いつものように自宅の神社の庭を掃除している出雲。  
しかし、一つだけいつもと違うところがあった。  
「うむ、コレも美味しいな、出雲殿」  
そこには、縁側に座って和菓子をムシャムシャと食べるキリュウの姿があった。  
「そうですか、気に入って頂けて嬉しいです」  
爽やかな笑顔で返事をする出雲。  
ここ数日のところ、キリュウは出雲の家に来ては日替わりで色々な菓子を御馳走になっていた。  
理由は彼女にも判らなかったのだが、何故かある日出雲から「母の手製の菓子を食べに来ないか」という誘いがあり、断る理由も無いキリュウはそれから毎日相伴に預かっていたのである。  
「だが出雲殿、良いのか?こう毎日御馳走になってしまって」  
「ええ構いませんよ、キリュウさんも以前に母の菓子を食べて気に入って下さっていたではないですか」  
「しかし・・・出雲殿には悪いが、どうも何か出雲殿が良からぬ企みをしているのではないかと思ってな・・・」  
その言葉にギクリとする出雲。  
さの出雲の表情の微細な変化をキリュウは素早く見破った。  
「やはり、何かを企んでいたのだな」  
「・・・仕方ないですね、話しましょう。いずれ話そうと思っていた事ですから」  
 
スッと真剣な表情になると出雲はキリュウにこう告げた。  
「キリュウさん、太助君のことをどう思いますか」  
いきなりの質問にキリュウは面食らう。  
「・・・・・・どうとは?」  
「男女の仲として太助君を見た事があるか、という事ですよ」  
その問いにキリュウは笑って答える。  
「下らないな、そんな事あるわけないだろう」  
「本当にありませんか?」  
「何故そんな事を聞くのだ・・・私は万難地天だぞ?主に想いを寄せるなどと考えた事も無いな」  
「そうですか・・・・・・けれどキリュウさん、貴女は無理にそう思おうとしているのではありませんか?」  
キリュウの表情が変わる。  
「どういう意味だ?」  
「貴女は本当は太助君のことが好きなのに、自分でその想いに気づかないふりをしているんですよ」  
断定的に出雲はそう告げた。  
キリュウの顔が見る見るうちに赤くなっていく。  
「なにをっ・・・なにを根拠にそんな事・・・っ!!」  
「そんな事無い、と言いたいのですか?」  
「当たり前だ、どうして出雲殿がそう思うのか、そっちを私は知りたい」  
 
「そう思わないほうがおかしいと私は思いますよ。いつも試練と言う言い訳をして貴女は太助君を一人占めしている。  
あんなに何時も何時も一緒にいるのに男女の仲に発展しない訳が無いじゃないですか」  
「し・・・っ失礼な、私も主殿も真剣にやっているのにそれをそんな風に見ていたのか!?不愉快だ、失礼する」  
キリュウは肩をいからせながら、そこを後にしようとした。  
「そうですか、では貴女が毎晩のようにしているのは、一体何なんですか?」  
「っ!!?」  
ビクッと体を硬直させ、キリュウは立ち止まってしまった。  
「な・・・・・・何の事だ、それは・・・・・・」  
声が震えていた。  
そこに出雲の言葉が覆い被さる。  
「毎晩毎晩、太助君のことを思って自分を慰めているんでしょう?」  
「そ・・・それこそ何の証拠があって・・・」  
「離珠さんに聞きました」  
「!!!」  
本当だった。出雲は少し前に遊びに来た離珠にキリュウが毎晩太助の名前を呼びながら自分の体をまさぐっているという事を聞いていたのだった。  
無論、離珠にはそれが意味する事は解っていなかったが。  
 
