「…ふむ、油断大敵と言ったところか」  
木の枝に腰掛けるキリュウが見下ろす先には、ノビている太助の姿があった。  
このところ、ちょっとした試練では音を上げる事もなくなり、身体的な成長は著しいばかりの  
太助ではあるが、それが最近はちょっとしたミスが目につく様になってきていた。  
例えば、今回の試練も問題なくスムーズにこなしていたのだが、なんとその試練の最中に足を  
滑らせて転び後頭部をぶつけて気絶したという、何とも間の抜けた失敗を繰り返しているのだ。  
本来、キリュウの課す試練はその主に心身の成長をもたらすためのものであるはずなのだが、  
何故か太助の場合は肉体的な成長は著しいのだが、精神的な成長は釣り合っているとはいえなかった。  
(主殿への試練の枷になっているのは、やはりシャオ殿か…)  
キリュウなりに考えて得られる要因はどうしてもそこにいきつく。  
(…しばらく、シャオ殿と離れた場所で主殿に試練を与えてみた方がいいのではないか?)  
その考えを太助に伝えてみたところもうすぐ夏休みに入るということもあり、  
みんなに邪魔をされない山篭りという形で実行されることになった。  
事実、初日・二日目と試練は順調に行われ、太助もいつも以上に気が入って取り組んでいる様子であった。  
が、突然三日目からそれが崩れた。  
どこかギクシャクとした太助は試練に対処し切れなかったり、普段以上にミスを繰り返したりした。  
「いったいどうしたというのだ?主殿」  
「えーと、あっ…なんでもないっ」  
「何でもないということはないだろう」  
「ホ・ホントだってっ!」  
「………そうか」  
何故か、目を逸らし真っ赤になって否定する太助に、キリュウもそれ以上聞き出す事も出来ずその場は引き下がった。  
そして、四日目、五日目…今日と、試練は失敗続きでここまできたのだ。  
(一体、どうしたものか…)  
短天扇に太助を乗せると、キリュウは溜め息を一つついた。  
 
ぱしゃ…  
向こうから聞こえてくる水の音に太助は目を覚ました。  
体を起こすと額に置かれていた濡れタオルが落ちる。  
…ずきっ  
「っ!」  
タオルを拾おうと手を伸ばすと後頭部に鈍い痛みが走る。  
その痛さで、今日の事を思い出す。  
「…あーーもぅ!やっと、落ち着いたと思ったのにっ!」  
何かを振り払うように頭を振る。  
痛みが続くが、構わず続ける。  
そうして、気持ちが落ち着いてきたところで止める。  
濡れタオルを後頭部に当て冷やすと、出来る限り冷静にそもそもの原因について思い返す。  
太助の調子が崩れた理由、その原因はキリュウであった。  
 
あれは二日目の夜。  
試練の疲れでうとうとしていた太助は、物音で目を覚ました。  
なんとなく気になり、音の方へと歩いていく。  
(………!?)  
思わず上げそうになった声を飲み込むと、慌てて身近な木に姿を隠す。  
視線の先には水浴びをするキリュウの姿があった。  
柔らかな身体の動きに合わせ揺れる二つの胸。  
そして、水に見え隠れして見えそうで見えない下の…  
目に焼きついたキリュウの艶姿を慌てて振り払う。  
(お、おおぉぉぉぉおちつけぇぇぇ…)  
立ち去ることも出来ずに、必死になって他の事を考えて紛らわそうとするが、  
聞こえてくる水の音に想像力を刺激され膨らんだ欲求は大きくなっていくばかりだった。  
無論、開き直って自慰するなりして対処できればよかったのだろうが、開き直ることも出来ず、  
必死に欲求を押さえ込もうとして、ただ悶々としたまま翌日以降の試練を受け続けてきたのだ。  
 
(…これ以上、思い出したらまずい)  
いつの間にか、キリュウの肢体を思い描いていた太助は急いで別なことを考えて追い出そうとする。  
「そ、そうだっ、キ・キリュウはどこかなっ?」  
精一杯、自然なつもりで振舞う。  
…もっとも傍から見れば、目が泳いでいたり、無理に作った表情であったりして、  
ただただ危ない人にしか見えない。  
「私がどうかしたのか?」  
「っ!!!」  
思いもよらず、当の本人に声をかけられた太助はその場で固まってしまう。  
それでも、体の向きを変える。  
目に飛び込んできたのは、タオルを頭に乗せTシャツに短パンというラフな格好をしたキリュウの格好だった。  
どうしても、キリュウの顔をまともに見ることの出来ない太助の視線は、顔より下のTシャツの胸元へと落ちていく。  
「…大丈夫か?主殿??」  
キリュウが怪訝そうな表情を浮かべ尋ねる。  
「え、えっとっっ…その、ええと…その格好は…」  
「あぁ、暑くてかなわんので、水浴びをしていたのでな…。  
シャオ殿がこの格好の方が涼しいだろうと用意してくれたのだ」  
「そ、そうなんだっ…」  
「うむ、なにやら主殿の顔が赤い様だが…、  
主殿も暑いのであれば水浴びしてくるがよいだろう」  
「そ、そうするよっ」  
太助は答えると逃げるようにして、その場を離れた。  
「…あんなに急いで、主殿もよほど暑かったのだな」  
 
