「はぁ…」  
自分の間抜けな格好に溜息しか出ない。  
『めいど服』なる衣装をじい様に押し付けられ、しぶしぶ袖を通してみたのだが…。  
「ま、昌浩。似合ってるぞ…。」  
もともと赤い癖に、さらに紅くなってる血濡れの神将と…  
「…いい。」  
最近、性癖が判って来たムッツリスケベ。  
…何でも良いが、男の俺をみて頬染めるな。  
鬱陶しいから取り合えず「勾陣と風音ならあっちで着替えている」と言って追っ払う。  
 
さて、言い出しっぺの糞爺をしばき倒してこんな服を脱ぎ捨てたいのは山々だが、その前にはやたら難易度の高い障害が待ち構えていた。  
「あ。昌浩、お待たせ。」  
「あ、彰子。」  
俺と同じ衣装に身を包んだ彰子。彼女はこの衣装が気に入ったらしく、ご機嫌のようだ。  
「えへへ。昌浩とお揃いだね。」  
…そっちか。  
さっさと脱ぎ捨ててやろうと企んでいたのに、彰子の笑顔を見たら脱ぐに脱げなくなってしまった。  
仕方ない。彰子が飽きるまでこの格好で付き合うか…。  
 
…どうにか『めいど服』を脱ぎ捨てるチャンスを見つけ、爺の居室に殴りこみをかけに行く時、血溜りに沈んでいる神将2人を見かけた。  
紅にムッツリ…。本当に覗きに行ったのかよ…。  
 

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