に晴明の家に住まわせる訳にはいかないし、まさか人間を天界に呼ぶ訳にもいくまい
大体十二神将ときたら男女比がおかしいからな。可憐な風音タソを連れて行くなど、獅子の群れに兎を放つ様なものだ
京の郊外にコッソリ屋敷を買って、そこに風音タソを住ませよう。うむ、よい考えだ
俺と風音タソだけの新居……フフフ(*´д`*) 。朝起きたら風音タソ……いや風音の手料理か
日の良い日は俺の外套を洗濯してくれる風音。日が落ちたら夫婦の睦美を……(*´q`*)
何をモタモタしてるんだ!早く昌浩の所にいくぞ!!
昌浩をハケーン!確保、確保……と、この神気は!?
「高於の神!」
ぬお!?ちょっと歳が言ってるが、コレは良い四肢をお持ちで……
もうちょい若ければ心揺らいだかも知れない。いや、しかしコレはコレで熟女の色気というか……ゴクリ
「この姿の時は高於と呼ぶことを許す」
何?もしかして高於の神……いや高於も俺のコトを……し、しかし俺には風音という妻が……
い、いや、しかし別に一妻に拘る必要は……し、しかし俺と高於では高於の方が格上である以上
当然ながら高於が北の方になるわけで……だが、やはり正妻は風音というか……
高於を北の方に入れれば、他に室を持つわけにも……むむむ……
しかし風音は人間。いずれ老いてその美しさも……
俺は悩みながら貴船を後にした
倒れた昌浩を、彰子が介抱している
「ただいま、彰子」
「お帰りなさい、昌浩」
…………いつもなら嫉妬してる光景だが、俺はこの若い二人の美しさに心現れた気分だった
確かに人間と神将では寿命が違う。俺達からすればそれは儚い蛍の灯のようだろう
だが、だからこそ、美しく、愛おしい!俺は風音と共に生きる!!(`へ´) m グッ!
貴船に風音の姿は無かった……何故だ……OTL
昌親が危機にあるらしい
昌親か……今は真面目一点張りの男になったが、昔は甘ったれで
よく天一の胸に泣きついていた。今でも腹が立つ。子供という姿を利用して
乳房に顔を埋めるなど羨ましいことこの上無い。俺も玄武のような容姿に生まれていれば……
朱雀が嫉妬してよく殴っていたが、アレは単細胞なので陰湿な虐めを考えつくのは無理だったろう
そういう策を練ってたなら人知れず助けたり出来たものを
ああいう風に直に殴るのだから、内心喝采しても俺としては窘める他ないではないか。
それに昌親には良く弓の的にさせられた。正確に言えば昌親に弓を教えてた太裳が、だが
しかも昌親は太裳に記憶を消されたらしく記憶が無いらしいし
一体、俺は何か太裳に怨みを買われるコトでもしたのだろうか?
兎に角、晴明の命で昌浩と騰蛇と俺と勾陣で昌親を襲った妖を倒すコトになった
青龍ハブられてやんの。プwwwwwwwwwww
って、おい昌浩、なんで俺は車之輔の中じゃなくて外に座らなきゃいけないんだ!?
誰も知らないだろうが、俺は痔なんだぞ!痛いじゃないか!
「久しぶりだな!」
昌親の危機に颯爽と参上。俺かなり格好いいな
しかし昌親よ、もっと頑張って姫を産め。上二人とも男なんて
どれだけ安倍家は男ばかりなのだと小一時間……今回ようやく姫を産んだので良いけどな!
何、お前が弓の練習で俺のお気に入りの渤海使経由で取り寄せた唐物の外套に穴を開けたのが
神将である俺にとってはつい昨日のコトだ。お前の姫も良い具合に育つまでスグだスグ
今度は太裳のような根暗じゃなくて俺に預けてみないか?俺好みの姫に育てるから
名前はもう決めてあるぞ。風音っていう、良い名だろうフフフ……
猿みたいな妖を薙ぎ倒した後に、どうやってその事をきりだそうか考えていたら
「ガウルルルルゥゥゥーーーー!!」
妖の頭が奥の方から飛び出した。騰蛇よ、しっかり守れたようだな。昌親の室はもう中古だからいいけど、姫は死ぬ気で守ったようだな!
