: 140%"> テイルズ・オブ・デスティニー

〜不器用なふたり〜  

「……で、何よ、話って?」  
仲間達との酒盛りの後、あたしはスタンに誘われて、リーネ村の外れのほうまで連れて来られた。  
あたしの名は、ルーティ・カトレット。  
あたしは以前、ひょんな事からこいつ──スタン・エルロンと出会い、とんでもない事件に巻き込まれた。  
一年前に天上王ミクトランを倒し、一応事件は幕を閉じたんだけど、それからが大変だった。  
超古代の兵器、ベルクラントによって、世界中の町や村が壊滅的な打撃を受けていたんだ。  
私達を含む8人の仲間は、それぞれ自分の国に戻って、色々と忙しい日々を送っていた。  
そして一年後の今日、旧交を温めるために、スタンの故郷である、ここリーネ村に集まったのだった。  
「その……つまり、何だ……」  
「もぉ、しゃきっとしなさいよ、男でしょお?」  
自分で誘ったくせに、ごにょごにょと口ごもるスタンに、あたしははっぱをかけた。  
「うん、えーと……。そうだルーティ、孤児院の方は大変か?」  
「え? あ、うん、まあね……。けど、今はどこも大変だし……、何とかやっていけてるわよ」  
スタンに心配させたくなくて、あたしはちょっとウソをついた。  
あたしが育てられた孤児院は、一年前の戦乱で、結局跡形も無くなってしまった。  
冒険で集めたお金で、街の郊外に改めて孤児院を作ったけど、それで蓄えの殆どが消えてしまった。  
あたし一人でモンスター狩りをするにも限度があるし、オベロン社が無くなったから、レンズも売れない。  
実際のところ、あたしの経済状況は、かなり厳しかった。  

「そうか……。あのさ、今日見てもらって判ったと思うけど、この村は大分持ち直したんだ」  
彼の言葉通り、このリーネ村は、すでに以前の状態を取り戻していた。  
でも、ここがこんなに早く復興したのは、スタンの頑張りがあったせいでもあるって、あたしには分かった。  
何しろ、スタンの仲間だったってだけで、村中の人が暖かく迎え入れてくれたんだ。  
彼の妹のリリスちゃんによれば、スタンは率先して辺りのモンスターを追い払い、田畑を耕したという。  
村人みんなに信頼されているスタンが、あたしも自分の事のように誇らしかった。  
……でも、その話とあたしの孤児院の話が、どう関係するんだろう?  
あたしがそう思っていると、スタンは思い掛けない事を言い出した。  
「でさ、今度は俺、ルーティの孤児院の建て直しに、力を貸したいんだ」  
「……はぁ? アンタ、何言ってんの!? 同情なんて真っ平だって、前にも言ったでしょ!」  
嬉しい気持ちを押し隠して、あたしはスタンの言葉を思いっきり突っぱねた。  
一緒に冒険をしていた頃からずっと、あたしはスタンの事が好き……ううん、愛していた。  
でもだからこそ、平和を取り戻したこの村から、わざわざ苦労するだろうクレスタに連れて行くなんて出来ない。  
なのにスタンの奴は、急に真剣な顔になって、あたしに怒鳴り返した。  
「同情なんかじゃないっ!」  
「……!」  
「ご、ごめん、怒鳴ったりして……。でも、本当にそんなんじゃないんだ。  
 それに、ルーティが母親代わりになるとしても、子供たちには、父親役だって必要だろ?」  
えっ!? そ、それって……。  
スタンの言葉からある事を連想して、あたしの胸は大きく高鳴った。  

やっ、やめてよ、そんな風に言われたら、変に期待しちゃうじゃない!  
だけどスタンは、落ち着かない様子で身振り手振りを入れつつ、さらに言葉を続けた。  
「もう、リリスも一人で大丈夫だって言うし、この村でも、俺の力はあんまり必要じゃなくなったし……。  
 それに、孤児院の事が無くても、俺は、ルーティのそばにいたくて、だから……。  
 つっ、つまり、結婚してほしいんだ!」  
うっ……うそ、ホントに……?  
決定的な一言に、あたしの頭は真っ白になった。  
「ほ、本気で言ってるの……?」  
「うん。その……、ルーティが良ければ、だけど。あ、勿論、断られても手伝いはさせて欲しいんだけど……」  
「だって、チビ達の世話って大変だよ? それにあたし、結婚したって今まで通り、こき使うよ?」  
「そんなに大変なら、尚更ルーティの力になりたい。まあ、最初はあんまり役に立たないかも知れないけど」  
「でも、あたしフィリアみたいにお淑やかじゃないし、マリーみたいに料理も上手くないし……」  
「そんなの関係ないよ。俺は、そのままのルーティが好きなんだ。……で、どうかな?」  
「……スタンっ!!」  
堪え切れなくなって、あたしはスタンの胸に飛び込んだ。  
スタンはあたしの身体をしっかりと抱き止め、背中を優しく撫でてくれる。  
今まで、誰にも頼らずに生きてきたけど、初めて安心して縋りつける相手を見つけて、あたしの胸が熱くなる。  
物心ついて初めて、あたしは他人に素直な気持ちを曝け出し、喜びの涙を流した。  
「スタン……、あたしも、アンタの事が好き……。大好きだよ……」  
「ルーティ……」  