足元の地面が崩壊したかのような顔をしているキリュウの肩に出雲は優しく手を乗せた。  
「大丈夫です、別にその事を言いふらしたりなんてしませんよ。それよりもキリュウさん、もう一回聞きたいんですが」  
キリュウは弱弱しく出雲を見返した。  
「太助君のことをどう思ってますか?」  
「・・・・・・」  
キリュウは俯いてしまい、口をつぐんでしまった。  
「好きなんですよね?」  
出雲が優しく訊ねる。  
それにキリュウはコクリと頷いた。  
「良かった、それが聞きたかったんです。ねえキリュウさん、太助君と一緒になりたくはありませんか?」  
「え・・・?」  
「貴女が太助君とくっ付いてくれれば私はシャオさんとくっ付きやすくなる。だから、貴女に協力して欲しいんです」  
キリュウは出雲から離れた。  
「それは出来ない相談だな」  
「何故ですか?」  
「私は主殿とシャオ殿が好きだ。だから、二人には幸せになって欲しい。その幸せを邪魔する事なんて私には出来ない」  
「そうやって貴女は自分に嘘をつき続けるんですか。それでは、貴女自身の幸せは要らないのですか?」  
「・・・・・・私は最初から幸せになんてなれる存在じゃないんだ。だから、せめて人の幸せの手伝いをしたい、それだけだ」  
 
「なぜ我慢する必要があるんです?好きなんでしょう、なら好きだと太助君に告げれば良いじゃないですか」  
「・・・・・・出来るわけ無いだろう、そんな主殿の悩みを増やすようなマネ・・・・・・」  
「ならキリュウさん、太助君に抱いてくれと言ってみなさい」  
「な・・・っ何を・・・・・・っ」  
カッと顔を赤くするキリュウ。  
「男と言うものはいい加減なものでしてね。それまで何とも思ってなかったような女性でも、一回体を重ねてしまえば途端に恋しく思ってしまうものなのです  
だから太助君に夜這いをかけてみなさい、貴女なら上手く行きますよ」  
「そんな下らない話をする為に毎日私に菓子を与えていたのか?」  
「下らないかどうかは貴女次第なんですがね・・・」  
「生憎、私はそんな話に乗るつもりは無い。失敬する」  
キリュウはそう言うと短天扇に乗り、宮内神社を後にした。  
残された出雲は不敵な笑みを浮かべたまま、キリュウの去った空の方を眺めていた。  
 
一方キリュウはついさっき吐いた強気な言葉とは裏腹に、頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。  
(本当に出雲殿が言うとおり、主殿は私が夜這いをかけたら想いに応じてくれるのだろうか・・・)  
そんな考えが浮かぶたび、その想いを振り払おうと頭を振る。  
(そんな訳無い・・・主殿が私の想いに応えてなんてくれる訳が・・・・・・)  
けれど、もしも出雲の言うとおりになるとしたら・・・・・・  
ずっと秘めてきた想いを暴かれてしまったキリュウの心は、彼女が考えているよりもずっと弱くなっていた。  
 
 
家に帰ってからもキリュウは悶々とするばかりだった。  
まだ昼間だというのに自分の部屋で布団の中にもぐる。  
太助の事を想いながら自慰に耽っていたのが離珠に見られていたというのもショックであった。  
アレコレと考え込んでいるうちに眠ってしまったようだった。  
時計を見ると夜の八時を超えていた。  
「・・・・・・・・・もう夕食は終わってしまったかな・・・・・・」  
寝起きのボーッとした頭でそんな事を考えるとキリュウは一階に降りていった。  
リビングへ行くと太助が一人でテレビを観ていた。  
「あ、起きたのかキリュウ」  
「ああ・・・・・・皆は?」  
「うん、皆で山之辺んちへ遊びに行ってたんだけどな、俺だけ先に帰ってきたんだ」  
「そうか・・・・・・」  
太助と二人きりという状況にキリュウの胸は高鳴る。  
じっと動かないキリュウの様子に気付き、太助は声をかけた。  
「どうしたんだ、キリュウ?ご飯ならテーブルの上にあるから食べたら?」  
「ああ・・・・・・」  
そう言いながらもキリュウは太助にゆっくりと近付いて行った。  
「キリュウ?」  
「なぁ、主殿・・・・・・主殿は私の事をどう思う?」  
 