っておい、アレ、手に持ってるの俺の嫁じゃないか!騰蛇ァ!?火炎薄いぞ、なにやってんの〜!?
使えない奴だ。仕方ない、俺が行こう。恩を売っておくのも悪くないし、やはり女は自分を助けてくれる男に惚れやすいだろう
「ガ!ガ!ガ!ガ!」
……話せよ、オイ。猿、俺の十年計画の邪魔をする気か!!?
何?昌浩、勾陳追いかけるって?え?お留守番?いや、待て待て待て!!!
く……仕方ない、ここは昌親の一家をしっかり守って好感度を上げておこう
ひ、姫が騰蛇に対して顔を赤らめてる……トォォォォォォォドゥワァァァァァァァ!!!!!
あ、餅?これはこれは御丁寧にどうも……って、そうじゃない!何?これお礼なのか!
違う!違うぞ!昌親!!俺が欲しいお礼はぁぁ!!って、ホクホク顔で受け取るな、昌浩
ちょ……ほら、もうちょっとゆっくりしていっても……く、もう帰るしかないのか?
「元気そうで安心したぞ、昌親」
ああ゛あ〜〜つい格好付けて台詞を吐いてしまう己が情けない
屋敷に帰れば朱雀が天一に膝枕してるし
四闘将って他の神将より待遇がいいとか、そういうのないのか?なんという不平等な職場だ……
白虎とかもっと働けよ。太陰とかは存在してるだけで価値があるからよいとしてもだ
しかも俺が今回の一件を晴明に報告して帰ってきたら俺の分の餅が無かった
「ごめん、六合」
「気にするな昌浩」
ホントは彰子を一晩貸して貰いたいぐらい怒ってるがな!!
俺が長年築き上げた六合という肖像に感謝するんだな!!
風音……どうして俺を慰めてくれないんだ
お前が居ないと淋しいよ……
そう言えば、玄武の水鏡を使えば風音の居場所が分かるんじゃないだろうか?
いや待て待て、夫と妻といえど、それぞれの時間を守るべきではないだろうか?
いやだがしかし、夫婦の間で隠し事など……
そうだ、もし風音が着替え中だったらどうする?風音のあられのない姿を玄武に見せるのか?
いかん、それはいかん。第一、そんなコトを風音が知ったらどうなろう
貞淑な風音のコトだ。夫以外に裸を見られたら、俺への罪の意識で別れるとかいいだし兼ねない
あぁ!なんて健気なんだ風音!!
「何、水鏡で風音の居場所を?」
すまん、風音。下半身には勝てなかった
存分に罵ってくれていい。興奮するから
「らしくないな、そんなコトは不可能なコトは六合、同じ神将ならわかるだろう」
「……そうだな。いや、言ってみただけだ」
わかんねぇよ!俺は木将だ、水将のお前のコトなんか判るか
男に興味は無いんだ。この守るだけしか能の無いくせに、闘将である俺に偉そうにするな。「さん」を付けろよ、このデコ野郎!!
「この障気は?」
いかん、もし京に風音が居れば危険なコトになる
「太陰、玄武、六合!障気の出所をさぐれ」
晴明、よく指名してくれた!まかせろ、命に代えて風音を守る!!
「ここは?」
「二条の辺りよ」
む……ここら辺は風音が居ないかすでに探したんだがな。
「グシャアァァァ〜」
ナマズみたいな妖が現れた。まったく、人の恋路を邪魔するとどういうコトになるか、その身を持って……
「邪魔はさせないわ!!」
か、風音!!マイハニーー!!!
なんだ、このナマズ縁結びのいい奴じゃないか!玄武、太陰、丁重に保護しておけよ
風音が走り出す
そうか、二人っきりになりたいのか。そうもあろう、玄武と太陰の前ではな!子供には見せられないよな!俺達の再会はな!!
しかしこの状況……
「(誰かが)黄泉に繋がる障結を穿ったのか?」
「流石十二神将六合……」
いや、そんなに誉めるな風音。尊敬の眼差しがくすぐったいぞ
「……でもどこにあるかは判らないでしょう?」
何?さらに難しいコトを要求するのか!?以外と理想が高いんだな
「だって一つじゃないもの」
む、ヒントをくれるとは、やはり根が優しいな風音は。しかしこんな問答で仲を深めるなんて
ちょっっと不思議ちゃんだぞ?まったく、ャ斎は育て方が悪いな
しかし、そんな君の不器用なところもまるまる全部愛してるぞ風音!!
