魚月はただいまーとドアを開けると母親は笑顔でおかえり、と迎えてくれた。  
「魚月、丁度良い時に帰ってきてくれたわ」  
見ると母親――まろんの服装がいつもと違う。  
「あれ?お母さん何処か出かけるの?」  
「ええ、ちょっと急に用事が出来て…すぐに帰って来れると思うけど」  
こんな時にごめんね、とまろんが謝ると魚月は首を振って  
「もう私は大丈夫だから」  
と返した。  
「それに、心時も居るし」  
ぐい、と心時の腕を引っ張りだから心配しないで、と懸命に笑う。  
「あら…?魚月、心時の事嫌いなんじゃなかったかしら?」  
意地悪そうなまろんの声に魚月が顔を赤くして今は違うもん、と呟く。  
「でも今は急いでいるから後で詳しく…教えてね?魚月」  
「う…うん」  
「それじゃ行ってくるから…心時、魚月の事頼んだわよ」  
「まかせとけって」  
親指を立て、心時が力強く言う。  
「魚月にあまり変なことをしないでね」  
「なっ…」  
「へ、へんなこと?」  
二人が慌てて何かを言い返そうとしたがまろんはそれより早く扉を開けた。  
「いってきます」  
「あ……――いってらっしゃい」  
意地悪そうなまろんの顔に、二人は敗北を悟った。  
扉が小さな音を立て、閉まる。  
――妙な静寂が玄関を包んだ。  
どちらも、どう話そうか視線を泳がせている。  
最初に口を開いたのは――心時だった。  
「取り敢えずおばさんが帰るまでは一緒に居るよ…そっちの方が、今はいいだろ?」  
「う…うん、一緒に…居て欲しい、な」  
「魚月?」  
今までとは違う魚月の態度。  
 
顔を赤らめてもじもじと俯いて――昨日までの強気な態度は微塵も感じさせない。  
もしかして本当の魚月は、こんな女の子だったんじゃないだろうか。  
ただ意地を張って心時への思いを隠していただけで。  
「あの……家に、入ろう?」  
「あ。ああ」  
しげしげと見つめられ、恥ずかしそうに魚月が言った。  
魚月も靴を脱ぎ、家へと上がろうとした。その腕を心時が引っ張る。  
「あ…?」  
「魚月、前」  
「え?あ…」  
言われ、顔を上げると目の前は壁だった。  
「どうしたんだ?ボーっとして」  
「う、うん、ごめんね…あの、私着替えてくる!」  
慌てて謝るとばたばたとスリッパを履かずに家の奥へと入っていった。  
「…なんだ?魚月の奴…」  
一人置いて行かれたが心時も靴を脱ぎ小声でお邪魔します、と呟き居間へと向かった。  
 
 
――待つこと数分。  
(魚月来ないな〜……)  
テーブルにはお菓子食べてね☆とまろんの手書きのメモが置かれていた。  
言葉に甘え、心時はそれを食べながら魚月が来るのを待つ。  
今日1日の事を思い返すと、本当に色々あったなあと思う。  
魚月がフィンとしての記憶を取り戻した事。  
魚月を犯そうとした事。  
そして、魚月からようやく告白の返事を貰えた事。  
何とも慌しい1日だった。  
(柔らかかったなあ…魚月…)  
魚月の肌の温もりとその柔らかな感触を思い出すと自然に勃起してくるのを感じた。  
(やば…)  
魚月が戻るまでに、何とか戻さないと。  
折角両思いになれたのにこれを見られたらまた変態とか言われるかも知れない。  
(ど、どうする…?)  
今ここで来れば間違い無く、勃起しているのがバレる。  
=魚月に変態呼ばわり→(゚д゚)マズー  
(…マズイ)  
何か魚月以外の事を考えなければ。  
魚月以外の事…魚月以外の…。  
(そう言えば…フィンもとても柔らかい体してたよな…)  
魔王との最終決戦前夜に初めてフィンと体を重ねた時を思い返す。  
あの時もフィンは…とても恥ずかしそうに、でも積極的にアクセスをリードした。  
(柔らかい手で、しごいてくれたんだっけ…いや、しごくだけじゃなくて口で…)  
「…ってこれじゃ考えてる事が殆ど一緒じゃないか!」  
自分で突っ込み、思わず立ち上がる。  
トイレを借りて処理する方が早いかも知れない。  
 
