役員会議も終わった夕方の生徒会室。  
私は残った仕事を片付ける高成様を待つため、ビロード張りのゆったりとした椅子に腰掛けた。  
電気はもう消してある。  
夕日のみが照らす薄暗い部屋の中、その気はなかったのにいつの間にか眠ってしまっていた。  
 
 
 
「灰音」  
優しい声で起こされた。  
「あ…高成様!ごめんなさい、私、寝てしまって…」  
「ありがとう、疲れてるのに待ってくれて」  
目を細めて笑いながら高成様はおっしゃるけれど、高成様の方がよっぽど疲れた顔をなさってる。  
高成様は、私の隣の椅子に腰を下ろして小さく息をついた。  
少しだけ、休憩してから帰ってもいいかもしれない…。  
大きな窓の外には夕闇が目前まで迫って来ている。  
秋の空はあっという間に暗くなるだろうけど、車で帰るのなら関係ないわ。  
それに、人前で疲れなんておくびにも出さない彼が、私の前では、きっと私の前だけでは、  
そんな姿を見せてくれるんだってことを再確認したかったから。  
 
「眠っても、いいですよ。今度は私、起きてますから!」  
自分でも少し不安になりながら言ってみると、高成様はクツクツと笑って私の申  
し出を辞退なさった。  
「信用できないな」  
言葉だけだと冷たいようだけど、その声からは愛情を感じ取れる…っていうのは  
自惚れではないはず。  
「高成様、ひどいですっ」  
「だって、灰音、絶対寝るだろう。朝までここで過ごすなんて耐えられないから  
な」  
 
耐えられない!  
どういう意味ですか?  
いくら座り心地はいいとはいえ、一人掛けの椅子で寝るなんて、ということ?  
それとも…?  
 
自分に都合のいい解釈を考えて、私はきっと赤面してしまっている。  
夕方でよかった。電気を消しておいてよかった。  
でも、吐息以外は聞こえない静かな部屋の中では、高鳴る鼓動の音は隠せないか  
もしれない。  
何か、口に出さなくちゃ。焦るけれど言葉がみつからない。  
こんな沈黙、やめて!  
「灰音…」  
高成様の顔が近づいてくる。  
あ、キスされるかも。そう思って目を閉じると、同時に唇が触れた。音もしない  
ような軽いキス。  
「あ…」  
 
もっと欲しいと思ってしまった。  
なんていやらしい灰音!  
でも、これじゃ物足りない。いつかみたいな激しいキスが欲しいの。  
そして熱いキスの後には、もっとすごい事…  
 
初めて抱かれた夜を思い出して、私の身体はほてり、  
熱いため息をつかずにはいられなくなってしまった。  
 
「あぁ…高成様」  
「どうした、灰音」  
「…も」  
「ん?」  
高成様はひどいひと。優しいのは昼間だけよね。  
夜空の幕が下りたら、学園の皇帝じゃなくて私の甘くていじわるな恋人。  
「もっと…キスしてください…」  
目を合わせてはとても言えない。本当はどうしてほしいのかも言えない。  
こんないやらしい灰音はぎりぎりまで隠しておきたいから。  
 
私の言葉を待っていたかのように、性急なキスの嵐。  
私は椅子の背に押し付けられ、身体がくねって腰が前にずれて行ってる。  
キスの感触はそのまま一番奥の敏感な部分の痺れに変わり、  
そこをさらけ出すために自然と開いてしまう私の膝を高成様の脚が割る。  
「ん、はぁ…」  
唇が塞がれて息がうまくできない。  
早く、早く解放して。  
そう思って首を振ると高成様はわかってくれたのか、私の唇は解放された。  
そしてその代わりに、期待通りに、キスは首すじにおりていく。  
リボンがほどかれ、ジャケットの前がはだけられ、次々に露わになったそばから私の肌は高成様に吸われていく。  
時たま「灰音」と悩ましげな声が聞こえると、肌から奥へ伝わる快感が増幅するのがわかる。  
私は感じるままに高成様の名前を叫び、喘ぐのが精一杯になってくる…。  
 
私のアソコはじんじんと熱くなり、もうパンティがぐしょぐしょに濡れているのがわかる。  
そうしたら、次は私の方から「お願い」をする番。  
「あっ…あ、高成様…ぁ、おねがい、です…」  
「…わかった」  
高成様が私から口を離す。  
私は息を整え、  
「そっちの椅子に…」  
と高成様をうながして椅子に座っていただいた。  
ここからが大切な「お願い」。  
私の中に高成様を入れてもらうために必要な…。  
ズボンの上からでももう高成様は大きく膨らんでいるのがわかった。  
チャックを下ろし、薄水色のトランクスから高成様をとりだした。  
「もうこんなに大っきいです…。これを、灰音の口でくわえさせてください」  
そう言って大きく口を開け、高成様をほおばった。  
まだ慣れない匂いにしみ出る液の苦い味。  
それでも一生懸命なめるわ。高成様に気持ちよくなってほしいから。  
そして私も気持ちよくなりたいから…。  
 