さあ俺の所へ来い!!大丈夫だ、俺も初めてだから!!
「たぁあ!!」
うおっ!?照れ屋だな、風音は
「神将は人を傷つけるコトが出来ない……さぁどうするの!?六合!!」
そうか、初めては血が出るからな。しかし俺は構わないぞ、例え血塗れの神将になっても!
それにお前の血だ!汚らわしいものか!!
「うわっ!?」
なんだ?この突風は!太陰か!?
「やっつけちゃった……ぁ?」
え?あのナマズっぽいやつ?おい!駄目だろ、俺と風音を繋ぐいい妖だったのに!何考えてるんだ!
お前が幼女じゃなかったら鱠斬りにしてるぞ!!
いや、そんなことより風音!!
「ん……勾玉?」
風音が付けていたものか。そう言えばほんのり温もりが……
「返せ!!」
刀を持って突っ込んできた風音の腕を押さえる
本当は抱きしめて抑えたいが、こう見えて箱入り娘な風音にそんなコトしたら
かえって必死になって離れようとするかも知れないからな。まったく、本当に照れ屋だな
ホラ、お前の物は俺のもの、俺の物はお前のもの、夫婦なんだからな
そんなに必死にならなくても獲ったりしないよ、風音
(小さくて綺麗な手だな……)
暫し見つめ合う俺達
「敵に情けをかけるの?」
「敵だと思ってるのはお前だけならどうする?」
みんなお前と俺は夫婦だって言ったって誰も反対しないから安心するんだ、風音
晴明とか十二神将とか、基本的にはいい奴らばかりだぞ?
「お前の後ろに居る者は、お前をいいように使ってるだけではないのか?」
ャ斎はただの巫女萌えの変態親父だ。まだ純血の内に俺のところに来い
俺は普通のプレイも好きだ!巫女プレイじゃないと感じないャ斎とは違う!
『奴らの声に耳を傾けるな!』
「うそ……ホントにャ斎の声だわ」
遅れてやってきた太陰が驚愕する
く……もうお前とはわかり合えないのだなャ斎!!その汚い足で風音に止まるな!!
血走った目で風音を見るな!!風音は俺のだ!変態親父め!!
――ピカッ!!
不味い!目くらましか!!
「くっ……!」
しまった!反射的外套でに太陰を守ってしまった!密着できていい感じだが
っていうか玄武は入ってくるな!ここは俺と太陰の空間だから!!
(風音!!)
走る去る風音は何か訴えるように俺に振り返る
(いいお尻だ……)
必ずお前を父親から救い出してみせる!
そしたらその形の良い尻から俺の子を沢山産んでくれ!!
風音との悲劇的な別れから数日
どうやら天皇皇后に呪いがかけられてるらしい
俺は晴明の護衛で太陰、玄武と共に入朝した。最近この組み合わせ多いな。玄武邪魔だが
「誰かに見られてる気がする……」
晴明が見た先には
「内親王祥子姫……」
ほう、良い幼女だな……む?嫉妬まじりの視線を感じる
「!!晴明、アレをみろ」
風音だ!女官姿だ!(*´д`*)
晴明が風音を説得している。流石晴明だ。やはり晴明が私達の式のさいの仲人だな
「友だと!?お前が友というのか!!」
晴明がャ斎を友と言ったら怒り出して、いつもの服に早変わり
ちょっと勿体ないな。その乳と股を堪能できる服も嫌いじゃないか……
「六合!下がりなさい!!」
く……今日は風音が攻めか
「祥子を返して欲しければ、障結を辿って私を捜し当てて見せろ!!」
ふ……まったく、風音は我が儘だなぁ
それはあれか、恋人同士が海岸でおいかけっこ的なコトがしたいんだな
よぉし、六合、頑張って風音を掴まえちゃうからな(゚∀゚)!!
