満月は窓にそっと手をかけた。澄みきった夜空に、窓から見えるまんまるいお月様。
(英知くん、逢いたいよ…)
アメリカに旅立った恋人は、優しくて暖かい人だった。明日も明後日もずっと一緒だと思っていたのに。渡米する前日も、この部屋で一緒に星を見ていたというのに…
今は、月に想いを託すことしかできない。
(あの夜、英知君と此処で…)
ふと、英知君が渡米する前日のことを思い出す。
汚されてしまった思い出。だけどとても嬉しかった、あの忘れられない日の事を…
英知は想いをこらえきれずに、満月を抱き締めた。
「えいち…く…?」
満月は驚きを隠せないでいる。英知はそっと口を開く。
「満月、君が好きだ」
「うん♪私も英知君のこと好きだよ」
「違うんだ…!僕は君を妹みたく思ってるんじゃないんだよ!」
「愛しくて…苦しいんだ!」
英知は満月の腕を掴んでぐいっと引き寄せた。
「えい…」
満月の言葉は英知の唇でふさがれた。
初めての、キス。
「ふっ…」
息ができなくて苦しい。
わけがわからない。
満月はぎゅっと目をつむった。
(こんなの…嫌…)
英知は、唇を離すようにして舌を絡めてきた。
「…!?」
その行為に満月は驚いて、思わず顔を背けた。でも英知は強い力で離さない。
英知の唇は満月の小さな唇をしゃぶる。ぴちゃぴちゃと音がして、お互いの唾液が行き来するのがわかる。
「ふ…」
(こんなの嫌なはずなのに、なんだろう?)
満月はよくわからないが、だんだんとろんとした甘い感覚に溺れていった。
「満月…」
英知が切ないような甘い声で言う。唇を首筋に這わせる。
「…は…んっ…」
満月がかすかに反応する。
首筋、肩、さこつにキスの雨を降らせる。
満月はこの行為自体が何だかも知らなかった。
心が英知君でいっぱいで、満たされたような気持ち良さだけを感じていた…
英知はむさぼるように唇を這わせながら、満月のキャミソールの肩をはずした。
「あ…っ」
思わず声がもれる。
下着をはずし、満月のまだ小さいけれどふくらみはじめた胸に優しくキスした。
「はふぅ…」
(恥ずかしい…けど、何だか…)
小さな乳首にそっと舌の先をあてる。
「あんっ…!」
満月はぴくんと反応した。
左胸を撫でるように優しく揉み、右胸の乳首を舌で転がす。
「は…ぁん…ふ…はぁ…あっ…ぁ…」
「満月、気持ち良い?」
「わかんなっ…あっ…ん…」
英知は、
「じゃあこうすれば?」
と言って舌の動きを早くし、強く揉みしだく。しだいに乳首がコリコリと固くなってく。
「えいち…く…ん…あはっ…ん…はぁん…」
「なぁに?」
「わた…し…気持ちっ…いいよ…」
満月は腰が浮くように気持ち良くなっていた。