ざっぱーん!!  
脱ぎ散らかした服をそのままに水に飛び込む。  
ひんやりとした水の冷たさが火照った心も身体も冷ましてくれる様で心地よかった。  
緩やかな水の流れに流されないように気をつけながら、身を投げ出す。  
(ハァ…危なかった………さすがに、もう限界だよな…どうしようか?)  
発散できないストレスをこれ以上溜めておくことは、もはや限界である。  
健全な男の子の悩みで済むレベルは、遥か彼方の世界にまで過ぎ去ってしまっている。  
自覚して悶々と悩んでいる状態ではもうない。  
試練を受けるために来ていて試練を受けていられる状態にない。  
そして、何よりも試練を課すキリュウ自身がこの状況を作り上げている要因になっているのだ。  
(…どうにかして、一旦試練を止めてもらいたいけど…どう言えばいいのだろう。  
……まさか、これも試練とかってわけじゃないよな?)  
もしそうであれば、まずこの試練を乗りこれるのは無理だろう。  
「ははは……まさか…ね」  
虚ろな笑いを浮かべて、その考えを否定する。  
それで、自分の考えを終わりにしてしまいたいところだが、  
悶々とした想いは巡り振り払っても振り払っても頭に浮かび上がってくる。  
落ち着こうと目を閉じると、今度はキリュウの姿がまぶたに浮かび上がってきた。  
浮かび上がってきたその姿は、数日前の覗き見してしまった水浴び中のものだった。  
(それにしても、キリュウの裸…きれいだったよな…。  
胸なんかも意外と大きかったし…腰のくびれもキュッとしてたし……それに…)  
もっとも、太助の記憶に引っかかる範疇で存在する異性の裸は那奈姉ぐらいしかない。  
その姿にしても、幼いころに一緒にお風呂に入ったときのおぼろげなものだ。  
(あの時と今とでは全然違うだろうし…第一、小さいころだったからよく覚えてないしな…)  
那奈姉の姿を思う描いてみるが、昔のイメージからではどうにも結びつかなかった。  
(…姉の姿を想像してもな…そうだ、シャオはどうだろう?)  
今度は、シャオの裸を想像してみる。  
キリュウと同じ白い肌…  
同じぐらいの大きさの胸…  
(…同じぐらいの大きさだろうか?)  
そこで、妄想は一度止まる。  
(………う〜ん)  
普段の…守護月天の格好では肌の露出も少なく、そのゆったりとした感じの服装は、  
プロポーションをまったく判らないものにしていた。  
(…わかんね)  
姉に続き、シャオの裸を想像することも諦めると、特に考えなしに思い出せるものを思い出してみる。  
すると今度はさっき見たばかりのキリュウの姿が浮かび上がった。  
(…普段と違う格好だと、何て云うか、なんか…新鮮というか…ドキッとするよな…感じだったよな。  
そうそう、あのTシャツの感じ………どう見てもキリュウはブラをしてなかったよな)  
Tシャツの胸の頂点に出来ていた小さな突起の影を思い出し、何か堪らない気分になる。  
(でも………まさか、な…普段も着けていないとか?  
普段の生活でも思いもよらないことで戸惑っていたし…あながち、そうかも)  
いつの間にか太助の脳裏には、ブラを持ったまま困惑した顔でこちらを見ているキリュウの姿が描き出されていた。  
妄想の描き出すキリュウは、そのまま絶対にしないようなポーズをとったり表情を浮かべながら太助の周りに現れてくる。  
そのキリュウが姿を消すころには、太助の頭の中はすっかりとピンク色に染め上げられていた。  
(なんだか、間違いない気がしてきたぞ……ちょっと、ちょっとだけでいいから確かめてみよう…)  
「よしっ!」  
自分の欲求に素直な答えを導き出すと、気合をこめて立ち上がる。  
暴走はじめたハイテンションは最早止める術はなかった。  
 