あたしは、スタンの腕の中で告白しながら、彼の胸にぎゅっと抱きついた。  
スタンの胸は広くて、ちょっと汗の匂いがして、何だかとっても落ち着く。  
しばらくあたしがその温かさに酔いしれていると、何故かスタンはもじもじと動き出した。  
「あっ、あの、ルーティ? あんまりくっ付かれると、ちょっとまずいんだけど……」  
「え? 何でよ?」  
いい気分でいるところに水を差されて、あたしはちょっとムッとして顔を上げた。  
見るとスタンは、照れたような困ったような表情をして、耳まで真っ赤にしている。  
「何でって、その、当たってるから……」  
「へ? ……あっ」  
足を踏み変えたあたしは、腰のあたりに固いものが当たって、視線を下に下げた。  
スタンのズボンの前は、何だか膨らんでいて、まるでテントみたいに突っ張っている。  
ついさっきまで、彼の胸に自分の胸を押し付けていたのに気付き、あたしは慌てて身体を離した。  
「ちょっ、ちょっとお! 何考えてんのよっ!」  
「い、いやっ、ごめんっ! ルーティが、その、あんまり柔らかいから……」  
あたしは両腕で胸を隠しながら、自分の顔にみるみる血が昇ってくるのを感じていた。  
あ、あれって、その、そういう事よね……。  
今までそんな経験は無いし、その手の知識はマリーに訊いた事ぐらいしか知らないけど、おおよその察しはつく。  
あたしの胸は、さっきまでとはちょっと違うときめきに、激しく跳ね回っていた。  
「って、俺、何言ってんだ……。は、話の続きは、明日にしよう! じゃ、その、おやすみ……」  
「……待って!」  

くるりと背中を向けて歩き出したスタンの服の裾を、あたしは思わず掴んでいた。  
あたしの頭の中で、初めての体験に対する躊躇いと、彼と一つになりたいという想いがせめぎ合う。  
思い切って躊躇いを振り払い、あたしは顔を伏せたまま、小さい声で呟いた。  
「いいよ……」  
「え?」  
スタンが意外そうな声で聞き返してくるけど、あたしは恥ずかしくって顔が上げられない。  
「だからその、スタンがしたいって言うんなら、あたしは、最後まで、いいよ……」  
「えっ……ルーティ、でも……」  
「んもう! あたしだって、すっごく恥ずかしいんだから、何度も言わせるなっ!」  
「ルーティ……」  
スタンは振り返ると、もう一度抱き締めてから、あたしの顎をくいっと持ち上げて、ゆっくりと顔を寄せた。  
胸のドキドキが止まらなくなって、あたしはぎゅっと目を閉じる。  
「あっ……、スタンも目、閉じて……」  
「あっ、ああ……」  
スタンの温かい息が顔に掛かって、あたしの唇に彼の唇がそっと重なる。  
たったそれだけで、あたしの身体から力が抜け、彼の逞しい腕に身を任せてしまう。  
スタンは抱き締めてキスしたまま、あたしの身体をゆっくりと草のベッドに横たえていった。  
              ◇  ◇  ◇  
「あっ……ん……くっ……」  
「ルーティ……柔らかいよ、とっても……」  