「え?」  
太助が顔を上げるとキリュウが普段とは明らかに違う顔をして立っていた。  
「どう・・・・・・って?」  
「私の事・・・・・・嫌いか?」  
突然の問いに太助は面食らう。  
「嫌いなんて・・・・・・そんな訳無いだろ」  
「なら、好きか?」  
言いながら、キリュウは頭の中が沸騰していくのが分かった。  
「いや、それは・・・・・・」  
太助が口ごもる。  
キリュウは太助に詰め寄り、肩を掴んだ。  
「私は、私は主殿の事が好きだっ!!」  
「・・・・・・・・・!!」  
余りに唐突な告白に驚きを隠せない太助。  
その様子を見ながらも、興奮してしまったキリュウは一気にまくし立てた。  
「ずっと好きだったんだ、主殿・・・始めて会った時から・・・・・・でも主殿にはシャオ殿がいた・・・・・・  
だからずっと言わずに来た・・・・・・でも、もう耐えられないんだ・・・だから、一回だけで良い・・・・・・  
私を抱いてくれないか・・・・・・?」  
そう言うとキリュウは着ていた服を脱ぎ去り、ソファーに座っていた太助に覆い被さった。  
 
「やめろっ、キリュウ・・・っ!!」  
自分を押し倒してきたキリュウを太助は突き飛ばした。  
キリュウは倒れこみ、尻餅をついた。  
その隙に太助は立ち上がり、キリュウを睨み付けた。  
「知らなかったよ、キリュウがこんな事するなんて・・・」  
それは侮蔑の言葉だった。  
その言葉にキリュウはハッと顔を上げた。  
「キリュウが俺を好きだって言ってくれたのは嬉しいよ。でも、いきなりこういう関係を迫ろうとするなんて、最低だよ」  
「そ・・・・・・っそれは・・・っ」  
出雲に言われたから、というのは言えなかった。  
いくらなんでも、そこまで責任転嫁するような真似は彼女には出来なかった。  
言葉を飲み込んだキリュウを後にして太助はリビングを出て行こうとした。  
「待ってくれ、主殿!!」  
キリュウは必死の様相で太助を呼び止めた。  
「すまなかった、こんな事をしてしまって・・・・・・謝る、だから・・・・・・短天扇に私を帰したりなんてしないでくれ・・・・・・っ!!」  
「そんな事しないよ・・・・・・試練は最後まで受ける。ただ・・・・・・キリュウの事は少し見損なったよ」  
そう言い捨てて、太助は二階へ上がっていった。  
「・・・・・・・・・・・・」  
後に残されたキリュウの耳には降り始めた雨の音が聞こえていた。  
 
 
夜の雨を眺めながら、出雲は自分がけしかけたキリュウの事を考えていた。  
(上手くやってくれれば良いんですが・・・・・・)  
考えてみると、余りにも荒い策略ではあった。  
しかし、離珠からキリュウの秘密を知らされた彼は一刻も早く思いついた作戦を実行に移したかったのだ。  
(まあ、太助君だって思春期の少年です。ある程度可愛いキリュウさんに迫られて乗らない事も無いでしょう)  
そうやって自分の考えの穴を不確定要素でフォローしていると、家のインターホンが鳴った。  
両親は出かけてしまっていたので、出雲は面倒に思いながらも玄関へと足を運んだ。  
「どなた様でしょう」  
そう声をかけると、戸の向こうから消え入りそうな声が聞こえた。  
「私だ・・・・・・」  
その小さな声に出雲はハッとした。急いで靴をつっかけて戸を開いた。  
「・・・・・・っ」  
そこには雨に濡れたキリュウが俯きながら佇んでいた。  
「・・・・・・キリュウさん・・・・・・」  
悪い推測に息が苦しくなりながら、出雲はやっと彼女の名を呼んだ。  
キリュウはゆっくりと顔を上げると、泣いているような笑顔でこう言った。  
「上手く・・・・・・いかなかったよ・・・・・・」  
 