「すぅ〜〜……はぁ…」  
キリュウのいるところにもうたどり着くところで、深呼吸を一つする。  
戻ってくる間に、多少テンションが下がり、考えられる程度に落ち着いてきたことが太助の気持ちを慎重にさせる。  
(とりあえず…落ち着け、落ち着け……自然に、いつも通りに…)  
高鳴る心臓を落ち着かせようと、その場に止まり、もう一度先ほどよりも深く息を吸い込み、  
出来るだけゆっくりと息を吐き出す。  
そして…  
「や、やあ…今戻ったよ。ずいぶんとゆっくり入ってきたよ…ははは…」  
「………すぅ」  
「おかげで、すっかり汗も引…いた……よ…?」  
「…すぅすぅ」  
「…え、と」  
よく見ると、キリュウはタオルケットを被って横になっていた。  
手には団扇を握ったままのところをみると、扇いでいるうちに眠ってしまったのだろう。  
「…キリュウ?」  
ふにふに…  
そっと近づいてみて、軽く頬を突いてみる。  
「………ん」  
特に反応は示さない。  
(う〜ん…キリュウは一度眠るとなかなか起きないけど…)  
右手に持っている団扇に目をやる。  
団扇を持ち上げると、そのまま自分の方へゆっくりと引いてみる。  
だんだんと団扇はキリュウの手から離れ、太助の手へと移った。  
「すやすや…」  
やはり、キリュウは目を覚ます様子はない。  
(…起きそうにないって事は………今が確かめるチャンスだよな)  
「…ごくり」  
タオルケットの掛かっていないキリュウの胸元へと視線を落とす。  
二つの丘が呼吸に合わせて上下に動く。  
(よ、よしっ…確認…するぞっ…)  
緊張して汗ばんだ手を胸の頂きへと伸ばしていく。  
…ふにゅ  
震える手が、Tシャツの上から二つの乳房を覆い隠す。  
(や、やわらかいっ…!)  
初めて触れた二つの柔らかい感触に感動する。  
(キリュウの胸って柔らかくって…温かい)  
その柔らかさを実感するように、少し指に力をいれて揉む様な動きをする。  
「…んっ……んっ」  
その小刻みな動きを続けていくうちに、キリュウの口から熱っぽい息が漏れるようになっていった。  
(起きそうにない…よな?)  
胸をいたずらされていても目を覚ましそうにない様子に、指先に込める力も次第に強くなっていく。  
手のひら全体で、胸を揉むようになっていった頃には、キリュウの吐息はすっかりと悩ましげなものへと変わっていっていた。  
「…んっ…ふぁっ……ぁぁっ…」  
それでも目を覚ます様子はない。  
そのキリュウの様子に太助もますます興奮の度合いを高めていく。  
太助は、手のひらに感じていた胸の頂点の感覚がいつの間にか硬くなっていることに気がついた。  
(さっきまでは、柔らかくって気づかなかったけど…なんだろう。硬くなって…立ってるみたいだ)  
胸から手を離すと、Tシャツの山の上にくっきりとした小さな影が出来ていた。  
きゅ…  
「ひゃんっ…」  
乳首を摘んでみると、キリュウが可愛らしい声を上げる。  
「っ!?」  
慌てて、手を引っ込めてキリュウの顔を窺うが、それ以上の事はなく、荒い息のまま眠り続けていた。  
「……ほっ」  
安堵の息をつくと、先ほど摘んだ頂を眺めてみる。  
そこはTシャツの上からでもまだわかるほど硬さを保ったまま息づいていた。  
(触るだけじゃ…直に見てみたい)  
普段触ることのない女性の感触を体験したことと、  
その対象となっているキリュウが目を覚まさないことに気を大きくした太助は自分の欲求を大きくしていった。  
 