だが…。  
「ごめんねー」  
パタパタと軽快な足音を立て、魚月が入ってくる。  
心時は慌てて中腰になり、魚月に背を向ける。  
「お、おおおお、遅かったじゃないか」  
「?何やってんの心時」  
「べ、別にっ?何も!」  
不自然な心時の姿勢に魚月が首を傾げる。  
「何か隠してない?」  
「べ、別に。何でもないって言ってるだろ!」  
そうは言うものの声が震えている。  
心時は魚月と視線を合わせないようにしながらわざとらしくテレビをつけて話題をそらそうとした。  
「な、魚月、あ、あのさ…」  
「なに?」  
「…やっぱなんでもないわ」  
「?変な心時」  
首を傾げ、魚月が心時をじぃっと見る。  
居心地が悪そうに心時は視線を逸らし、口笛を吹き始めた。  
 
(…あやしい)  
「何か、隠してるでしょ?」  
「べ、別に…(ドキドキ)」  
「嘘。目を見ればわかるよーだ!何を隠してるの?」  
ずずいと魚月は心時の横に座り、心時に詰め寄る。  
(わっ!バカ、そんなにくっついたら…)  
内心ヒヤヒヤとしながら心時が少し離れる。  
がしっと魚月は心時の腕を掴むと、顔を近付けた。  
「何をそんなに隠してるの?」  
声と顔は普通だが、目が笑っていない。  
「や、やだな魚月。俺、なんか隠してるようにみえる?」  
「うん」  
間髪入れずに魚月は頷く。  
「別に何も隠してないってー…」  
そう言い、中腰のまま心時が後ずさる。  
「待 ち な さ い よ」  
掴んだ手に力をこめて魚月が近寄る。心時は再び後ずさろうとしたが――。  
「何をそんなに必死に隠してるの?気になるじゃない!」  
「あっ…ばっ!」  
魚月が心時に覆い被さるように詰め寄る。  
瞬間、魚月が凍りついた。  
(っちゃー…見られたか…)  
一人頭を抱える心時と、硬直している魚月。  
「これは、その…」  
言い訳が浮かばない。  
今きっと心時が世界で一番情けないかも知れない。  
「魚月、その…俺…」  
「……」  
少しも魚月は動く様子がない。  
「魚月?」  
どうした、と聞こうとした瞬間魚月の手が心時の股間にのびた。  
 
「なっ…」  
「心時、なんでこんなになってるの…」  
魚月の息が心時の頬にかかる。声が震えている…。  
「な、つき…」  
「ねえ、何を考えてこんなになったの?」  
ゆっくりとズボン越しに撫で始める。  
(やだ…私なにやってるんだろ…こんなこと…でも…)  
自分ではどうすることも出来ないほど興奮している。  
「ねえ、教えて?心時」  
「魚月こそ何考えてるんだよ…変だぞ」  
自分で言いながら不意に心時はおかしくなった。  
――自分だってさっき魚月を犯そうとしたくせに。  
「私の質問の方が先だよ」  
「っく…」  
魚月の手が心時の最も弱い所を攻める。  
「凄いよ、びくんびくんってしてる…」  
「やめっ…っ」  
――これじゃ立場が逆だ。  
「ね、何を考えてこんなになっちゃったの?」  
魚月が軽く心時の耳を噛む。  
「ふっ…」  
ぴく、と身体が反応するのが憎い。心時は負けじと魚月の首筋をそっと撫でる。  
「やっ!」  
「魚月の肌が白くて、綺麗だから俺…」  
首筋に這わせた指をそっと上下させる。触れては離れ、離れては触れるような繊細な動きで。  
「…んっ」  
魚月の手が止まった。何かに耐えるように唇を噛みしめている。  
「魚月は敏感だな…」  
「やっ…そんなこと、ない」  
首を振り否定するが心時はうそつき、と呟いた。  
 