立ち尽くす出雲にキリュウはふらふらと歩み寄り、出雲の胸にもたれ掛かった。  
「キリュウさん・・・」  
冷えてしまった彼女の体を抱き止める。  
その体は思っていたよりも細く、小さく、頼り無げだった。その彼女に辛い目を合わせてしまったのは自分なのだと考えると、出雲は胸が苦しくなった。  
自分の余りの考え無し加減に腹が立つ。  
だが今は傷付いた彼女の心を癒してあげる方が先だった。  
出雲はずぶ濡れの彼女を抱きかかえ、風呂場へと連れて行った。  
 
しばらくして風呂から出てきたキリュウを出雲は空いている部屋へ通した。  
そこには、彼女が風呂に入っている間に敷いておいた布団があった。  
「詳しい話は明日聴きます・・・・・・ですから、今日はもうお休み下さい・・・・・・」  
そう言って浴衣を着た彼女の背中を軽く押すと、出雲は部屋から出て行こうとした。  
ぐっ・・・・・・  
「?」  
ふと自分の服の袖を見ると、キリュウが掴んでいた。  
「待ってくれ・・・・・・」  
そのキリュウの言葉に出雲が向き直ると、キリュウは彼にしな垂れかかってきた。  
出雲の胸板に顔を埋めると、彼女は静かに囁いた。  
「やっぱり・・・・・・ダメだった・・・・・・」  
それは消え入りそうな声で、耳を澄ませていなければ聞き漏らしてしまいそうなものだった。  
 
出雲はどうすれば良いのか判らず、じっとキリュウの様子を見つめていた。  
「出雲殿の言うとおり、主殿に迫った・・・・・・でも抱いてもらえるどころか軽蔑されてしまった・・・・・・」  
「・・・・・・・・・」  
出雲は自分の軽薄さを突きつけられた気分になり、呻き声を漏らしそうになった。  
「やり方が悪かったのかな・・・・・・それとも・・・そんなに私は抱きたくも無いような女なのかな・・・・・・」  
次第にキリュウの声が湿ってくる。  
ヒックヒックと嗚咽が混ざり始めた。  
「どうして私は誰にも・・・・・・誰にも愛して貰えないのだろう・・・・・・どうして・・・・・・」  
涙が出雲の胸を濡らしていく。  
今やキリュウは声を上げて泣いていた。それは出雲が初めて見る彼女の弱さだった。  
湯上りの甘い香りの誘いもあってか、いつの間にか出雲はキリュウを抱きしめていた。  
ひとしきり泣いた後、キリュウは少しずつ静かな息づかいに戻っていった。  
やがて自分が抱きしめられている事に気付くと、キリュウは泣き腫らした顔で出雲を見上げた。  
その潤んだ瞳に見つめられた出雲には、先刻から湧き上がっていた衝動を止める事など出来なかった。  
細いキリュウの肢体を一層強く抱きしめ、彼女の唇に自らのそれを重ねた。  
一瞬驚きに目を見開いたキリュウだったが、すぐに力を抜き出雲にされるがままにした。  
口付けを続けながら出雲は愛撫を始めた。  
キリュウの柔らかい体を両手で撫で、丸い尻を掴んだ。  
「あっ・・・・・・」  
キリュウはピクッと体を震わせた。すでに彼女の瞳は熱っぽくとろけてきていた。  
 