やはり何度考えてもおかしい
ャ斎は巫女萌えだった筈だ。ついでに人妻萌えでもあった
もし風音の後ろにいる奴がャ斎本人だとしたら、風音は巫女姿をしてなければないらない
そして俺と風音の結婚を祝福するはずだ。そうすれば晴れて人妻巫女の完成だからな
しかし実際は風音にょぅι゙ょを攫わせるという嗜好とは正反対の行為を行っている
もしや……あれはャ斎ではないのではないか?可能性は高い……
それはそれとして、風音に巫女の服を着せる妄想をしてみたら御飯三杯はイケた
う〜む……夜の営みの一環としてそういうのもアリだな
前も女官姿だったし、きっと風音も変装好きに違いないな。やはり俺との相性バッチリだ!!
昌浩が祥子姫の居場所を探ろうと瞑想する
昌浩め、あんな幼女と繋がるコトができるとは、流石は晴明の後継だ
そう言えば昌親の子にも慕われてたし、太陰も随分と昌浩贔屓だ
まさか……昌浩は天性の幼女殺し!?あり得る!彰子もどちらかと言えば未発達族!!
そうか。しかし性嗜好が合致しないことはある意味では良いことだ。俺に複数で犯る趣味は無いからな
「祥子姫!!」
「見つけたのね!よぉ〜〜し、いっくわよーー」
何?太陰、こんな所でイクって……うわ!?
「ここは……大内裏?」
「都でもっとも神の息吹が色濃く、何重にも結界が貼られた所。それゆえ、誰もが最後まで調べようとはしない……」
こんな所に隠れるなんて、風音は頭がいいな。聡い娘は嫌いじゃないぞ
だが、策を弄すると、足下を掬われるぞ。そうだな、こういう性格は意外と直球に弱いからな
次にあったときはお仕置きしてやろう。まぁ、お仕置きになるか判らないがなハハハ……
「風音の考えそうなコトだ」
しかし、夫である俺はお前の考えなんて丸わかりだぞ、風音
ん……なんだ?コレ。あれ、騰蛇、背が伸びたか?いや、俺が沈んでいってる!?!
「ここはどこだ?」
「きっと風音の仕業ね」
うむ。しかし風音よ、何故に他の連中も一緒に入れたのだ?今更恥ずかしがる間でもあるまいに
「向こうに人の気配があるな」
風音か!よし、いこう!
…………なんだ、幼女の方か。内親王の祥子姫だったな
持ち帰るか?いや、ここは風音の空間の筈だ。もし俺の行動が筒抜けという可能性も考えるべきだろう
いかんな。流石に本人の前で浮気は。それも幼女に手を出すと、俺の性癖を勘違いして自分は対象外なのだと
世を儚んで自害してしまうかも知れない。そうではない!俺は幼女から熟女まで何でもイケる男だ!
むしろお前が俺の至高なのだ!判れ!風音!!
く……太陰と玄武さえ言えなければ声を大にして叫びたいものを!!
ハッ!そうか、太陰と玄武も一緒に入れたのは俺に幼女好みや童子趣味が無いか調べる為!?
肉体派に見えてなんて知的なんだ!!会う度に新しい君に出会うな、もう俺は君の虜だぞ風音!!
「玄武、太陰、六合!!」
昌浩か……
遅れてやってきた昌浩は祥子姫を口説き落とした
流石は晴明の後継だ……あの幼女、もう昌浩の腕の中で泣き崩れてる。この女泣かせめ
いや、これはこれでいい。こういう昌浩に比べて俺は硬派なのだと風音に印象づけるコトが……
む……?障気に当てられた妖怪か!!よし、強さでもいいところをみせるぞ!!
ちぃいい!!この再生魔め!キリがないぞ!これじゃあ俺が苦戦してるようじゃないか!!
「昌浩ッ!」
不味い!昌浩に何かあったらまた晴明に嫌がらせを受ける!!
――轟ォォォォォォ!!
この炎、騰蛇か!!
「紅蓮……!!!」
アイツもコッチに来てたのか。風音にちょっかいだして無いだろうな
……って、工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工
ちょっ何昌浩のドテ腹に穴開けてるの、騰蛇!?
ここには幼女二人もいるんだぞ!ショック映像もいいトコじゃないか!
どうなってんんだ、オイ
「人は脆いな……」
騰蛇が昌浩をポイ捨てする。ぬわぁにやってんだぁ!?