「昔から素直じゃなかったからな――魚月は」  
魚月のシャツを一気に胸元までたくし上げると白い下着ごと魚月の乳房を両手で揉み始める。  
「や、恥ずかし…ん!」  
突然の事に抗議する前に心時が魚月の唇を塞ぐ。  
(この態勢…結構辛いな…)  
少し背中と腰が痛い。なんとかして態勢を変えなければ。  
「ふ、むっ…むぅぅっ…」  
(私…心時にされてるんだ…心時に――)  
きゅん、と胸が熱くなってくる。嬉しいからか、苦しいからか、涙が溢れてきた。  
両手でこねるように動かしたかと思うと優しく包み込むように下から揉む。  
時には親指で乳首を弾いたり、摘んだりしながら動きに変化をつけていく。  
「むぅっ…ぷはっ…」  
長い接吻を終え、唇が離れ――潤んだ魚月と心時の視線がぶつかった。  
「…好き…」  
今度は魚月から心時に唇を重ねる。心時も目を閉じ、魚月の髪を撫でる。  
――俺もだよ、魚月。  
唇が離れると心時もおかえしにとくちづけをする。  
何度も何度もそれを繰り返し、お互いの気持ちを伝え合う。  
唇が、指が触れ、重なる度にお互いの想いが流れこんでくる。  
二度と――もう二度と離れたくない――あの時のように。  
 
「心時…」  
何度目かの接吻の後、魚月が心時の手を握った。  
「約束してね。ずっと離れないって…ずっとずっと傍にいて護り続けてくれるって」  
「当たり前だ…俺は、魚月が嫌って言ってもずっと一緒に居るよ」  
その言葉に安心したように魚月が笑う。  
「うん…ねえ、心時」  
「なんだ?」  
「私、心時と一つになりたい。心時に抱かれたい」  
「…魚月は、いいんだな?」  
「ここまでしておいて、聞く?」  
胸元までめくれたシャツにずれてしまっている下着。  
「それもそうだな」  
苦笑し、心時が魚月の頬に優しくキスをした。  
 
テレビを消し、魚月の部屋へと向かった。  
さすがに居間でするのは二人とも躊躇したからだ。  
部屋のドアを開け心時を魚月は招き入れる。  
――魚月の部屋に入るのは何年振りだろうか。  
小さい頃は良く一緒に部屋で遊んだりしたのに、成長するにつれて別々に遊ぶようになっていた。  
机の上に飾られた写真を見て心時は少し嬉しくなった。  
小さい頃の魚月と自分の写真…。  
もう心時は目の前の魚月が愛しくてたまらなかった。  
「魚月…大好きだ!」  
後ろから魚月を抱きしめる。  
「あっ…」  
ビク、と魚月の身体が固くなった。  
「大丈夫だよ、魚月。出来るだけ俺、優しくするから」  
心時はあくまでも優しく魚月の身体を愛撫していく。  
乱暴にならないように、魚月が恐がらないように。  
「ふっ、う…」  
「魚月、脱がせていい?」  
「ん…」  
こく、と魚月は頷くと自分で服を脱ぎ始めた。  
 
「……」  
ごくりと心時が息を呑む。  
魚月はぼうっとした顔で下着を残して服を全て脱いだ。  
「えっと…ブラは、心時が外してくれるかな…」  
恥ずかしそうに俯きながら魚月が言うと、無言で心時は頷きブラをはずそうとし…心時は硬直。  
(どう外すんだ、これ…)  
「…心時?」  
「……」  
心時の様子に魚月も悟る。  
「こうやって外すんだよ」  
魚月が自分の手を心時の手の上に添えて説明する。  
「おお…」  
(なるほど)  
説明通りに指を動かし、外す。するっと腕から抜けた肩紐は魚月の肘で止まる。  
(脱がされ、ちゃった…)  
すう、っと乳房が外気に触れたのを感じ、目を伏せた。  
「……っ」  
魚月は震える手でぎゅっと心時の手を握る。  
「…優しく、してね?」  
「お、おう」  
 