服の上からスタンに胸を触られて、あたしは小さく声を上げた。  
スタンの手はぎこちなくて、遠慮してるみたいに軽いタッチで、感触を確かめるように動いている。  
男にこうして胸を触られるなんて初めてだけど、自分で触った時よりも、もっとずっと気持ちいい。  
恥ずかしいのに、もっと触って欲しくなって、あたしは頭がぐちゃぐちゃになった。  
「あ……ルーティ、ここんとこが、固くなってきたぞ……」  
「っ……ばかっ! そんなこと、いちいち言うなっ……くぅんっ!」  
スタンの奴は、あたしが恥ずかしくなるような事を言いながら、あたしの胸の先端を指でくりくりと弄った。  
シャツの薄い布越しに、何度も何度もこすられて、自分でもそこが固くなってくのが判る。  
段々あそこまでじんじんしてきて、あたしは軽く腿を擦り合わせた。  
「ルーティ、脱がせても、いい?」  
「えっ、あ……うん……」  
上着のベルトに手を掛けたスタンにそう言われて、あたしはコクンと頷いた。  
スタンは慣れない手つきでベルトを一つずつ外し、シャツを脱がせ、戸惑いながらブラのホックを外す。  
あたしは彼にされるがまま、上半身に身に付けていたものを取り去られる。  
隠すものがなくなった裸の胸をじっと見詰められて、あたしの頭にかぁっと血が昇った。  
「あっ、あんまり見ないで……。あたし、あんまり胸ないから、恥ずかしい……」  
「そんな事ないよ。ルーティの胸、とっても綺麗だ……」  
「やっ、あんっ!?」  
いきなり敏感な先っちょにキスをされて、あたしの背中がピクンと反り返った。  
スタンは赤ちゃんみたいに片方の胸に吸い付きながら、両手でくにくにとあたしの胸を揉む。  

ビリビリと痺れるような感じが身体の芯に走り、あたしはスタンの下で身体をくねらせた。  
「ルーティ、こっちも見ていいかな……?」  
「えっ、やっ、ちょっと待って!」  
スタンの手と舌に翻弄されていたあたしは、ショートパンツに手を掛けられて、慌ててその手を押さえた。  
「えっ、どうしてだよ?」  
あたしにお預けされたのが不満なのか、スタンはちょっと口を尖らせる。  
どうしてって……。ただ恥ずかしかっただけなんて言うのも、何となく悔しいし……。  
「それは、その……。あ、あたしだけ脱ぐなんて、不公平じゃない!」  
口からでまかせだったんだけど、そう言った途端、あたしはそれが正しい事だと思ってしまった。  
そうよ、あたしがこれだけ恥ずかしい思いをしてるってのに、スタンったらまだ服着たままじゃない!  
少しはスタンの奴にも恥ずかしがってもらわなきゃ、割が合わないってもんよ!  
「あんたも全部脱ぎなさいよ! そ、そしたら、あたしも脱ぐから……」  
「ぜ、全部!? ……わ、分かったよ、じゃ、ちょっとあっち向いててくれよ?」  
スタンはそう言ってあたしに背中を向けると、そそくさと服を脱ぎ始めた。  
こいつも、女の子の前で裸になるなんて初めてらしく、すごく恥ずかしそうだ。  
……ざまーみろ。少しはあたしの気持ちが分かったか。  
それを確かめてから、あたしもスタンと逆の方を向いて、残ったショートパンツとショーツを脱ぎ捨てる。  
やだ……、ショーツがちょっと湿っちゃってる……。  
あたしはスタンに見られないように、素早く脱いだそれをくるくると丸めると、畳んだ服の下に押し込んだ。  
              ◇  ◇  ◇  

少しして、スタンは服を全部脱いで、あたしの方を振り返った。  
「……ルーティ、これでいいかな?」  
顔を真っ赤にしながらも、スタンは前を隠さないであたしの前に立つ。  
え……? なにそれ、なにそれ、なにそれっ!?  
スタンの股間に付いているモノに、あたしは思わず目を疑った。  
孤児院でチビ達の世話もしてたから、男の子のアレなんて、結構見慣れてたつもりなんだけど……。  
何だか全然ちがーう!  
チビ達のは、ちっちゃくてドングリみたいで、ちょっとカワイイな、なんて思ってたのに。  
まるでキノコみたいな形で、かなりグロテスクな上、同じモノとは思えないほどおっきくなってる。  
あ……あんなのが、あたしのあそこに入るわけ……?  
初めてこう言う状態の男のモノを見て、あたしはちょっとビビってしまった。  
「あの……じゃ、続けてもいいかな……?」  
……はっ! そーだ、いつまでも硬直してる場合じゃない!  
スタンの言葉で、あたしはようやくショックから立ち直った。  
「だめっ! 今度は、あたしの方がする番でしょ!」  
「え……ルーティの番、って?」  
こう言う時の為に、マリーから色々訊いてきたんだから、ちゃんと手順通りにやらなくっちゃ!  
「いいから、しばらくそこで立ってて! こら、隠さないの!」  
「わ、分かったよ……」  
股間を隠そうとしたスタンを押し止め、あたしは彼の足元に膝立ちになる。  

