「くそっ!なんなんだ、今回の化け物は〜!!!」  
昌浩は今夜も都を見回っていた。  
 
 
 
最近、都におかしな化け物が徘徊しているというので、調伏しにきたのだった。  
今日は、もっくんが不調のため、太陰と勾陣が一緒だ。  
何故か、昨日の夜中に勾陣と出て行ったっきり、朝まで帰って来なかった。  
返ってきたもっくんは、とてもやつれていた。  
理由を聞いても『あー…。ちょっと、な。』と言って、なにも話してくれない。  
一方の勾陣は、にやにや笑って「なさけないな、騰蛇よ」と言ってもっくんを眺めていた。   
 
(ケンカしたわけではなさそうだったからな・・・。)  
車之輔の中で昌浩はそんなことを考えていた。  
一方、勾陣と太陰は・・・  
「やっぱり、今年はみんなで海にいきたいー!」  
「まぁ、それもいいかもな。だが、青龍と騰蛇がケンカしないかが心配だ」  
「あー。そっか…。騰蛇も一緒なんだっけ…。」  
夏の予定について語っていました。  
ガタンッ!!!  
「わわっ!」  
昌浩は、投げ出されるようにして道に転がった。  
「いたた…。車之輔、ありがとう。助かったよ」  
後頭部をなでながら、車之輔に礼を言う。  
車之輔は昌浩を心配そうに見てから、ガラガラと戻っていった。  
 
 
「いかにも出そうな感じだな…。」  
辺りは真っ暗。  
無表情なあばら家が並ぶばかりで、人影はどこにもない。  
 
すぅっ・・・  
 
「!!!」  
辺りの気温が一気に下がった。  
全員が一気に警戒態勢をとる。  
 
「来るわよ…昌浩。」  
「分かってる…!」  
張り詰めた空気が漂う中、三人は背中合わせになるように外を向いた。  
ズズズ…という、地響きのような音が、どこからか聞こえる。  
「・・・どこだ?」  
勾陣も辺りをゆっくりと見回す。  
 
ガラガラガラッ!!!!!!!!!!!!!  
「「「!?」」」  
数件のあばら家が崩壊した。  
しかし、それは目くらましに過ぎなかった。  
ズドドドドドっ!!!!!!!!  
あばら家と反対方向から、化け物は現れた。  
地面から現れた化け物は、昌浩達が振り返る前に行動を起こした。  
楕円形の頂点から、べろりと5つに先が裂けたのだった。  
中は熟れたイチジクのような赤。  
その中心からは、蛇のような―――触手たち…。  
「いやーっ!気持ち悪いーっ!!!」  
振り返った太陰が悲鳴を上げる。  
さすがの勾陣も息を呑む。  
「縛っ!」  
昌浩が詠唱に入る。  
しかし、術は触手のぬらぬらした液に跳ね返される。  
「くそっ…!!」  
迫り来る触手に、太陰は風で、勾陣は太刀でかわす。  
しかし…  
「このっ!数が多いのよっ!!! あっちいけぇー!!」  
「これじゃあ、埒が明かないぞ、昌浩・・・!」  
太陰も勾陣も苦戦している。  
術は使えない。  
迂闊に術を使うと、跳ね返った術が勾陣や太陰に当たるかもしれない。  
「ひゃぁあっ!!やだっ…!離れてよぉっ!!!」  
「太陰!!」  
足元に忍び寄っていた触手に足をとられてしまったらしい。  
「うっ!!くそっ!!」  
太陰に気をとられた一瞬の隙を触手が見逃すはずもなかった。  
 
「勾陣!!」  
胴と太腿に巻き付かれ、もう逃げる事は出来ない。  
触手は、ふたりの体を舐めまわすように触りだした。  
おぞましい感触が尻に伝わる。  
「ひぃっ!!!!!!!!いやあああああああああぁぁぁあっ!」  
太陰の悲鳴が響き渡る。  
(どうすればいいんだ…!?じい様…っ!!)  
 
「はなれてよ…ひぅっ!」  
「くそっ!!この…あっ!」  
二人の声に甘い響きが加わる。  
勾陣も太陰も赤く顔を染めながら手を縛られて抵抗できずにただ味わうばかりである。  
乳首をソワソワとしゃぶり、生じる汗を触手は舐めるように吸い取る。  
 
「まさっ…ひろ!こいつ…体液を喰って…あああっ!」  
まるで、勾陣の言葉を遮るように豊満な胸に吸い付く。  
下半身に吸い付いた触手が、クリトリスを強く吸った。  
「うあああっ…!だっ…めだ…イクッ!!」  
張り詰めていた糸が切れるように、体から力が抜けた。  
しかし、火照りの醒めない体はいち早く反応する。  
ぬるぬると、割れ目の感触を楽しむかのように上下に大きく動く。  
「ふぁぁ ダメ、またいっちゃうっ!!!くあぁぁぁぁっ!!!!」  
 
一方、幼い太陰が抵抗できるはずもなく…。  
完全にM字開脚され膝が曲がった状態で固定される。  
体を拘束している触手より細い触手が 割れ目を上の方に押し広げる。  
皮で包まれてたクリトリスを剥き出しにしたのだ。  
「ま、まさか・・・」  
嫌な予感が太陰の頭をよぎる。  
ちゅぷ  
「いやぁあぁっ!!ああああっっ!!!!!!!!」  
親指ほどの太さの触手の先端が割れ、太陰のクリトリスを包み込んだ。  
「だめだめだめ!! ああぁぁぁぁぁ!!」  
あらゆる所を触られて、太陰も勾陣も気が狂いそうだった。  
 
昌浩は、化け物をじっと見ていた。    
 
 
≪いいか、昌浩。どんな妖でも、どこかに弱点はある。  
 それを見極めればいいんじゃよ≫  
『わかった!!じいさまはすごいね!』  
 
「やっと見つけた…あいつの弱点…!」  
楕円形の下の部分。  
そこには液体もなく、薄い殻一枚だけ。  
「縛っ!!!!!!!!」  
『グオオオオオオオオっ!!!!!!!』  
化け物の動きがピタリと止まる。  
そして、どこまでも響くような声で叫んだ。  
「臨める兵 戦う者 皆陣破れて前にあり!!!!!!!!!」  
 
 
「勾陣!! 太陰!! 大丈夫か!?」  
地面に倒れた二人は、体中が触手の体液で汚されていた。  
「まぁ…なんとか大丈夫だ…」  
「こっちも…ひどい目にあったわ…」  
昌浩は、口笛で車之輔を呼び、そして…  
「なにやってんのよ、昌浩」  
自分が羽織っていた物を脱ぎ始めた。  
「この期に及んで卑しいことをしようとか考えてるのか?」  
「んなわけないだろ。」  
「じゃ、なによ」  
「二人とも、そんな格好じゃ嫌だろ?」  
そして、太陰と勾陣に一枚ずつわたした。  
二人は、顔を見合わせて「くすっ」と笑い、それを着た。  
 
余談だが、この後じい様からの手紙が届いた。  
「二人の神将をあんな目にあわせるなど、まったくお前は…。  
 やはり、もう一度じい様と修行せねばいけぬのう。  
        ばーい・清明      」  
 
 

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