一応頷いたものの、自信は無い。  
今すぐにでも理性は飛んでいきそうなくらいに興奮していた。  
そっと指先で乳房に触れる。思ったよりも柔らかくて、温かい。  
「ふっ…」  
ぴく、と魚月が腕の中で震える。  
(俺、魚月の体に今触れているんだ――)  
股間がズキン、ズキンと痛むほど熱くなっている。  
本当は愛撫せず、今すぐにでも魚月の中へと挿れたい。  
だが――それではお互いの気持ちで一つになることにはならない。  
「な、つき…」  
興奮のあまり声が枯れる。  
「なに…?」  
お互いの呼吸が荒い。  
 
「大好きだ」  
言葉と同時に、魚月の両乳房を下から持ち上げるように揉み始める。  
「あっ…」  
ビク、と魚月が身を竦めた。  
(心時――)  
言葉を掛けずに耳朶を軽く噛む。  
「ん、ん…」  
手の中にしっかりと魚月の体温と柔らかさを感じる。  
潰さない程度に力をこめ、ゆっくりと揉む。  
「く、ふ…」  
(魚月の、体温…)  
温かな、魚月の身体。  
小さい時からずっと見守ってきた彼女を今抱こうとしている。  
「ふ、う、ぅん」  
手が動くたびに魚月が甘い声を漏らす。  
顔は見えない事が余計に心時を昂ぶらせる。  
――今一体どんな顔で、どんな気持ちでいるんだろ。  
「…魚月」  
「なに?」  
「俺のもさわって」  
 
かすれた声で囁くと魚月の手を自分の股間へと導く。  
はっきりと形がわかるほどに――硬くなっていた。  
「あ…!」  
「魚月に俺のをさわって欲しい」  
(どうしよう…)  
手の中でビクン、ビクンと脈打っている。  
(心時の…かたくて熱いよ…)  
耳に心時の息がかかる。  
(心時も私と同じ…同じくらい興奮してるんだ…)  
ごくん、と魚月が喉を鳴らす。  
「ね、心時…」  
(私、何を言おうとしてるんだろ…)  
「床に、寝て?」  
「…?」  
言葉の意味を理解出来ない心時に恥ずかしそうに魚月がもう一度言う。  
「床に、あお向けになってくれないかな…」  
もぞもぞと慣れない手つきで心時のをズボン越しになぞる。  
「あ…うん」  
何となく言葉の意味に気付き、心時も頷くと魚月の体から離れると上だけすべて脱ぎ、  
魚月の言葉通りに仰向けで床に寝そべる。  
「これでいいのか?」  
「うん…ね、目、とじて」  
「あ?ああ…」  
素直に従い、心時は目を閉じた。  
 
(なんか、魚月にリードされてるな俺…)  
暢気に考えていると、ズボンのジッパーを下ろす音が聞こえた。  
(……おおう)  
目を閉じているせいか、下着から自分のが取り出されるのをはっきりと感じる。  
(魚月積極的だな)  
などと妙な感心をしているとすぐに柔らかい粘膜の感触がした。  
「っく…」  
魚月の唇が心時のを口に含む。  
ちゅっ…ちゅぱっ…  
「な、つき…」  
口の中からすぐに出し、柔らかくしっとりと濡れた唇で先端をこすられる。  
――ゾク、とした。  
「ん…」  
(あ、心時やらしい顔してる…)  
魚月は先端を少しだけ含み、歯を立てたり軽く吸いながら指でカリから根元をなぞる。  
(フィンの時もこうやってアクセスのいじったんだよね…)  
前世のおぼろげな記憶を元に心時のを弄くる。  
「絶対、目を開けないでね…」  
目を閉じてもらったのはきっと今一番いやらしい顔をしていると思ったからだった。  
そんな顔を見たら嫌われるかもしれない。  
魚月自身、もうショーツが冷たくなる程濡れているのを感じている。  
「お、おう…」  
ちゅ、と軽くキスをするように唇で触れては離れる。  
「絶対、目を開けないでね…」  
もう一度強く念を押すと魚月は心時の顔の上に自分の股間を近付ける。  
「っ…!」  
むっとした匂いが心時の鼻をついた。  
すぐに、魚月がどうしたかを悟ると心時は目を開けた。  
 