俺は昌浩を受け止めると玄武に止血を頼んだ
「無駄よ……」
風音!?おま……昌浩がいくら幼女に対して見境ないからって、やり過ぎだろ!?
「我が身を囮にして、ココまで導いてやったのよ……」
我が身を囮!?それって、まさか騰蛇にあんな部分やそんな部分をチラ見したりして追いかけさせたのか!?
な……なんという羨ましい……
「騰蛇……お前……」
食らえ!俺の必殺技!鎖投げ!!
どうだ!これはSMプレイ用の鎖ではなかったのだぞ!
「ハッ!」
溶かすなぁ!特注品なのに!!
「無駄よ……あれは黄泉の式……」
「何故だ!何故そうまでして騰蛇を!!」
浮気か!?浮気なのか!!
「当然じゃない!私は騰蛇に父を殺されたのよ!!」
「くっ……」
あんな人妻巫女萌えの変態でも父親は父親か!風音、なんて優しい子!!
「はぁ!!」
騰蛇の炎が舞う
俺は外套で風音とは逆の方向に弾く……この外套、丈夫だな、オイ
給料三ヶ月分のコトはある。1980もしたからなぁ
「ごめん、なさい……こんな目に遭わせておいて今更だけど」
怯える祥子姫を風音が抱きしめる。女と幼女が抱き合う姿はいいものだ
風音はああ見えて中々母性を感じさせる女性だ。いい母親になるだろう
……ハッ!それではャ斎の手のひらの上ではないか!?いや、しかし奴は
いや、もしャ斎の意識が残ってるとしたら……余計にタチが悪い!!
「……貴方も……寂しかったのにね……」
風音……
「昔の私と同じ……だから貴女だけは……私が……返してあげる。お母様の…ところへ」
馬鹿ッ!!馬鹿か!!風音、お前だけが帰ればいいんだ!そんな幼女なんてどうでもいいだろう!!
その幼女がお前みたいないい女に育つかどうか判らないんだぞ!
もっと自分を大事にしろ!そしてお前を大事にしてる者のコトを考えろ!!
バーサク状態の騰蛇が風音と祥子姫に目を付ける
く……操られていても嗜好はかわらんか!!
まったく!!
紅蓮が舞い、猛り、風音を飲み込もうと狂う
させるものか!!
「六合?どうして……」
お前が幼女を自分より大切にする、優しいいい女だからだ
俺は大きい乳も未発達の乳も両方助けたい!乳の取捨選択なんて無理!!って一時間ぐらい前の主人公も言ってたし
っていうか、妻を助けるのは夫の役目だし
「この神気は……やっぱり!私を助けてくれたのは……貴方?」
まったく、風音はどこか抜けてるな。俺以外にお前を助ける奴がいるものか
まあ、そんなうっかりさんな所も含めて愛してるぞ
こうやって抱きしめる手にも力がこもるというものだ
「智鋪の宮司とは手を切れ。奴は人の心の弱さにつけ込み、操る。お前は奴に騙されてるんだ」
晴明の説得は聞かなかったが、俺の言葉なら聞くだろう。なにせ心と心が繋がってるからな
「離して!!」
……なんで?そんなに爺の方がいいのか?あんなのバイキンマンだぞ?も、もしかして爺専なのか?!
「今ならまだ間に合う。取り返しの付かない事になる前に!!」
確かに爺は技術を持ってるかも知れない。だが、俺とて何百年も生きてる神将だ!知識では負けない!
加えてやっぱり若いのだぞ?二回戦、三回戦と続けられるのだ。俺の方がいいに決まってるだろう!!
「離して!!」
ち……祥子姫が居なければ乳に触れるのに、ええい!!今はそんなことを考えてる場合では
でも俺の腕の中でジタバタする風音も可愛いぞ!!あ……しまった、手を離してしまった
「これは私の意思よ。私の意思で復讐を遂げたの!!だって私は……騰蛇に殺された榎ャ斎の娘なんだから!!」
風音……例えそれが真実だとしても、お前に復讐は似合わない
俺ではお前の心を埋めれないのか?夫として……こんなに虚しいことはない
晴明と天一、朱雀も来たようだ
だが、騰蛇もいつものヘタレ騰蛇ではない。というか、ヘタレ朱雀は戦力にならん
案の定、剣に炎巻かれてるし
晴明!もっとこう、戦闘向きの奴の援軍をくれ、ホント。太陰とか死にそうだし。貴重な幼女なのに
いや、男はいくら死んでもいいが、これ以上十二神将で女が減ったら、泣くから、俺
『風音よ、こちらへ参れ。我らの元へ戻るのだ』
く…忌々しい烏IN智鋪の宮司め!風音をこんな娘にしたのはお前か!!