愛撫をしながら、出雲はキリュウを布団へ押し倒した。  
唇から頬、首筋へとキスをしながら彼女の浴衣を脱がせていく。  
やがてキリュウは一糸纏わぬ姿になった。  
「出雲殿・・・・・・」  
熱い吐息を漏らしながら、キリュウは出雲の名を呼んだ。  
「嫌ですか、キリュウさん・・・・・・」  
まだ自分の服は脱がずに意思の確認をする出雲。それは彼なりの優しさだった。  
「ううん・・・・・・嫌じゃない・・・・・・出雲殿に主殿の事、忘れさせて欲しい・・・でも、一つだけお願いしたいんだ・・・・・・」  
「・・・何ですか・・・?」  
「今夜だけでいい・・・・・・私を心から愛して欲しいんだ・・・・・・」  
「・・・・・・そんな事言わなくたって、私にはもう貴女しか見えていませんよ」  
出雲はそう言うと再びキリュウに口付けをした。  
舌をキリュウの口内に割り込ませ、彼女の舌と絡ませていく。  
「はぁっ・・・・・・あっ・・・・・・ちゅ・・・んふ・・・・・・ふあっ」  
丹念に唾液を絡ませ、飲み込み、送り込む。その都度にキリュウが息を漏らす。  
出雲は右手をキリュウの秘所にやると、そこの様子を確かめるように小さな茂みの中の割れ目を優しくさすった。  
「んっ・・・!」  
秘所をさすられてキリュウが新しい反応を返す。  
彼女の手は所在無げに宙をふらついた後、布団をしっかりと掴んだ。  
出雲が優しくさすっていくと次第にそこは奥から熱を持ち始めたようだった。  
 
さらに割れ目に低く指を沈ませて撫でていくと、つうっと液が溢れて来た。  
出雲の唇はキリュウの右側の乳房に移る。  
大きすぎず、小さすぎない乳房の先端にある乳首を唇でついばんだ。  
「うん・・・・・っ」  
舌で唾液をまぶし、空いている左手でもう片方の乳房を揉みほぐす。  
割れ目も次第に柔らかくなり始め、奥の方まで出雲の指を飲み込んでいた。  
「あっ・・・・・・んはぁ・・・・・・くっ・・・・・んん・・・っ」  
出雲の愛撫一つ一つにキリュウは甘い声を上げる。  
湯上りの体は更に火照り、ひくひくと震えていた。  
出雲は乳房からつーっと舌を移動させ、秘所を口と舌で愛撫し始めた。  
指でほぐれた割れ目を舌で更に割り開き、奥まで舌を挿入する。  
「あっ・・・そこはっ・・・・・・」  
耐え難い愉楽にキリュウが体をくねらせる。  
出雲はそんな彼女の反応を楽しむように、蜜の溢れる割れ目をねっぷりと愛撫した。  
「キリュウさん・・・・・・すごく濡れていますよ・・・・・・」  
「あっ・・・・・・ああ・・・・・・」  
「クリトリスもこんなに大きくして・・・・・・気持ち良いんですね・・・・・・」  
出雲は少し意地悪な口調でキリュウに語りかけた。それは彼女が行為に没頭できるようにする為の話術だった。  
 
「そんな……そんな事…言わないで…くれっ……あんっ……」  
「良いんですよ……我慢しないで……気持ち良いなら…そのまま快感に身を委ねてしまえばいいんです……」  
ピチャピチャと音を立てながら出雲はキリュウの秘所を舐め回す。  
時々指を中に挿し入れ、少しずつそこを異物に馴染ませていく。  
「あぁんっ…だめ……気持ちっ……い…いいのぉ…っ」  
自分の愛撫に逐一初々しい反応を示すキリュウに出雲は調子に乗り、更に激しくそこを責め立てた。  
「やあっ!!…だめっ…!!そんなにしたらっ!!……もっ…もう私……っ!!」  
ブルブルとキリュウの太ももが震えだし、足の指先は突っ張った。  
「イきたいんですね?良いですよ、イってください…っ!!」  
出雲の指がくっと奥を突いた時、キリュウの体が跳ね上がった。  
「あぁぁああぁぁーーーーっっ………………!!!!」  
キリュウはビクンッビクンッと体を痙攣させ、秘所から潮を吹いた。  
飛び散った愛液は出雲の顔に降りかかる。  
出雲は自分に降りかかった液体を指で掬い取り、ぺろりと舐め取った。  
「あっ……あぁ……んふぅ………ふあぁぁ………」  
絶頂に達した余韻に浸りながらキリュウは荒い息をした。  
「良かったですか?キリュウさん……」  
「ああ……すごく……良かった……」  
息を整えながらキリュウが返す。  
その表情を見て、出雲は顔を崩した。  
「体はほぐれたみたいですね……そろそろ……本番にいきましょうか……」  
 