……とは言ったものの、やっぱりあんな事をするのは、正直恥ずかしい。  
ううう……ええい、こんなの、バナナかなんかだと思えば、何でもないっ!  
あたしは半ばやけになって、スタンのモノを口で咥えた。  
「わあっ!? ル、ルーティ、お前、なにしてんだよっ!?」  
「ふるひゃい! ひゃまっへろっ!」  
「わ、わ、わっ!」  
あたしはくぐもった声で答えると、スタンのモノを口の奥に含んでいった。  
ほんとは、『うるさい、黙ってろ』って言おうとしたんだけど、口にナニを咥えてるもんで、こんな声になる。  
スタンのモノはすごく熱くて、思いっきり頬張っても、半分ぐらいしか口に入らない。  
まずはマリーに教わった通り、あたしは唇で擦るようにして、前後に頭を動かした。  
「んっ……、んっ、ふっ、ん、んんっ……」  
「う……あっ、くっ、ルーティ……!」  
あたしがそこをしゃぶり始めると、スタンは腰をピクンと震わせて、抵抗を止めた。  
上目遣いに彼の顔を見上げると、きつく目を閉じて、何だか苦しそうな顔をしている。  
おかしいな、こうしてあげると気持ちいいって聞いてたのに……。やり方がまずいのかな?  
片手でそれの根元を押さえながら、あたしは恥ずかしいのを我慢して、舌でそこを嘗め回した。  
「んちゅっ、ふむっ、ちゅ、はもっ……っぷ! ね、ねぇスタン、気持ちよくない?」  
「いっ、いや……、すげぇ気持ちいい、けど……」  
……ほっ、良かった。どうやら間違ってなかったみたいだ。  
ちょっと自信が無かったんだけど、スタンに『気持ちいい』って言ってもらえて、あたしはホッとした。  

同時にあたしの頭の中に、もっとスタンを気持ち良くさせてあげたいって気持ちが湧き上がる。  
あたしはさっきよりも大胆に、スタンのそこをしゃぶり始めた。  
「んっ! ふうっ、くぷっ、んちゅ、ふっ、くっ、ん!」  
「くっ、ちょ、ルーティ、そんな……っ、ううっ!」  
しばらくやってる内に、あたしはだんだんとコツを飲み込んできた。  
特に、先っぽの継ぎ目みたいなところを舐められると、スタンはすごく気持ち良さそうな声を出す。  
そこら辺を舌で何度もなぞりながら、あたしは音を立ててスタンのそこを頬張った。  
その内、口の中に変な味が広がり出すけど、あたしも何か興奮してきちゃって、全然気にならない。  
自分のあそこが熱くなってくるのを感じながらも、あたしはその行為に没頭していった。  

              ◇  ◇  ◇  

「……っはぁ。スタン、こんなもんで、いい?」  
数分後、ちょっとアゴが疲れてきたんで、あたしはしゃぶるのを止めて、スタンにそう訊いた。  
「え、あ? ああ、俺は別にいいよ……」  
スタンはちょっと残念そうにしながらも、あたしにそう答える。  
彼のアレは、あたしの唾液で根元まで濡れて、てらてらと月の光に光っている。  
でも最初に見た時と違い、あたしはもう、それが何だか可愛く思えて来ていた。  
「じゃ、次ね……」  
「えっ!? ま、まだなんかするのかよ?」  
あたしがそう言うと、スタンは何をする気だ、って感じでちょっと後ろに下がる。  
まだ、なんて言われても、あたしがマリーに教わったのは、さっきのと、あともう一つしかないんだけどな。  