「聞くな!!お前は利用されてるだけだ!!」
風音!
『来い!風音よ!!』
祥子姫も風音の足にすがり、引き留める
そうだ、風音。祥子姫を抱きしめたお前が本当のお前だろう!風音ぇぇぇ!!
「……この子を、お願い」
「風音ッ!!」
術で気を失った祥子姫を顧みて、風音は目を閉じた。俺は地獄の炎に照らされたその憂い顔を不覚にも美しいと感じてしまった
「……もう、もう全てが遅すぎる」
『ハッハッハ!それでいいのだ風音よ。あそこに居る晴明こそ、お前の父親の命を奪い、母親を黄泉へと落とした宿敵なのだ』
「偽りだ!!」
貴様が!貴様が全て仕組んだコトではないか!!それだけでは飽きたらず、今度は風音までッ!!
「黙れ!!」
行くな、風音。遅いから駄目なのか?そんなことはない!そんなことはないんだ!!
『晴明の配下であるお前に、風音が耳を貸す筈も無い』
「黙れェェェェェェェーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
だったら今すぐでも十二神将辞めてやろうかゴルァッ!!
もう対面なんて気にせんわ!クールで沈着な六合はもう閉店じゃ、死ね糞烏がぁぁぁぁぁぁぁ!!!
「ぁあっ!!嵬……嵬……」
え……その烏、いや烏さん、もしかして風音のお友達とか、そういうの?
だって、泣いてるし、風音……い、いや、ついカッとなって……その……ど、どうしよう?(゚Д゚ミ゚Д゚)
あ、気を失った。よ、よし、取り敢えず風音を確保して、あとでゆっくり話し合おう
弁償……出来ないよな。鳥類だし。反魂の術……ムリムリムリムリ、俺使えないし
熱ッ!騰蛇、空気嫁!!
何?でっかい蜘蛛来た?
「道反の守護妖?」
へー、ヌルヌルは駄目だけど、蜘蛛は大丈夫なのか、太陰……
「巫女よ、お探ししましたぞ」
巫女?お前も巫女萌えか!バケモノの癖に!やめないか、風音に寄るな
「いや……巫女ではない。貴女は……まさか、姫か!!」
「巫女の娘?そうか、先ほどの霊力は巫女と同じもの」
へ?……な、なんということだ。なんか俺と風音が結ばれるのに色んな障害が一気に無くなりそうだぞ!ヒャッホゥ!!
「風音!!」
熱ッ!騰蛇、だから【空気】←これ読めるだろ!もういい大人なんだから!!
げぇ蜘蛛さん丸焼き
「これは我らのモノだ」
巫山戯るな!!風音は俺のものだ!俺以外がモノ扱いするなぁ!!
ッ!?!これは高於の神気……待て、高於の神!まだ風音が!風音がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「風音ッ!!」
風音はどうしてるだろうか……夜が明け、晴明の屋敷に帰ってから
俺に声をかける者は居ない。返って好都合だ。今の俺は騰蛇以上に粗暴になってるからな
朱雀は天一に、彰子は昌浩に尽きっきりだ。天一や昌浩は恵まれてる
目を覚ましたとき、愛する人が居てくれる……風音の傍に、俺は居てやれない……居てやれないのだ!!
勾陳が何やら喚いている。アレの心情は俺に近いだろう
だが、勾陳はあの場に居なかった。俺はあの場に居てみすみすッ!!
「奪われたなら奪い返せばいい」
ッ!!
勾陳の怒りの言葉の一つが、俺の胸を突き刺した。そうだ、奪われたなら、奪い返す!!
ついでに道反の守護妖とかには絶対に返さず、俺の嫁にする!!
ふは!ふはははははははは!!!!
どっかの巫女萌えと同じ思考なのが若干気にくわないが、やってやる……やぁぁぁってやるぜ!!