出雲は服を全て脱ぎ去った。  
彼の男根は先程からのキリュウの愛らしい痴態によって、すでに勃起していた。  
その大きさにキリュウは少し怯んだ様だった。  
「それが……私の中に入るのか……?」  
体を強張らせるキリュウの頭を、出雲は優しく撫でながら囁いた。  
「怖がらなくても大丈夫ですよ……私に全て任せて下さい……」  
優しく頭を撫でていると、キリュウも緊張を解いていった様だった。  
「さあ…力を抜いて……」  
キリュウの足を持ち上げて股を開かせると、ぐっしょりと濡れている蜜壷に硬くそそり立ったそれを押し当てた。  
「んあっ……」  
「入れますよ……」  
ゆっくりとキリュウの中へ自らを埋め込んでいく。  
「あっ…入って……くるっ…」  
キリュウが息を吐く。  
やはり、初めては苦しいのだろう。体にも硬さが戻ってしまっていた。  
出雲は彼女をいたわる様にじっくりと自分を挿入していった。  
やがて根元まで納めると出雲はキリュウに体の力を抜くように言った。  
「…全部……入ったのか……?」  
キリュウが接合部を見ようと顔を上げながら言った。  
因みに、この時二人は正常位で接合していた。  
 
「よく見て下さい…私のがこんな奥まで入ってしまってますよ……」  
言いながら、微妙に腰を動かして奥をつつく。  
「あっ!!…んんっ……動かないで……くれ……」  
「それは無理な注文ですよ……だってキリュウさんの中……すごく気持ち良いですから…」  
出雲の言葉は本音だった。  
キリュウの膣内は、彼が今までに関係を持った女性の中でも至高のものだった。  
初めてなのにきつ過ぎず、かと言ってゆるい所などは一つも無く、まんべんなく出雲のモノを締め付けてくる。  
加えて今までのイメージを払拭するような、目の前のキリュウの愛らしい姿。  
いやむしろ、その事の方が出雲を激しく興奮させていた。  
あの鉄面皮のキリュウが今、自分に支配されているのだ。自分の肉棒の挿入によって甘い声を上げているのだ。  
その実感が出雲のモノを痛いくらいに膨張させていた。  
「動き…ますよ……」  
それだけ告げると出雲はまるで子供のように腰を振り、蜜壷の中に陰茎を突き入れた。  
「ひああっ!!…いきなりっ…そんな…突い……ちゃぁっ!!…あっ!!あんんっ!!」  
硬い肉棒で自らの柔らかい所を突き回され、キリュウは喘いだ。  
奥を突かれるたびに、全身へ甘い感覚が電気の様に流れる。  
甘い電流は脳髄に、乳首に、喉の奥に、舌の先に、手足の指の先端にまで逐一行き渡る。  
その快感の濁流にキリュウは瞬く間に飲み込まれ、次第に自らそれを求めて体を動かしていた。  
キリュウの丸く柔らかい尻を両手で掴み、出雲は快楽を貪った。  
もはや彼の思考からは彼女に対する思いやりなどはこぼれ落ちてしまっていた。  
 