あたしは目線を下げて、自分の胸を両手で持ち上げてみた。  
成長期がまだ終わってなかったのか、この一年でちょっとは大きくなったけど、まだまだ控えめなサイズだ。  
練習なんてしてないし、上手く出来るかどうか、さっきのやつより自信が無い。  
まっ、まあ、『習うより慣れろ』よね。  
「んっ……」  
あたしは胸を寄せ上げて、その間にスタンのモノを挟みこんだ。  
やっぱりちょっと大きさが足りなくて、挟むと言うより、胸の谷間を押し付ける、って感じになる。  
「おいっ、ちょっと、ルーティっ!?」  
そうした途端、スタンは慌てたような声を出した。  
……ま、驚くわよね。あたしも、最初に聞いた時は、『何でそんなコトするの?』って思ったし。  
でも、あのマリーが、あたしにウソを教えるなんてあり得ないし、多分こうするのが普通のはずだ。  
あたしはその状態のまま、さっき口でしてたみたいに、胸でスタンのそこを上下に擦った。  
「んっ……よっ……とっ……」  
「なっ、なななななっ、何を……」  
ちょっとぎこちない動きで、あたしは背筋を曲げたり伸ばしたりして、何とか訊いた通りの事を実行した。  
さっきの唾液のせいで、スタンのモノはあたしの胸の間を動くたびに、ちゅくちゅくと水音を立てる。  
動きながら、スタンのモノをじっと観察していると、先端の割れ目から、何か透明な液体が滲み出てきた。  
これがさっきの、変な味の元なのかな?  
何度か擦り続けると、ちょっとネバネバしたそれは、ぬめりを増して泡立ってくる。  
気持ち良さそうに、ピクピクと動くスタンの熱いモノに、あたしも段々おかしな気分になっていった。  

「ルッ、ルーティ、ちょっと待ったっ!」  
「きゃっ! な、何よいきなり……」  
いきなりスタンに両肩を掴まれて、あたしは彼の股間から引き剥がされた。  
スタンの奴は、何だか全力で戦った後みたいに、はぁはぁと荒い息をついている。  
彼はごくっと唾を飲み込むと、少し疲れたような顔をして言った。  
「いっ、いや、その……。もう少しで出ちまう所だったから……」  
「出る、って? ……あ、ああ、そっか……」  
スタンの言葉の意味を理解して、あたしは顔が熱くなるのを感じた。  
男の子がイク時は、あそこから白い液が出るんだって、マリーが言ってたっけ。  
あたしの胸がそんなに気持ち良かったんだって思うと、嬉しいような恥ずかしいような、複雑な気分になる。  
スタンは膝を突いてあたしと目線を合わせると、肩を抱いたまま押し倒してきた。  

              ◇  ◇  ◇  

「俺、ルーティのが見たい……。いいかな?」  
「うっ、うん」  
スタンに催促されて、あたしは閉じていた足をちょっと広げた。  
見なくても、自分のあそこがすごく熱くなって、濡れちゃってるのが判る。  
「ルーティ、もうちょっと広げて……」  
「う……こう?」  
恥ずかしいのを我慢して、あたしは言われるままに足の力を抜く。  
どんな顔をしていいか分からなくて、あたしはぎゅっと目を閉じる。  

さっきまで、スタンのモノを見てた時はそうでもなかったけど、自分のあそこを見られるのは恥ずかしい。  
顔を横に逸らして、自分の顔を見られないようにしながら、あたしは股を大きく開いた。  
「うわ……、すごい、濡れてる……」  
驚きの声と共に、スタンの手がそこに近づいてくるのが、気配で分かる。  
「……っ!」  
スタンの指がそこに触れた瞬間、電撃に打たれたような快感があたしの身体を駆け抜ける。  
なっ……なんで!? ちょっと触られただけなのに……。  
あたしが、自分の身体の反応に戸惑っている間に、スタンは指先で入り口の辺りを撫で始めた。  
「へぇ……。女の子のここって、こんなに濡れるもんなのか……」  
「……っ! んっ、やっ!」  
スタンは感心したように呟きながら、何度もなぞるように指を動かした。  
薄目を開けて見てみると、スタンはあたしの足の間に頭を突っ込み、至近距離であたしのあそこを見ていた。  
恥ずかしいのと気持ちいいのとで、あたしの心臓は狂ったみたいに跳ね回る。  
スタンの吐息がかかる度に、あそこの毛がさわさわと動いて、あたしの肌に鳥肌が立った。  
「……ルーティ、俺も、舐めてもいいかな?」  
「えっ!? や、だめっ!」  
スタンに言われて、あたしは慌てて足を閉じようとした。  
指で触られただけでこんだけ気持ちいいんだから、舐められたりしたら、どうなっちゃうか分からない。  
でも、間に入ったスタンの頭が邪魔で、しっかりと足を閉じることができない。  
仕方ないので、あたしは両手をあそこに被せて、スタンの視線からそこを隠した。  