(うわっ…魚月の…魚月の…)  
薄い布地越しにはっきりと形がわかるほど濡れている。  
ごく、と唾を飲み込むとそろーっと手を動かす。  
「見ないでね…」  
すでに目を開けているのに気付かない魚月はそう言うと心時のモノを口の中いっぱいに頬張った。  
ちゅうっ…  
強い力で吸い上げられる。  
「くっ…」  
(俺だってやられっぱなしでいるわけじゃないっ!)  
目の前の魚月のショーツに手を伸ばすと透けて見える割れ目を押し広げる。  
「っ?!」  
(え、なに…)  
突然の行動に慌てる魚月にかまわず心時は少し顔を上げ、吸い付く。  
ちゅううっ  
「むぅうんっ!」  
びく、びくと魚月が反応する。  
「んぱっ…ちょっと、心時…んぁあああっ」  
口を離し魚月が抗議しようとしたが心時の愛撫で言葉にならない。  
吸う、軽くかむ、中へ舌を挿し込む…。  
「や、や、だぁめぇっ…」  
びくん、びくんと初めての感触に体を震わせ、静かに首を振る。  
「だめ、だめっ…汚いよっ…シャワーだって浴びてないんだよ、だめっ…」  
誰にも触られたことのない場所。それを今、心時が触っている。  
――だめ。  
(おかしくなっちゃうよ…)  
 
泣きそうな声でだめ、だめ…と抵抗するが心時の舌は遠慮もなしに中をかき回していく。  
「う、うぁっ…う、くぅんっ…だめ、だめだよぉっ…」  
もう心時のモノを弄くる余裕は無くなっていた。手で握り、快楽に身を震わせる事しか出来ない。  
「魚月、口がお留守になってるぞ」  
魚月自身から唇を離し、今度は指で割れ目を形になぞってそーっと撫でる。  
上から下へ、下から上へ。  
「ん、ふ、んんんっ…」  
指が軽く触れるだけで愛液と魚月の柔らかい襞が絡みついてくる。  
「や、だっ…て…」  
はぁ、はぁと肩で息をしながら抗議するように心時を見る。  
「目を開けないでって言ったのに…」  
「…先にしたのは、魚月だろ…」  
すねたように言うと、心時は魚月のショーツを膝まで下げる。  
「あっ…!」  
(だめ!見えちゃうっ…!)  
慌てて心時の手を押えようと思ったが遅かった。  
部屋の空気がひんやりと露になったそこを刺激した。  
「うぅっ…」  
誰にもまだ見せた事の無かった魚月自身がとうとう心時の目の前に晒されてしまう。  
「やだぁ…見ないで…」  
必死に太腿を擦り合せ、なんとか見えないように動くが結局無駄な努力だった。  
 
自分から上に乗った手前、これ以上何も言えない。  
「……」  
無言のまま、心時が魚月のそこを視姦する。  
(やだ、やだ…なんでそんなに見るの?心時のばか…変態…えっち…)  
口に出して罵倒したかった。でも、見られるだけなのに下半身ががくがくして全身が言う事をきかない。  
唇も何かを言いたいのにはぁ、はぁ、と呼吸しか出来ない。  
「魚月のここ、すごく綺麗だ…」  
それだけ言うと心時が魚月の秘裂を広げる。  
中からとろーっと愛液が溢れ出てきた。  
「…っ!」  
いや、と小さく呟くと恥ずかしさで涙が零れた。  
「魚月がどう思ってるかわからないけど…俺だって我慢の限界が、あるんだからな…」  
(散々焦らされているんだし…)  
小さく呟くとしっとりと濡れたそこへ指を挿し込む。  
「んっ…あ…」  
くちゅ、っと音がする。  
(心時の、指…入ってきた…)  
「ん、ふ…」  
少し遠慮がちに入ってくるとゆっくりとした動きで中を探る。  
「痛くないか?大丈夫?」  
(って自分で入れておいて聞く言葉じゃねーな…)  
苦笑しつつ熱くなった魚月の中で指を動かす。  
「う、ん、だいじょ…ぶ」  
「…ん」  
(濡れてるから二本行けるかな)  
もう1本指を中に入れてみる。  
 
