「なかなかのイイ女なんだが、少々邪々馬でな。  
あんたの好みに合うかわかんねぇけどよ、どうだい?」  
ザパンと名乗る賞金稼ぎの男は、下衆な笑いを浮かべながら俺にその話を持ちかけてきた。  
話の内容はこうだ。  
『賞金首の連れてた女を誘拐してきたから、買わないか?』  
ガキの頃から酒場で暮らしてきた俺には、それは特に魅力的な話じゃなかった。  
売ってる女なんていくらでも抱いてきた。今更わざわざ金を叩いて女なんか買う気にならない。  
「女なんて抱き飽きたよ。興味ねえな。」  
そっけなく突き放すと、男はしつこく俺に言ってきた。  
「あれはよぅ、処女だゼ。僧侶の女だ。ちょっと見てみるだけでもいいだろ?」  
「ほぅ、そうか。そりゃあ、面白いな。お手つき済みだったらお前、どうなるか解ってるだろうな。  
それでもいいなら買ってやるよ。そこまで言うんだ、どうせ金に困ってんだろ。」  
男のしつこさに辟易としたのもあったが、《僧侶の女》というところに少し惹かれた。  
そういえばカチュアも僧侶だったな、と思う。これから買う女にカチュアを重ねるほど、  
俺は情けない男じゃないが、貞淑な女が男に蹂躙されてどんな反応をするのか。  
それは見物かもしれない。  
 
「ヴァイス、どうして貴方がここに?」  
後ろ手に縛られて連れて来られた女は、俺を見るなり小さく叫んだ。驚きを隠せないという顔だ。  
それは俺も同じ事だった。まさか《僧侶の女》ってのがカチュアだなんて誰が想像しただろう。  
「なんだ、あんたの知り合いかい?それじゃあダメだな。ヤル気になんねぇだろ。」  
ザパンががっかりといった顔で肩を竦めた。しかし俺はその言葉を遮った。  
「いや、買わせてもらう。」  
「マジかよ?ありがてぇ!いくらで!?」  
「十万ゴート出そう。」  
「はぁ?」  
ザパンが間抜けた声を出した。奴が驚くのは無理もない。その額はデニムの首の倍以上だった。  
「ケタ間違ってないかぁ?」  
「間違いじゃないぜ。十万だ。こいつはデニムの奴を誘き出すのに使える。  
お前も随分な手柄を立てたもんだな。後で城に来い、恩賞を出してやるぜ。」  
 
俺は城に着くと部下に命じてカチュアの部屋を用意させた。捕虜にそこまで丁寧にしてやることはないが、  
カチュアを地下牢に放り込む気になれなかった。いちおう惚れた女だからな、少しは優しく扱ってやりたい。  
俺は用意された部屋にカチュアを連れて行くと、扉に錠をしてから腰縄を解いてやった。  
「いい部屋だろ?お前のために誂えたんだ。ゆっくりしていけよ。」  
「何バカなこと言ってるのよ。捕虜にされてゆっくりなんてしていられるワケないでしょ?」  
カチュアが鋭い眼光で俺を睨みつけて言った。手の戒めがなかったら、平手の一発もおまけに飛んで来そうな勢いだ。  
「気の強いのは相変わらず…か。お前がこっちにつく気があれば、もっと優遇してやってもいいんだが…。」  
「いい加減になさいよ。私は貴方の言いなりになんかならないわよ。手を血で染めて同胞のためになると思ってる  
バカの仲間に、私がなるとでも思うの?」  
 
カチュアは何時だってこうだ。俺をバカにして見下した物言いをする。  
「自分の立場をわきまえろよ、カチュア。俺にはお前をどうする事だってできるんだぜ。」  
「あぁ、そう。そんなことを言っていられるのも今のうちよ。あと数日もすればデニムがここに来る。  
立場を気にした方が良いのは貴方の方なんじゃないかしら?」  
俺はおとなしくなる気のないカチュアに、どんどんハラが立ってきた。その上…  
「デニムは絶対私を助けに来てくれるもの。」  
…これだ。カチュアは何時だってあいつのことばかり。カチュア自身気付いているのかいないのか知らないが、  
あいつを見ているときのカチュアの目は姉のそれではなく、恋焦がれた男を見つめる、女の瞳だった。  
俺はそんなカチュアを見ているのが一番辛かった。惚れてるんだぜ?本気で。なんであいつなんだよ。  
「だってデニムは…。」  
 