「だめっ、絶対だめっ!」  
「……何でだよ。ルーティだってさっき、俺のあそこを舐めたりしてたじゃないか」  
あたしは必死でそう言ったけど、スタンは不満そうな顔で文句を言う。  
「だって……、その、あれは……」  
マリーにそうするって教わったんだもん、しょうがないじゃない。  
そう言いたいけど、うまく言葉に出来なくて、あたしは口ごもる。  
そしたら、スタンはあたしの手を少し強引に押さえつけて、更に顔を近づけてきた。  
「ずるいぞ、ルーティ。隠さないで、ちゃんと見せてくれよ……」  
「あっ、スタン、ちょっと待っ……ふあっ!?」  
あたしの指の間から滑り込んだスタンの舌が、あそこの表面をぬるっと舐めた。  
その刺激に、あたしの手から力が抜けた途端、そこを隠していた両手を掴まれ、脇にどかされてしまう。  
「ぴちゅっ、ぴちゃ……、んっ、ルーティのここ、ちょっとしょっぱい味がするよ……」  
「ああっ、あっ、あふっ!」  
剥き出しになったあそこを、スタンの舌がぴちゃぴちゃ音を立てて嘗め回す。  
お腹の奥にずしんと響くような快感に、あたしはもう抵抗する気力が無くなってしまった。  

              ◇  ◇  ◇  

「んっ……、ちゅっ、すげっ……。どんどん溢れてくる……」  
「んくぅっ! んっ、はぁっ、くっ、んんっ!」  
スタンの指と舌であそこを弄られて、あたしはもう堪らなくなってきていた。  
彼の言葉通り、あたしのあそこは洪水みたいになって、お尻の方までエッチな汁が垂れて来る。  
敏感なお豆をくりくりされると、頭の中で極彩色の花火が絶え間なく弾ける。  
あたしはただ、スタンの動きの一つ一つに、振り回されるだけだった。  
「ルーティ……、俺、もう……、いいかな?」  
あたしの雫で口元を濡らしたスタンが身体の上に覆い被さってきて、あたしにそう言った。  
あたしはぼんやりとスタンの顔を見上げ、視線を下にずらしてみる。  
スタンは、さっきよりも大きくなったアレを片手で押さえ、興奮に身体を震わせている。  
「ん、来て……」  
あたしは彼が望んでいる事を悟り、小さく頷いた。  
「うん、じゃあ、行くぞ……」  
そう呟いて、スタンは反り返ったナニの先端を手で押し下げると、あたしのあそこに宛がった。  
あたしの大事な所に触れたスタンのそれが、火傷しそうなぐらいに熱くなってるのが分かる。  
ああ、ホントにあたし、これからスタンとしちゃうんだ……。  
嬉しさと愛しさと、ちょっとの恐さが入り混じり、あたしの胸に表現し辛い感情が渦を巻く。  
そして、スタンのそれがゆっくりと中へ……って、いっ……!?  
「痛ったぁい!」  
あまりの痛さに、あたしは思わず大声で叫んでしまった。  
マリーからは、『指の股を思い切り抓ったぐらい』とか聞いてたけど、そんな生易しいモンじゃない。  
まるでトゲトゲのついた棒をお腹に突っ込まれたみたいな……、とにかく、痛いっ!  
「え……? まさか、ルーティ、初めて?」  
「なっ、何よっ……! あたしが初めてだったら、そんなにおかしいっ!?」  

意外そうに言うスタンに、あたしは痛みを堪えながら、小さく怒鳴った。  
こいつったら、人の事を何だと思ってたのよ!?  
「い、いや、おかしくは無いけど……。あんな事するから、てっきり……」  
スタンは混乱した様子で、何だか訳の分からない事を呟く。  
「その、そんなに痛いなら、もう止めるか?」  
「……っ、へいきっ! あ、あたし、我慢できるっ!」  
身体を離そうとしたスタンに、あたしは思わずそんな事を口走ってしまった。  
本当は、今すぐ止めて欲しいぐらい、痛くて仕方が無い。  
でも、それ以上に、スタンと一つになりたかった。  
それに、モンスターに傷付けられたり、術を喰らったりしたのに比べれば、この位の痛さ……。  
「そうか? じゃ、続けるぞ……」  
「〜〜〜〜っ!」  
ふええっ、やっぱり痛いよぉ!  
ずぷずぷと熱くて硬いモノがあそこに入ってきて、あたしは声にならない叫びを上げた。  
無意識にお腹に力が入って、あたしの中はスタンを止めるように、ぎゅっと収縮する。  
だけどスタンは体重を掛け、あたしの抵抗を突破して、指で触った事もない奥の方に侵入してくる。  
やがて熱い塊は、あたしの奥の突き当たりにコツンと当たり、スタンの下腹部があたしのお腹にくっつく。  
「……っはぁ、ルーティ、全部入ったよ……」  
「……っく、ふ……っ、んっ……」  
スタンがそう言っても、あたしは答えることも出来ずに、ただ痛みを堪えていた。  