「いたっ…」  
「ご、ごめん!」  
慌てて指を引き抜く。  
「この体でするの初めてだからあんまりうまくなくてごめん。痛かったか…?」  
申し訳なさそうに謝る心時の姿妙におかしく見えた。  
「ふふっ」  
「なんだよ」  
「だって、心時初めてなんでしょ?だからうまくなくて当たり前だよ。  
私だって初めてだし…それにね」  
魚月は心時の体から離れると心時の横に顔を向けたまま横たわる。  
「えっちがうまくないならこれから一緒にうまくなろうよ。  
こう言うのって、うまい、うまくないだけじゃないと思うんだ…」  
心時の手をとると魚月が笑って自分の手で包む。  
「…魚月…」  
「好きだよ、心時。大好きっ…」  
「魚月っ!」  
名前を呼び、魚月の上に乗るとそっと魚月の唇に自分の唇を重ねる。  
――ゆっくりでいいよ、ゆっくりでいいから二人でいっしょに歩こうよ。  
唇が離れてもお互いを見つめたまま、手を握る。  
「何があっても、魚月を幸せにするから」  
囁き、魚月の髪にくちづけをするとスカートの中に手を入れる。  
 
「ぁ…」  
すっかり熱くなった魚月のそこを指先でそーっとなぞる。  
「ん…ふ…」  
ぴくん、と小さく震える。  
「ごめん、魚月…俺…」  
魚月の中へ指を入れると中をかき回すように動かし始める。  
「んああぁぅ!」  
ぐちゅ、ぐちゅっ…  
「俺、魚月の中に入れたい…」  
「…入れる、の?っあ…」  
中に入れた指に襞と愛液が絡みつき、いやらしい音を立てる。  
「入れたい…」  
「うん、いいよ…心時の、私のあそこに入れてっ…」  
「魚月…」  
(なんかすげーエロエロだ…)  
ごくん、と息を呑むと心時は指を引き抜き魚月の足を広げる。  
緊張した顔で魚月の割れ目に自分のモノを押し当て、魚月の顔を見る。  
「…初めてなの…」  
心時の手に自分の手を重ねて小さな声で魚月が呟く。  
「…心時だから、いいの…」  
「魚月…」  
魚月の手が微かに震えている。  
「好きだよ――俺も、魚月だから抱きたいと思ってるんだからな…」  
恥ずかしそうに囁き、ぐっと腰を前に出す。  
「うっ…ぅ」  
中に少し、入ってくる。  
――熱い鉄の棒が入ってくるみたい。  
びくんびくんと心時の震えているのがわかる。  
(…心時と一つになるんだ)  
心時の背中に手を回し、そっと目を閉じ全てを委ねる。  
「……っ」  
自分に全てを委ねる魚月が愛しくて、まだ少ししか入ってないのにもう出しそうだった。  
 
「好きだっ…」  
言うと同時に一気に腰を突き出す。  
「ぅああっ!」  
ぎゅぅぅっと心時の背中に回した手に力がこもる。  
――はい、る…!  
息苦しくて――中を圧迫される。身体が痛い。  
「ぅ、あ、あああああああああーーっ」  
一気に根元まで入れると息を吐いた。  
(入った…)  
心時の頬を流れる汗が下にいる魚月の顔に垂れる。  
(熱い…)  
もう出しそうだ。  
魚月と一つになっている――それだけの事で、身体が自分のものじゃないかのように熱くなる。  
(魚月大丈夫か…?)  
ふ、と魚月の顔を見るとぼーっとした顔をしていた。  
両目から涙を溢れさせている。  
「魚月…?」  
ぽろぽろと、透明な雫が零れる。  
「な、ななな魚月っ」  
(やっぱり痛かったかな…や、相当痛いだろうな…ど、どうする…)  
――どうするって考えても、仕方ないよな…。  
反応がない魚月の頬に軽くキスをし、耳元で優しく囁く。  
 
「魚月、痛い思いさせてごめん」  
今の自分の気持ちを素直に伝えるだけ。  
「でも、俺――魚月のこと好きだから」  
魚月の乳房を揉む。少しでも痛みが和らぐように――。  
「愛してる」  
唇を重ね、魚月の身体を愛撫する。  
軽く乳首を摘んだかと思えば指で擦ってみたり。  
「ぅんっ…ん」  
痛みが少しずつ、和らいでいく。  
「…心時…」  
苦しそうに、息を吐いて魚月が呟く。  
「好きだから…もっとして、いいよ…動かしていいよ」  
――痛いけど、我慢なら出きるから  
にっこりと笑って心時の頬にキスをする。  
「心時、好き…」  
好きだから、少しくらいの痛みなら我慢出来るよ。  
「…ばか。俺だけ気持ち良くなっても仕方ないだろ。魚月も、気持ち良くなってくれなきゃ…意味ないだろ」  
「え?でも…」  
心時が笑って結合部へと手を伸ばす。  
ぬる…と感触がした。  
(…?)  
見ると魚月の愛液と、破瓜の血とで濡れている。  
(魚月、痛いだろうな…)  
ごめん、と心の中で謝る。もう少し魚月を気遣ってもっと愛撫して入れるべきだった。  
「出来るだけ痛くしないからな…」  
 
そっとその少し上のクリトリスを指で摘むと優しく指でこすり始める。  
「んっ…ちょっ、だめ…そこ、だめなの」  
「何がどうだめ?」  
意地悪そうな顔で心時が聞く。魚月は顔を俯けて「だめったらだめ!」と答える。  
「だめってことは…ここ、弱いんだな」  
きゅ、と少し強く摘んでみる。  
「やあっ…!」  
びくん、と魚月が震え、中が少し締まった。  
「感じてるんだ」  
わざとらしく言うと恥ずかしそうにしている魚月の耳を噛み、また指で挟むようにこする。  
「ひぅっ、や、だ…」  
指の動きに合わせ、心時はゆっくりと腰を動かす。  
「うぅっ…ん」  
身体を貫かれる痛みと――最も敏感な場所を弄られ、体奥が痺れてくる感覚とで魚月はどうにかなりそうだった。  
「う、っく…ん、んん、んぅう」  
(痛い筈なのに…痛いのに、身体が熱いっ…)  
ゆっくりと、だが少しずつ心時は動きを早めていく。あくまで愛撫の動きに合わせて。  
「ん、ぁ、ん、ん…」  
貫かれ揺さぶられる度に魚月の髪が乱れ、額に浮かんだ汗が流れ落ちる。  
「魚月の中…きつい…」  
上ずった声で心時が囁く。  
「ばか…」  
中で心時のが固くなっているのがはっきりとわかる。  
 
「本当言うと、結構限界なんだ…」  
眉をひそめて心時が魚月を見る。  
「…出しそう?」  
「…かなり…」  
でも、と魚月の腰を抱えると心時はより密着するように身体を近付ける。  
「少しでも魚月に気持ち良くなって欲しいから…我慢する」  
「いいんだよ、最初は痛いって友達が言ってたし」  
「でも…」  
渋る心時の背中を軽く叩く。  
「次から、もっともっと気持ちいいこと、してくれればいいから」  
(気持ちいいことって…)  
びくびくっと魚月の言葉に心時のモノが過剰反応する。  
「あ、動いた…」  
くすくす、と魚月が笑う。  
「……魚月がエロエロなこと言うからだろ…」  
顔を真っ赤にして呟くと腰を動かし始める。  
「…次からは、もっと今より気持ち良く出来るように勉強してくるからさ…」  
「う、ん…っふ…」  
返事をしようとして、声にならなかった。  
――あ、繋がってる。  
心時が動く度に少しだけ抜けて、また中に入ってくる。奥の深い所を突いては離れる。  
 