全体を両手で支え、くびれを、それから裏筋にそって舌を這わせる。  
上の部分をくわえ込み、くびれに優しく歯を当てて、舌の先で天辺を刺激する。  
何度も教えてもらった高成様の好きなやり方で、高成様を愛する。  
「はかあぃ(高成)ひゃま…」  
「灰音、いいよ」  
誉められると嬉しくて、もっとがんばりたくなる。  
唾液をからめて全体を出し入れし先っぽを強く吸うと、高成様が小さく呻くのが聞こえた。  
 
「灰音、もうすぐ入れてあげるから準備を…」  
「はぃ」  
 
高成様をくわえたまま、最後のための準備をするのは頭がおかしくなりそうなこと。  
私は片手でパンティを下ろし、愛液でとろける自分のアソコに指を這わせた。  
おそるおそる中指を侵入させるとすんなり入った。  
「ぁん…っ」  
ゆっくり出し入れすると、さらに熱いものが吹き出てくる。  
もっと太いものが欲しいから人差し指も入れた。次いで薬指も。  
全然足りない。  
「高成様、私、もう…」  
「わかった、灰音」  
高成様への愛撫はとっくに疎かになっていたけど咎められる事もなく、支えられて立つよううながされた。  
「おいで、灰音。」  
椅子に座った高成様が両腕を私の脇の下に入れて抱きかかえる。  
私は高成様の膝に座り、そびえ立つ高成様の上に自分をあてがった。  
 
「あぁぁ…っ」  
私のアソコは難なく高成様を受け入れた。  
熱い所に熱いものを打ち込んだから、体中が熱くてたまらない。  
「灰音…灰音」  
「ん…ぁ、やぁん」さっきまで平気な顔をしてた高成様が必死に腰を動かしている。  
その度に高成様が私の中の違う所に当たって、擦れて、たまらない。  
「どんどん溢れてくるな、灰音…」  
繋がっているところの液体が音を立てている。わかってるわ。  
「言わないで、くださ、ぁっ!」  
高成様が私を抱えたまま立ち上がり、私の身体を机の上に落とした。  
「ひゃ…」  
「こっちの方が動けるからな」  
「そんな…あ、あーっ!」  
机はちょうど高成様の腰の高さで、上を向いた高成様の先端が仰向けになった私の中の、お腹側を容赦なく攻める。  
スポットに当たり、もう声も出なくなって涙が流れた。  
頭の中は真っ白で、神経は高成様と繋がっている部分にしか通ってないみたい。  
スポットに当たるたびに登り詰めてついに弾け、私は痙攣しながら気を失ってしまった。  
遠くで高成様が私を呼ぶ声が聞こえて、私の中に注ぎ込まれる高成様を感じた気がした……。  
 
「……」  
「高成様…」  
 
「灰音!大丈夫か?その…すまなかった」  
赤い顔をした高成様が心配そうに私を見下ろしていた。  
一瞬遅れて、私達がさっきまでしていたことを思い出した。  
下着は替えがないから濡れたまま。  
「あっ、私…大丈夫ですっ」  
私が横になっているのは私室のソファー。ここまで運んでくださったの?  
起きあがると、ふわりと抱きしめられた。  
「高成様、私…」  
「どうした?」  
顔は見られたくないから高成様の胸にうずめて言う。  
「どんどん…いやらしくなっちゃうんです」  
「……」  
「毎日、高成様と、エッチしたくてたまらないんです」  
「は、灰音」  
高成様の声色が変わって不安になって顔を上げると、高成様はぶっと吹き出した。  
「高成様!?」  
恥を忍んで本音を言ったのに笑われた!  
こんなことって…  
「ひどいですっ」  
「ごめん灰音、嬉しすぎて、つい…」  
よく見れば高成様の顔はさっきより真っ赤になってる。  
「じゃあ、高成様…」  
「灰音も同じ事を思ってくれて嬉しいよ。」  
いやらしい灰音でも構わないんですね!  
優しいけれどとろけたような瞳で見つめられ、また身体が熱くなってしまった私。  
 
もしかして  
 
 
 
高成様もですか?  
 

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