Tシャツの裾をつまむと持ち上げていく。  
衣擦れの音ともに隠れていた胸が露になっていく。  
胸が見えるようにTシャツを捲り上げると、じっと胸を眺める。  
太助に揉まれていた乳房はしっとりと汗ばんでおり、真上にツンと立っている乳首はそれだけで太助の気持ちを急き立てるのに十分であった。  
「…んっ」  
ぺちゃぺちゃ…  
胸にむしゃぶりつくと口の中で乳首を舐める。  
もう片方の胸も揉みあげる。  
手に吸い付くような感触と、手のひらに感じる乳首に硬い感触が興奮を高めていく。  
「…ふぅ…ちゅ、ちゅぅ…」  
「…はっ…ふぁん……あはん…ふ…はぁ…はぁ……」  
普段のキリュウからは考えられないような声を漏らす。  
その女っぽいキリュウの艶っぽい感じに、胸への愛撫はますます強く激しいものになっていく。  
「…ぁぁっ…ゃぁ…ふぁ…くぅん…」  
弱々しくかぶりを振る様子に、動きを止める。  
キリュウの目が覚めてしまったらそれで終わりになる以上、できる限り起こしてしまわないように気をつけないといけない。  
顔を上気させたキリュウが寝返りを打つ。  
どこか嫌々をするように、体を反らしていたので思い切って太助は胸から下を隠していたタオルケットを剥ぎ取る。  
その下からは、大き目の短パンから伸びるスラリとした足が現れてきた。  
(もう少しで…)  
逸る気持ちを抑えつつ、慎重に短パンの裾を引っ張ってみるが、  
短パンが伸びたぐらいで摺り下げることは出来そうになかった。  
(地面についてるところ…おしりのところをどうにかできれば何とかなるのに…)  
何か手はないものかと考えてみるが、人の服を脱がすという経験自体をしたことのない太助には思いつくはずもない。  
(…これだけしてもまだ目を覚まさないんだ…少しぐらい強行しても……)  
自分の中で、そう結論付けるとキリュウの腰に手をやり、少しおしりを浮かせる。  
空いた手で短パンを掴むと一気に膝の辺りまで下げる。  
「…………」  
恐る恐るキリュウの顔色を窺うが、「んっ…」と一つ息を漏らしただけで、  
目覚める様子もなく、太助はホッとすると腰から手を離した。  
(ふぅ…)  
キリュウから視線をはずすと額の汗を拭う。  
そして、改めて、キリュウの下半身へと意識をむける。  
膝の辺りまで下げられた短パンに引っかかるようにしてついてきたパンティは太股の辺りまで下がっており、  
覆い隠していた秘所を露にしていた。  
「……ごくっ」  
その何ともいえない姿に思わず唾を飲み込む。  
しばらく惚けたように見続ける。  
(…はっ)  
くしゅん…キリュウの小さなくしゃみに我に返ると、太助は短パンとパンティを足から完全に取り払った。  
 
キリュウの足と足の間に割り込んだ太助の目の前にはその処女地が広がっていた。  
何にも覆い隠されていない一筋の秘裂とその下にある小さなすぼまり…  
そして汗で蒸れた様な匂いが鼻孔をくすぐる。  
すべてが太助に晒されていた。  
(…キリュウの…生えていないんだ……)  
目の前のものが本当であるかを確かめるように、クレヴァスよりも上の辺りを軽く撫でてみる。  
「…ふぁ………」  
その動作に反応してか、キリュウの体がピクリとする。  
くに…  
そのまま指先を下ろしていくと、辿りついたクレヴァスの上をラインに沿って行き来させる。  
「……これは…?」  
指に湿り気を感じ自分の指を見てみる。  
汗とは違う独特の匂いがする。  
舐めてみると、汗とかのしょっぱさが口の中に広がるが、特に気持ち悪くは感じなかった。  
今度は両手で襞を捲り上げて、秘裂の奥へと侵入を試みる。  
「んんっ…あっ!…あっ!…ひゃうっっ」  
眉を寄せて身悶えキリュウは切なげな声を上げる。  
「キリュウ?」  
起きたのか!?とキリュウの顔を見上げる。  
薄目を開けてこちらを見てるのか見ていないのかという感じで顔を向けている。  
さすがに起きかけているのだろう。  
今はまだ、意識が混濁した状態といったところか。  
どうせ遅かれ早かれ目を覚ましてしまうなら…そう考えると、動作を再開する。  
再開するだけではなく、思うままに激しく弄る。  
指で愛撫するだけではなく、あそこから溢れる愛液を吸い上げていく。  
舐め上げる様がピチャピチャと音が立つほどになり、  
秘裂の奥から流れる液体は腿や太助の顎を伝い地面へと零れ落ちていく。  
「…あっ…ひゃぁぁぁっ……あああぁっっ?…わ、わたっ…しっ…あぅっ!」  
指で押し広げ露になったクリトリスを舌で突くと、キリュウの身体がビクッと跳ね上がる。  
そして、半身が起き上がる。  
「ん…んっ…な、なにっ?…身体が……ふぁっ!…熱いっ…?」  
まだぼやけた意識のまま、喘ぎながらキリュウは身体の異常を呟く。  
「あんっ……ぃぁ……ぁぁっ…あ、主…殿?」  
太助は答えず指を奥へと突き立てる。  
「ふぁ?…いや…あぁぁあぁぁぁぁぁっっっーーー!!」  
その強烈な刺激に体を震わせると、くたりと倒れる。  
「キリュウ…イったみたいだね…」  
「…はぁ…ふぁ…はぁ……はぁ……一体…何を…?」  
強い快感で目は覚めたキリュウだが、絶頂を迎えた身体は脱力感を感じていた。  
「俺も…もう我慢できないから…」  
太助の呟きが聞こえてくる。  
ごそごそと何かをする音が聞こえ、太助の指が襞を広げるとそこに硬い物が押し当てられる。  
「…あ、主殿…何を?」  
何か生理的な怖さを感じ訊ねる。  
「何って…俺の………だけどっ…んくっ!」  
秘裂に押し当てた自分の分身をゆっくりと沈めていく。  
きつく締め付けるように拒むそこは、指の様にはいかず、先が少し入っただけだった。  
「っ!!…ひっ!!!………ったい!あ、主殿っ、とめてっ!」  
今までの快感と違い、痛覚の刺激の強さに悲鳴を上げる。  
「少しっ…入ったっ…きつっ!」  
キリュウの足を抱かかえて、自分の体重をかけるように体勢を変えて少しずつ少しずつ、膣内へと侵入していく。  
 