「ふ、う…」  
考えれば単純な動きの繰り返しなのに、魚月は痛みよりも快楽よりも――幸せを感じていた。  
こうして、痛みも気持ち良さも感じるのは心時と繋がっているからなのだと、そう思えるから。  
「う、ん、ん、んっ…んあぁあ、あ、あ、あ…」  
ずぷっ…ずぷっ…  
抜いては、奥を突く。  
肉襞をかき回す音と二人の呼吸だけが部屋に響く。  
「ん、はぁ、あ、あ、あ、あああ。あ、あああっ」  
苦しそうな、それでいて恍惚とした表情を浮かべ、魚月は心時の身体に自分の身体を押し付ける。  
より密着出来るように――もっと一つになれるように――。  
「好きっ…好きなの…心時が、す、きっ…」  
途切れ途切れにいいながら心時の唇に自分の唇を重ねる。触れた唇からそっと舌が口の中へと割り込んできた。  
唾液と舌を絡ませ――心時が魚月のを突く。  
「んぷっ…んぱぁっ…」  
お互いの唾液を嚥下した瞬間唇が離れた。  
「く、っ…」  
心時の動きが少しだけ速くなった――と思った瞬間、動きが止まった。  
「んっ…!」  
びくん、びくんと心時自身が震えたかと思うと魚月の中に熱い精液が注がれた。  
「あ、あぁ…出てる…」  
「魚月…魚月ぃ…」  
 
どく、どくっ…  
 
沢山の量が中に溢れてくるのを感じ、魚月は目を閉じた。  
 
 
――どれくらい経っただろう。  
繋がったまま二人は暫くそのままで居た。  
やがて魚月に覆い被さっていた心時はゆっくりと魚月から自分自身を抜いた。  
「あ…」  
精液が糸を引いていた。  
こぽっ…と音を立てて魚月の広がったそこから、大漁の精液と愛液と血が混ざりながら溢れ出た。  
「…離れ、ちゃった…ね…」  
ぼうっとしたまま魚月が呟く。  
「…ああ」  
心時も少しぼうっとしたまま頷く。  
「……でも、ずっとこれからは一緒、だろ…」  
心時が魚月の手を握る。  
「うん、そうだね…」  
すっ、と魚月の頬に手をあてる。  
「魚月…愛してる…」  
「うん…私も、だよ…」  
目を閉じた魚月の唇に、もう一度唇を重ねる。  
 
――二度と離れない。  
 
同じことを繰り返すのではなく…。  
これからは前の生で見つけられなかった楽しい事、辛い事をいっぱい二人で感じたい。  
心から、そう思う。  
 
魚月は心時の手を握ると、もう一度呟いた。  
 
「大好き…」  
 
静かに閉じた目から一粒の涙が零れ落ちた。  
 
――幸せに、なるからね。  
 
兄に殺された久ヶ原魚月としての生。  
アクセスとの約束を守る為に堕天の道を選んだフィンフィッシュとしての生。  
どちらとも違う道を今は歩んでいける。  
そばに大切な人が居るから――。  
微かに感じる、風。  
きっとこの風の中を彼となら歩いていける。  
自分の過去を受け入れ、どちらとも違う自分が居るから。  
同じ苦しみを知る彼が居るから。  
 
二人で一緒なら、きっと大丈夫――。  
 
繋いだ心時の手の温もりを感じながら魚月はゆっくりと眠りに落ちていった。  
 
「…また寝た…」  
心時は苦笑しながら眠ってしまった魚月をベッドに寝かすと服を整えた。  
そしてそのまま、ベッドにもたれたまま目を閉じた。  
魚月との手は繋いだまま――。  
ようやく魚月と想いが通じ合えた幸せと、これから何が起こるかわからない不安と。  
でも今は心時も睡魔に襲われていた。  
 
次に目覚めた時は新しい何かが始まっている筈。  
今は夢を見て――少しだけ休もう。  
今日一日は色んなことがあったから。  
 
明日は、きっと今日よりもいい一日になりますように。  
 
 

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