二人は互いに互いを求め合い、思うがままに腰を打ち付けあった。  
「キリュウさんっ!!キリュウさん…っ!!」  
精霊という物は膣内も完璧に出来ているのだろうか。  
出雲は子供じみた腰の動きを止められなかった。  
キリュウの中をもっと感じたかった。  
キリュウの声をもっと聴きたかった。  
いつも彼が女性と体を重ねる時の冷静さなど、吹き飛んでしまっていた。  
対してキリュウの方も、いつもの彼女からは想像も出来ないくらい乱れていた。  
男性に抱かれるとはこんなにも心地良いものだったのか。  
出雲のモノが奥を突くたびに心も体も満たされていくようだった。  
それは、何千年も存在してきた彼女が始めて感じる充足感だった。  
「出雲殿っ!!もっとっ!!もっと私を…っ!!私を壊して!!」  
出雲の背中に指が食い込むほど、彼を抱き寄せる。  
彼女の両足も出雲の腰にいつの間にか回され、彼の腰を引き寄せていた。  
二人はただの男と女になって愛し合っていた。  
しばらくして出雲に限界が訪れた。どうしようもない快楽が先端にせり上がってくる。  
「すいません、キリュウさん…私もう…っ」  
「大丈夫…だっ……私も…もう…っ!!」  
キリュウの両足がより強く出雲を引き寄せる。  
それによって出雲のモノが更に奥まで届いた瞬間、二人は限界を超えた。  
 
「あっ…あっ……あああああぁぁぁぁーーーっ!!!!」  
キリュウが背中を反り返らせ、二度目の絶頂に達した。  
同時に出雲も押さえつけていた快楽をキリュウの中に解き放った。  
「くっ…うっ……うはぁ…」  
どくんっ…どくんっ…どくっ…どくっ…どくくっ……くっ……くくっ……  
「ふう……」  
奥までたっぷりと白濁液を注ぎ込むと、出雲はキリュウから自分を引き抜いた。  
「ひどいな……出雲殿……中に出すなんて……」  
荒い息を吐きながらのキリュウの言葉に出雲は我に返る。  
「あっ…すいません……我を忘れてしまって……」  
出雲が顔を暗くすると、キリュウはふっと微笑んだ。  
「冗談だ、本当は嬉しかったんだ。私をそれだけ感じてくれたって事だから……それに」  
キリュウは自分のおなかを撫でながら顔を赤らめた。  
「私の中に出雲殿が広がっていくのは……とても心地良かった……」  
「でも……もし出来てしまっていたら……」  
「もしそうだとしても、私は嫌じゃないよ……誰かと愛し合えたって証が残るって事だから……」  
その言葉に出雲の中で疼くものがあった。  
気が付くと、彼はキリュウを抱きしめていた。  
「出雲殿…?」  
「……初めてですよ……こんな気持ちになったのは……」  
 
キリュウの涙を見た時からぼんやりと感じていた感情。それは今、出雲の中で確信に変わった。  
「体を重ねただけでこんな気持ちになったのは初めてです………私も…貴女と愛し合った証を残したい……」  
「……出雲殿…それは………」  
キリュウの中に甘い期待が湧いてくる。けれど、彼女はその期待に飲み込まれないように耐えていた。  
しかし、その期待は次の瞬間に確かなものとなった。  
「貴女とずっと一緒にいたい」  
出雲は確かにそう言った。  
「貴女との愛の結晶を育んでいきたい」  
キリュウの目に熱いものが溢れる。  
「本当か……?嘘だったら、早く言ってくれ……」  
「嘘じゃありません……いえ、最初はそんなつもりじゃなかったのは本当です。でも、今は貴女と共にいたいとどうしようもない程に思っています」  
出雲は苦しいくらいにキリュウを抱きしめた。  
キリュウはその抱擁に応えるように彼を抱き返した。  
「ありがとう……出雲殿……ありがとう……」  
キリュウの目から涙が溢れた。  
「キリュウさん……」  
そんな彼女を出雲は包み込むように抱きしめた。  
「ではキリュウさん」  
「何だ……?」  
「証をもっと確実に作るために、もっとしませんか?」  
「………ばか………」  
 
その後も二人は一晩中愛し合った。  
出雲は何度も何度もキリュウの中に子種を注ぎ込んだ。  
 
やがて、空が白ばむころ眠りに就いた二人の表情は幸せに満ちていた。  
シャオリンに想いを寄せていた出雲。  
太助に想いを寄せていたキリュウ。  
二人の求めていた温もりはここにあった。  
 
完  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル