ハァ…ハァ…  
…………………………  
「…れよ……きら…よ……」  
クッ…  
「起きられよ、主殿」  
「キ、紀柳…」  
「たかがこれしきの事で気絶とは…  
無様にも程がある」  
気絶…?そうか…俺は紀柳の試練で…  
「主殿?主殿はシャオ殿と添い遂げたいのでは  
なかったのか?ならばこれしきの試練、  
見事乗り越えてみせられよ!」  
 
 
……話は半日前にさかのぼる。俺は  
紀柳に、シャオにふさわしい男になれるよう  
修行したいと話をしたんだ。  
紀柳も、そういう事ならばと話に乗ってくれたんだけど…  
「こ…こんな試練ってあるのか?」  
俺は全身を拘束され、半日の間ずっと  
嬲られ続けている。何度  
射精したかなんて覚えていない。が、その都度  
紀柳の口から「万象大乱」と冷たい言葉が  
放たれ、全身を縛る拘束具が体をひき千切らんとばかりに  
締め付けてくる。その痛みと限界を超えつつある  
疲労のため、気を失ってしまっていたらしい。  
 
「主殿。休んでいる暇などないぞ。さあ…  
次の試練だ」  
「ま、待ってくれよ紀柳!そ、そんなの…」  
口許に微かな笑みを浮かべ、こちらに近付いて来る紀柳。  
手には昏く、鈍く光る大きな…棒…?  
「全身が敏感になっている今の主殿にこれを  
挿入したら…どうなってしまうのだろうな?」  
クスリと笑みを漏らし、俺の後ろに回る。  
必死で抵抗を試みるが、全身の拘束具が  
それを阻む。やめろと懇願しても聞き入れはしない。  
「…!!ああぁっ…!!」  
紀柳が俺の後ろを…舐めている!?  
「ま、止めろ!そんなとこ…」  
「濡らしてからでないと挿入れられんよ。それとも、  
主殿は痛いのがお好みか?変態だな。」  
何処か楽しそうな、そんな口振り。そして再び  
舌を這わせ始める…  
 
「ふう…こんなものかな。さて、覚悟は  
良いか、主殿?」  
言い終わる前に何かが突く感触。そして…  
 
「ふぁ…っ!?」  
挿入ってくる。太い、冷たい、痛い…  
「ぁ…やめ…や…め…」  
容赦ない責め。何度も出し入れされる。  
痛い…恥ずかしい…紀…柳…!!  
「おや?もっと痛がると思っていたのに…  
そんなに気持ち良いのか?ふふっ…」  
冷たい、けど少し嬉しそうな…?  
「あれだけ射精しておきながらまだこんなに  
腫らせているなんてな。シャオ殿が今の主殿を  
見たら何と思うやら。」  
「い…い加減に…してくれ…もう…」  
「もう?何だ?もう音をあげるのか?」  
言いながら、手を止めない紀柳。また俺の中に  
射精感が込み上げて来る。  
「あ…出る…もう…」  
と、紀柳が手を止め、俺を攻め立てた棒を  
抜く。  
「?えっ…?」  
「止めて欲しかったのだろう?」  
………  
疼く。射精寸前の肉棒が疼く。嫌だ。嫌だ。  
「め…な……で…」  
「聞こえぬよ主殿。」  
「止めな…いで…キ…リュウ…逝かせ…」  
「………」  
 
冷たく見つめる瞳。  
「主殿が…」  
え…?  
「主殿が…いけないのだ…」  
紀…柳?  
「主殿が!!主殿が私に…シャオ殿との事など  
頼むから!!」  
「な…、何…?」  
「理解っている!主殿はシャオ殿が好きだって!  
頭で理解できてる!私は莫迦じゃない!けど…」  
………  
「知らないだろう主殿!私は毎夜自らを慰める!  
頭にはいつも…いつも主殿が浮かんでいる!」  
「え?だ、だって俺は…」  
「ふふっ…今だってそう。主殿のはしたない  
姿を、吐出される精液を見て、こうなっているんだから。」  
紀柳が服を脱ぎ始める。上着を、そして下着を…。  
最後にパンティを脱ぐ。  
俺の目にもはっきりと確認できるくらい  
粘っこい糸を引いている。  
 
「ふ…このまま壊してしまおうと思っていたけど…」  
「な、何を…?」  
裸の紀柳が近付く。駄目だ、止めないと…  
そんな意識とは裏腹に、目は白く、しかしほんのりと赤みをさす美しい肢体に  
釘付けになり、疼いていた肉棒は、  
後ろに挿入れられていた時よりその疼きを  
増していき…  
「あ…」  
「もう何もする必要はないな。挿入れるよ、主殿?」  
「ち、ちょっ…」  
「ふ…これも…試練だ。耐えられ…はせぬな。耐える必要はない。  
さあ…存分に狂われよ!!」  
ずぷっ…くちゅ…ぬっ  
 
熱くきつい紀柳の膣内…とうに限界を超えていた  
俺が、その感触に耐えられるはずがない。  
「あっ…あっあっああっ!駄目、出っ!?」  
どくっ…どくっ…びゅくっ…………  
 
恐らく数秒。  
俺は紀柳の膣内に射精した。  
 
「あれだけ射精しておいてまだこんなに…ふふっ。主殿?  
主殿はそんなに私を妊娠させたいのだな?」  
な…  
「そ、そんな…だって」  
「こんなに射精しておいて、言い訳は  
出来ぬよ。それに…」  
「…!?くっ…」  
「これでお終いじゃないのだから…」  
また締め付けてくる…射精したはずの俺の肉棒が  
萎えることなく、否、紀柳の膣内に挿入れる  
前よりずっと激しく疼き出す。  
 
ぐちゅ…ぐちゅ…  
 
時間などもうわからない。何度射精したのかわからない。  
もう何もわからない。ただ紀柳の膣へ射精する。  
紀柳…紀柳…  
 
 
………  
………  
………  
あれからどれくらい経ったのだろう…  
私の横には死んだように眠る主殿…。  
部屋には男と女の匂いが充満している。  
ふ…最低だ。気分が…  
気分が…良い…。  
今ごろ家は主殿の行方不明に大騒ぎだろう。  
主殿を奪った私をシャオリンはどう思うのか…。  
   
「…ん…うん…」  
おや?やっと目覚められるようだ。  
さあ、家に帰ろうか、主殿。記憶を消去してあげる。  
また貴方はシャオリンを求めるだろう。  
横からルーアンが邪魔をするやも  
知れぬな。  
けど  
私が助けてあげるから。  
 
    
…紀……柳………  
ごめんな…紀柳……  
 
   
………気が変わった。  
私は貴方を助けぬ。貴方を…身も心も奪い、貴方のすべてを私のモノにして…  
   
   
さあ、試練だ。耐えられよ主殿。  
 
 

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