「あぅっ…だ、だめっ!…痛いっ!!くはっ…!」  
「も、もう少しだから…我慢してっ!…」  
ぐっと力を込め、感じていた抵抗感を突き破る。  
そのまま、最奥まで一気に侵入する。  
「ぐっ!!ひぃっ…うあぁぁぁぁぁぁああっっっっ!!!!!」  
突き刺さるような痛みに耐えかねて、キリュウは太助にしがみつく。  
ちょうど胡坐をかいている太助にキリュウがしがみついている様な格好になる。  
「うっ…うっ……痛い…」  
「だ、大丈夫…だ、からっ…」  
自分自身も余裕のない太助だが、必死に声をかける。  
抱き合ったまましばらく時間が過ぎる。  
二人の結合部からは紅く染まった愛液が零れ落ちていく。  
あまり我慢の出来そうになくなってきた太助がキリュウに声をかける。  
「…痛みは?」  
「あっ…さきほどよりは……」  
「まだ、痛くなるかもしれないけど…あとちょっとだけだから…ごめんっ」  
体勢を直すと痛みが走る。  
「んっ!!…わ、わかった…でも、そう長い時間は…」  
痛さに顔をしかめてキリュウが答える。  
それを聞いて太助はゆっくりと下から突き上げるように腰を動かす。  
その動きに合わせて、キリュウの身体が上下に揺れる。  
「はぁん…ぃっ!…んあぁっ…はぅっ!!」  
単調な動きだが、繰り返されていくうちに膣内が滑らかに通れるようになっていく。  
「なんだかっ…す、すごいっ!」  
ただきついだけだったの状態から中が包み込むような感じに変わってくると、  
背筋を通り抜けていくような快楽を感じ、射精感が一気に高まっていく。  
「やぁ…いぃ……あぅ!!…あっあっあっ!」  
いつの間にか、キリュウの口からは嬌声が漏れるようになっていた。  
「主殿!わ、わたしっ…くるっ!ダメッ!…きちゃうっ…!!!」  
「お、俺もっ!………くぅっ!!!」  
「イっちゃうっ!!!ぅぁ…ぁぁあああぁぁっっっ〜〜〜〜〜〜!!!」  
どぴゅっ!!どくんっ!どくどく……どくっ……どく……  
太助もキリュウの奥で今まで我慢してきたものを一気に放出する。  
「あつ、い…っ」  
しがみついていたキリュウの手から力が抜ける。  
「はぁはぁ…はぁはぁ…」  
キリュウの背に手を回したまま太助も脱力して、抱きしめたまま後ろに倒れる。  
「………ぁ」  
まだ、つながったままの秘裂から白濁した液が零れ落ちる。  
その変な感覚に、キリュウは震えると太助の胸元に顔を埋める。  
「…主殿……」  
小声で話しかける。  
「……ええと…」  
「…聞きたいことは色々あるのだが…どう、言葉にすればいいのか分からない…」  
「………」  
キリュウは目を閉じると、そのまま気だるい余韻に浸る。  
太助の胸に抱かれている事がどこか心地よさを感じる。  
「………」  
「………キリュウ?」  
しばらく待って、声をかける。  
「………」  
「…?」  
目を閉じたキリュウの口からは小さな寝息が漏れている。  
「…ふぅ……」  
キリュウを抱きしめなおすと空を見上げてみる。  
してしまったこと、これからのこと、考えなければいけないことは多い。  
それでも夜の暗さが薄らいでいく頃、太助も眠りの世界へと落ちていった。  
 
終わり  
 

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