              ◇  ◇  ◇  

「ルーティ、俺、お前とこうして一つになれて、すごく嬉しいよ……」  
スタンはそう言うと、あたしの顔に手を伸ばして、零れていた涙をそっと拭ってくれた。  
「あっ……。あた……しも、すごく……、うれし……」  
あたしも痛みに耐えながら、やっとそれだけ答えた。  
だって、ずっと前から、初めてはスタンにあげようって、決めてたんだもん。  
確かに痛いけど、スタンと身体も心も一つになった事を思えば、その痛みさえ嬉しく感じられる。  
スタンはあたしの涙の跡にキスをすると、ゆっくりと腰を動かし始めた。  
「くっ、はっ、ルッ、ルーティの、なかっ、すごく、熱くて、気持ち、いいよっ……」  
「……っく! っつ、んくっ、はぁっ、くっ、はんっ!」  
気持ちよさそうに瞳を潤ませながら、スタンはあたしの中を出たり入ったりした。  
あたしの方は、中がスタンのモノと擦れる度に、ズキン、ズキンと痛みが走る。  
気持ち良くはないけど、スタンが悦んでくれてるから、そんな痛みなんて充分我慢できる。  
スタンの動きは段々激しくなって、あたしのあそこからは濁った水音が響き出した。  
「くっ、はっ……、あ、あれ?」  
「……?」  
いきなり痛みが無くなって、あたしはスタンの下半身に目を向けた。  
スタンの身体の影になってよく見えないけど、どうやら動きすぎて、あたしの中から抜けてしまったらしい。  
あたしは、大きく息をついて、じんじんするあそこの痛みを抑えようとした。  
「ごっ、ご免、俺、初めてだから良く分からなくて……。こ、ここかな……?」  
スタンはちらちらと下を見ながら、アレの先端であたしの入り口を探った。  
ぬるぬるした先端があたしの下腹部を伝って、ちょっとくすぐったい。  
そしてスタンのモノは、あたしのあそこ……を通り過ぎて、え、え!?  
「こ、ここかな……、っく!」  
「──────っ!」  
あたしは思いっきり息を呑んだ。  
だって、だって、スタンがナニを押し込んだのは、あたしの、その……、お尻の穴だったのだ!  
想像すらしなかった事態に、あたしの頭は真っ白になった。  
「うっ、くっ、ルーティ、ルーティっ……!」  
「やっ……、スタ……、そこ……っ、ちがっ……!」  
スタンは、入れる所を間違えたのに気付いていない様子で、さっきみたいに腰を動かし始めた。  
あたしは、何がどうなってるのか分からず、ただ首を左右に振りながら、切れ切れに言葉を繋ぐ。  
でも、夢中になっているスタンには、あたしの言葉は理解して貰えなかった。  
「ルーティ、ごめん、まだ痛い……? 俺も、もうちょっとだから、我慢して……」  
スタンはそう言いながら、今度は抜けないように、根元まで入れてから、小刻みに腰を振った。  
彼の片手があたしの胸に触れ、尖っている先端を指の間で転がす。  
ぬるぬるしたスタンのモノは、さほど抵抗無く、あたしの中を動き回る。  
でも、あーん、そこは違うのにぃっ!  
「ねっ、ねえっ、スタンっ……! あのねっ、そこっ、違うの……っ!」  
「えっ、じゃ、じゃあ、こう……?」  
「んっ、やっ、違うっ……!」  
思い切って言ったのに、スタンは誤解したらしく、今度は胸全体をくにくにと揉み始めた。  
それはそれで気持ちいいんだけど、あたしが言いたかったのは、そう言う事じゃなくて……。  
でも、『そこはお尻の穴』なんて、気まずくて、とてもじゃないけど言えないし……。  
「……えっ!? あっ、うそっ!?」  
迷っている内に、感覚に変化が訪れて、あたしはますます混乱した。  
何と言うか、その……。お尻の穴がむずむずして、段々気持ち良くなってきたのだ。  
「あんっ……、いやっ、へん、こんなのっ、へんだよっ……ああんっ!」  
頭では、こんなのおかしいって思ってるのに、お腹の中が次第に熱くなってくる。  
必死に首を振って否定しようとするけど、口までがあたしの意思に反乱し、エッチな声が出ちゃう。  
あたしはぶちぶちと草を千切りながら、押し寄せる快感を意識から追い出そうとした。  
「ルーティ、俺、そろそろ、いくぞっ……!」  
「あっ、だめぇっ! そんなっ、はやくっ、うごいちゃ、あ、あ、あっ!」  
スタンの動きがますます速くなって、あたしはとうとう耐えられなくなった。  
もう、お尻だからとか、自分がおかしいんじゃないかとか、そんな事はどうでもいい。  
だって、だって、気持ちいいんだもんっ……!  
あたしはスタンの背中に手を回し、ぐっと抱き寄せながら、未体験の快楽に身を任せた。  
「くうっ、くっ、いくっ、いくぞっ……」  
「だめだめっ、いっちゃ、いやっ……! きて、きてっ、いっしょにっ……」  
あたしの足が、自然とスタンの腰に絡みつき、更に奥へと誘う。  
「ごめんっ、もうだめだっ、ルーティ……っ!」  
「んんっ、いいよっ、あたしもっ、くるっ、きてっ、スタンっ……!」  
お腹の中で、スタンのモノがビクビクと震え出す。  
「くっ、だめだっ、……くうっ!!」  
「ふあっ、くうぅぅぅっ!!」  
奥の方に何か熱いものを注がれたあたしは、スタンの胸に抱きつきながら、──イッてしまった。  
  