パンッ…  
 
言葉を続けようとするカチュアの頬に、俺の平手が飛んだ。  
「デニム、デニムって、お前あいつがそんなに好きか?」  
「…殴るなんてサイテーね。…それに、何のことを言ってるの?あのコは私の弟よ。」  
「違うだろ。お前は自分じゃ気付いていないかもしれないが、間違いなくあいつに惚れてるよ。  
俺ではなく、あいつにな。」  
俺は自分にも言い聞かせるように言葉を紡いだ。  
「ふぅん、貴方もしかして私のことが気に入ってるの?振り向いてもらえないからってヘンな理由づけして、  
勝手に納得しないでよ!」  
俺はカチュアのその台詞を聞いて、頭に血が昇った。俺の中に闇いモノが拡がるのを感じる。  
 
「お前、嫌な女だナ、ホントに。なんで…こんな女に惚れちまったのか…っ。」  
「…ヴァ…イス?」  
目の色が変わった俺の表情に気付いたのか、カチュアが顔を強張らせる。  
「ちょっと、ヴァイスったら…。」  
…完全にキレていた。俺はカチュアの身体をテーブルの上に突き倒して、自分の身体の下に組み敷いた。  
「…っ!ヴァイス、何す…」  
俺に組み敷かれてもがいているカチュアはなんとか抵抗したいようだったが、  
手の戒めが邪魔をしてままならない様子だった。  
「カチュア、教えてやるよ。俺がどんなにお前のことを思ってるか。言葉で言っても、  
お前には伝わらないんだろ?それなら、身体に言い聞かせてやる!」  
 
部屋の中は怖いくらいに静かだった。  
始めは激しく抵抗を試みていたカチュアも男の力に勝つ事が出来ない事を悟ったのか、  
それとも抗う事に疲れてしまったのか、おとなしくなり始めていた。  
カチュアの着衣は俺に破り捨てられ、バラバラになって床に散乱していた。  
長い逃亡生活でろくなメシも食えていないのか…俺の目の前に晒されたカチュアの裸身は悲愴感が漂う程に細かった。  
伏せられた睫が震えて、カチュアの不安が伝わってきた。  
こんな事をして何になる?  
無理やり抱いたところで、カチュアの心が俺に向くわけじゃない…頭では解っていた。  
でも、俺は自分を止める事が出来なかった。それほどまでに渇いていた。カチュアが欲しくて、どうしようもなかった。  
 
カチュアは今までに俺が抱いてきた女のどれにも当てはまらず、酒場の女の様に激しく乱れる事もなければ、  
街の娘の様に可憐な声を上げて喘いだりもしなかった。  
カチュアはすっかり怯え切って、俺の指や唇の与えるものに恐怖さえ感じているようだった。  
どんなに優しく愛撫しても、カチュアの身体が熱くなることはなかったし、男を知らないであろう秘部は  
俺を受け入れるべく、そぼ濡れることもなかった。  
それでもやはり可愛らしかった。怯える瞳も、折れそうな程に細い身体も、全てが愛しかった。  
「カチュア…力、抜け。」  
固く閉ざされた蕾を押し拡げて、俺のモノがカチュアのナカに入っていく。  
プツ…と柔肉を裂く感触があったが、かまわず奥にねじ込んだ。  
今まで押し黙っていたカチュアの口から、初めて声が発せられる。…それは、悲鳴だった。  
「痛っ…いやぁあああ!」  
繋がった部分から生暖かく、血液の流れ落ちる感触がある。  
それが潤滑の役目をして、俺は動くのに都合良かったが、カチュアはひどく辛そうだった。  
俺が突き上げる度に小さな悲鳴がカチュアの口から零れた。  
「ひッ…ぁ…やめ…た…すけて…、デ…ニム…!」  
破瓜の痛みに半分気を失いかけ、それでもあいつの名を呼ぶカチュアに俺は憐れみさえ感じていた。  
どんなに叫んだって、今ここにあいつが助けに来るわけはないのに。  
「カチュア…すぐに楽にしてやるからもう少し我慢してくれよ、な。」  
カチュアの耳元にそっと囁いて、それから俺は少し動きを速めた。  
狭いカチュアのナカは少しきつすぎるくらいに俺を締め付けて、絶頂感を得るために十分な快感を与えてくれた。  
「…っ、く…カ…チュア…ッ…!」  
俺は低く呻いて、カチュアのナカに精をぶちまけた。  
 
俺の腕の中で気を失った細い身体は、血の気が引いて冷たかった。  
カチュアの手を拘束していた縄を解いてやると、手首に痛々しく擦り切れた痕が残っている。  
「カチュア…すまない…」  
青白くなったカチュアの頬に水滴が一つ、二つ跡を作った。俺の涙だった。  
「くそっ…どうしてだよ…!」  
俺はカチュアの身体を折れそうな程に抱きしめて嗚咽した。こんな風に抱きたいわけじゃなかった。  
傷つけて泣かせてめちゃくちゃにして…俺は自分の愚かさに一番ハラが立っていた。  
俺に振り向いてくれないカチュアにでもなく、カチュアが愛しているデニムにでもなく…。  
 
俺はこの世で一番、最低な男であることに間違いなかった。   
 

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