             ◇  ◇  ◇  

──翌朝、あたしはマリーの部屋で、夕べのさんざんな初体験について語っていた。  
「……ぷっ! つっ、つまり、最初の一回で、前と後ろの処女を捧げた訳か……、はははははっ!」  
「なっ、何よっ! マリーったら、笑わないって約束したでしょお!?」  
堪えきれずに笑い出したマリーに、あたしは真っ赤になって怒鳴った。  
マリーはあたしの古い相棒であり、少し年の離れたお姉さんみたいな存在だ。  
あたしは昔っから、マリーにだけは上手く隠し事が出来た試しがない。  
あたしはよろよろと内股で歩いている所をマリーに見つかり、洗いざらい白状させられてしまったのだ。  
但し、最後の方で、お尻が気持ち良くなっちゃった事だけは、何とか隠し通したけど……。  
だけど、そんなに笑わなくたっていいじゃない、もう!  
「くく……、いや、済まなかった。しかし、それでスタンはあの有様だった訳か、くっくっ……」  
からかう様な目でマリーに見られて、あたしはぷいっと顔を逸らした。  
結局あの後、ついムカムカッときたあたしは、スタンの頬を思いっきりビンタしたのだ。  
あたしは部屋に閉じこもっていたけど、マリーの話では、早朝にスタンがこの宿屋に顔を出したそうだ。  
その時のスタンの頬には、くっきりとあたしの手形が残り、叱られた犬みたいな顔をしていたらしい。  
……ふん、あのバカにはいい薬だわ!  
「……で、結局スタンのプロポーズは断るのか?」  
「じょ、冗談じゃないわ! あいつには、あたしの初体験を滅茶苦茶にされた貸しがあるんだから!  
 一生掛かったって、利息を付けて償ってもらわなきゃ、割が合わないわっ!」  
「ふふっ……。全く、素直じゃないな。まぁ、あんまり苛めて、話をこじらせないようにしろよ?」  
何だかマリーには、あたしの本当の気持ちが全部見透かされてるような気もするけど、無視、無視!  
「……しかし、ルーティも大胆だな。初めてでそこまでやるとは……」  
……え? それはちょっと聞き捨てならないぞ?  
「ちょ、ちょっと待ってよ。そもそも、マリーがそうするって教えてくれたのよ?」  
「ああ……あの時か。いや、あの時は『私が男と寝る時にどうするか』と訊かれたから、ああ答えたんだぞ?」  
た、確かにそう言う訊き方をしたけど、まさか『スタンとする時にどうすればいいか』なんて訊けないじゃない!  
「えっと、じゃあ、舐めたりとか、その、挟んで擦ったりとかっていうのは……」  
「まぁ、普通はしない……とまでは言わないが、少なくとも、乙女のする事ではないな」  
マリーの言葉に愕然としながら、あたしはスタンがあの時言った台詞を思い出した。  
『い、いや、おかしくは無いけど……。あんな事するから、てっきり……』  
じゃあ、なに? スタンがあたしを処女じゃないって誤解したのって、あたしのせい?  
あんなに恥ずかしかったのに、あれってば、スタンがやった事と同様、初体験にあるまじき行為なわけっ!?  
「うっ……、ウソでしょお〜〜〜〜!?」  
あたしは、村中に聞こえるぐらいの大声で、涙ながらにそう叫んだ。  

〜END〜